特集 2016年7月9日

6月の記事ベスト5&「ネットに愛されてるフォントHG創英角ポップ体」

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石川です。7月になりました!外取材には厳しい梅雨がまだ続いていますが、それが明けるとこれまた外取材に厳しい真夏がやってきます。
そのうちプープーテレビの背景音がセミの声で埋め尽くされるようになります。我々は四季の手のひらの上で転がされているのだなあと感じます。

というわけで6月の記事を振りかえってみましょう。2ページ目からはライターのインタビューもあるよ。
インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

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アクセス数のランキングです。1位は激甘スイーツ!自分の参加した企画が上位に入ると得した気分になりますね。会社でお菓子食べただけで月間1位!これが可能なら寝てるだけで年収1000万も夢ではない感じがします。
しっかり甘いものが好きだ。甘さ控えめとか言っている甘いものの意味がわからない。真の激甘を求め7品の激甘菓子を食べた。
黒ひげ危機一発というパーティーゲームがある。毎度吹っ飛ばされてしまう黒ひげさんサイドからしたらあまりに不憫ではないか。どうにかして助ける方法はないか。
深海生物の代表格としておなじみの「ヌタウナギ」は、意外にもその辺の漁港でも釣れるらしい。釣って食べてみた。
金沢のカレーはなにしろ濃い。都内で金沢カレーの食べられるお店をめぐります。
地元では普通だと思ってたことが東京では普通じゃない。上京してはじめて知ったカルチャーショックを教えて下さい。

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TwitterやFacebookなどのシェア数のランキングです。打って変わってポップ体の記事がトップに躍り出ました。この数日後に、画面の一部改修のためのデザイン案が弊社デザイナーから上がってきたのですが、見出し文字がポップ体でした。丁重にお断りしました…。ごめん。
おなじみのあのポップフォント、HG創英角ポップ体誕生のいきさつを中の人にきいてきました。
黒ひげ危機一発というパーティーゲームがある。毎度吹っ飛ばされてしまう黒ひげさんサイドからしたらあまりに不憫ではないか。どうにかして助ける方法はないか。
『ナニワ金融道』風の絵柄で描くと、『走れメロス』も『一杯のかけそば』も感動しづらくなりました。
見ないで何かをやるとかっこいい。この仮説を検証してみたい。
おしみなく注がれる酒、振舞われるご馳走、さらに歌って踊ってすごいことになってます。
次は西村さんへのインタビューです。
いったん広告です
おなじみのあのポップフォント、HG創英角ポップ体誕生のいきさつを中の人にきいてきました。

中に人がいるという発想がなかった中の人インタビュー

古賀:6月の西村さんの記事といえばやぱり「あの『HG創英角ポップ体』の元となった直筆生原稿を見た」これは企画をもってきてくれた時点で「これは最高のやつになる…!!」と確信してました!

西村:思ってました?
フォントみんな興味あるかどうか、不安だったんですけど。


古賀: HG創英角ポップ体ってネットにものすごく愛されたフォントですよね、ちょっと他のフォントとも違う立ち位置じゃないですか。

西村:これほどみんな関心があるとは思わなかったですね。創英企画のサイトが、なんかすごいという話は話題になってたんですけど。
話題になっていた創英企画のサイト
話題になっていた創英企画のサイト
西村:あのサイト、創英企画の梅原さんが自分で作ってるって言ってましたね。

古賀:ああ、そうでした! そうおっしゃってましたね。全く更新していないとも。みんなサイトまではたどりついてたんだけど、そこを今回西村さんが突破したという感じですね。

西村:抜刀隊だ。

古賀:中に人がいると誰も思ってなかったところに(普通に考えればいるんですが)切り込んでいったから。ザ・その発想はなかった! です。製作時60代の女性がデザインしたというのも驚きでした。

西村:中の人に話きけば、なにかしら面白い話はでてきますからねえ。ポップ体の語源もその流れでわかったことですし。ほんとは水本さん(注:HG創英角ポップ体をデザインした水本恵子さん)にもお話お伺いしたかったんですけどね。

古賀:お会いできたら最高でしたよね。

西村:インタビュー中の古賀さんのテンションの高さはよかったですね。

古賀:あれは本当にびっくりしました!ポピュラーのPOPじゃなかった!
POP体の「POP」は「ポイントオブパーチェス」の略だった
POP体の「POP」は「ポイントオブパーチェス」の略だった
西村:たぶん、リコーの方や梅原さんにとっては当たり前のことだから、古賀さんのリアクションのよさに、じゃっかんあっけにとられてましたよ。

