特集 2016年5月7日

4月の記事ベスト5&「上のほうにあるものは大きい」

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5月ですね。編集部 石川です。

5月ってめちゃくちゃピークの早い月ですよね。始まったと思ったらすでに目玉のゴールデンウィークは始まっており、その勢いで憲法記念日も子供の日も全力で駆け抜け、連休が終わったと思ったらあとの20日ちょっとはもう普通の日です。言ってみれば余生。そんなわけで4月の記事を振り返りつつ、老後の隠居生活を満喫したいと思います。

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前の記事:市販菓子の高級版、あこがれのモザイク除去機 今週の人気記事

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今月のアクセス1位は、昔から気になっていたモザイク除去機を実証!検証結果も興味深かったですが、ネットオークションの何でもあるぶりにも脱帽です。
その昔、男性向け雑誌の広告ページによく載っていた「モザイク除去機」。今こそ買ってみてその効果を試してみました。
伊勢丹の食料品売場にはおなじみの菓子の高級版みたいなのがある。いろいろ探してみた。
伝説の剣エクスカリバーが、なんと岩手の岩に刺さっているという。それは抜きに行かねば。
ユンケルの種類が多すぎる。ラインナップは38種類。そして商品名も相当まぎらわしい。一体どういうことになっているのか、向き合ってみたい。
世界一くさいと言われるシュールストレミングやホンオフェを食べる会を公園で開催。

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続いてSNSのシェア数ランキング。こちらはガンプラを肌色に塗る記事が1位。先ほどのモザイク除去機に続いて、セクシー系記事がトップに躍り出ました。デイリーポータルZ精一杯のセクシー月間、お楽しみいただけましたでしょうか。
ガンダムのプラモデルが、前々からセクシーだと思っていた。太ももとかムチムチだし、ヤバイ。ヤバさをわかりやすくするため塗りました。
ユンケルの種類が多すぎる。ラインナップは38種類。そして商品名も相当まぎらわしい。一体どういうことになっているのか、向き合ってみたい。
ときどき、ホームが川の上にある駅がある。「いま自分は川の上にいるのだ」と思うと不思議な気分になる。いくつかの「川の上の駅」をめぐってみた。
小学二年生の付録がスゴい。しん長80cmの人体模型である。
伊勢丹の食料品売場にはおなじみの菓子の高級版みたいなのがある。いろいろ探してみた。
次はライター三土さんへのインタビューです。
いったん広告です
いったい何なのかを調べていたら、ガードレールにもそれぞれ役割や種類の違いがあリ、それらの見分け方もあることを知った。
石川:短いガードレール、いつごろから気になってたんですか?

三土:実はつい最近です。
本を作るにあたって、ガードレールに詳しい人にいろいろ話を聞いたんですが、そしたら知らなかったことがいっぱい出てきて、こりゃ面白いなと。
その中の1つが、短いガードレールの理由だったのでした。


石川:なるほど。

読者のみなさま向けの説明なんですが、先日、三土さんの記事が出まして(「街角図鑑」。→これです
ちょうどこの記事にあるような、街角にあるいろんなものの知識を集めた本です。

なんですが、この対談がモロ宣伝になっちゃうのもアレだなと思いまして、文末にお知らせ入れる程度にしようと思ってたのですが…。
三土さん、いざ話しはじめてみると、この記事の話する上で本の話題は避けられないですね。


三土:どうだろう?

石川:いや、もういいです。本の話しちゃいましょう。

本作るのにかなりいろんな人に話し聞いたんじゃないですか?


三土:そりゃもうですね、いろいろ聞きました。
こういうことの書いてある本はほしいけど、自分自身は素人な訳ですからね。
街灯を作ってる会社の人にも話を聞きましたし、建築家の人に建物の壁の話を聞いたりなどしました。


石川:そうですよね、モノごとにそれぞれ専門家がいるわけですもんね
そういう専門家って、立場的にはメーカーの人が多いんですか?


三土:そうですね。ほかには建築家、もと東京都の職員、大学の先生…

石川:あー都の人。導入する側ですね。ユーザー側っていうか。

三土:そうそう。
ガードレールの話を聞いたのは都の人です。
このガードレールは「巻き込み防止用」と判明(詳しくは記事本文で)
このガードレールは「巻き込み防止用」と判明(詳しくは記事本文で)
石川:ガードレール以外で印象深かった話があればひとつ教えてもらえませんか。

三土:たとえば街路灯ですね。
街路灯なんてふだん意識する機会ゼロだと思うんですけど、すごい工夫がいっぱいあるんですね。
なんとなく周辺を照らしてるわけじゃありません。


石川:ほう

三土:まず、街灯の間隔をなるべく広くとったほうが経済的なので、光が横に広がるように工夫されてます。
かつ、真横には飛ばないようになってる。自動車のハイビームと一緒で、目に眩しくなっちゃうからです。さらに上にも飛ばないようになってる。光害といって星空が見えなくなるからです。


石川:星空! そういう配慮もあるんですね

光の制御って反射板か何かついてるんですか?


