とくべつ企画「味が濃い」 2016年6月10日
 

カルピスの濃さについて語ろう2016

カルピスを原液で飲んだ後の表情
カルピスを原液で飲んだ後の表情
我が家にはカルピスが常備されている。子供たちが好きなのと、僕も好きだからだ。各自、好みの濃さでカルピスを作って飲んでいて、僕は濃いめを好んできた。当サイトのウエブマスター、林さんにカルピスの濃さについて聞くと「僕は薄いですよ」という回答が帰ってきた。どれくらい薄いのだろう? そして、僕はどれくらい濃いのが好きなのだろう。確かめてみたい。

と思って撮影を進めていたら、まさかの緊急事態が発生した!

姉さん、大変です。

(この記事はとくべつ企画「味が濃い」シリーズのうちの1本です)
1970年神奈川県生まれ。デザイン、執筆、映像制作など各種コンテンツ制作に携わる。「どうしたら毎日をご機嫌に過ごせるか」を日々検討中。
> 個人サイト すみましん

市販のカルピス製品でお互いの好みを確認

話を始める前に、一応、断っておくが僕に姉さんはいない。ただ、姉さんがいたら「どうしたらいい?」と相談したくなるような事態が発生してしまった。記事がお蔵入りになっても仕方ないような事態が…。

それでも話を進めようと思う。

最近、コンビニに「濃いめのカルピス」という商品が並んでいる。濃いめを好む僕にはうってつけのカルピスだが、薄めの林さんはどうだろう?

まずは市販のカルピス製品でお互いの舌の違いを確認してみよう。
濃いめのカルピス
濃いめのカルピス
二人で試飲
二人で試飲
うん、確かに濃い。でも、もっと濃くても構わない。しかし、林さんは違った。一口飲んでやられてしまっている。胸に「LOSER」と書いてあるのが象徴的だ。
試飲後、チャートにお互いの感想を記録。僕はちょうどいいより少し「濃い」と感じ、林さんはかなり「濃い」と感じている
試飲後、チャートにお互いの感想を記録。僕はちょうどいいより少し「濃い」と感じ、林さんはかなり「濃い」と感じている
確かに林さんは濃いカルピスが苦手なようだ。

それでは、オーソドックスに「カルピスウォーター」に対してはどのような感想を抱くのだろう。
定番のカルピスウォーター
定番のカルピスウォーター
カルピスウォーターが市場に出回り始めた時、「それは売れないだろう」と思っていた。カルピスは家で希釈するもの。それまで抱いていた常識を覆す発想についていけなかったのだ。ところが実際は違った。1991年の発売と同時に、カルピスウォーターは爆発的に売れて、その年のヒット商品番付にランクインしている。

イノーベーション、という言葉をカルピスウォーターから学んだ。今となってはそう思う。

そんなカルピスウォーターだったら、林さんにもちょうどいいのではないだろうか。
沈み込む林さん
沈み込む林さん
僕は「ちょうどいい」より薄く感じたが、林さんは「ちょうどいい」より濃く感じている。

じゃあ、最近見かけた「カルピスすっきり」だったらいけるだろう。
ゼロカロリーのカルピスすっきり
ゼロカロリーのカルピスすっきり
試飲
試飲
林さんは、「カルピスウォーターと変わらない」という感想を口にした。

最初に聞いた「僕は薄いですよ」という言葉の重みが増していく。どれだけ薄かったら満足なのだろう。

曰く、ポイントは「濃さというより甘さ」なのだという。ホワイトボードを使って、そのことを説明してくれた。
ホワイトボードで
ホワイトボードで
甘さと舌の関係について説明する林さん
甘さと舌の関係について説明する林さん
今まで飲んだ3本のカルピスは、どれも甘みが強過ぎるらしい。舌の絵を描いてそれぞれに甘みを感じる場所が違うことを力説してくれたのだが、正直、僕には全く分からなかった。

とにかく、僕と林さんとではカルピスの濃さに対する嗜好性がかなり違うことは分かった。

次に、お互い自分の好みでカルピスを希釈していこうと思う。

それぞれ、好きな濃さで作ってみよう

今回、自分にベストな希釈を正確に割り出したいと考え、100_円ショップで計量カップを2つ購入しておいた。小さい方はカルピス用で、大きい方は水用だ。
正確に希釈するために計量カップを用意
正確に希釈するために計量カップを用意
慎重にカルピスを注ぐ
慎重にカルピスを注ぐ
カルピス10mlを基準とする
カルピス10mlを基準とする
カルピスのボトルには「5倍に薄めてコップ約15杯分」と書いてある。つまり、5倍の希釈がカルピスからのおすすめ希釈と取っていい。

