特集「でかいもの」 2016年3月3日

だんだん大きくなっていくドーナツめぐり

進化の過程を見るかのようなドーナツたち。
進化の過程を見るかのようなドーナツたち。
子供の頃読んでいた絵本に、「玉子焼きの大好きな王様が大きな玉子焼きを作るために象の卵を使うよう命令する」というお話があった。
王様にはたくさんの人にごちそうとして振る舞う必要があってのことだったが、そんな事情はさておいて「好きな食べ物を大きなサイズで作ってもらう」というのは何とも夢のある光景である。

そんな私の夢を体現した食べ物、『でかいドーナツ』が大森で売られていると知り、さっそく行ってみることにした。

(この記事はとくべつ企画「でかいもの」シリーズのうちの1本です。)
1980年北海道生まれ。
気が付くと甘いものばかり食べている偏った食生活を送っています。


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手始めにミスドから

だがしかし、いきなりでかいドーナツを食べてみても、普段のドーナツとどれくらい違うか分からなければ有難みも半減するというもの。
そこで、まずは日常で慣れ親しんでいるドーナツを巡ってみたいと思う。
まずは、私が生涯で最も食べているドーナツ、ミスタードーナツのフレンチクルーラーから行ってみよう。
相変わらず不思議な奥行きを感じる素晴らしい穴だぜ!
相変わらず不思議な奥行きを感じる素晴らしい穴だぜ!
すみません、取り乱しました。
フレンチクルーラーと、大きさ比較用にスマホ。
フレンチクルーラーと、大きさ比較用にスマホ。
ザ・テレビジョンのレモンのように。
ザ・テレビジョンのレモンのように。
こうして見るとフレンチクルーラーがものすごく小さく思えるが、それは私の顔の大きさによるものであり、本当はちょっと小さいくらいだ。

これだけだと食欲的には少し物足りないけれど、おしゃべりしながらドリンクと一緒に楽しむにはちょうどよい大きさである。
でも、おしゃべりもドリンクも入る隙なく食べ尽くした。
でも、おしゃべりもドリンクも入る隙なく食べ尽くした。
ドーナツの食感というと、ポン・デ・リングのもちもち感がクローズアップされることが多いが、フレンチクルーラーも負けてはいないと思う。こんなにふわっとしていて軽いのに確かに口の中に存在するこの感覚を、私は他では知らない。

むしろ、もちもち感はこの際和菓子あたりにお任せしておいて、そろそろミスドはフレンチクルーラーに力を注いでもいいのではないか。

要望を言い出すときりがないので、今日のところは我慢して次へ進もう。
焼き立てホットドッグも食べられる新宿靖国通り店でした。
焼き立てホットドッグも食べられる新宿靖国通り店でした。
品の良い艶のある美しさよ。
品の良い艶のある美しさよ。
クリスピークリームドーナツは季節限定ドーナツにも力を入れていて、特にこの季節に登場する抹茶ドーナツはミスドのものよりも好きなのだが、今回はオリジナルグレーズドだ。

口の中で溶けてしまうかのようなやわらかさと鼻先に抜けるような甘い香りには、確実に中毒性がある。
スマホと比較して大きさが伝わるだろうか。
スマホと比較して大きさが伝わるだろうか。
再びザ・テレビジョン。
再びザ・テレビジョン。
これで160円だと客がキレるくらい小さく見えるが、顔の大きさの都合で実際はそこまで小さくはないことを分かっていただきたい。
大口開けて食べる。
大口開けて食べる。
うまーい!!
うまーい!!
ドーナツを食べる度に、数年前クリスピークリームドーナツで隣の席に座っていたギャルっぽい女の子が「ドーナツって幸せの味がするよね」と笑顔を浮かべてオリジナルグレーズドを食べていたことを思い出す。見た目はバリバリのギャルだが、なんて純粋な心の持ち主なのだろうと感心した。

その後、そのまま話を盗み聞きしていたら、そのギャルは彼氏が滞納している家賃を支払うためこれからキャバクラの体験入店に行くことが判明し、世知辛い世の中だと思った。

今度はドーナッツプラントだ

厚みとかたさを感じる凛々しい穴である。
厚みとかたさを感じる凛々しい穴である。
ドーナッツプラントで一番人気・バニラビーンズを購入した。

が、新宿のドーナッツプラントにはイートインスペースが無いため、致し方なく移動中の駅のホームで食べてしまった。行儀の悪さには目を瞑ってほしい。
だんだんスマホの大きさに近付いてきた。
だんだんスマホの大きさに近付いてきた。
私の顔の大きさにも追いついてきました。
私の顔の大きさにも追いついてきました。
フレンチクルーラーもオリジナルグレーズドも大好きだが、不満もある。
それは、大口開けて食べたら3~4口で食べ終わってしまうということだ。

