フェティッシュの火曜日 2016年3月29日
 

盗み食いの味とは

盗み食いにも味があるはずだ。盗んでもいい状態を作ってその味をたしかめた
盗み食いにも味があるはずだ。盗んでもいい状態を作ってその味をたしかめた
隣の芝生が青い。同じように隣の花見客が残しているソーセージがうまそうだ。

盗み食いはもちろんいけない。しかし食べ方である以上そこには味というものが存在するはずだ。

盗み食いの味とはどのようなものか。ふつうの味に飽きた貴族たちに送る、タブーの向こう側の味を知る企画である。
1980年生。明日のアーというコントのユニットをはじめました。動画コーナープープーテレビも担当。記事はまじめに書いてます

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> 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー

かつて拾い食いの味を確かめた我々が今度は盗み食いの味を知る。(参考 してみよう!拾い食い)
かつて拾い食いの味を確かめた我々が今度は盗み食いの味を知る。(参考 してみよう!拾い食い

かつて拾い食いをしていた2人が盗み食う

そもそもの発端は私たち(ライターの大北と編集部古賀)が拾い食いの味をたしかめたことだった。

参考 してみよう!拾い食い

大興奮だった。記事の反応も多く「盗み食いの味も知りたい」という声が出た。なるほどそれは知りたい。やらせてくださいとすぐ申し出た。
Twitterで面識ない人を募集した。男性があずまさん、女性が向坂くじらさん。「盗み食いをするので公園でピクニックをしてください」とお願いしてある。
Twitterで面識ない人を募集した。男性があずまさん、女性が向坂くじらさん。「盗み食いをするので公園でピクニックをしてください」とお願いしてある。

盗み食い状況を作る

とはいえ実際に盗み食いはしたくない。なので今回は人を用意して盗み食いしてもいい状況を作ることにした。

Twitterで面識のない人を募集し、公園でピクニックをしてもらった。何を用意しているかは私たちも知らない。さあ、盗み食いスタートである。
パーティーグッズと巨人帽で変装した筆者
パーティーグッズと巨人帽で変装した筆者
めがねとほっかむりで臨む古賀
めがねとほっかむりで臨む古賀
新聞の穴からのぞく。盗み食いにはこうしたクラシックなスタイルが似合う
新聞の穴からのぞく。盗み食いにはこうしたクラシックなスタイルが似合う
それにしても盗っ人(ぬすっと)が近い。「決して見つけないこと」と約束してあるので盗っ人に余裕がある
それにしても盗っ人(ぬすっと)が近い。「決して見つけないこと」と約束してあるので盗っ人に余裕がある
あずまさんたちが用意したのは寿司、パーティーメニュー、サラダ、サンドイッチ…これを食べるのだと思うとより美味しそうに見える
あずまさんたちが用意したのは寿司、パーティーメニュー、サラダ、サンドイッチ…これを食べるのだと思うとより美味しそうに見える

現実味が増した「美味しそう」

あらおいしそう、と他人行儀であった隣のごはんであるがこれから実際に食べていいとなるとこちらの目の色も変わってくる。

(寿司だ…サンドイッチだ…)と双眼鏡をのぞきこみながら生唾を飲み込む。

ここで「2人でトイレに行ってください」とピクニックの2人にメッセージを送った。あずまさんと向坂さんの2人が何も言わずに腰を上げる。さあ、盗み食いタイムだ。
「トイレに行ってください」とメッセージをうけて席を立つ二人
「トイレに行ってください」とメッセージをうけて席を立つ二人
今だ、いける! 盗み食いいけるぞ!
今だ、いける! 盗み食いいけるぞ!
寿司いこう、寿司! はしっこならバレないはず!
寿司いこう、寿司! はしっこならバレないはず!
あひゃひゃひゃひゃひゃ! ドキドキして味がしない!
あひゃひゃひゃひゃひゃ! ドキドキして味がしない!

