ひらめきの月曜日 2015年12月28日
 

日本酒が好き過ぎて日本にやってきたイギリス人に話を聞いた

日本酒つくり(麹の種付け作業)を行っているクリスさん。日本酒に対する情熱が凄いです。
日本酒つくり(麹の種付け作業)を行っているクリスさん。日本酒に対する情熱が凄いです。
音楽、美術、様々な伝統文化など、海外の何かに興味を持ち、実際にその国に移り住んでその世界に入る方は多くいます。逆に、日本の何かに興味を持って日本に移り住んでくる海外の方も多数います。

そんな海外の方がどうやって日本を知ったのか。なんでそれが好きになったのか。日本でどんな事をしているのか。色々気になる所です。

今回は、日本酒が好き過ぎて日本に来てしまったイギリス人の方に話を聞いてきました。日本酒に対する情熱が凄いYOUでした。
1972年生まれ。体力系、料理系の記事を多く書いています。ライター以外に日本酒と発酵食品をメインにした飲み屋も経営しています。利き酒師で、元機械設計屋で元プロボクサー。ウルトラマラソン走ります。米の飯と日本酒が有れば大体なんとかなります。
> 個人サイト 酒と醸し料理 BY 個人ページ「走れば大体大丈夫!」

イギリス生まれの日本酒好き

今回話を聞いたのは、酒類販売や酒に関するメディア運営などを行うリカーイノベーション株式会社海外事業部に勤務するクリストファー・ヒューズさん。

イギリス出身で現在33歳。日本酒の為に日本に来て約2年。大学の日本語学科で学び、日本への留学経験もあって日本語は全く問題ありません。

色々話を聞いていきます。
かなり背の高いクリスさん。日本酒は時間をかければいくらでも飲めるそうです。
かなり背の高いクリスさん。日本酒は時間をかければいくらでも飲めるそうです。
馬場「クリスさんは日本酒好きで日本に来て、現在日本酒に係る仕事をしていますが、以前は何の仕事をされていたのですか?」
クリス「大学で日本語を学んで卒業してから日本語の能力を活かせることをやりたかった。それで最初は日本の食材を扱う会社に入ったのです。」

クリスさんは今から4年ほど前までレストランなどに日本の食材を卸す会社で営業マンをされていたそうです。

日本酒もある程度取り扱ってはいましたが、会社に入ったばかりの頃は日本酒に対しあまりいいイメージは無かったといいます。
オフィスでのクリスさん。海外事業部と言っても、海外向けというより訪日外国人向けのビジネスが中心らしい。
オフィスでのクリスさん。海外事業部と言っても、海外向けというより訪日外国人向けのビジネスが中心らしい。
馬場「どう思っていたのですか?」
クリス「透明だったからウォッカなどと同じアルコール度数が高いハードリカーだと思っていた。」

クリスさんの話によると、その当時海外で日本酒を管理して提供できる人は非常に少なく、輸送や保管の問題などもあり、状態のあまりよくない日本酒を温めて飲むような事が多かったのだとか。

その影響でクリスさんは、日本酒はあまり美味しくないというイメージを持っていたそうです。ところが、ある出来事によってその考えが変わります。
イギリスで働いていた頃のクリスさん。この数年後、日本酒を目指して日本に渡ることとなる。
イギリスで働いていた頃のクリスさん。この数年後、日本酒を目指して日本に渡ることとなる。
会社からの指示で日本酒の勉強会に参加することになったクリスさん。そこでは、岩手県の銘酒「南部美人」を作る南部美人株式会社の久慈社長が日本酒について熱く語っていました。

そして、その勉強会で日本から運ばれてきたプレミアムな日本酒を初めて飲んだ時、今まで思っていた日本酒のイメージが一気に崩れたのです。今まで飲んでいた日本酒はなんだったんだと。

更に日本酒の味だけでなく、日本酒にまつわる様々なストリーにも深く感銘を受けたそうです。
海外で開催された日本紹介イベントでのクリスさん。衝撃的な出会いは人生を変えることがある。
海外で開催された日本紹介イベントでのクリスさん。衝撃的な出会いは人生を変えることがある。
それからというもの、クリスさんは日本酒の勉強会に自ら足を運んだり、日本酒関係の仕事を入れたりするようにして知識を高めていく努力をはじめました。

そして、会社に入って3年目ぐらいの時。日本酒の販売に強いアメリカの大手の卸業者がイギリスに展開してきた時のこと。クリスさんの会社の日本酒販売量は一夜にして激減しました。

これを機に、日本酒に詳しい人を誰かたてて市場を取り戻そうと会社から命じられ、日本酒専門の営業として働くようになったのだそうです。

しかし、その2年後。またある出来事が起こります。

離れてみたが、やはり日本酒が好き

当時は大使館での日本酒イベントなども手伝っていたそうです。
当時は大使館での日本酒イベントなども手伝っていたそうです。
2011年。東日本大震災後、ヨーロッパで日本酒の輸入が制限されてしまいした。日本酒を売りたくても売れない。勉強したくても日本酒が来ない。好きな事が出来なくなってしまったのです。

そこでクリスさんは、一度日本酒から離れる事を決意します。それは2つの理由から。1つは日本酒をより深く学ぶため、日本に行く資金を稼ぐのに大きな会社に転職すること。もう1つは、自分の日本酒に対する情熱はどれほどのものか確認するため。

日本酒とは関係のない自動車の会社に転職して2年後。離れてみて自分の中にある日本酒に対する情熱の強さを確信したクリスさん。資金もある程度出来たのを機に会社を辞め日本へ向かいました。
日本にきてから今まで75ぐらいの蔵を見てまわったとのこと。無計画で来日してもなんとかなるものだ。情熱の成せる技。
日本にきてから今まで75ぐらいの蔵を見てまわったとのこと。無計画で来日してもなんとかなるものだ。情熱の成せる技。
こうして、来日したクリスさん。日本での活動が始まります。

クリス「でも、日本に来て直ぐに何をやろうか考えていなかった。まずはイギリスで仕事をしている時からずっと蔵元に行ってみたかったので色々まわってみたよ。」
営業の仕事中のクリスさん。手前は楯の川酒造株式会社のマスコット「たてにゃん」
営業の仕事中のクリスさん。手前は楯の川酒造株式会社のマスコット「たてにゃん」
まさかの無計画来日。蔵見学から日本での日本酒活動は始まります。そして、居酒屋や酒店の仕事などを経て、たまたま縁があって山形県の楯の川酒造株式会社に入社。営業などを担当します。

そして現在はリカーイノベーション株式会社海外事業部勤務。訪日外国人を中心とした日本酒ビジネスを各種進めています。

クリスさんは言います。

「日本酒と日本人、日本酒と外国人。日本酒を通して外国人と日本人を会わせたい。日本酒と外国人の架け橋になりたい。」
英語半分、日本語半分で行われる日本酒講座と交流イベントです。
英語半分、日本語半分で行われる日本酒講座と交流イベントです。
そんなクリスさんは、日本酒を通じて国際交流するイベント「Sake Exchange Tokyo」を開催しています。

続いてはそちらについて聞いていきます。

と、その前に……。

馬場「ところでクリスさん。最初は日本酒にあまりいいイメージが無かったということは、日本に興味を持ったのは何から?」
クリス「学生の頃にみた漫画やアニメかな。」
馬場「どんな漫画を?」
クリス「サザンアイズですね。あの作者は絵がうまい。」

最後は日本酒に行きついたが始まりは日本の漫画やアニメから。そういう始まりの海外の方、各方面で多そうだ。

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