「みさきまぐろきっぷ」の存在
調べなさ過ぎて危なかった。うっかりなにも考えず現地まで行くところだった。
三崎港の最寄り駅である、京急線三崎口駅までの往復、三崎エリアの指定区間バス乗り降り自由、マグロ料理、レジャー施設利用がセットになったお得券があるらしい!
ということに、電車に乗る直前に気付いた。
ふー、危なかった!
きっぷの価格から通常の三崎港までの往復交通費を差し引くと、600円。
つまりは600円以上の飲食・レジャーをすれば元が取れるということだ。え、いいのか。
この食事券が使える店をパンフを眺め、丼ものにするか寿司にするか、揚げ物、天ぷら、色々あって悩む。
電車で三崎口駅まで行き、港へ行くにはバスを乗り継ぐ。到着すると、港行きのバスに乗る人の長蛇の列ができてた。
バスのうしろについてるおはぎの広告が気になる
隣に居たグループがFBのアカウントを交換しあったり、ペット飼ったことあります? などと質問しあったり、そんな付き合い浅いのが丸分かりな会話を何気なく聞きつつバスに揺られること約15分。着いたらそこは、マグロパラダイスだった。
並ぶ頭
並ぶ干物
「とろとろ」の文句にやられる
さて、なにを食べるか問題だが、パンフに載ってた「とろとろ丼」の、「とろとろ」というフレーズに惹かれて、それにした。
寿司か丼でかなり迷ったが、昼食は丼にして、しばらく観光してから寿司を食べればいいか。
四種類のマグロが入った丼とマグロのだんご汁
とろろ芋やオクラといった粘り気があるものが好きなため、「とろろ」という文字に引き寄せられてしまいがちなのだが、よく考えたら今回のは芋もオクラもまったく関係ない。「とろ」だ。
空腹だと「と」と「ろ」の文字だけでメニューを選んでしまったりするので、冷静になるとふと、なにに惹かれてたんだっけ? という思いが押し寄せる。
いや、そんなことゴチャゴチャ考えてる場合じゃないな
食べてみると、卵と絡んで濃厚……!!ごちゃごちゃ考えてたのがどうでもよくなってくる。うまい!
よし、ビールを頼んだからには酒のつまみっぽいものも頼もう。
店頭に出てたメニューに書いてあった「まぐろのわた(胃袋を湯通ししました。珍味!!)」というのが気になったが、残念ながらこの日はなかった。代わりに「皮ポン」を注文した。
皮、コリコリうまい! 小鉢もマグロで、本当にマグロ三昧
丼のご飯が酢飯なので、寿司欲もちょっと満たされたような気がした。(というかこの「紀の代」というお店は本当は寿司屋さんなんだった。)
少しずつ色んなものを食べたいと思ってたが、結局ビールと米で満腹になってしまった。
はぁぁぁぁーー、真昼間からこりゃたまらん
「みさきまぐろきっぷ」の食事券はこの「とろとろ丼」で使った、ということになった。
町を散策してみよう
満腹になったので、少し歩いて腹ごなしをしよう。「とろとろ丼」の店の、隣の店の前では新鮮な魚介を見ることができ、こっちでもよかったなーとも思うが今はダメだ。胃に余裕がない。
さよなら、エビ、サザエ……
さよなら、タコ……
どうやらこの辺は古い建物や古いお店が多いようで、すごく好きな雰囲気だ。見ていて楽しい。
駄菓子屋に、80~90年代で時が止まったおもちゃ屋。おもちゃ屋にはファミコンのカセットが売られてた
と思ったら道の脇にミシン落ちてた
歩いてて見つけた居酒屋(このときは閉まってた)、手書きの看板だなーと思ってたら、
油性マジックで書いた風の店の看板
壁には手作り感あふれる絵や説明がいっぱい。見応えがある。
ためになるサンマに関する豆知識
海賊曜日……?
豆知識もなにが書いてあるのかアップにしてみると細かい!
王様が気になる
海藻を口にくわえてつかまって眠るのか
そして子供が描いたっぽいイラストも貼ってあって、ものすごく家族経営感。
この家の人、みんな魚描き慣れてるんだろうなぁ
イカをたべなイカ
タッチの違う子供の絵がこっちにも
写真だとちょっと見づらいが、営業日(海賊曜日?)と書いてあるカレンダーを見ると、「海女曜日」と書いてある日が月に1度あるようで、ちょうどこの日がその日だった。
けど、夜だけしか空いてないのか。残念。一体なにがあったんだろう。
それにしてもマグロの店だらけだ。
この日は寿司や丼を食べたかったが、原稿を空腹の状態で書いてる今、「ラーメン」という文字とこの店構えがたまらない。今、この店に飛び込みたい……!