三土:反射板ついてますし、発光ユニット自体で光の量や方向を制御するようになってる。
設計資料すごいですよ。
三次元空間の中で、光がどれくらいの強さで分布するかのデータとかあるそうです。
ひとつひとつ全部。


石川:へーーーーー

三土:たとえばこんなですね

石川:なんか等高線みたいな図が

三土:照度分布図とかですね。これは平面ですが、実際には立体的なデータがあります。

石川:ぜんぜん意識してなかったんですが、この図を見た感じ、街路灯って車道の上についてるんですね。
道の両端にあるイメージでいました。生活してて普段上を見る機会がなくて。


三土:たしかに見る機会ないですよね。

おおまかに2種類あって、ふつう歩く歩道の上には歩道灯っていうのが5メートルくらいの高さにあります。
車道の上には10メートルくらいの高さに道路灯っていうのがあります。

高さがぜんぜん違うんです。


石川:これも2種類あるのか。

三土:たとえばこれで、2種類の高さの灯りがありますよね。低いほうが歩道灯です。
街路灯には2種類の高さがある
街路灯には2種類の高さがある
石川:あ!2種類ある!
歩道は低いんですか? なんでだろう。


三土:単純に、車道には背の高い車が通るので、高くしないといけないです。
標識とかも同じ。


石川:あー、つっかえないように。
さっき光の方向の話が出たからそっちのことばっかり考えてました。
物理的につっかえるのか。


三土:ふつう街路灯に対して意識ゼロですよね。ぼくも調べるまでゼロでした。

石川:僕とか、三土さんなんか特にそうだと思うんですけど、デイリーやってると道の上を見る記事けっこう書くじゃないですか
路上に意識向ける機会ってその分多いと思うんですけど、それでもぜんぜん気にしてなかったですよね。いままで。


三土:足もとはそれでも自然に目に入りますもんね。

石川:上空はほんと無防備。

三土:上空でいうと、上のほうにあるものは大きいっていうお話しが面白かったです。

石川:たとえば何ですか?

三土:横断禁止みたいな歩行者向けの標識は小さいんですけど、車道の上にあるこの案内標識とかはすげーでかい。
「岐阜 120km」みたいなやつですね。
こういうの。青い標識が下を通るトラックと同じくらいの大きさになってる
こういうの。青い標識が下を通るトラックと同じくらいの大きさになってる
石川:あー、はいはい。
遠いからかな。見る人から。


三土:そうそう。

遠くから見て欲しいものは、上の方に置くんですね。
いまその場で見てほしいものは下の方に置く。
上のほうのものは遠くから見て欲しいから大きくなる。
ハリウッドにあるハリウッドサインとかと同じ。大文字焼きとか。


石川:なるほどー

三土:看板って部屋に置くとでかいぜーみたいな話ありますけど、じゃあなんでだっていうのはあんまり考えたことなかった。

石川:低いところのものはすぐ通り過ぎちゃいますよね。高いところのは遠くから見えて、近づくまでずっと見える。

三土:そのとおりですね。
情報の射程距離が違う、というふうに言っていて、こう言われると頭いいなーって感じですね。


石川:いやー、ちょっと授業受けたい感じになってきました。三土先生の。

三土:ぼくじゃない!ぼく受け売り!

石川:その話は誰に聞いた話ですか?情報の射程距離とか

三土:それは石川初さんという慶応の先生です。
デイリーだと大山さんと一緒にGPS地上絵を書いてます。


石川:記事によく出てくるもう一人の石川さんだ。

いやーちょっとこれは、普通に本が読みたくなる対談になってしまいましたね。


三土:まずい。

石川:いやいいですよ、売りましょうもう。デイリーポータルZ推薦図書。

三土:ありがとうございます。デイリーで培ったエキスがつまっておりますゆえ。

石川:三土さんに偉くなってもらって、デイリーのネームバリューも押し上げてもらう方向で。
今後の更なるご活躍を期待しております!

