特集 2015年10月25日

古傷エピソード~ほくろは水に浮く~

鉛筆ほくろ、どーれだ?(答えは最後)
鉛筆ほくろ、どーれだ?(答えは最後)
すったり、切ったり、えぐれたり、今も残る古傷のエピソードを募集したところ、たくさんの投稿をお寄せいただきました。今回は第二弾!まだまだあります。

前回では、ガラスと鉛筆と猫のケンカの仲裁がなければ、この世の古傷の半数は回避できる可能性を見出しました。特に鉛筆ほくろについては、やはり私は一人じゃなかったんだと安心。同志よ、君たちは同じ空の下にいる!(各々の鉛筆ほくろを天に掲げながら)。

さぁ、ご自身の古傷をさすりながらご覧ください!珠玉の古傷エピソード、大公開だ~い!(※一部の投稿については内容を抜粋させていただいております)
1984年大阪生まれ。2011~2019年までベトナムでダチョウに乗ったりドリアンを装備してました。今は沖永良部島という島にひきこもってます。(動画インタビュー

前の記事:ベトナム人の小腹を埋めるストリートフードたち

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古傷よりも人が卒倒する瞬間を見てみたい

大学のとき部活のコンクールに応援に行って、順位発表の途中で諦めて帰ろうと会場を出たところで母校が呼ばれるのが聞こえ、急いで戻ろうとして階段を駆け上がりまくっていたら途中で転んで脛から流血しました。

結構ひどいけがだったのですが、一緒にいた友達が驚きすぎて卒倒して大騒ぎになり、自分のけがに気付いたのは結構経ってからです(たぶんそれで手当てが遅れたので跡が残りました)。
黄身子
これね、ごめんなさい、古傷はどうでもいいんです!それよりも人って卒倒するんですね!するとしても温室育ちのおばあちゃんだけだと思っていました。流血した黄身子さんと卒倒したお友達、現場は修羅場ですね。もし私が出くわしてしまったら、どっちをどうしたら分からなくてそのまま卒倒しそうです。これが三次災害です。

陸上競技場で繰り広げられる芸術

高校の陸上競技の短距離で、フィニッシュのゴールの紐(糸みたいな物)が首に絡まり摩擦で火傷。その熱さ痛さに思わず大きく身体を捻り アンツーカ用の18㎜のスパイクが左ふくらはぎ内側に刺さり『大出血』しました。黄色、緑のNIKEのスパイクに血が滴り派手な抽象画みたいに なりました。
傷は、うっすら残ってますが画像では判りませんので画像無しデス。
ハルプシュタルケ
状況描写に、いつかNHKで観た芸術バレエを思い出しました。真っ暗な中で白タイツを履いた男性がクネクネ動く、抽象的すぎて素人にとってはよく分からないやつです。苦痛に顔を歪めながら、ゆったり大きく身体を捻り、スパイクがふくらはぎに刺さって鮮血が宙を舞う。やはり芸術ですよ!ハルプシュタルケさん、名前もなんかそれっぽいし!名前もなんかそれっぽい!(大発見!)

企業努力にも限界がある

!
これは「学研ニューブロック」の箱につまづいてできた傷です。あの幼稚園児が遊んでるあのブロックで怪我をするとは思ってもいませんでした(笑)。小学生の頃に修学旅行の前日に怪我し、5針縫うことに。結局足が曲げられず片足を引きずって参加しました。先生に消毒してもらったり、怪我部分を水につけないように一人で風呂に入ったりと、今となってはいい思い出です。
あわうみ
玩具メーカーは、遊ぶ子どもがケガをしないように日々企業努力を徹底している訳です。でも、出来ない!箱につまずいてこけるケガまでは何とか出来ない…!!「角も丸くした、サイズも飲み込めない、あ、でも、箱につまずいたらケガするなぁ…販売中止!」なんてことになったら、今頃世界経済は回っていないですからね。

