特集 2016年7月5日

ビーフジャーキー節でだしを取るとおいしい

かつお節削り器で色々なものを削ることにした夏の日の話。
かつお節削り器で色々なものを削ることにした夏の日の話。
家の整理をしてみたらクールでホットな機械を発見した。
見た目にはわからなかったが、これがなんとかつお節削り器だというのだ。

ビビットでナウい色が好奇心をかき立てる。
この機械で、かつお節以外を削ってみたい。
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

前の記事:丼にカレーをかけたい


かつお節削り器登場

もしかしたら、かつお削り器というものを知らない人がいるかもしれない。元々、実家には大工の方が使う、かんな削りのようなかつお節削り器があった。探したけど、どこかに行ってしまったので、「OKグーグル」とスマホに向かって言ってみた。きっと見つかるだろう。(もしくはsiriで)
家で見つかったのはこちらの削り器。色がおしゃれなので、原宿で持ち歩いていたらきっと色んな人が見てくるだろう。
見つかったのはこちらの削り器。色がおしゃれなので、原宿で持ち歩いていたらきっと色んな人が見てくるだろう。
「オカカ」と書いてあるので、かつお節を削る道具だと誰が見てもわかる。やさしさにあふれている。
「オカカ」と書いてあるので、かつお節を削る道具だと誰が見てもわかる。やさしさにあふれている。
使い方もとてもシンプルである。かつお節を固定して、ハンドルを回せばいいだけなのだ。
上の歯で固定して、
上の歯で固定して、
ハンドルを回すと、下の刃部分が回転して削ってくれる。使いやすい。
ハンドルを回すと、下の刃部分が回転して削ってくれる。使いやすい。
昔は、かんなのようなかつお節削り器を使っていた。
しかしこれなら、削るものを固定すれば、ハンドルを回すだけでかつお節が削れるのだ。

この進化、洗濯板から手動洗濯機になる流れと似ている。次は全自動だ。さすがに全自動はないと思っていたが探したらあった。我々は未来に生きているということをかつお節から教えられた。

実際に削ってみよう

水戸黄門の印ろうの気持ち。
水戸黄門の印ろうの気持ち。
では実際に削ってみよう。今回削るのは、かつお節削り器と同時に出てきたかつお節だ。匂いはかつお節なので腐っていないと思う。あまり腐ることはないらしい。
食い込ませ方がうまくいかないと削れないので注意。
食い込ませ方がうまくいかないと削れないので注意。
日常であった怒りや不満を力にしてハンドルを回す。
日常であった怒りや不満を力にしてハンドルを回す。
削れるとこんな感じ。少し細かいかもしれない。
削れるとこんな感じ。少し細かいかもしれない。
実際に削ってみると、削る手ごたえと、たまっていくかつお節を見るのが楽しい。厚さがあれば、何でも削れそうである。削れそうなものを試しに何個か買ってきて試してみた。

鮭とば節を作ってみた

かつお節は極端に言えば、乾燥させたかつおである。それならば、他の乾きものでもできるのではないだろうか。そこで買ってきたのが鮭とばである。
お酒のおつまみでおなじみ。味付けした鮭を干して作る。
お酒のおつまみでおなじみ。味付けした鮭を干して作る。
厚さも十分にある。
厚さも十分にある。
鮭とばは干した鮭である。これならかつお節みたいに削れるのではないか。
何回か試した結果、結構な量を入れた方が削りやすい。
何回か試した結果、結構な量を入れた方が削りやすい。
1個だけだと、うまく削ることができなかった。大量に入れると手ごたえを感じる。うまく削れているようである。
途中、犬の首輪が外されてこっちに来たなと思いながら回す。
途中、犬の首輪が外されてこっちに来たなと思いながら回す。
鮭とば節がこの世に生まれた。
鮭とば節がこの世に生まれた。
位置を調整しながら20分ほど削ると、大量の鮭とば節を作ることができた。削ったものはケースに落ちるようになっており、引き出しになっている。
開けると鮭とばのにおいが漂ってくる。削った分、香りが強い気がする。
あんなにあった鮭とばがこんなに少なくなっていた。
あんなにあった鮭とばがこんなに少なくなっていた。
鮭とばの味がする削り節だ。
鮭とばの味がする削り節だ。
食べてみると、フワッとしているのに塩辛さも感じられ、不思議な感じだ。口の中に張り付く感じはかつお節のようである。
いったん広告です

