特集 2015年10月27日

水没したスマホをなんとかしたい

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トイレの個室でスマホを触る人が多いと聞く。私もそのうちの1人だ。ぼーっとしているのが手持ちぶさたでついついスマホでメールやインターネットをしてしまう。

その日もいつもと同じようになんとなく、スマホを触ろうとポケットから取り出そうとした時だった。手からスマホがトイレに向かって落ちていったのだ。
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

前の記事:秘境の温泉に行ったら人生を考えさせられた


絶望感のあるちゃぽん

事件は会社に行く前の朝に起きた。朝5時半に起きて、水を飲んでトイレに行く。なにか面白いことはないかとTwitterやfacebookをトイレで見るのは朝の習慣だ。

この日も起きて、水を飲み、働かない頭のまま、トイレに向かった。いつも通りだ。しかし、唯一違ったことは残業が続き、疲れていたのかもしれない。

事件が起こった様子を再現してみた。
「なんか面白いことはないかな」(かまぼこの板がスマホだと思って下さい。)
「なんか面白いことはないかな」(かまぼこの板がスマホだと思って下さい。)
チェックをしようとポケットから取り出し、電源ボタンを押そうと指を動かしたときだった。変に力が入ってしまい、一瞬宙に浮いたスマホは重力に逆らうことなく、「ちゃぽん」という音が聞こえたときにはトイレの水に水没していた。
こういうとき、人間はただ見つめることしかできない。(かまぼこの板ってすごく浮くことに気付いた)
こういうとき、人間はただ見つめることしかできない。(かまぼこの板ってすごく浮くことに気付いた)
水没して壊れたしまった話はよく聞くがまさか自分に降りかかるとは思わなかった。どんなに握力が強い人でも、落とすときは落としてしまうだろう。それは神様から与えられた試練だからだ。

どのように対処するのかで今後、自分の人生がうまくいくのか、はたまた平凡な人生になってしまうのか、決まってくるだろう。
やる前には中のバッテリーやカード類は抜いておこう。(かまぼこ板には入っていません。)
やる前には中のバッテリーやカード類は抜いておこう。(かまぼこ板には入っていません。)
これからネットで見つけた方法で復活できるか、やってみようと思う。まずはやる前に取り出せるものは取り出した方がいい。

まずはSIMカードを抜く

上の画像はSIMカードを取り出した画像だ。持前の不器用さが発揮されて、時間がかかった。付属のクリップのような道具で取り出すのだが、かなり強く押さないと取り出せない。

ただでさえ壊れているのに、これ以上壊れてしまうのではないかと思うくらい押すと出てくる。

人生と同じで何事も不安に負けないで欲しい。
急いできれいな水で洗った方がいいらしいので洗った。
急いできれいな水で洗った方がいいらしいので洗った。
まず、電源を消せるなら消す。中で機械がショートしてしまうので、最初に必ず消す。しかし、今回は、落ちた瞬間、画面がファミコンのソフトがバグったような画面になってしまい、しばらくしたら画面が真っ暗になった。

水洗いする

ネットで調べたところきれいな水で洗ったほうがいいらしい。人もケガをした際にもばい菌が入らないようにケガした場所を洗うのと同じ理由だ。

しかし、どうだろうか。精密機械を水で洗うのはかなり抵抗があるだろう。深夜にカロリーの高い食べ物を食べるくらい抵抗がある。しかし、仕方がないのだ。洗わないと変な菌が入ってしまう。
しばらくそっと置いておく。
しばらくそっと置いておく。
数分、経ったが動く気配がない。ただ、もうこの日は会社に行かなければ遅刻してしまうので、とりあえず会社に行き、それはもう怒られた。その日の夕食はとんかつにした。気持ちだけは勝っていたいと思ったから。