このとき丼さえ消化されてれば入ったのに
この店も手書きイラストあった
あと、通りすがりに思わず二度見したのがこのマグロ料理の店。「マグロ」と「エンゼル」のギャップというか、関連性のなさがすごい。
左上の赤褐色の「エンゼル」の文字も良い
しばらく歩いたところで、観光客に開放されている古民家を見学し、少し座って休んだ。雰囲気が落ち着く。
米屋とお茶屋さんをしておられたというお宅。9年前までは住居として使われていたとのこと
無料で開放されており、昔の着物が展示されていたりする
他のお客さんがいない隙に縁側の見える居間でボケーーっとする。実家っぽさを感じて落ち着く
調理しやすそうなものを買おう
つぎは市場へ移動した。飲食店もいいが、港へ行ったらやっぱり市場へ行かなければ!
前々から市場での買い物は楽しみにしてたが、いざとなるとどの店で買おうかの決め手がなく迷う。
情報量が多くて、どこでなにをどうしたらいいのか
生ものや冷凍のものを買っても、このあと持ち歩くことを考えると……と思っていたら、ドライアイスは8時間も持つと言われた。それってちょっとした海外でも持ち帰れるんじゃないか。
一番気になるのは奥にある臓物だが、自分で調理ができないので断念
この市場に限らず、鮮魚をいっぱい売ってる商店なんかもあちこちにあったが、調理が苦手なのを思うと、どうしても買うに至らず。
料理できる人にはたまらないんだろうなぁ
そして結局、こういう調理が楽そうなものに行きついてしまう。どうにかしたいもんだ……。
調理が楽! というのを基準に選んだ4品
せっかくだし、ここでしか食べられないものを……と、市場で売ってた「とろまん」を購入。
ひとくち目をかじった瞬間、風味から「魚!!」と思ったが、慣れていくと魚だという意識が薄れてくる。肉まんとそんなに変わらない食感なせいだろうか。
この近辺が地元の友人にも薦められた「とろまん」は名物らしい
締めの温泉、そしてマグロ
さいごに、温泉に浸かってから帰ることにした。そんなつもりはまったくなかったのだが、きっぷに付いてきた施設利用券を使うと、温泉にも入れるらしいのだ。
三崎港からすぐそばの城ケ島に渡ることにした。この間はバスも乗り放題なので、行ったり来たりすることができる。
町中には古い商店街があったり
遊び船案内、一人だと1200円か。やってないけど
海岸沿いのホテルについてる温泉でこの日の汗を流してゆっくり湯に浸かったあとは、休憩所ですこし休んで帰ろうか……と思っていたら、
休憩所は終わっており、近くで軽く食べられる飲食店を探すことに。
来る前から食べたいと思ってた寿司はこの辺にはなさそうだけど、ちょっとしたマグロのなにかを……。臓物あればいいなぁ……
とかなんとか思ってたところに現れたのがこの店。
海辺のほとりに
活け作り!?
突然現れた活け作りの文字に誘われフラフラ入って行ったが、水槽にはもうなにも入ってなかった。けどいいや、ここでもうひとマグロいこう!
海岸のテラス席で日没見つつマグロ
10月末の暖かい日で、気候的にもちょうどよく、良い時期に来たなぁーとしみじみしつつ、刺身を噛みしめる。
そうこうしてるうちに、だんだん薄暗くなってきた。やばい、タイムリミットも近いか。
寿司も臓物もなかったので刺身にした
さっきまでいたはずの観光客が急激に減った
周りの人がどんどん帰り始め、気が付けばあまり人がいない海辺でビールを飲んでる状態になってた。短時間のあいだにこうなったのでちょっと焦る。
帰りのバスの時間を調べておかねば……とネットで調べようとしたところ、まさかの圏外……!!!
うわ、圏外……!!!
うっかり帰れなくなっては困るので、途中から焦り気味で食べ、店をあとにした。そろそろ帰るか。
反省点と次のときのための備忘録
私は旅行をすると、終わるころに「あれも見ておけばよかった」「これも食べておけば……」というようなことを、いつも思いがちだ。
旅行から帰ってきてからガイド本や現地に関する本を買ってしまったり……ということもある。
これも食べておけば……
今回、「いろんな種類のものを食べる」という目的ならば、最初の丼が重すぎたのではなかったか。まぐろ食事券でお得なものに捉われすぎたか。いや、けど丼もおいしかったしな……。
配分を反省しつつ、なんとなく次来たときの配分も考えてしまってる。必ずまた来よう。そして次こそは、寿司とわたを食べたい。
……とか言いつつも、今回は思い切ってこれでもよかったような。と今更目移り
今回は食メインの内容にしたので、記事内では「しばらく歩いた」でまとめてしまったが、気になったお店や古いレトロな建物を見てまわったり、神社に参ったり、とにかく歩いてて飽きない町だった。ここなら住んでみたい、と思いつつ歩いてた。
時間があれば船にも乗ってみたかったし、食以外の面でも一度行っただけでは足りない。今度は泊まりがけでもいいかもしれない。