ちしきの金曜日 2016年3月18日
 

ソ連時代のガイドブックでロシアに行く

嫌われレーニン

次は泳ぎに行こうと思う。ガイドブックを見ると泳いでいる写真が多いのだ。もっともガイドブックの写真は全て冬以外。泳いでいても不思議はない。というか、ガイドブックの写真には雪が一切なく、全ての景色が今と違うと言える。冬にロシアに来る人なんていないのだ。
こういう写真が多い!
こういう写真が多い!
ということで、冬でも泳げる場所に行きます!
ということで、冬でも泳げる場所に行きます!
冬だけれど、私も泳ぎたいと思いガイドブックを探すと「モスクワ水泳場」というものがあった。クロポトキンスカヤ駅から歩いてすぐの場所にある野外温水式プールで、真冬でも28度に水温が保たれ、湯気が立ち上がっているそうだ。行かねばなるまい。
ソ連時代の「クロポトキンスカヤ駅」(ということで、最寄駅に来ました!)
ソ連時代の「クロポトキンスカヤ駅」(ということで、最寄駅に来ました!)
現在の「クロポトキンスカヤ駅」
現在の「クロポトキンスカヤ駅」
最寄駅はソ連時代とあまり変化がなかった。薄化粧の女性のスッピンと化粧後くらいの変化だ。泳ぐ気満々で水着も準備してきた。期待を胸に、右手に水着を、左手にガイドブックを、右足と左足に靴を履いて、「モスクワ水泳場」に向かった。
ソ連時代の「モスクワ水泳場」
ソ連時代の「モスクワ水泳場」
現在の「モスクワ水泳場」
現在の「モスクワ水泳場」
なくなっていた。面影を全く感じない。別の歴史ありそうな建物が鎮座している。私の水着の居所がない。彼がかわいそうに見える。アメ横で880円で買った水着の晴れの舞台として最高だったはずなのに。私と彼の「モスクワ水泳場」はどこに行ったのだろう。
現在は「救世主キリスト聖堂」
現在は「救世主キリスト聖堂」
「モスクワ水泳場」になる前、ここには「救世主キリスト聖堂」があった。これはナポレオンがロシア侵略をした際の防衛戦「祖国戦争」に勝利したことを記念して建てられたものだ。しかし、ここにレーニンが登場する。1931年、「救世主キリスト聖堂」を爆破したのだ。
遠くにはロシアになってから作られた銅像が見える。銅像好きすぎるだろ!
遠くにはロシアになってから作られた銅像が見える。銅像好きすぎるだろ!
祖国戦争勝利のシンボルを爆破。ロシアになって、軒並みレーニンが消されている理由がなんとなくわかる気がする。爆破後は「ソヴィエト宮殿」を建てる予定が、なんだかんだあって、「モスクワ水泳場」となったのだ。直径130m、2000人が泳ぐことができる円形のプールだったそうだ。
救世主キリスト聖堂から、モスクワ水泳場になって、また救世主キリスト聖堂
救世主キリスト聖堂から、モスクワ水泳場になって、また救世主キリスト聖堂
ただソ連崩壊後、新生ロシアの象徴として「救世主キリスト聖堂」の再建が始まり、「モスクワ水泳場」はなくなり、2000年に「救世主キリスト聖堂」が完成した。

マイナス20度のモスクワに野外温水プールを作る発想はすごいが、勝利のシンボルを爆破してまで作るものではなかったな、と思う。
次に向かいます!
次に向かいます!

ソ連の景色、ロシアの景色

ソ連時代と変わった景色もあれば、変わらぬ景色もある。ロシアはそもそも地震などが少なく、古い建物が多く残っている。今はなき国の変わらぬ景色に出会うのも楽しい。タイムスリップしてきたみたいな感じなのだ。
ソ連時代の「ボリショイ・カーメンヌイ橋」
ソ連時代の「ボリショイ・カーメンヌイ橋」
現在の「ボリショイ・カーメンヌイ橋」
現在の「ボリショイ・カーメンヌイ橋」
高い建物が少なく空が広く見えるのが気持ちいい。またモスクワには基本的に山がない。平坦な地形なのだ。それもまた空が広い理由だろう。そして、街並みに社会主義国の匂いを感じる。こいつ長男じゃね、みたいな雰囲気と同じような説明できない雰囲気があるのだ。
ソ連時代の「モスクワ川」
ソ連時代の「モスクワ川」
現在の「モスクワ川」
現在の「モスクワ川」

ソ連だけの博覧会

ガイドブックに「国民経済成果博覧会」なるものを見つけた。ソ連が経済と科学技術の進歩を誇示するために作った、一国だけで行う巨大な恒久的博覧会らしい。宇宙館や原子力館など300の展示スタンドがあったそうだ。恒久的なら今もあるのではないだろうか。
なんか、すごい、社会主義国っぽいイベントな気がする!
なんか、すごい、社会主義国っぽいイベントな気がする!
会場のあるヴェーデンハーにやってきました!
会場のあるヴェーデンハーにやってきました!
会場の近くには「コスモス」というフランスとの合弁で完成したホテルもあるそうだ。ただ雰囲気はアメリカンらしい。冷戦時代に作られたホテルなのにアメリカンというのがすごい。意外と自由な感じだったのだろうか。
ソ連時代の「ホテルコスモス」
ソ連時代の「ホテルコスモス」
現在の「ホテルコスモス」
現在の「ホテルコスモス」
コスモスホテルは今もあったが、一つだけ大きな違いが存在した。ロシア人が大好きな銅像が建物の前に鎮座しているのだ。誰の銅像なのか知りたいけれど、ロシア語でしか書いていなくて読めない。アメリカンを打ち消そうと銅像を建てたのだろうか。
ホテルを後にして、国民経済成果博覧会場へ
ホテルを後にして、国民経済成果博覧会場へ
当時は300の展示スタンドがあったみたいだけれど、現在はそんな展示スタンドを見つけることができなかった。パビリオンかな、と思って近づいても工事中だったり、中は人気のない体育館みたいな感じだったり。ただ変わらぬ風景もあった。
ソ連時代の「国民経済成果博覧会」
ソ連時代の「国民経済成果博覧会」
現在の「国民経済成果博覧会」
現在の「国民経済成果博覧会」
ほとんど変わらぬ景色が広がっていった。あえて違いをあげれば、現在は「国民経済成果博覧会」ではなく、「宇宙飛行士記念博物館」になっている。300の展示スタンドがない理由が分かった。今は宇宙に特化して、当時の宇宙館だけが残っているのだ。
あと飛行機のソ連色が消え、ロシア色を出してきていた!
あと飛行機のソ連色が消え、ロシア色を出してきていた!
あと、プリクラがあったので撮ったら、
あと、プリクラがあったので撮ったら、
全然宇宙と関係なかった(証明写真みたい!)
全然宇宙と関係なかった(証明写真みたい!)

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