その点、ドーナッツプラントは大口で食べてもしばらく無くならないので安心できる。
大口開けて食べても
大口開けて食べても
全然なくならない!!
全然なくならない!!
電車が来るまでに早くしなければ…と焦って食べているうち、口の周りが砂糖だらけになっていた。

気付かずに電車に乗り、後で気付いて大変恥ずかしい思いをしたので、皆さんもドーナッツプラントで購入の際は是非気を付けてほしい。

最後は大森へやって来ました

私の趣味のひとつに、「食べログで『駅名 ドーナツ』で検索する」というものがある。

手間暇はかからないし行ったこともない駅のドーナツ事情まで分かったりする、ちょっとした空き時間の暇つぶしに持ってこいの遊びである。

そんな過程で知ったお店が、大森の『ラ・リーマ』だ。
大森駅から徒歩10分弱。パティスリー『ラ・リーマ』
大森駅から徒歩10分弱。パティスリー『ラ・リーマ』
こちらは地元で愛されるケーキ屋さんで、ケーキはもちろん週末限定で販売しているドーナツも美味しくてお勧めなのだという。
確かに、ドーナツが販売されている。
確かに、ドーナツが販売されている。
その中でも大変興味を引かれたのが、土曜日のみの限定発売、『大森生ドーナツ』。
それこそが、冒頭で紹介した『でかいドーナツ』である。
スマホと並べても遜色ない大きさ。
スマホと並べても遜色ない大きさ。
ドーナツと同じくらいの小顔だと言い張りたい。
ドーナツと同じくらいの小顔だと言い張りたい。
穴からも迫力が感じられる。
穴からも迫力が感じられる。
こういう大きいドーナツ的な食べ物として『焼きドーナツ』や『ドーナツ型○○』といった、一見ドーナツっぽいけど実際はちょっとドーナツとは違うものは案外見受けられる。

しかし、生地を油で揚げている(ここがドーナツとして欠かせない条件だと私は思う)巨大なドーナツは珍しい。

何でも以前雑誌で「大きなドーナツ」として紹介されたこともあるらしいが、それも納得である。
中は生クリームとカスタードクリームがたっぷり!
中は生クリームとカスタードクリームがたっぷり!
軽い食感のドーナツ生地と甘さ控えめながらボリュームたっぷりのクリームが食欲を誘い、さくさくっと食べ進められてしまう。

美味しくてとても幸せなことなのだが、カロリーを考えると非常に恐ろしい。
食べても食べても
食べても食べても
食べ終わらない!
食べ終わらない!
この後、似たような写真が30枚くらい続くので省略させていただくが、ひとつのドーナツを食べて満腹感を覚えたのは初めての経験だった。

そして、ひとつのドーナツを食べるのに10分近くかかったのも初めてのことだ。
貴重な経験をありがとう。大森生ドーナツに、心からの感謝を送りたい。
何とか完食できました。
何とか完食できました。
ただ、満腹になったのはここに来るまでに3個ドーナツを食べているというのもあったかもしれない。

次回チャレンジするときには、フラットな状態で挑みたいと思う。

登場ドーナツ全種類を並べてみた

今回食べたドーナツはすべてもう一つ持ち帰りで購入し、帰宅してから全種類を比較してみた。
ドーナツの進化。
ドーナツの進化。
スマホと顔の比較だけでは分かりにくいかもしれないので、大きさを測ってみよう。
フレンチクルーラー、約8cm。
フレンチクルーラー、約8cm。
オリジナルグレーズド、約9.5cm
オリジナルグレーズド、約9.5cm
バニラビーンズ、約11cm
バニラビーンズ、約11cm
大森生ドーナツ、約14cm
大森生ドーナツ、約14cm
好きな食べ物が巨大になって出てきたらわくわくするのは当然である。

14cmのドーナツは、幼い日、王様の玉子焼きに対する情熱に対して感じた憧れを30年の時を経て私に思い出させてくれた。

夢がいっぱいお腹もいっぱい

大好きな食べ物でおなかがいっぱいになるなんて、何と幸せな事だろうか。
ありがとう、ドーナツ。

ただ、写真を見ていて自分の顔に余白が多い気がしたので、ダイエットを決意した。
明日から頑張ろう。
あと、ドーナツ写真を撮る姿を撮られて恥ずかしかったので少し控えようと思います。
あと、ドーナツ写真を撮る姿を撮られて恥ずかしかったので少し控えようと思います。
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