ビーフジャーキー節

次に試したのが、ビーフジャーキーである。これも牛肉を干したものなので、行けるのではないか。
厚切りビーフジャーキーを買ってきた。ちょっとぜいたくな時に食べるやつだ。
厚切りビーフジャーキーを買ってきた。ちょっとぜいたくな時に食べるやつだ。
オセアニア産という聞きなれない産地に思わず、シャッターを押した。
オセアニア産という聞きなれない産地に思わず、シャッターを押した。
ボケていてもわかる厚さ。
ボケていてもわかる厚さ。
違う犬が入ってきて、また首輪を外された。
違う犬が入ってきて、また首輪を外された。
この公園、草とベンチしかないのだが、とにかく飼い主が首輪を外すのだ。犬がものすごい勢いでこちらに来ては急旋回して飼い主のところに戻る。
そんな光景を気持ち的には100万回くらい見た。実際は5回。
できた。ビーフジャーキー節だ。
できた。ビーフジャーキー節だ。
「犬にビーフジャーキーは渡さない」そんな気持ちで削り続けて20分。できたのは、赤いビーフジャーキー節だ。肉の匂いを強く感じる。
これがおいしくて笑った。新食感のおつまみ。
これがおいしくて笑った。新食感のおつまみ。
軽いのに味がしっかりしており、ちゃんとビーフジャーキーを食べている感覚になる。だが、軽い。少しだけ物足りない感じがするのだ。ただ、それがくせになり、何度も口に運んでしまう。これはこれでありだ。

干した以外にも削れるもの

干したもの以外にも削れるものがあるかもしれないと思い、今の季節、とても冷房が効いてるスーパーに行った。この日もとても冷えていて、ありがたいと思った。
さけるタイプのチーズ。文字のフォントの先もさけている。
さけるタイプのチーズ。文字のフォントの先もさけている。
さけた。
さけた。
今までのものと違って、ハンドルがとても回しやすかった。他のものと違って繊維がないからかもしれない。食べた感じはチーズの味が薄くなった。形も薄いからだと思う。

そして、次が魚肉ソーセージである。
魚肉ソーセージ。ぎょにそーと若者は言うだろう。
魚肉ソーセージ。ぎょにそーと若者は言うだろう。
コマ切れぎょにそー。
コマ切れぎょにそー。
多めにつまんで食べると魚肉の味が濃く出てきておいしい。
多めにつまんで食べると魚肉の味が濃く出てきておいしい。
魚肉ソーセージも普通に削ることができた。削ったものを食べてみると、やはり食感が軽い。試しに複数をつまんで食べてみると、1本まるごとをかじったときとは違う食感なのに、味は魚肉ソーセージそのものである。居酒屋で出てきたらびっくりするが楽しいと思う。

削れなかったものたち

何個か削ってみたが、中には削れなかったものがあった。干したものでもドライフルーツはできないようである。
ドライマンゴー。乾燥させた甘味が強くなっておいしい。あるとつまんでしまう。
ドライマンゴー。乾燥させた甘味が強くなっておいしい。あるとつまんでしまう。
セットする。見た目は削れそうである。
セットする。見た目は削れそうである。
回すことはできるのだが、ハンドルがとても固い。
回すことはできるのだが、ハンドルがとても固い。
見た目にも削れそうな雰囲気を出しており、何も考えずセットをして、回した。しかし、最初に少し回っただけでハンドルがかなり固く、回しにくい。筋トレをしているかのようである。
しばらく回していたが、全然削れていない。
しばらく回していたが、全然削れていない。
今までハンドルが固いものは削れている傾向があった。しかし、ドライマンゴーだけは削ることができなかった。理由がわからなかったが、機械を開けてみてわかった。
開けて見てみると、すり潰したようになっていて削れなかった。やわらかすぎるようだ。
開けて見てみると、すり潰したようになっていて削れなかった。やわらかすぎるようだ。
中にあるみずみずしい果肉が、削られることなく、すり潰したようになってしまっているのだ。そして、その果肉が機械の間に入って、回しにくくさせている。干していても回せないものがあるのだ。
笹かまぼこ。20%引きで安いのに6枚も入っているのでお得。買わずにはいられなかった。
笹かまぼこ。20%引きで安いのに6枚も入っているのでお得。買わずにはいられなかった。
次に試したのが笹かまぼこだった。(薄くスライスされた笹かまぼこって見たことないな)と思って買ってみたが、これもダメだった。
結果的に「無」。
結果的に「無」。
笹かまぼこは弾力がありすぎて、削れないようである。上の刃で固定しても、下の刃をうまく受け流してしまっているようで削れない。
休憩中、どれだけかっこよく笹かまぼこを食べられるか選手権をやった。
休憩中、どれだけかっこよく笹かまぼこを食べられるか選手権をやった。
そして、帰るときにかつお節を落としたと思ったら、木の皮だった。
そして、帰るときにかつお節を落としたと思ったら、木の皮だった。
いったん広告です