続きまして、ライター小堺さんへのインタビューです。
いったん広告です
鳥のフンに偶然当たる確率は奇跡に近い。そう考えると、例えそれが排泄物であっても当たってみたくなる。
石川:最初に聞いてからもう2年くらい暖めてましたよね、このネタ。当時から「最高の記事になるぞ…」と思ってました。

小堺:お待たせいたしました。でも、当初はこんなしっかりとした記事書くとは思ってませんでした。適当にお寺とか公園とかいこうとしてましたからね。

石川:テーマでふざけてる割にはしっかりしたノウハウできてるんですよね。最終的に。
需要の少ないノウハウですけど。



小堺:そうなんですよ。今回はマジで探してくれた伊藤さんの存在がでかいです。
ユーチューブとかで探したりして、実際に渋谷駅前みにいってくれたりとか。


石川:あはは、事前調査だ。手を抜かないことには定評のある伊藤さん。

小堺:思いましたけどハトとの共同作業ですよ、フンにあたることは。
お互い協力しないと当たらない。


石川:こっちも、たとえば捕獲しようとしてるとか思われたら逃げられちゃうし。
分かり合わないといけないですよね。


小堺:そうなんですよ、今回一番ひびいた伊藤さんの言葉が、
「小堺さんはどの鳥のフンに当たりたいの?」


石川:あはは、どの鳥。

小堺:ガツンと来ましたね。相手のことをなにも知らずにやろうとしてたので。

石川:こういうたとえは安易かもしれないですけど、ほぼ恋愛ですね。フンに当たるという行為は。

小堺:ははは

石川:「フンに当たりたいな」って「あー彼女ほしいな」って言ってるのとおなじ状態ですよね。
付き合えれば誰でもいいみたいな。


小堺:言われてみればそうですね。
いろんな性格の娘がいましたよ。


石川:「娘」。

フンに当たることはハトとの共同作業
フンに当たることはハトとの共同作業
石川:どう違うんですか?鳥の性格は。

小堺:ハトタイプは狙い目ですよね。
あまり危機感を持ってないというか。


石川:平和の象徴だからですかね。

小堺:狙って凝視してても動かないし。

石川:逆にカラスが難しいんでしたっけ。

小堺:そうですよ、嫌われ者だからフレンドリーに行けば逆に受け入れてくれるかとおもいきや、すぐ逃げるんですよね。
もてない娘にもフラれる気分。


石川:「嫌われ者だから逆に受け入れてくれる」。
感情移入の方向性が完全に人間ですね。


小堺:若者の嘔吐物をたべてるのみてさすがに引きましたけどね。こっちもプライドあるんで。

石川:ですよね。これから当たりに行くフンの原料がそれってことですからね。
当たる側としてはできれば草食であってほしい。


小堺:そうなのです、そういう意味でもハトがいいですね。

石川:そういえばスズメが出てこないですね。狙わなかったんですか?

小堺:そういえばそうですね、伊藤さんコースに入ってなかったな。しかしスズメも警戒心強いんですよね。
あと、フンが小さそうじゃないです?


石川:大物がいいんですか?

小堺:当たった感覚がほしいですよね。あと、一回、撮影中にフンが空中で消えたように見えたのがあって。
小さいと空中分解しそうじゃないですか? 想像ですけど


石川:しないと思いますよ、それは。
あ、でもむかし飛行機のトイレは下に落としてたって言いますよね。途中で粉々になるからいいんだって。


小堺:そうそう!
それですそれです。
我々の体に届く間に粉々になってるフンもたくさんあるのでは・・。


石川:深いな。
ポトッと当たるだけが「フンに当たる」ではないんですね。
粉々になったものをいつの間にか浴びている可能性もあるっていう。


小堺:そうなんですよ、厳密に言ったら、当たったことがないひとはいないのかもしれない。

記事では最終的に成功、ありがたいポーズの伊藤さんに後光が差す
記事では最終的に成功、ありがたいポーズの伊藤さんに後光が差す
小堺:石川さん、当たったことありますか? ポトで。

石川:ポトはないですね。あったかな。たぶんないと思います。

小堺:へえー。

石川:みんなあるものでしょうか?普通?

小堺:どうなんですかね、衝撃的だったのが、豆屋のお母さんが一度もあたってないですからね

石川:あーそうですよね。アレだけの鳩スポットなのに。
でもやっぱり当たるのがコツなら当たらないコツもあるんでしょうね。裏返しで


小堺:そうなんですよ、わたしはそれも言いたかったんです。あの記事の反対をやれば当たらないんですからね

石川:新しくとまりにきた鳩を避けるとか、フンをした鳩の近くには行かないとか

小堺:豆屋の前でじっと待たない

石川:言われなくても普通待たないですよ!
新しく止まりに来たハトの近くにも行かない。



お知らせと今後の予定

今月はヘボコン・イン・USA!!!

ふざけてはじめたイベントがあれよあれよという間に世界に広まり、ついにお米の国に招待されました。編集部・石川&古賀がヘボコン特命員として、そして林もお忍びで潜入予定です。5/20-22、カリフォルニア州サン・マテオのMaker Faire Bay Areaにて!

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