足を引きずってまで修学旅行に行ったあわうみさんはカッコイイですね!ちなみに私も、小学校の修学旅行中に学年一の暴れん坊が投げた石が口の中にホールインして舌が切れ、旅行中ずっと消毒用トローチを舐め続けていました。「ちゃうねん!隣のヤツを狙っててん!!」と必死で言い訳する彼を、また先生がこっぴどく叱っていましたが、私はナチュラルデビルめ…と戦慄しました。

後世に多大な貢献を果たした古傷

小学校1年の時、ブランコの横を通ったら右耳が半分取れました。
その半年後ブランコの周りに柵が続々と取りつけられ、私は6歳にして日本を動かしました。
あすやん
!…確かに私が小学校高学年のあたりから柵が取り付けられるようになりましたが、そのきっかけとなった方がご降臨されるとは!!…ハハーッ、ハハハーッ!(平身低頭を表現していて豪快に笑っている訳ではないです)

そのまま文部科学省大臣になれば話題かっさらえますよ、頑張ってくださいね!はい、好き放題書いています。

いや、でも本当にすごいですね。
日本の子どもだった人達を代表して御礼申し上げます。

そんな名誉の傷の逆をゆく

学生時代にゼミ旅行で沖縄へ行った際、駐車場の出入り口にあるバーをリンボーダンスでくぐろうとして体制をくずしコンクリートの地面に強打、肘が擦り下ろされました。
せろ
これは全くその逆ですね!おふざけ傷です。

リンボーダンス中に後ろに倒れて肘がすり下ろされるって、あれでしょうか。一度倒れてから、曲げられたヒザのバネの力でズズッと前に移動したという状況でしょうか。もしゼミの専攻が物理学だったら、後輩から「先輩は身体を張ってまで俺たちにフックの法則を…!」って感激されますね。万が一にもそんな愉快なゼミであれば、公式ブログをはじめていたらウケていたと思います。

彫刻刀を手にしたその日が古傷記念日

!
小学校の卒業制作で彫刻をしていた6年生の時に、勢いあまって自らの左手を彫刻刀ですぽーんと彫り込んでしまった傷あとです。余りの出血に学校近くの医院に担ぎ込まれましたが、特に縫ったりする事もありませんでした。思い出の母校は数年前に統合により閉校になりました。(一緒に写り込んでいる黒い獣の手は飼い猫やまとの物です。)
ダテゾウ
ガラス、鉛筆の芯、猫の仲裁、そしてもうひとつ忘れていました、彫刻刀です!カッターと違って持ち手がユニバーサルデザインじゃないですもんね、棒ですよ、棒。

それと、やまとくんがケンカしたらくれぐれも仲裁しないように。言いたかったことの半分はこれに尽きます。

もうそれ、「死ぬかと思った」だよ!

小学生の頃、宿題しながらシャーペンの芯を少し出してはポキ、また出してはポキ…をくり返していたら、折れた芯が黒目のほぼ中心に刺さってしまいました!!芯は夜間救急病院で摘出。
あれから30年、視力は裸眼で1.2、1.5です。
93
思わず見出しで声を荒らげてしまいました。でももうそれ、古傷じゃねぇよ!林さんの「死ぬかと思った」と被らないように気をつけていたのに!(取り上げたけど)

ところで、目に古傷が残るパターンってあるのかな?私は大学生の頃から左目にちょっとした黄疸が出てきて、ケガでも病気でもなかったのですが、心底へこんだことがあります。なんとなく目って、身体の聖域ですよね。

ともかく、そんな経験をされた93さんはきっと目前1cmまでなら何が飛んで来ても平気そうです。悪漢が拳を寸止めしても、「こ、こいつ!ビビってねぇ…!?」「お前の拳なんて、黒目に刺さったシャーペンの芯に比べれば何てことねぇ!」「何!お前まさか…黒目にシャーペンの芯が刺さったっていうのか!」「あぁそうさ…あのときお前が黒目に刺したシャーペンの芯が俺を地獄から蘇らせた!」「俺ではねぇよ!」…次の話に行きます。

あ、俺って書いちゃったけど男性で合ってました?

ほくろを生贄に古傷を召喚!

