特集 2015年8月22日

中国のボラード(車止め)が多彩

この日本でもおなじみの、よくある杭を「ボラード」という
この日本でもおなじみの、よくある杭を「ボラード」という
歩行者道路と車の道路をわけるような、車の進出を防ぐような目的の杭を「ボラード」という。役に立つ知識だ。

岸壁に設置してあり、船から投げたロープを括り付けてとめるのが本来のボラードだったのだそうな。Wikipediaありがとう。

このボラードは中国にもある。いや、ありすぎる。

あまりに最近中国でボラードが増殖しているので気になって写真を撮りためた。あの杭がボラードだという名称だとわかったのは、この記事を書き始めてからだ。インターネットありがとう。
変なモノ好きで、比較文化にこだわる2人組(1号&2号)旅行ライターユニット。中国の面白可笑しいものばかりを集めて本にした「 中国の変-現代中国路上考現学 」(バジリコ刊)が発売中。

前の記事:中国の路上で何が売られているのか

> 個人サイト 旅ライターユニット、ライスマウンテンのページ

ボラードオールスター

この1、2年で様々なボラードが行く手を阻むようになった。しかし考え方を逆転してみれば。

中国は世界にたくさんモノを輸出している。きっとボラードも輸出しているだろう。ルールが緩めの中国では、世界のある程度のボラードが見られるのではないか。

そんな風に思えないか。
これが中国でも以前から見ることができたボラード
これが中国でも以前から見ることができたボラード
暖かい南部でみられる自然と一体化したボラード。これもよくある
暖かい南部でみられる自然と一体化したボラード。これもよくある
赤白タイプもよくある。歩道にバイクを入れさせないためか。 それにしても入れない幅ではないし、意図が不明なものが多いのだ。
赤白タイプもよくある。歩道にバイクを入れさせないためか。 それにしても入れない幅ではないし、意図が不明なものが多いのだ。
これが数年前のスタンダードだ。

そしてこれが雨後の竹の子のように急増する近年のボラードだ。
そこまで狭くしますか、というくらいの幅もポイント
そこまで狭くしますか、というくらいの幅もポイント
ボラードを統一せず、地層のようにできたタイミングが想像できるのがユルくていい。おそらく左右のさび付いて茶色くなったのが先で、中間の灰色のボラードが新しくできたのだろう。

自動車はおろか自転車も入れないような隙を作り、にも関わらず中には自転車があり、地下鉄出口前にも紅白のボラードが立っていることにトマソン的な何かを感じずにはいられない。
ボラード増殖のカギをみたり
ボラード増殖のカギをみたり
やはり左右と中央でボラードが建てられた時期が違うようだが、はじめにバイク道をふさごうとし、それでも歩道に入ってくるバイクや車が絶えないので新たに建てた、ないし逆の順番で作ったのではないかと想像は膨らむ。

狭き門を目指せ!

ボラードは、車両の進入を規制するためにある。

ボラードがあればそこで諦めるのではなく、ボラードを建ててもなお車両が進入可能であれば入る。そう、駐輪禁止と書かれた駅前にたくさんの自転車が止まるように。

「杭を建てても車が入る?ならば物理的に車が入らないようにすればいい」

中国では歩行幅の限界に挑む建築物が登場している。
球体のボラード。前をみているとスネで蹴る大惨事がおきることがあり注意!
球体のボラード。前をみているとスネで蹴る大惨事がおきることがあり注意!
「絶対にオートバイ1台Uターンさせない」その気持ちは伝わるが転びかねない
「絶対にオートバイ1台Uターンさせない」その気持ちは伝わるが転びかねない
様々なボラードと一緒にガードマンも立ち、あらゆる車両の進入を許さない
様々なボラードと一緒にガードマンも立ち、あらゆる車両の進入を許さない
車両といえば車にバイクだけではない。屋台も車両のひとつ。屋台ストッパーでもある。
車両といえば車にバイクだけではない。屋台も車両のひとつ。屋台ストッパーでもある。
杭では飽き足らず、虹型を狭くして車を遮る
杭では飽き足らず、虹型を狭くして車を遮る
さらに広告枠を障害物にすることで、広告収入も入って一石二鳥!
さらに広告枠を障害物にすることで、広告収入も入って一石二鳥!
しかし障害物に一休みする人々を見ることが増えた
しかし障害物に一休みする人々を見ることが増えた
ボラードは障害となるだけではなかった。ベンチの少ない中国で小休憩をとれる場をも提供していた。ものに対していい面と悪い面の両側面から見なくてはいけない。

僕の知見は限られている。インターネットで検索すれば、ボラード慣れした中国人を「ギャフン」と言わしめる絶景があった。

紹介したい。
南京にて。ここまでやる必要があるのか
南京にて。ここまでやる必要があるのか
広西チワン族自治区にて。まことちゃんハウスである。
広西チワン族自治区にて。まことちゃんハウスである。

よくなればいいね

昔、中国のバリアフリーを体験するという記事を書いた。目が不自由な人向けの黄色い突起物で通路を示すあの道路が、中国ではまだ中途半端だった、という話を書いた。北京オリンピックの前の記事で、北京オリンピックの頃にはどうなるのだろうと思っていた。

今は、黄色いボツボツの床を見なくなり、歩道は狭くなり、目が不自由な人にはより厳しそうな状況になった。

変化が激しい中国。また5年後には歩行者道路事情が変わっているかもしれない。
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