特集 2016年2月27日

友の部屋:「マニアの濃いところ」3編

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こんにちは。デイリーポータルZ編集部 石川です。先週から始まりましたコラムのコーナーです。

文具マニアやダムマニアなど数々のマニアライターを抱え、多くのマニア記事を掲載する当サイトですが、とはいえ一応の遠慮があります。「このテーマ、普通の記事にしてもニッチすぎて誰も読んでくれないかもしれない…」「マニアックすぎてアクセス伸びないかもしれない…」。しかし、そんな載せられない部分こそが、マニアの一番「濃いところ」なんです。

今週はそんな、3日目の肉じゃがの煮汁みたいな、濃いマニアのコラムを3編お送りします。そしてその合間合間に、有料コンテンツの宣伝をしていきます。(この記事は無料です。)
インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

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まず最初のコラムはこちら。ライターべつやくさんの、どくろグッズ蒐集報告です。

「ドリンクディスペンサー」(べつやくれい)

レバーを操作するとノズルからドリンクが出てくる装置の、ドクロ型のものだ。
ワインボトルホルダーは見たことがあるが、ドリンクディスペンサーは予想外だった。
ドクロを集めている身で言うことではないが、なんでドクロ型にしたのだろう。ちょっと毒入ってる感があるではないか。
とはいえ私が喜んで買っているからいいのだが。
頭のてっぺんが開いて飲み物が入れられる
頭のてっぺんが開いて飲み物が入れられる
買って気づいたことがある。
ふつう、ドリンクディスペンサーの蛇口は入れ物の下のほうについているものではないのか。
気になって、ドリンクディスペンサーで画像検索してみると…やはりどれも入れ物の下のほうに蛇口がある。
なのに、このドクロの蛇口は鼻の部分についている。本当はアゴにつくのが正解なのではないか。

画的には確かに鼻のほうがおもしろいし、おさまりもいい。
赤いドリンクを入れて「鼻血」などと盛り上がることもあるかもしれない。「アゴ血」じゃ盛り上がりにくかろう。
でも実用面を考えてみてほしい。鼻より下に入っているドリンクはどうやって出すのだ。
ある程度はかたむけて出せるかもしれない。残りは、逆さにして出すか、直接飲むか、だ。どっちも盛大にこぼれそう。

と、こんなつらつらと文句を描きながらも、ドクログッズのこういうちょっと間抜けなところが本当に好きなのだ。
完璧なドクロももちろんいいのだが、鼻に蛇口をつけたドクロのかわいさには勝てない。
ドリンクディスペンサーは、まずは水で練習してみよう。こぼしても被害が少ないから。

デイリーポータルZ友の会コラム「私のドクロに乾杯」より

どくろグッズコレクターでもあるべつやくさん。
他この連載で取り上げられているのは「ドクロ型のケーキが焼ける型」(大きすぎてオーブンに入らず)や、目が光るどくろの傘など。デイリーの工作記事で提案しても「脈絡なさすぎじゃない?」と却下されるレベルの謎グッズばかりです。
友の会の紹介は記事の最後にしますが、早くも気になってしまった方はこちらのページへどうぞ。
続いては、ライターおおたさんによる、ドーナツに穴が開いている意外な理由。
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「その6 穴の理由。」

何故ドーナツには穴があいているのだろう。
一番有名な説は「ハンソン・グレゴリーという少年が、母親の作る揚げ菓子がカラっと揚がっていないことに不満を持っていたので真ん中をくりぬいて作るように提案した」というもの。これはナショナル・ダンキン・ドーナツ主催のドーナツ審議委員会が唯一認めた『ドーナツの起源』である。

その他、ハンソン・グレゴリー船乗りバージョンやトッピングのナッツの代わりに穴をあけたなど諸説ある。
ナッツがないから穴をあけた説イメージ図。
ナッツがないから穴をあけた説イメージ図。
私のおすすめは「揚げ菓子を作っていた鍋にインディアンの槍が突き刺さって生地に穴があいた」という説。
どんだけワイルドなんだよ、ドーナツ。
自称ワイルドのプロレスラー・征矢学より断然ワイルドだよ!!

ドーナツ好きを公言しているとたまに「いい年してスイーツアピール、イタいんだよ!」という反応をされるので、そんなワイルドな背景があったらいいなぁという願望です。
鍋に矢が突き刺さった説は私の妄想ではなく本当にあります。
鍋に矢が突き刺さった説は私の妄想ではなく本当にあります。
デイリーポータルZ友の会コラム「いで湯とイノシシ伝説の里」より

今やコンビニでも人気のドーナツ。冒頭に書いたように「マニアックすぎて記事にできない」ということは断じてありません。ではなぜ普通の記事でなくコラムで書いているかというと、もう1回記事にしてるからです。いや1回どころじゃなくて何回も記事にしてる。それでもまだ書きたい!という、溢れるパッションの受け皿となっているのがこのコラムのコーナーなのです。この情熱にお付き合いいただける方は、友の会へどうぞ
最後にもう1本。ライター平坂さんの、地味な生き物について語りつくす連載。
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コカブト

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あまり知られていないが、日本本土には二種類のカブトムシがいる。
うち一種は言うまでもなくあの「カブトムシ」である。身体がごつくて、オスには角が生えている格好のいいあのアレだ。デカくてツノ生えてるとか、もう男の子たちに好かれるために生まれてきたとしか思えない。いや、時には大人も惹きつける。哀川翔とか、編集部の安藤さんとか。魔性の虫だ。

そんな昆虫の王者たるカブトムシが実はもう一種類いる!こんな情報を聞いて興奮しない男子はおるまいよ。男子はさぁ「隠しキャラ」とか「裏ボス」とかそういう響きが大好きなんだから。
で、そのもう一種のカブトはその名も「コカブト」!

…この名前を聞かされてテンションが上がる男子はたぶんいない。「小」ってついちゃった…。カブトムシの魅力はでっかいことなのに。男の子は「小さい」って形容詞を聞くとがっかりするようにできてるのだ。
実際、コカブトは一般的なカブトムシをイメージしながら対面するとかなり拍子抜けするような姿をしている。体長はたったの2センチ前後しかないし、なにより角が短い。そもそも角と呼ぶのもためらわれるほどの貧弱さ。おそらく男子人気はカナブンに僅差で勝てる程度であろう。
だが、コカブトには意外な一面がある。肉食性が強く、他の虫を襲って食うのだ。樹液ばっか舐めてるカブトムシとは大違いだ。かわいくて大人しそうなヤツほど実は肉食系、というのは虫も人も同じなのかもしれないね。

デイリーポータルZ友の会コラム「トレンディな僕」より

記事のほうでは巨大魚やら変わった生き物を捕まえて食べまくっている平坂さんが、友の会では巨大でも変わってもない、普通で地味な生き物ばかり取り上げています。すべての生き物を愛する平坂さん、その愛情のメディア向きではない部分が凝縮されたコラムです。友の会でも1・2を争う長期連載で、現時点でなんと40本!きれいじゃないタマムシとか、小汚いカタツムリとか、いずれも劣らぬ地味さ。逆に一見の価値ありな内容となっております。

最後に、そんなコラムがよめるデイリーポータルZ友の会のご紹介です。

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というわけで、コラム紹介は次回も続きます。次は1週あきまして再来週の予定。友の会に入るつもりがない人も、コラムだけでも読んでって!
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