盗み食いは味どころではない

自分が猿になったような音がする。ヒッ、ヒッ、ヒッ、と走りながら笑い声がもれている。スリルと興奮と可笑しさが混じってずっと笑っているのだ。

目についたのは寿司パック。一個くらいなくなっても気づかないだろうと端っこのホタテを持ってきた。

急いで口に放り込む。寿司が冷たい。だがそれどころではない。ホタテが柔らかい。だがそれどころではない。寿司よ、早くのどを通れ。通った通った、ホタテがのどを通過した。うまいかどうかもわからない。とにかく食べた、食べきった。

これか、盗っ人の味。一言で言うと「それどころではない味」。おふくろの味と対極にあるような全くホッとしない味だ。
きたきたきたきた…!!
きたきたきたきた…!!
またまた盗っ人(ぬすっと)が来たぞー!!!
またまた盗っ人(ぬすっと)が来たぞー!!!
どっこいどっこいどっこいどっこい!
どっこいどっこいどっこいどっこい!
そりゃそりゃそりゃそりゃ!(意味はありません)
そりゃそりゃそりゃそりゃ!(意味はありません)
すごいスピードでつくねを奪ってきた盗人の古賀
すごいスピードでつくねを奪ってきた盗人の古賀

「めっちゃうまい」と盗っ人

――古賀さん、どうでした? はじめての盗み食いの味は…

古賀「ドキドキした。ドキドキして何にも覚えていない。やる前に罪悪感が大きくて、やりたくないなくらいに思った。でもやってみるとうまい。めっちゃうまいめっちゃうまい。今後つくねが人生レベルの好物になりそう。

これが盗っ人、マジか……。めちゃくちゃ汗かきますね」

――そうそう、食べ物は冷たいけど自分がホットなんですよ。

古賀「心拍数めっちゃ上がるね。泥棒も多分めちゃくちゃポカポカするんだろうね」

――泥棒ってポッカポカなんですね。知らなかったなあ。やってみて知ることってありますね
まだ時間がある!とゆでたまごを盗む。たまご泥棒である。絵本か。
まだ時間がある!とゆでたまごを盗む。たまご泥棒である。絵本か。
帰ってきた! すぐ隠れて!
帰ってきた! すぐ隠れて!
二人の会話を聞くに、特に問題にはなっていないようだ
二人の会話を聞くに、特に問題にはなっていないようだ

夢のような時間である

古賀「あの二人は気づいたかね?」

――たぶん気づきますよね。でも大丈夫です。今日は絶対に気づくなと言ってありますので

古賀「でも現実的には2人いると盗み食いは絶対無理だね。どっちかは残ってるだろうから。花見くらい大勢いればできると思うけど」

――そうだ、今はたしかに夢みたいな時間ですね

古賀「あ、これ夢だね、完全に夢だね」
物陰から様子をうかがうたまご泥棒
物陰から様子をうかがうたまご泥棒
「他のとこ見てきて」のメッセージでふたたびチャンスタイム!
「他のとこ見てきて」のメッセージでふたたびチャンスタイム!
出たぞ−! 盗っ人がまた出たぞー!! ドンドドドンドドドンドンドン(荒太鼓)
出たぞ−! 盗っ人がまた出たぞー!! ドンドドドンドドドンドンドン(荒太鼓)
今度はおにぎり一個くらいいってもバレないだろう。だんだん気が大きくなってくる……この理論で人は覚せい剤を打ったり、張り付いた記者に焼肉弁当を配ったりするのだ!
今度はおにぎり一個くらいいってもバレないだろう。だんだん気が大きくなってくる……この理論で人は覚せい剤を打ったり、張り付いた記者に焼肉弁当を配ったりするのだ!

盗み食いとは本能の味だ

――これ何度やってもあわてますね…

古賀「あとさー短時間にたくさん食べないとと思うね。この短い時間にカロリーをたくさん摂取しないといけないと思って。質より量になる。宝石泥棒がガサーッとさらっていくような感覚」

――何か奪って食べるって原始的な人間の感覚なんじゃないでしょうか。狩猟採集よりも奪って食べた方が早いだろうし。本能の味ですよ。
古賀さん、サラダパックまるごといった! たけだけしさ! 二児の母にして盗人のたけだけしさよ!
古賀さん、サラダパックまるごといった! たけだけしさ! 二児の母にして盗人のたけだけしさよ!

盗っ人は最高の調味料

――古賀さん、ドレッシングなしでサラダたべてますね

古賀「なんかもうそれどころじゃない。ドレッシングいらない。盗っ人は空腹以上の最高の調味料だよ。ドレッシングいらないもはや」

ドレッシングなしでサラダが食べられること。それは盗み食いの味を象徴している。

何味?と言われれば「あわて味」であり「それどころでない味」である。そこには味を超えた喜びがある。他人のどんぐりを奪って食べてた人類のDNAから来る味なのだ。

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