小学生のとき、腕にあるほくろ(直径5ミリくらい)を、両親が「からかわれるからとってもらった方が良いだろう。」と、市内の総合病院に連れていかれました。

痛かった麻酔注射が効いて、手術そのものは順調だったのですが、隣の仕切りの向こうから、おじいちゃんの「痛いよう、痛いよう…。」という声が妙に不安を掻き立てて、お医者さんから「じっとしててね。」隣のお医者さん「皮膚科の先生、すいません。」というやりとりののち、手術は無事終了し、瓶に浮いたほくろを「これね。」とみせてもらいました。

あれからウン年。腕に残る4センチ近くあるギザギザを見ると、どっちの方が良かったのか、結論が出ません。
こげめし
もともと古傷でもなかったほくろを取り除いたがために古傷が出来てしまったパターン!これは新しいですね!

「痛いよう、痛いよう…」「じっとしててね」、このコンボだけ切り取ったらもう野戦病院さながらですよね。思ったより優しいんだな軍医。そして、ほくろって水に浮くんだ。前回の「アライグマに噛まれても狂犬病にならない」に続いて、またムダ知識がふえました。感謝!

私も左手の甲の鉛筆ほくろを放置していますが(「古傷エピソードを聞かせてください」参照)、高校の多感な頃は「これが無ければカッコイイんだけどなぁ…左手」と人差し指で鉛筆ほくろを隠し眺めていたことがあります。最近まで「当時なら親に治療費を出してもらえたのに」と思っていましたが、あながち取ればよくなるってもんじゃなさそうですね。これは私には有益な知識でした、心から感謝!なお、カッコよくなると思っていたことについては、何しろ多感な頃なので許してください。そもそもカッコイイ左手っていうのがよく分かんない。

古傷も大切な旧友(とも)、だが別れは突然に…。

小学5年生のとき、久保田早紀の『異邦人』を歌いながら自転車を漕いでいたらマンホールの溝にタイヤがハマってズザザザザーン!!と盛大にコケました。特にヒザの傷が皮膚科にかかるほど酷く、あえなく痕に…。
しかし、懐メロを歌っていたらすっ転んだというエピソードおよびそれを物語る古傷は、その後の高校・大学生活において私の鉄板ネタとなっていきました。

さあこれがその古傷です!…と写真を添付しようと思ったのですが、今になって確認してみたらもうほとんど傷は見えなくなっていました。
私は今や普通のサラリーマンとなっており、笑いを取るために人前でヒザを晒す機会がなくなっていたのです。

ありがとう、古傷。さようなら、古傷。
匿名希望
古傷残ってねーじゃん!と言いたいところですが、なんだかすごく良い話っぽく感じたので(あくまで「ぽく」です)、今回の締めとして紹介させていただきます!

そうか、いつまでも残っているかと思っていたら、気づかないうちに消え去っている場合もあるのですね。最初は痛い思いとともに憎く感じたとしても、それもまた良き思い出として残るかと思いきや、知らず知らずのうちに古傷としての役目を終えているかもしれないのです。

あれ、ということは、古傷ってああ見えて実は自己修復中かもしれないのか!なんだ、すごいいいやつじゃないですか!鉛筆ほくろだけは違う気がするけど。

その古傷、消えてしまう前に写真に残してみませんか

「どこの写真館のキャッチコピーだよ」という見出しですが、本心からそう思います。正直な話、投稿しなくてもいいので、写真に撮っておくことをオススメします。

いきなり何の話をぶっこむんだと思われるかもしれませんが、「寄生獣」という漫画をご存知ですか?ネタバレになるのでご自身で読んでみてほしいのですが、その最終回を思い出しました。皆さんの古傷は、ミギーでありヒダリーでありコメカミーだったりワキバラーだったりするのです。

さて、収集がつかなくなる前にさようなら。投稿の集まり次第では、第三弾もありますよ!なかったときは決して話題にふれないでください!心が弱い!
鉛筆ほくろはこれ!前回掲載したかっちんさんの画像を拝借しました!あと全部私。左中央はボールペン。
鉛筆ほくろはこれ!前回掲載したかっちんさんの画像を拝借しました!あと全部私。左中央はボールペン。
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