フェティッシュの火曜日 2015年11月10日
 

「ためしてガッテン!」の模型づくりに二日間密着した

これの制作現場に密着しました
これの制作現場に密着しました
人類の歴史は、ガッテンの歴史であるといっても過言ではない。

アルキメデスはお風呂のお湯があふれるのを見て浮力をガッテンし、ニュートンはりんごが木から落ちるのを見て引力をガッテンした。

そして現代人は「ためしてガッテン」の模型をみてガッテンする。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。
> 個人サイト 新ニホンケミカル TwitterID:tokyo26

NHK「ためしてガッテン」の、あの模型作りに密着することになった

NHKの生活情報番組「ためしてガッテン」は、身の回りの生活に関わる物事をふかくほりさげ、実際にためして検証し、常識だと思われていたことを覆したり、まったく知られなかった事実をみつけだしたりと、現在放送されている生活情報番組の中では、抜群におもしろい番組だ。

この「ためしてガッテン」では、少しこみいった説明をする時に、かならず「模型」がスタジオに登場し、わかりやすく説明をしている。

あの模型、間近で見るとどんな感じなのか? 何人ぐらいでどれぐらいの時間をかけて作ってるのか? そもそも材料はなんなのか……など、気になっているひとはぼくだけではないはずだ。

こんかい、あの模型を番組開始当初から作り続けている方に密着し、あの模型がどのようにできているのかを間近で見学することができた。

ただならぬ雰囲気のアトリエ

番組収録の前日。案内してくださったNHKのチーフディレクター真藤さんと都内にある模型制作のアトリエにおじゃました。
後ろがNHKの真藤さん、ためしてガッテンのチーフディレクターである
後ろがNHKの真藤さん、ためしてガッテンのチーフディレクターである
アトリエは、普通の住宅街の中にあるが、ドアの前にスポンジがいっぱい詰まったゴミ袋が置いてあり、この家の住人はただものじゃないな。という雰囲気がビンビン伝わってきた。
家庭ででるゴミとは様子がちがう
家庭ででるゴミとは様子がちがう

20年以上「ためしてガッテン」の模型を作っている

ちょっとノッポさんっぽい
ちょっとノッポさんっぽい
こちらが「ためしてガッテン」の模型制作者、服部弘弐(こうじ)さんだ。服部さんは「ためしてガッテン」の模型を番組開始当初から作り続けている。

「ためしてガッテン」は1995年3月にスタートした番組なので、実に20年以上模型を作り続けていることになる。

いま、サラッと「20年以上」なんて言ったけれど、番組スタート時、ぼくはまだ19歳で紅顔の美少年であったことを思うとただ事ではない年月である。(いま40歳です)

発注を受けてもすぐにはとりかからない

制作途中の模型がアトリエ内にあった
制作途中の模型がアトリエ内にあった
これが明日の収録で使う模型ですね。まだ完成……じゃないですよね?
まだ、ですね……。
アトリエにおじゃましたのが、収録前日の火曜夕方。水曜の本番の時間まで20時間を切っている。
間に合うんですか?
発注が先週の木曜なんですが、きのう(月曜)作り始めて、あしたの収録直前まで仕上げしてますね。
番組の会議が毎週木曜日に行われ、そこで次回の収録(次の週の水曜日)で模型を使うか使わないかが決まる。

模型を使うことが決まったら、服部さんが呼ばれ、どのような模型が必要かを伝えられる。

しかし、すぐに制作には取りかからず、すこし間をあけてから作り始めることが多いという。

これは、別にサボっているわけではなく、番組の構成や台本が直前まで変更になることも多いため、なるべくギリギリまで大幅な変更ができるようにそういうスケジュールになっているらしい。
これは打ち合わせで書いた大雑把な指示書と脳の部分のふた
これは打ち合わせで書いた大雑把な指示書と脳の部分のふた
設計図みたいなものってありますか?
ないですね、設計図はかかないですね。
(指示書の上の脳みそのふたをみて)そこに置いてあるのは、脳みその一部ですよね、これ。どうやって描いたんですか?
スプレーで吹きつけてつくったんですが、もう、こういった体のパーツなら、設計図や見本を見なくても作れちゃいますね。
20年以上、体のパーツの模型を作り続けている服部さん。たいていの体のパーツなら設計図なしで作れてしまうらしい。
スタッフと一緒になって模型の仕組みを考える
スタッフと一緒になって模型の仕組みを考える
服部さんは、こちらのお願いがちょっと大雑把だったり曖昧でも「じゃあ、こうしましょうか?」という風に、一緒に考えてくれるんですよ。
それって、例えば編集者とライターに置き換えると、いいライターじゃないですか……。発注する方としても、頼みやすいですね。
こちらが、お願いした通りに作るんじゃなくて、こちらの「これを表現したい」ってのを汲みとってそれ以上のものを作ってくれるんですね。そういう意味ではたしかにお願いしやすいです。
「言われた仕事だけをやってるようじゃダメだ」みたいな説教は、勤め人時代によくされたけれども、説教されるよりも、こうやって実践してるひとの話をきくほうが心に響くものがある。

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