古賀:ひゃー。

西村:原稿そのままですからね、あそこのぶぶん。
古賀さんは一緒に取材に行ってはなしきいてて、書いてウケるところ、ウケないところがわかるから。


古賀:編集者というよりも読者に取材についてきてもらう感覚だ。

西村:ただの語源だろと思ってサラッと書き流すところでしたよ。

古賀:個人的にはあそこは号外にして駅前で配るレベルの驚きでした。

フォントを作るのにまず紙を作る

西村:あの、生原稿の紙すごくなかったですか? 記事では省いちゃったんですけど、あれ、プラスティックのシートなんですよね。さわり心地は選挙で使うユポ紙にすごく似たやつでしたけど。

古賀:とくべつな紙だから直筆から25年たっても劣化しないって言ってましたね。
生原稿は、その「紙」もすごかった
生原稿は、その「紙」もすごかった
西村:梅原さんが特注で作ってもらった紙だっていってましたね。紙から作ってるのかっていう凄み。それも記事に入れるべきでしたね。

古賀:フォントを作るのに紙から作ってた。原稿の保存を見越して紙を開発するって考えつかないですよね。あとさき考えないでやってみんな大変なことになっているなか。

角POP体だけじゃなく丸POP体もある

西村:あと、創英角ポップ、なんで角なのかってのも、省いちゃったけどおもしろかった話でしたね。もうすこし丸っこい形の「創英丸ポップ体」っていうのがあるんですよね。それの対としての角ポップ。
店舗用ポップを作るときに丸ポップと角ポップを組み合わせて使って欲しいという意味で、丸ポップ、角ポップが存在しているという。


古賀:そうそう、手描きでポップを作るときのあおり文が角ポップで、地の文がふつう丸ポップだったらしいですよね。
角POP体と丸POP体を混在させて手描きポップは描かれていた
角POP体と丸POP体を混在させて手描きポップは描かれていた
西村:あー、これも記事にちゃんと入れるべきだったかな。

古賀:いや、でも最初から最後まで興味深い話もりだくさんだったから。あるていどはカットしていかないと。

西村:あと、豆腐谷さん名前かっこいいですねってひとこと言っとけば完璧でしたね。

古賀:反省会しましょうほんと。

海外旅行をしたことがないお父さんをインドに連れて行きたい

古賀:で、この、テーマ自体はおなじみだけど、まさか誰も中にいる人にインタビューをとろうと思いもしなかった企画、といえば「「ファミマ入店音」の正式なタイトルは「大盛況」に決まりました」も同じなんですよね。
去年の5月に取材して、12月にはその後どうなったかもインタビューしました。


西村:はい

古賀:でもって、このタイミングでそのままのタイトルで本が出た!

西村:お、いやらしい感じの流れ。そうです。笠倉出版社から本が出ました。

古賀:まったく自然さなどどうでもいい感じで強引に話をもってきました!

西村:Amazonのリンク入れちゃう。

古賀:キャッチコピーが最高です。

>コンビニのあの入店音は誰が作曲したのか!?誰も気にしないような些細なことを調べて、現地へ「行った!」「見た!」「なにかしらあった!」をまとめた、最高にどうでもいいルポルタージュ!
古賀:「なにかしらあった!」っていうのがすごく西村さんの記事をいいあらわしてますよね。
すごくなにかあったわけじゃない、でもなにかしらある、そういう機微をひょうひょうと伝えるのが西村さんの良さじゃないですか。


西村:最初、本のタイトル「来た、見た、あった」にする予定だったんですよ。
わからなさすぎるから、今のやつにしようってなったんですけど。


古賀:確かに、来て見たらなんかありますもんね、何ごともね…

西村:本が売れたら、親孝行しますから。クラウドファンディングだと思って買ってください。
うちの親、70超えてますけど、海外旅行したことないから。元気なうちにインド連れて行きます。


古賀:70歳ではじめての海外旅行がインドってハードすぎだ。
続きまして、爲房さんへのインタビューです。
いったん広告です
黒ひげ危機一発というパーティーゲームがある。毎度吹っ飛ばされてしまう黒ひげさんサイドからしたらあまりに不憫ではないか。どうにかして助ける方法はないか。
石川:まず、これどうやって思いついたんですか?

爲房:おもちゃを改造するのが結構好きなんです。で、よく改造出来そうなおもちゃをお店で探したりするのですが、黒ひげが目にとまって。黒ひげ危機一発って飛び出させるゲームじゃないですか。じゃ飛び出さなくなったらどうなるんだろうと。
忍者マン。また問題になると困るので、できるだけ似てない絵を選びました。似てる絵はダウンロードページで。( ここでダウンロードできます )
何度も見たい、この気持ちよさ
石川:製作期間どのくらいですか?

