特集 2016年4月3日

一時帰国あるある~消化器官は現地仕様~

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「タレントが一気に老いる」「日本語が聴こえすぎて酔う」「コンビニおにぎりに感動する」…そんな、普段日本にいない海外在住者ならではの一時帰国あるあるエピソードを募集しました。

前回では、「タクシーの自動ドアを自分で開ける」という投稿がまさかの10個も集まりました。きっと今日も、日本のどこかで一時帰国者が自動ドアに突き指しているのかもしれません。さぁ、そんな君も痛みを堪えつつご覧あれ!一時帰国あるある、第二弾です。
1984年大阪生まれ。2011~2019年までベトナムでダチョウに乗ったりドリアンを装備してました。今は沖永良部島という島にひきこもってます。(動画インタビュー

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> 個人サイト AbebeTV おきのえらぶ島移住録 べとまる

日本食に順応できない

こんな美味しそうな料理でも、もしこれがベトナムだったらちょっと警戒(半熟卵だから)。
こんな美味しそうな料理でも、もしこれがベトナムだったらちょっと警戒(半熟卵だから)。
日本食でお腹を壊す。他国の細菌に慣れて、日本の菌への耐性が失われている気がします。

たーにゃ
出だしからものすごく分かります、これ!移住後しばらくはお腹を壊しつつもベトナム料理に慣れてきた頃、たまにはと日本食を食べると、どこの店でも大抵お腹を壊していたんですよ。帰国中での食事でも同様に。最近ではそんなこともなくなったので、私の胃腸はやっと日本とベトナムのバイリンガル仕様になったようです。

食べたいのにお腹を壊すって本当辛いですよね。日本に住んでいた頃、近所にタイ料理屋があってよく通っていたのですが、そこのグリーンカレーを食べると決まって翌日にトイレから出られないほど腹を下していました。でも、美味しいから、わざわざ予定を入れない休日前を狙って食べに行く(リスクヘッジといいます)。レッドもイエローも大丈夫なのに、グリーンだけがダメ。タイやベトナムで食べてもやはりお腹を壊します。

日本のお金が使いづらい

側面では見分けのつかない50円と1バーツ。
側面では見分けのつかない50円と1バーツ。
日本円のお札が地味でぱっと見て金額が分からなかったり(オーストラリアは金額で色が露骨に違うので一目瞭然)小銭が小さ過ぎて扱いにくいです。1円玉なんてペラペラで清算時のあの短時間で必要な分抓み出せません。自然とお釣りの小銭が溜まってしまい、財布がパンパンになります。5円以下は四捨五入でいいんじゃないですか?

さんなす・オーストラリア
財布の中に複数の国の硬貨が入っていてレジでパニックになる

SwingingUvula
私今帰国中なのですが、分かります。財布を開くたびに「ああぁ!」となります。50円だと思ったら1バーツ(タイの硬貨)がこんにちはー!というパターンばかりです、執筆日現在のレートなら、50円には47円足りねぇよ。

ただ、店員はまさかバーツが入っていると思わないので、1バーツを取り出しては渋い表情で戻して、また1バーツを取り出しては渋い表情で戻して結局千円札を取り出す私は、どの50円玉を手離そうか決められない50円マニアに見えているのかもしれません。

なお、ベトナムで流通している貨幣は紙幣のみで(硬貨はあるけど使おうとしたら怒られる)、日本円の紙幣がデカすぎるので「日本のお金が使いづらい」にはまったくもって全面賛同です。

食べすぎて太るのか、はたまた歩きすぎて痩せるのか

日本人、よく歩くネ~!
日本人、よく歩くネ~!
日本で食べたい物が多すぎて、一日3食では足りなくなります。実家のご飯を含め、事前に滞在中の食事の予定を綿密に組み立てます。朝ご飯のアジの開きと生卵ご飯は、絶対外せません。

黒豆
子供の頃に何かと飯マズだと言われるイングランドに居住していたのですが、日本に一時帰国すると「何食べても美味しい!」状態でした。あの頃食べたナイススティック(山崎製パン)や回転寿司のおいしさはアラサーになりつつある今でも忘れられません。でもイングランドにも愛着があるので、あまり行ったことのない人がイングランドは飯マズだと言っているのを見るとなんだかもやもやしたり。

ほる
そうだよねー!食べ過ぎちゃうよねー!
アメリカにいる際、唯一の移動手段は親が運転する車。でも一時帰国中は電車に乗ったり歩いたりするので、運動量が自然と増えてやせました(ちなみに在米時代は見事な肥満体型でした……)。あと自分が行きたい場所に、自分の足で自由に行けるのも新鮮に感じました。

ピーポ
そうだよねー!歩き過ぎちゃうよねー!

