はっけんの水曜日 2016年6月29日
 

餃子の王将で初めてのボトルキープをしてみた

なんともビールを飲みたくなってくる写真ですが水割り飲みます
なんともビールを飲みたくなってくる写真ですが水割り飲みます
いい男は行きつけの飲み屋を持っている。そこで飲むのは自分の名前を書いた、ボトルの酒だ。

そういう世界にあこがれる。ところがぼくは生まれてこの方、ボトルキープなどしたことがない。一回やってみるか。「餃子の王将」ならハードルが低いのでは? 
1982年、栃木県生まれの指圧師です。自分で企画した「下北沢ふしぎ指圧」で施術しています。何をしているときでも「みんなが自分の治療院に来てくれるといいな〜」って思っているのですが、ノイローゼでしょうか。
> 個人サイト 下北沢ふしぎ指圧

行きつけの飲み屋持っていますか

ぼくは飲み屋で店員に顔を覚えられたくないし、話しかけられたくない。そういう場所は苦手なのだ。

ところがドラマなんかを見てると、主人公たちはだいたい「行きつけの飲み屋」を持っていたりする。現実的に考えるとロケの都合上、あんまりいろんなお店を使えないということなんだろう。しかし、そこまで分析できていていも、画面上に映し出される「行きつけの飲み屋」はなおも魅力的である。

王将でボトルキープができる

王将に来ました。ここならいくらでも入れる
王将に来ました。ここならいくらでも入れる
そこで「餃子の王将」だ。仕事場近くの王将(下北沢店)はボトルキープをやってくれる。ここなら店員が親しげに話しかけてきたりしないし、顔も多分覚えられない。
オレンジジュースを注文する同行者のAさん
オレンジジュースを注文する同行者のAさん

まったく酒を飲まないAさんが来てくれた。ぼくの初めてのボトルキープに際して、キープ慣れしている人は連れてきたくなかったのだ。ただし、このへん、自分でもよくわからない心境である。
「ボトルキープ出来ます」とちゃんとメニューに書いてある
「ボトルキープ出来ます」とちゃんとメニューに書いてある
キープできる酒は焼酎とウイスキーがある。ここで気づいたのだが、ぼくはボトルキープできるような酒を普段ほとんど飲まない。飲むときは生中2杯とレモンサワー飲んでおしまいだ。

―― 頼みたい酒とかあります?

Aさん「ないです。ぼく酒飲まないんで。斎藤さん焼酎とか飲まないんですか?」

―― あんまり飲まないです。サワーは飲むけど……。この中だったらどうしよう

Aさん「芋と麦ってどう違うんですか?」

――それはむずかしい問題ですね。芋の方がくさいというのはある気がしますが……
「かのか」ボトルが1980円
「かのか」ボトルが1980円
結局、決め手に欠けながらも麦焼酎の「かのか」のボトルを選択した。
水割りを作る
水割りを作る
テーブルに置いてある「水差し」の水で割る。いつもは水飲むときにつかうアレだ。
王将なので餃子を頼んでしまう
王将なので餃子を頼んでしまう
やがて餃子が運ばれてきた。なんてこった。明らかにビールが飲みたいぞ。

さっきぼくは麦焼酎を頼んだ。ぼくはビールの面影を求めて、原材料が同じ酒を選んだのだろうか? もしそうだとしたら、あまりにも未練がましい話ではないか。
キョロキョロしちゃう
キョロキョロしちゃう
あわてて周りを見渡すが、ボトルの酒を頼んでいる者など、どこにもいないのであった。
飲む
飲む
これを何日間もかけて1本全部飲むのか〜。1年くらいかかりそうだ。

決して、おいしくないわけじゃない。ぼくは前職が金融の営業だった。サラリーマン時代に毎日上司の晩酌につきあい、水割りの濃度にメチャクチャ怒られ続けた経験を持っている。 水割りを作るのは得意なのだ。

「水割りを作るのに上手も下手もあるのか」と思うかもしれない。しかし、絶対に上手になっているはずである。最終的には上司も褒めてくれた。人事査定は低かったけどな。

2時間経過して

焼酎の減らなさにびっくりする
焼酎の減らなさにびっくりする
「そろそろ帰りましょうか」とぼくが言ったときの焼酎の減り具合がこんなもの。しかし、酒を残しておけるからこそのボトルキープなのである。

よーし、店員さんに言ってこの焼酎をボトルキープしてもらうぞ!

(そう、ここで主題のボトルキープになる。なんと、ここまでの文章はただ単に酒を飲んでいるだけの話だった!)

あこがれの名札

名札に「Have a nice time!」と書いてある。名札が人間に語りかけてくるのは、なんとなくシャクな感じ……
名札に「Have a nice time!」と書いてある。名札が人間に語りかけてくるのは、なんとなくシャクな感じ……
「ボトルキープしたいんですが」といったら、店員さんが渡してくれたのがこれ。思ったよりもしっかりしたものが出てきてびっくりする。

ともあれ、これに自分の名前を書くのが憧れの一つだったのだ。書くぞ!
ボトルキープの名札に所属組織を書くのがまたなんかいいんだ
ボトルキープの名札に所属組織を書くのがまたなんかいいんだ
おお、なんか鎖がキラキラしていてきれい。また王将に行かねば。
本当にボトルはキープされているのか
本当にボトルはキープされているのか
また王将に来るのか……
また王将に来るのか……
4日後、また王将にやってきた。「ボトル出して」といいたかったのである。これもまた憧れだ。
またこの酒か……
またこの酒か……
当たり前だが、ちゃんとボトルはキープされていた。今度は一人で飲む。一人なので考え事をしてしまう。

このとき考えていたことを説明させて欲しい

なぜ全然さみしさを感じるようなタイミングでないときに、さみしさを感じてしまうのだろう。
なぜ全然さみしさを感じるようなタイミングでないときに、さみしさを感じてしまうのだろう。
実はこの直前、近くの編集プロダクションで打合せをしていたら、ふとさみしい気持ちになった。人ときっちりコミュニケーションをしているのにさみしい気持ちを感じるのって、おかしい。そもそも、打合せに集中しろよ、という話である。打合せ自体もいい話だった。

でも、一人でご飯を食べていたり、どこかに行っているときにはさみしさを感じない。今も一人で飲んでいるけど別にさみしくはない。これは一体どういうことなのか。

……考えていたけど別に結論は出なかった。
酒は全然減らない
酒は全然減らない
ゲームをやっているとセーブ画面で「今までのプレイ時間」が出たりする。最近のRPGだと20〜40時間くらいでクリアだ。この酒をぼくが飲み干すのには80時間くらいかかりそう。コスパ最高! と思ったが、酔っ払っているんだと思う。


「飲みかけの酒」という魔力

さらに3日後に王将に来た。どこかにボトルキープしておくと、店をいちいち選ばなくてもいいのが最高にいい。ぼくはもう下北沢で飲もうと思ったら王将一択だ。人間は「飲みかけの酒」にこんなにも縛られる。

しかも恐ろしいことに、3回連続でここにくると「なんか落ち着く」と思うようになってきている。外で酒ばかり飲んでいるサラリーマンの気持ちが少しわかった。ボトルキープの魔力に畏怖するしかない。みんな平気でこんなことしているのかよ。
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