爲房:トータルだと10日くらいですかねー。実際作業したのはそんなに長くはないんですが。モーターを中に置けるかどうかで難航しました。

石川:ホットボンドでめちゃめちゃにくっつけてますね。

爲房:難航した挙句、めちゃめちゃに付ける策を選びました。なにげに初ホットボンドだったので緊張しました。
この「塗り固めた」感)
この「塗り固めた」感
石川:こないだのイベントでも話してたんですけど、動く工作って動くものを所定の位置に固定するのが一番難しいですよね

爲房:そうなんですよね。穴を開けてネジで止めて…となると大掛かりになりがちなので、ホットボンドで強引に固定するのはアリなんだという学びを得ました。

石川:なんかそういう手抜きのノウハウが溜まっていくのが上達ということなのだなと最近思います。最低限で行きたいですよね。いけない/いけるのギリギリのところで。

爲房:頭の悪い省エネメカ。

石川:パラメータが全部低い。

石川:SLと黒ひげ以外にも何かありますか?おもちゃの改造。あ、SLか
リアルSLコマンド
爲房:そうです。あと、ミニ四駆にセブンイレブンの模型をかぶせて走らせたりしました。大北さんのカニ四駆を勝手にオマージュにして。

石川:あ、あった!
)
デイリーのライターになる前に、ライター大北さんのカニ四駆(写真)にインスパイアされてセブンイレブン四駆を作ったそうです
石川:模型を載せただけでも「改造」

爲房:セブンイレブン四駆も省エネですね…

石川:記事の話はそれるんですが、こないだのイベントはどうでしたか?新聞にめちゃくちゃでかく載ってましたね。爲房さんの写真

爲房:もう悪さ出来ないですね。

石川:「有名になりたい」っていう話の切り返しで「猟奇殺人でもするしかない」ってよく言うじゃないですか、猟奇殺人やってもあのサイズでは載らなそう。

爲房:この間母親が急に家にやってきたのですが、机に置いてある新聞にあなたの息子が載っていますよとは言えませんでした


石川:あはは。僕実家に送りましたよ。自分の写真出てないのに!

爲房:確かに、石川さん出てませんでしたね。むしろ僕がニフティのロゴをバックにデカデカと映ってしまい。いつか僕が猟奇殺人をしたら御社にご迷惑が

石川:殺人犯の写真の後ろに弊社のロゴが。できるだけ猟奇殺人はしないようにおねがいします。

爲房:気をつけます


石川:次作りたいものとかありますか?

爲房:えっと、野球盤ってあるじゃないですか。あれを遠隔で操作出来るようにしたいんですよね。インターネット越しに
野球盤これです(この記事より
石川:あー、IoTだ。めちゃくちゃタイミングシビアですよあれ

爲房:ほんとにボールを投げたら野球盤のピッチャーが玉を投げて、ほんとにバットを振ったら野球盤のバッターがスイングするような

石川:そっちか!VRだ!…いや逆か?

爲房:日米でわかれてやってみて、実際は何千キロと離れているのにボールは1秒以内に来て、時速200万キロの豪速球だ!!と言ってみたいとずっと思ってます

石川:野球盤が地球儀の形になってて。普通に面白そうですね

爲房:電池で動かないタイプのおもちゃを魔改造したいですね

石川:電気系統の知識が少なくて済みますからね。次回の記事はもう決まっるんですか?

爲房:レディースの服のお店でよくタイムセールを盛大に宣伝しているのですが、あれを一番盛大にやっているところがどこかを調べようかなと。「タイムセールでーす!」って言っている声のデシベルを計測。ラフォーレとかに怒られたらすいません

石川:一番威勢のいいタイムセールを。ラフォーレってタイムセールあるんですか!?

爲房:ラフォーレが一番すごいと聞きました

石川:へえー。同じデシベル数の工事現場探しましょう

爲房:中央線の高架下とかも

石川:騒音扱いすると怒られそうですね…

爲房:ディズニーランドだったらどうでしょうか

石川:あーテーマパークと比べるのいいですね。楽しいところと。それか動物の鳴き声か

爲房:あーそれいいですね

石川:では来月はそれということで。よろしくおねがいします!

お知らせと今後の予定

7/14に書き出し小説のイベントがあります!新たに本が出るのと、連載100回を記念してのイベントです。出演は天久さんにウェブマスター林、そして落語家の立川吉笑さんです。

イベントは8月ですがヘボコンの準備が着々と進行中。7月中にまだ続報がある予定ですので、そちらもお楽しみに。チケットも出たよ~。

さらなる最新情報はTwitterFacebookを御チェックのほどお願い申し上げます。
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