ここで、僕と林さんは悩んだ。5倍希釈というのは、カルピスの量に対して5倍の水が必要なのか。曖昧だったので、林さんがネット検索をかけてくれた。

すると、すぐ、

「あっ!」

という林さんが声を漏らした。

なにごとだろう?
あっ…
あっ…
「デイリーの記事がありますね。3年前の」

えっ?

「3年前に、デイリーで同じことやってますよ」

ん?
どういうことだ?
どういうことだ?

緊急事態発生! ネタがかぶってます

林さんが3年前の記事を見せてくれた。
ほら、ここに
ほら、ここに
それは、古賀さんが書いた「実家のカルピス濃度について語ろうか」という記事であった。

カルピスの濃度について詳しく検証を重ねていて、5倍希釈はカルピス1:水4であることもちゃんと書いてある。2倍から8倍のカルピスを用意してライター26名に試飲してもらい、平均的なカルピス濃度を算出しているし、ライターさんたちからカルピス名言をたくさん引き出していて面白い。

カルピスの濃度について、これ以上語ることなんてないだろう。

僕は一度掘られた穴をもう一度掘ろうとしていたのだ。しかも、古賀さんのようにキチンとした用意もせずにスコップ1つで。

その穴はまだ3年前に掘られたばかりで、しかも、そこに林さんが登場していた。
3年前の記事より
3年前の記事より
おいおいおい。もう、結果が出てるじゃないか。3年前に「7倍が理想」って言ってますよ!

「あれ、そうだったかな…。でも、大丈夫ですよ」

と林さん。

いや、大丈夫な感じがしない。

「やめだ、やめだ! 一旦、ゼロベースだ!」と僕の中の現場監督が声を荒げるが、「でも、もう時間がないですよ」と僕の中のプロジェクトマネージャーが囁く。

そうなのだ。この撮影は公開の前日に行われている。今更、他の企画を考えて撮影して原稿を書くなんて時間はないのだ。

姉さん、どうしたらいいのでしょうか?

もう、原液でいきましょう

何倍の希釈とかそういう細かい話は置いてしまって、「カルピスを原液で飲む」という方向に舵を切ることにした。
こうなったらヤケだ
こうなったらヤケだ
原液で飲んじゃいましょう
原液で飲んじゃいましょう
あっ
あっ
なんだか美味しい。これは新しい味覚体験なのではないだろうか。

林さんにもすすめてみた。
7倍が理想の林さんが原液に挑戦
7倍が理想の林さんが原液に挑戦
グロッキー
グロッキー
全然無理です、と林さん。

そんなこと言ってる場合じゃないですから! カルピスを原液で飲んで新しい味覚体験! その方向でいきましょうよ。
ほら!
ほら!
美味しいですって
美味しいですって
グイグイとカルピスの原液を飲む僕を尻目に、林さんは水を手に取る。
希釈を始める
希釈を始める
林さん
林さん
いける!
いける!
林さんは10倍希釈のカルピスを飲み、「これです!」と言っている。

あくまでも希釈の方向は譲らない方針だろうか。林さんがすすめる10倍希釈を飲んでみる。
10倍希釈を飲んで
10倍希釈を飲んで
笑う
笑う
こんなものカルピスじゃない。カルピス風味の水だ。

「いや、でも、今の俺は10倍だなぁ」

とあくまでも10倍を譲らない林さん。

僕たちは今、何で競っているのだろう?

撮影を手伝ってくれていた橋田さんにジャッジを委ねることにした。

まず、10倍希釈を飲んでもらう。
10倍希釈を飲む橋田さん
10倍希釈を飲む橋田さん
「これは、薄すぎます。ほぼ水です」

よし! じゃあ、原液はどうですか?
原液を飲む橋田さん
原液を飲む橋田さん
これはいける!
これはいける!
橋田さんが原液側についてくれて嬉しかったが、僕は橋田さんにも言いたいことがある。

