ちしきの金曜日 2016年1月1日
 

ザ・うまい魚 〜寿司、クエ、高級ホテル、驚異のサクサク〜

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幻の高級魚クエを食ったらほかの魚はクエん

……というウワサは本当なのか? という記事であります。
……というウワサは本当なのか? という記事であります。
「土屋さんは魚をすごくきれいに食べる」
デイリー編集長の林さんが古賀さんに伝えたことからこの『魚企画』、わたしにも白羽の矢が立った。

え。
わたしは魚をまったくキレイに食べられない。それどころか、自分で骨を取るなんて作業はほとんどやったことがない。

んじゃあ徹底的にキレイに食べてやろうじゃないか。骨の髄まで! と思って記事にしたことならある。オ
マケにテレビにも出演させてもらった。

編集長……なにかカン違いしてるな?
そう思ったけれど、わたしはふたつ返事で「やりますやりますやらせていただきます!」とメールを打って
いたのだった。さて……。

いったい何を食べればいいのやら……

無類の貝好きである。名前のアソビとアワビが一文字ちがいということを自慢するほど目がない。イカやタコなどの軟体動物も好物だが、これらは魚に分類していいものか。

……ということで、迷ったあげく、老舗高級料理店の社員だった友人伊藤さんに訊いてみた。

「おいしい魚といえばなに?」
「クエが食べたい」
誰も食べさせるとは言っていないのにこの返答がきた。
いた……。こ、これがおいしいの……。出典:Wikipedia より
いた……。こ、これがおいしいの……。出典:Wikipedia より
さっそく検索してみる。

・フグよりうまい!? 幻の高級魚『クエ』とは?
・偽装問題が起こるほどの高級魚!
・ナベの王様天然クエ鍋!
・高級料理店向けで市場には出回らない魚!
・クエを食ったらほかの魚は食えん!


出るわ出るわ絶賛・高級・エクステーションマークのアラシ。これはもう食べない選択肢はないだろう。

先述の伊藤さんも食べる気マンマンである。ようし、こうなったらグルメやら食いしん坊やらを呼んで大盤振る舞いするかー! 会費とるけど。
一抹の不安もあり、大好物の『ふぐみりん干し』 も前日着で取り寄せておいた。これは甘いの で好みが分かれることだろう。
一抹の不安もあり、大好物の『ふぐみりん干し』 も前日着で取り寄せておいた。これは甘いの で好みが分かれることだろう。
鍋の準備完了! えのきがやたら多いのは、 伊藤さんの大好物だからです。だが、当日午 後着予定のクエがまだ届かない……。
鍋の準備完了! えのきがやたら多いのは、 伊藤さんの大好物だからです。だが、当日午 後着予定のクエがまだ届かない……。
申し合わせたように、鍋開始時刻16 時きっか りにクエが届く。正座して待ちかまえていた 伊藤さんはさっそく開封儀式だ。
申し合わせたように、鍋開始時刻16 時きっか りにクエが届く。正座して待ちかまえていた 伊藤さんはさっそく開封儀式だ。
取り寄せは友人マリ絵さんに依頼した。ご実 家近くの魚屋(福岡)から直送便。送料込み で三万円也。それでも破格の安さである。
取り寄せは友人マリ絵さんに依頼した。ご実 家近くの魚屋(福岡)から直送便。送料込み で三万円也。それでも破格の安さである。
まずはわたしイチオシの『ふぐみりん干し』を炙ってみた。昔からの大好物で、家族で隠したり奪い合うほどの珍味である。好みはあると思うが、この味をみんなにも知ってほしかったのだ。
焼きかげんがたいへん重要な干し物。初回の反応は「うん、まあおいしいおいしい」という程 度だったが、2 番目に焼いたときには絶賛につぐ絶賛。みなの態度が豹変した。わかりやすい 人たちでよかった。
焼きかげんがたいへん重要な干し物。初回の反応は「うん、まあおいしいおいしい」という程 度だったが、2 番目に焼いたときには絶賛につぐ絶賛。みなの態度が豹変した。わかりやすい 人たちでよかった。
少し焦げ目があり、持ったときにベタつくくらいが食べごろだ。反応もすこぶるいい。憎いくらいにいい。

「うわー! 最初のとぜんぜんちがう!」
「燗酒がどんどん進みそう」
「文句なしに最高。キングオブみりん干し」
「うまかった! 高級魚のフグだからかな」
「とろける飴にも似た旨みに震撼」


口にした途端ニヤける人、思わず固まってしまう人、「ぜんぜんちがう!」を連呼する人。提供者のわたしを凝視する人(これはおそらく敬意の表れであろう)。

よっしゃー!
わたしはこの反応を待っていたのだ。
おいしさの度合いを顕著に出すのはいつでも子供の反応だ。DPZ ライ ター大北&高瀬ご息女は食べた指をいつまでも舐めていた。
おいしさの度合いを顕著に出すのはいつでも子供の反応だ。DPZ ライ ター大北&高瀬ご息女は食べた指をいつまでも舐めていた。

次はクエの薄造りを食す

初めて食すクエの薄造り。見た目はタイやヒラメなどの白身魚と似ている。淡白な魚は好きだが、さて、味はどうなんだろ……。
きちんと調理された状態で送られてきてよかった……。わたしに調理は無理だ。緊急時のため に一応デイリーポータルの食いしん坊代表・高瀬さんや、漁師代表・玉置氏も呼んでおいた。
きちんと調理された状態で送られてきてよかった……。わたしに調理は無理だ。緊急時のため に一応デイリーポータルの食いしん坊代表・高瀬さんや、漁師代表・玉置氏も呼んでおいた。

脂ののったフグと言っても差し支えない、クエ。

あっさりした味わいで、フグと比較しても遜色ない。歯ごたえがしっかりとしているところもいい。付属の濃厚甘めしょうゆとポン酢、両方食べたが、どちらも甲乙つけがたかった。うっすら油も浮いている。この辺りがフツーの白身魚とちがう点だろうか。

皆の反応は「うん、おいしい」「いいね」と一応は評価するが、その『一応感』が拭えない。こちらが期待するほどの盛り上がりを見せてはくれない。んー。
同封されていた濃厚なしょうゆ派とポン酢派に分かれる。淡白なのに微かな甘みが染みる。
同封されていた濃厚なしょうゆ派とポン酢派に分かれる。淡白なのに微かな甘みが染みる。
なんかこう、お上品すぎるのだ。みんなもっと下品だろう! グイグイ来るだろう! サルのように群がるだろう! そう叫びたいところだが、とりあえず「三万円だぞ」と言っておいた。

それを聞いた伊藤さんはなぜかごはんを催促。そして、料理はすべて、どの日本酒に合うかを瞬時に判定してしまう日本酒脳マリ絵さんは「うん、キリっとした純米吟醸に合う」と1人で納得していた。

はぁそうですか……。味の濃い『ふぐみりん』を先に出してしまったコトを、わたしはすっかり後悔していた。

(編集部より)土屋さんの熱い思いにより、この記事のみ2ページ構成です。次ページへ続きます!

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