ひらめきの月曜日 2015年10月19日
 

野球のユニフォームを普段着として使いたい

野球のユニフォームの汎用性を検証します
野球のユニフォームの汎用性を検証します
何かを始めるにあたり、まずはカタチからと道具を揃えてみたもののすぐに熱が覚め、結局ろくに使わない。そんな経験はないだろうか? 

僕の場合は、野球のユニフォームがそれにあたる。
買ってからろくに袖を通していないユニフォーム。このままタンスの肥しにしてしまうのはもったいない。

なんとか普段着としてイケないだろうか?
1980年生まれ埼玉育ち。東京の「やじろべえ」という会社で編集者、ライターをしています。ニューヨーク出身という冗談みたいな経歴の持ち主ですが、英語は全く話せません。

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のせられて買った野球のユニフォーム

友人から「草野球チームを作ろう」と誘われたのが半年前。これを機に、本格的に中年野球を始めようかとユニフォームを買った。しかし雨で初回の練習が流れ、そのまま次回の予定が組まれぬまま今に至る。
そしてユニフォームだけが残った
そしてユニフォームだけが残った
たぶん、友人もそこまで本気で野球がやりたかったわけではなかったんだろう。勇み足でユニフォームまで買ってしまった自分を恥じる。

というわけで、しばらくの間このユニフォームがグラウンドで陽の目を見ることはなさそうだ。

でも、せっかく8000円も出して買ったのだから、このままタンスに眠らせておくのはもったいない。

野球用という先入観を捨てれば、普段着として愛用できないだろうか?
野球は紳士のスポーツというイメージがあるし、見ようによってはフォーマルな雰囲気もあると思う。
こちらはwikipedia「野球ユニフォーム」の頁から拝借した1874年フィラデルフィア・アスレチックスのユニフォーム。蝶ネクタイ? リボン? を合わせるなど、とてもオシャレだ。特に後列の右から二番目の人などは、そのままパーティーにも出かけられそうな紳士っぷり
こちらはwikipedia「野球ユニフォーム」の頁から拝借した1874年フィラデルフィア・アスレチックスのユニフォーム。蝶ネクタイ? リボン? を合わせるなど、とてもオシャレだ。特に後列の右から二番目の人などは、そのままパーティーにも出かけられそうな紳士っぷり
なお、ベースボール創世記におけるユニフォームは、ネルシャツにウールのズボン、麦わら帽子という、それこそ普段着に近い格好だったようだ。
でも、現代のユニフォームはやはり野球の要素が強いな
でも、現代のユニフォームはやはり野球の要素が強いな
会社で着てみると、仕事をさぼって草野球に行こうとしているダメ社員に見えてしまう。本人の気持ちの上ではあくまで普段着として着ているのに、あらぬ誤解を招いてしまうのが辛いところだ。
仕事の電話に対応中。週末のグラウンドを手配する草野球の監督ではありません
仕事の電話に対応中。週末のグラウンドを手配する草野球の監督ではありません
しかし、どうだろう、シャツもきっちりズボンの中に納まっているし、(一度も使ってないから)真っ白で清潔感もある。好感度という視点から見ればプラスの要素しかない。

それでも違和感を覚えるというなら、それはあなたが野球のユニフォームという色眼鏡で見ているからだ。その通り、野球のユニフォームなんだけど。

ちなみに余談だが、野球のソックスは、「トレンカ」という女性用のファッションアイテムに似ている。
こっちがトレンカで
こっちがトレンカで
こっちが野球のソックス。完全に一致
こっちが野球のソックス。完全に一致
おっさんと野球のユニフォーム。汗くさい組み合わせの中に潜む女子力。僕が野球部の高校生だったら自分の足元を見て悶々としてしまい、練習どころではなくなってしまいそうだ。

ビジネス街へ

さて、さっきから何を能書きを垂れているのかというと、この姿で外に出ていくふんぎりが、なかなかつかなかったからだ。
もじもじしていても仕方ない。思い切ってビジネス街のど真ん中に来てみた。ユニフォームで
もじもじしていても仕方ない。思い切ってビジネス街のど真ん中に来てみた。ユニフォームで
スーツ姿のビジネスマンが行き交う平日昼間の東京八重洲
スーツ姿のビジネスマンが行き交う平日昼間の東京八重洲
中途半端に近所を歩いても仕方ないので、東京のど真ん中、八重洲のビジネス街に野球のユニフォームで来てみた。