鮭とば節、ビーフジャーキー節でだしを取る

家に帰ってきて、先ほど取れた鮭とば節とビーフジャーキー節でだしを取ってみることにした。普通のだしとの違いはどれくらい出るのか。
鮭とば節はかつお節に比べると茶色が濃い。
鮭とば節はかつお節に比べると茶色が濃い。
ご飯にかけて食べてみると、少ししっとりしているタイプのおかかのようである。
ご飯にかけて食べてみると、少ししっとりしているタイプのおかかのようである。
だしを取ってみる。
だしを取ってみる。
最初は茶こしに入れてだしを取っていたが、途中で鍋に直接入れた。茶こしに入れていると鮭とば節が踊らず、取れているか不安になったからである。なんとなくで今までだしを取ってきたが、だしの取り方をこのとき知った。
きれいなだしが取れた。
きれいなだしが取れた。
取れたものを見ると、とてもきれいなだしの色である。そして、いい香りが台所に漂う。これをお茶漬けにしてみることした。
ご飯にかけて食べてみる。なぜなら、夕食の時間だから。
ご飯にかけて食べてみる。なぜなら、夕食の時間だから。
夜中に家族に隠れてご飯を食べている人。
夜中に家族に隠れてご飯を食べている人。
もしかしたら、だしを取る時間が少なかったのかもしれないが、上品なだしで、ほのかにうまさを感じる。しょうゆを足して食べたところ、高級店で出てきそうなお茶漬けの味になった。
もう少し時間をかけてだしを取って、味付けしたらお吸い物に最適だ。
ビーフジャーキー節。見た目は赤く、匂いが強い。
ビーフジャーキー節。見た目は赤く、匂いが強い。
ラーメン屋のスープ、焼肉のテールスープなど牛でだしを取ることはよくあることだ。
なら、ビーフジャーキー節でもおいしいだしが取れそうである。
だしを取っているときに親から「手伝って」と呼ばれたが、「だしを取っています」と返事をした。結果、手伝った。
だしを取っているときに親から「手伝って」と呼ばれたが、「だしを取っています」と返事をした。結果、手伝った。
ビーフジャーキー節のふりかけ。香辛料や味が個人的には合わなかった。
ビーフジャーキー節のふりかけ。香辛料や味が個人的には合わなかった。
ビーフジャーキー節から取っただし。
ビーフジャーキー節から取っただし。
取ってみると、肉独特のおいしさの詰まった匂いする。これは胃袋を刺激される味である。期待値が高まる。
これもご飯かけてみる。
これもご飯かけてみる。
これが驚きのおいしさ。
これが驚きのおいしさ。
牛のおいしさ、そして、香辛料がスープに溶け出して、最高のスープと化している。一般的にあるインスタントのスープよりもおいしく、これにラーメンを入れて食べたい。もちろん、ご飯にも。
思わず、報告するほど。「ビーフジャーキー節のだしうまいわ」と伝えたところ、「へぇ。」とテレビから目線を離すことなく、そうつぶやいた。関係は良好な方である。
思わず、報告するほど。「ビーフジャーキー節のだしうまいわ」と伝えたところ、「へぇ。」とテレビから目線を離すことなく、そうつぶやいた。関係は良好な方である。
あまりにもビーフジャーキー節で取ったスープがおいしかったので、ビーフジャーキー節は時間のあるときに作ってまた、だしを取っておこう。
ちなみに吸盤がついているので、冷蔵庫にも貼り付けることができる。
ちなみに吸盤がついているので、冷蔵庫にも貼り付けることができる。

これからも使いたい昭和の道具

家には昔の電子レンジや筋トレグッズがある。今でも使うことができるので、筋トレグッズは時間があるときに使おうと思う。ちなみにランニングマシーンだ。
話の流れとは関係ないですが、母親が撮った近所の花の写真でお別れです。さようなら。
話の流れとは関係ないですが、母親が撮った近所の花の写真でお別れです。さようなら。
▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