はっけんの水曜日 2015年12月23日
 

君は世界初の「送水口博物館」を見たか

運命のような出会い

「2014年の5月、私のもとにマンホールマニアの方からメールが来て、丸にMのロゴの送水口は御社製のものですか?と質問されました。そうですと答えたら一度会社を訪問したいというのでお招きした。その時にご一緒だった送水口ファンの皆さんと出会って交流がはじまりました」
これが村上印、古い送水口には製造会社のロゴが記されているものも多い。
これが村上印、古い送水口には製造会社のロゴが記されているものも多い。
その翌日、村上社長は導かれるようにもうひとつの出会いを経験する。それは滅びゆくオールド送水口の無言の叫びだった。
「うちの古い送水口を付けている西新橋の日本電池ビルの解体がはじまっていて、ああ送水口も処分されちゃうんだなあと。すると前日に会った送水口ファンの事が頭に浮かんで、なんとか救い出せないかという思いがこみあげてきた」

「工事現場の所長に、私はここの送水口を作った村上製作所の社長ですが、この送水口を愛好家のために残したいのでゆずっていただけませんか、とお願いした」

「で、許可をもらって取りはずして持って帰ってきた。これが最初のコレクション」
おお、こんなかわいいやつがこの世から消えようとしていたとは!
おお、こんなかわいいやつがこの世から消えようとしていたとは!
ジャンルはよくわからないがなんとドラマチックな展開。同様にして新橋の第一光和ビル、さくら川崎駅前ビルの送水口を救出。
救出の様子がわかる写真入り解説パネル。
救出の様子がわかる写真入り解説パネル。

作ると言っちゃった…..

次に村上社長の耳に飛び込んできたのは京橋のブリジストン美術館建て替えのニュース。ここでまた事態が動いた。
「送水口をいただけるよう説得するために、これを展示する送水口博物館をつくりますと提案した。そのためにパンフレットまで作って」
社長自らデザイン。プレゼン用とは思えぬ出来映え。
社長自らデザイン。プレゼン用とは思えぬ出来映え。
--提案したのが6月の終わり頃ですか。表紙に書いてありますね「平成27年秋開業予定」
「そう、書いちゃったんだな。それでOKももらえた。つまりやんなきゃならない、博物館作らないと。まあ4ヶ月ありゃなんとかなるかと思ってね」
ここで村上製作所創業80周年記念プロジェクトとして本格的に始動、村上社長自らの、ほんとうに自らの手で自社ビルの屋上に博物館が作られた。
インテリアデザインから施行までほぼすべてを担当。
インテリアデザインから施行までほぼすべてを担当。
木工壁面の取り付けも社長の手によるもの。
木工壁面の取り付けも社長の手によるもの。
送水口ファンの皆さんも協力してのペンキ塗り。ちゃっかり私も参加しています。
送水口ファンの皆さんも協力してのペンキ塗り。ちゃっかり私も参加しています。
これが9月の終わり頃。
これが9月の終わり頃。
で、11月のオープン日にはこうなりました。
で、11月のオープン日にはこうなりました。
救出された4基の送水口が肩を並べる。今まで守っていたビルに今度は守られる身となって、この送水口の殿堂で鑑賞されるセカンドライフが始まったのだ。
前述のブリジストン美術館の送水口。村上製作所と双肩をなすメーカー「建設工業社」製。
前述のブリジストン美術館の送水口。村上製作所と双肩をなすメーカー「建設工業社」製。

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