ビジネスマンが行き交うこの街に溶け込めれば、もはやどこにだって出かけられるだろう。

だが、現実はそう甘くはなかった。
その溶け込めなさたるや!
その溶け込めなさたるや!
スマホをいじってビジネスマン風を装ってみても、まぬけさが増幅されるだけだった
スマホをいじってビジネスマン風を装ってみても、まぬけさが増幅されるだけだった
たとえるなら、戦国武将が現代にタイムスリップしてきたような、そんな違和感。ひとり違う時空を生きているような、ものすごい場違い感が写真からも見てとれると思う。
いたたまれなくなって場所を移動、電車に駆け込みスチールを決めた
いたたまれなくなって場所を移動、電車に駆け込みスチールを決めた
遠征に行く部員を引率する監督を装い、やり過ごす
遠征に行く部員を引率する監督を装い、やり過ごす

野球以外のスポーツウェアとしての可能性

ビジネスシーンにユニフォームは、いささかハードルが高かった。次はもう少しユニフォーム側に寄せたフィールドで、その有用性を探ってみよう。

たとえば、野球以外のスポーツウェアとして使ってみるのはどうだろう。
試しに、野球のユニフォームでボルダリングに挑む
試しに、野球のユニフォームでボルダリングに挑む
野球のユニフォームとボルダリング。競技は違うが、スポーツというくくりで考えればTPOは外していない。問題は動きやすさだ。

当たり前だが、野球のユニフォームは野球の動きに最適化されたものであるはず。それを着て他のスポーツをやったらどうなるんだろう。

野球のユニフォームは動きにくい?

ところで、じつはこの記事を書くにあたって野球のユニフォームについて色々と調べていたら、ネット上にこんな意見が散見された。
ヤフー知恵袋より
ヤフー知恵袋より
野球のユニフォーム、じつはスポーツに向いてない疑惑。球界の発展のためにも、ぜひこの誤解は解いておきたい。

ボルダリングは全身を激しく使うスポーツなので、スポーツウェアとしての真価を問うにはうってつけだ。
質問者が言うように野球のユニフォームは動きにくいのか?
質問者が言うように野球のユニフォームは動きにくいのか?
結論からいうと、めちゃくちゃ動きやすい!

確かに生地が分厚くて窮屈そうに思えるかもしれないが、動きに合わせて伸縮するので何の問題もない。どんな体制も思い通りである。腰のベルトが邪魔になるかと思ったが、それも特に気にならない。スポーツウェアとして普通に優秀だ。
これ以上登れないのは、ユニフォームではなく運動能力の問題
これ以上登れないのは、ユニフォームではなく運動能力の問題
野球もしやすい! さすが野球のユニフォーム
野球もしやすい! さすが野球のユニフォーム

怪我もしにくい

野球のユニフォームの良さをもうひとつ。
それは怪我をしにくいという点だ。

サッカーや陸上のユニフォームに比べて生地がしっかりしているし、肌の露出も少ない。
特に転倒や激しい接触プレイを伴うスポーツの場合、布の面積は多いほうが安心だろう。
もうサッカーも野球のユニフォームでやったらいいと思うんだ
もうサッカーも野球のユニフォームでやったらいいと思うんだ
元サッカー部なのでリフティングは得意です
元サッカー部なのでリフティングは得意です
僕は中学までサッカーをしていたのだが、一度練習試合でスライディングタックルをしたら、小石がめりこむほど激しく腿を擦りむいてしまったことがある。

以来、スライディング恐怖症になってプレーの幅を狭めてしまった。そのせいで、監督の信頼も失った。いや、そもそもレギュラーじゃなかったからその前からべつに信頼されてなかったけど。

でも、もしサッカーのユニフォームが野球のユニフォームだったら、そんな苦い経験をすることもなかっただろう。
あんなに激しいスポーツなのに薄着すぎるのだ、サッカーは
あんなに激しいスポーツなのに薄着すぎるのだ、サッカーは
その点、野球のユニフォームなら、安心してスライディングし放題である。
ヘッスラ(ヘッドスライディング)だって怖くない
ヘッスラ(ヘッドスライディング)だって怖くない
かすり傷ひとつ負わない
かすり傷ひとつ負わない
動きやすい上に防護性が高く怪我をしにくい野球のユニフォーム。スポーツに不向きなどころか、むしろ最強の運動着なのではないかと思う。

というわけで、野球にこだわらず、スポーツウェアとしてこれからも重宝していきたいと思います。
せっかくフットサル場を借りたのに、ひたすらヘッスラだけして帰った
せっかくフットサル場を借りたのに、ひたすらヘッスラだけして帰った

野球のユニフォームを普段着として着るのは少々無理があった。特にビジネスシーンとは相性が悪い。 TPOとはよく言ったもんだ。

だが、野球のユニフォームが衣服として優れていることはおわかりいただけたと思う。この記事を読んだどこかのファッショニスタが、本当の意味でのベースボールファッションを世に広めてくれることを期待したい。
ネクタイもしてみたけど、どうにもならんな
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