3年前の古賀さんの記事に、橋田さんも登場していたのだ。
3年前の記事より
3年前の記事より
橋田さんも林さん同様、3年前のことを忘れていたのだろうか。それとも実は覚えていたけど触れずにいたのか。
原液が癖になりつつある
原液が癖になりつつある
原液がいかに美味しいかをレクチャー
原液がいかに美味しいかをレクチャー

さらに原液を啓蒙

グラスの形状を変えたら、林さんも原液でいけるのではないだろうか。
カクテルグラスならどうか
カクテルグラスならどうか
さきほどのショットグラスよりも口が広い分、カルピスが空気に触れてマイルドになるのでは。という無茶苦茶な理屈である。
口の広いカクテルグラス(左)なら飲めるのでは
口の広いカクテルグラス(左)なら飲めるのでは
林さんにカクテルグラスのカルピス原液をすすめる。
変わらないと思うけど…
変わらないと思うけど…
ほらー
ほらー
カクテルグラスのカルピス原液を飲んですぐ、林さんは「ほっぺたが痛い」と言い始めた。
ほっぺたが痛いんですよ
ほっぺたが痛いんですよ
どういうことだろう?

甘いものを飲んでほっぺたが痛くなるなんて昔話でも聞いたことがない。

多分、嘘をついているのだとは思うが、これ以上原液をすすめるのはやめた方がいいだろう。

我が家の最近の流行りは炭酸割り

最近、我が家ではカルピスウォーターを炭酸水で割るのが流行っている。

それを、林さんにふるまってみよう。
一旦席を離れ
一旦席を離れ
グラスを洗いに
グラスを洗いに
カルピスを炭酸水で割るといわゆるカルピスソーダが出来上がるわけだが、このメリットは炭酸が抜けてもカルピスウォーターとして楽しめるという点にある。炭酸が抜けたコーラは残念であるが、カルピスソーダは炭酸が抜けてもまだ美味しいのだ。
まずは僕の配分(2倍希釈)でカルピスソーダを
まずは僕の配分(2倍希釈)でカルピスソーダを
うん、うまい
うん、うまい
林さんは8倍希釈で
林さんは8倍希釈で
カルピスソーダを
カルピスソーダを
うん、いける
うん、いける
カルピスを炭酸で割ることにより、林さんが苦手とする「甘味」がやわらぐという効果が見受けられた。水の場合は10倍希釈を推す林さんも、炭酸割りなら8倍でちょうど良いと言う。

しかしどうだろう。

原液で飲んだり、炭酸で割ったり。そんなことでいいのだろうか?

この記事には何か足りない。

伏兵現る

前出の写真をもう一度見ていただきたい。
前出の写真
前出の写真
僕の背後で打ち合わせをしている人たちがいる。

その中に、
横山店長
横山店長
東京カルチャーカルチャーの店長、横山さんがいたのだ。

「横山さんに、カルピスの濃さを顔で表現してもらいましょうよ」

と、林さんから提案があった。

それはいい!

前回、「LINEのスタンプを実写化する」という記事で、横山さんの顔にはお世話になっている。

今回も、横山さんの顔でこの記事をなんとかしてもらおう。

カルピス原液の濃さを顔で表現すると?

打ち合わせを終えた横山さんに声をかけた。細かい説明は省き、とにかくカルピスを原液で飲んでいただいた。
ショットグラスでカルピス原液を飲む横山さん
ショットグラスでカルピス原液を飲む横山さん
カルピス原液を飲んだ横山さんはどんな顔をするのか?
これ、ストレート?
これ、ストレート?
いただきました、「これ、ストレート」。


カクテルグラスだとどうだろう?
カクテルグラスでカルピス原液を飲む横山さん
カクテルグラスでカルピス原液を飲む横山さん
さあ、どんな顔?
割ってないよね?
割ってないよね?
カルピスの原液を飲んだ横山さんは、慌ただしげに次の打ち合わせに向かった。

今回もありがとうございました。

撮影の途中で記事がかぶっていることを知り、急に体が熱くなって変な汗がどっと出た。そんな状態でカルピスの原液を飲んだので、その後ずっと喉が渇いてしかたなかった。カルピスはちゃんと希釈して飲む飲み物。そんな当たり前のことが分かっただけの記事になってしまいました。申し訳ありません。

お詫びに、「LINEのスタンプを実写化する」で撮影していた動画をお届けします。スタンプの動画版も作ってみようと横山さんにやってもらったのですが、あまりにもシュールだったので公開を控えた動画です。
LINEのスタンプ動画版
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