…いやどっちだよ。でもこれ、確かにそうなんです。

日本の料理店にはほぼハズレなし、よほどグルメ舌でない限り「おいしい」ことはあっても「まずい」ことはありません。ベトナム在住者の間でも、日本から戻って●kg太ったーということはよく聞く話。世界でもっとも数多くの国籍料理が食べられる街は東京、なんて話も聞いたことがありますし。

その一方で、都市部に限るのかもしれませんが、日本では駅までとにかく歩く。なんだかんだで通勤で徒歩20分なら一日往復40分歩いていることになりますから、それを月~金の5日間だと3時間以上なのでこれは大したもんですよ。
ベトナムに渡ったときにしばらく日本食ばかり食べていたのですが、65kgから80kg手前まで増大したことがありました。そのあとでフォーや香草ばっかり食べていたら60kgまで減り…散歩もしていましたが、ダイエットは食生活と運動にあるということがよーく分かります。今は(日本食の)おかげ様で70kgまで増えました。

テレビの色彩がエグい

エクアドル、チリ、モザンビークと渡り住んでいましたが、テレビの画面が綺麗すぎてギラギラギトギトな色に見え、長い時間は見られませんでした

tairita
南米のテレビは淡いのか…と思いましたが、いやでも確かに、ベトナムのテレビも地デジに完全移行していないのでこれはありますね。あとはもしかしたらセットの色味や照明なんかもあるかもしれません。一時帰国あるあるのひとつに「全体的に服装が黒い」というものがありますが、その一方でつくるものは派手派手しいというところは、日本人の建前と本音を持ち合わせる二面性の一端があらわれているのかもしれません。

リトルワールドにおかえりなさい!

すべてが小さい。人も車も、自販機も飲み物も。成田に降り立つと全ての規格がコンパクトでびっくりします。アメリカ大陸の真ん中、何もないところに普段住んでいるので。

マッド鰐子
ベトナムの平均身長は日本人よりも低いので同じことを感じることはまずないのですが、分かります。5年前にイングランドのゲストハウスの便器に腰を下ろしたときはそのまま吸い込まれるかと思いました。端にちょこんと、完全にコップのフチ子さんになった気分でしたよ。あと、シャワールームのシャワー口からお湯の届く範囲が広すぎて、まったく微調整ができないんですよね、ドライorずぶ濡れですよあんなもん。強弱つけたいんだよ、強弱を。
会食後などでテーブルから同席者が立ち上がる時、頭が予想している高さになる前に止まってしまうことに、最初の数日違和感を感じます。同じ大きさの顔でも、蘭人ならあと20cmぐらい伸びしろあるのに。。。と思いつつ、私も自分では見えてないだけの巨顔です。

オランダ人間山脈
あはははは!立ち上がるという動作の、ほんの短時間での冷静な観察に笑います。ズオオオォォォォってな感じで、テーブルに砂煙が舞ってそうですね。それとは全然関係ないですが「蘭人」って言葉に武士っぽさを感じます。
ロシアで長期留学中です。ロシアの方は背がとても高くて、地下鉄の手すりがつま先立ちしても届かないくらい私の背がロシア人に比べると小さいのですが、日本に戻ると何もかもが自分の身長にフィットしたかのようになって、ホッとしちゃいます。堂々とつり革や手すりを腕が直角になるくらいつかめるのが幸せ。

あやっしー
手すりがつま先立ちしても届かないって、完全に巨人の世界に迷い込んでるじゃないですか!ロシア人の皆さんって本当にそんなに高いんですか?それ3メートルいってませんか?背を伸ばすには牛乳ではなくウォッカを飲むべきか。

メルヘンか!

いろんなものが喋る。動く廊下から自販機から。風呂から炊飯器から。いろんなものに話しかけられて、いちいち返事をしてしまう。アメリカではそんなものは話さない。

マッド鰐子
最初何言ってんだ?と思いましたが、最後まで読んでよく意味が分かりました。確かに…でもさすがに返事しないでしょ!盛ったでしょそれ!「足元にお気をつけください」「はい!」「もうすぐお風呂が湧きます」「本当ですか!」「あと3分でご飯が炊きます」「ありがとうございます!」…いやいやー、盛ったでしょそれ!でも楽しそうだから今度真似してみます。あ、そろそろベトナムに戻るわ。

翻弄される私の中の小さな外国人

外国に長く住んでいると、ふたつめの人格のように小さな外国人が生まれます。生まれ育った日本はよく知っているはずだけど、どうしてもその小さな外国人は戸惑って、しでかしたり、逆に何もしなかったり、社会規範のシッカリしている(周りに合わせることの多い)日本だからこそ、ときにそれが恥じらいに感じて笑い話になったりするのかもしれません。皆さん、世界各地から多くの一時帰国あるあるをお寄せいただきありがとうございました~!
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