できることは全部やってみる

次の日、直しに行こうと思ったが、その前に自分でもできることないか考えた。

単純にお金がかかるの嫌なので、直ればタダだからそれでおいしいものを食べることができる。直ったら寿司食べよう。
これが壊れてしまったスマホ。助けたいという気持ちだけで直らないかな。
これが壊れてしまったスマホ。助けたいという気持ちだけで直らないかな。

ドライヤーで乾燥させる

調べると乾燥をさせた方がいいらしい。ドライヤーで風を当てて、中の水を出すと直ることがあるらしい。

1日経ってしまったが、やってみよう。
温められるスマホ。略して温スマホ。冬に持ち歩きたい。
温められるスマホ。略して温スマホ。冬に持ち歩きたい。
5分くらいだろうか、風を当てて続けてみた。見た感じは変わらないがどうだろうか。
持てないくらい熱くなった。熱スマホ。家に置いておきたい。
持てないくらい熱くなった。熱スマホ。家に置いておきたい。
タオルはぬくぬくに温まった。乾燥機から出したときくらい触り心地が良い。
タオルはぬくぬくに温まった。乾燥機から出したときくらい触り心地が良い。
スマホは直ることはなかったが、タオルの触り心地が良くなった。気持ちいいのでこのままずっと触っていたい。現実逃避。
ジップロックに乾燥材。鬼に金棒くらい心強い。
ジップロックに乾燥材。鬼に金棒くらい心強い。

乾燥剤と一緒にジップロックに入れる

ジップロックのような密閉できる袋にスマホを入れて、お菓子などに一緒に入っている乾燥材を入れると、中の水を乾燥させて復旧することがあるらしい。このまま入れておこう。
散歩のついでに確認しようと外に持ってきたが、使えるようになっているのか?
散歩のついでに確認しようと外に持ってきたが、使えるようになっているのか?
なにも反応がない。親が話しかけたときの反抗期の子供くらい反応しない。
なにも反応がない。親が話しかけたときの反抗期の子供くらい反応しない。
1時間くらい入れておいたが反応しなかった。ネットでみた情報でできそうなことはない。

入っていた連絡先と撮った写真。頑張ってレベルを上げた数独のゲームは二度と戻ってこないのか。
水分を飛ばすために思い切り振るのもありらしい。
水分を飛ばすために思い切り振るのもありらしい。
色々とやってみたが、応急処置を1日経った後にやってもダメなのだ。どうすれば…。
神頼みしかないのか。
神頼みしかないのか。

魔法に頼る

神様に頼んだら直るのか。直るならやりたいがきっとダメだろう。魔法ならどうだ。
直るという強い気持ちを持ちながら、
直るという強い気持ちを持ちながら、
地面に模様を書いていく。
地面に模様を書いていく。
「スマホが直りますように」と願いながら作った魔法の模様。
「スマホが直りますように」と願いながら作った魔法の模様。
多分、疲れていたのかもしれないが、やらないよりはましなので魔法陣を書いた。今まで使えたことがないが、この日、8時間寝たので魔法の力が目覚めているかもしれない。
真ん中にスマホを置いた。
真ん中にスマホを置いた。
「直れ!」という気持ちを送り続ける。
「直れ!」という気持ちを送り続ける。
まぁ、直らないよね。
まぁ、直らないよね。
直すための魔法を使うためには、魔法の力が足りてないからだろう。全然直らなかった。

もうダメだ。あきらめてお店に行こう。

お店に持っていく

自分ではどうすることもできないなら人に任せた方がいい。きっと直してくれるだろう。そんな想いも胸に抱き、秋葉原に行ってきた。
重傷なので包帯で巻いてみた。なんでしたのか、あの時に自分に問いかけたい。
重傷なので包帯で巻いてみた。なんでしたのか、あの時に自分に問いかけたい。
ここにくれば直るだろう。
ここにくれば直るだろう。
秋葉原のヨドバシカメラには水没などしたときに30分で復旧できるサービスがある。しかし、iPhoneのようなバッテリーが一体型のスマホだと、爆発してしまう恐れがあるのでできないらしい。

ただ、ちょっとだけスマホが爆発するの見たかったが、お店に迷惑がかかるのでiPhoneの修理センターに向かった。
ここで修理できてよかった。で終わろうと思っていた。
ここで修理できてよかった。で終わろうと思っていた。
土曜日なので修理の順番待ちが多い。整理券を取ろうとしたときに「どうされました?」と店員さんに聞かれたので「水没してしまって、動かなくなってしまったのですが直りますかね?」と尋ねた。そこで衝撃的な一言を言われた。「それはもう、取りかえですね。もう直らないと思います。」

ボクシングだったら、ダウンするぐらいの重い言葉を放ってきた。そうか、ダメか…。

そして、もう一軒、別のところにも行ったが、そこでもダメとの返事をもらった。
ダメなのは、分かった。でも、せっかくきたのだから、もう少し聞いておきたい。

――水没してとりかえる人って多いですか?

「そうですね。土日になると1人は絶対いますね」

――ジップロックに乾燥材入れたり、ドライヤーに入れて乾かすのはどうですか?

「できれば、電源を切った後は早めにお店まで来てくれると助かります」


色々と聞きたかったが、お客さんが来たので帰った。機種変更だ。

せめてきれいな思い出にしたい

でも、機種変更する前にやりたいことがある。トイレなんかに落ちてかわいそうだったと思うのだ。なので、今度はきれいな形で水に水没させたい。
金魚ばちを買ってきた。頭のフリルがおしゃれポイント。
金魚ばちを買ってきた。頭のフリルがおしゃれポイント。
どうすればきれいに水没できるのか。考えたときに思いついたのが、昔から日本にある金魚ばちに落としてみることだった。

普通は金魚を泳がせておくときに使うが、今後は壊れたスマホを水中に入れるのが流行るかもしれない。きれいだったら流行るだろう。そうすれば、先駆者となれる。
今、水草は造花のように形で売っているのに驚いた。そうか、酸素とかは機械でやるのか。
今、水草は造花のように形で売っているのに驚いた。そうか、酸素とかは機械でやるのか。
金魚ばちに草を入れるだけで絵になる。これに金魚を泳がせたら、それはもうきれいだろう。しかし、今日はスマホを入れる。果たしてどうなるか。
写真から伝わる「間違って落ちちゃった感」
写真から伝わる「間違って落ちちゃった感」
想像するにこの人は金魚にエサをあげようとして、スマホを落としてしまったのだろう。呆然とする金魚の飼い主と、逃げる金魚の絵が浮かんでくる。これではきれいには見えない。
上から見るときれい。
上から見るときれい。
試しに上から撮影してみるとどうだろうか。先ほどとは違って、悲しさがあまりなく、きれいに見える。

よかったなスマホ。お前きれいだぞ。これで安心して機種変更できる。

スマホの水中での生態

ここで水中でのスマホの生態について見ていきたいと思う。
水草に隠れようとするスマホ。
水草に隠れようとするスマホ。
スマホは恥ずかしがりやなので、明るいところだと、水草などに隠れる習性がある。なので、水草などで隠れる場所を作ってあげよう。
エサが欲しいのか、水面に上がってきたスマホ
エサが欲しいのか、水面に上がってきたスマホ
スマホは最初は環境に慣れないのか、あまりお腹が減らない。しかし、年数が経つとすぐにエサを要求してくる。「さっきエサをあげて100%だったのに、もう40%だよ」ということもあるが、環境に慣れてきた証拠だ。
電気を含んだエサをあげよう。
エサを食べるスマホ。
エサを食べるスマホ。
スマホの生態について以上です。

バックアップは常にしよう

スマホが水没して面倒なのは、連絡先の入れ直しだ。いつ起こるかわからないので、定期的にバックアップは取ろう。
魔法の力でかまぼこの板をスマホにしようと思ったがレベルが足りなかった。
魔法の力でかまぼこの板をスマホにしようと思ったがレベルが足りなかった。
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