はっけんの水曜日 2016年7月13日
 

トロピカルフルーツを武器化する

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常夏のベトナム(南部)ではいつでもトロピカルフルーツが食べられる。甘く濃厚な実を守るためなのか、その見た目はドリアンに代表されるような凶々しいものもあり、不用意に触るとケガをすることもある。それなら、むしろその特徴を伸ばしてあげたい。つくろう!武器を。
1984年大阪出まれ、2011年からベトナム暮らし。日本から3600km離れた土地で、ダチョウに乗ったり、ドナルドのコスプレをしたり、札束風呂に入ったりしている。
> 個人サイト べとまる

まずは見てくれ、武器になった果物たちを!

素材収集も武器加工も本当に本当に大変だった。が、ここから語ると長くなってしまうので、何はともあれ完成品を見てもらいたい。
気分は完全に、ドラクエの武器屋主人。
気分は完全に、ドラクエの武器屋主人。
やぁやぁ、よく来たね!▼
今日は良い武器が入ったんだ、見てってよ!▼

燃え盛る切っ先は真紅の果実!
ランブータンの矢:900G(3本セット)
ランブータンの矢:900G(3本セット)
ひと撫でしたら流血沙汰だしついでに臭い!
ドリアン・クロー:1200G
ドリアン・クロー:1200G
シトラス香るイイ香り〜と思いきや鋭利な葉先!
レモングラスのムチ:700G
レモングラスのムチ:700G
別名スネークフルーツ、ウロコを逆なでするとふつうに痛い!
サラックのまきびし:500G(1セット)
サラックのまきびし:500G(1セット)
マジで人を殺せるぞ、職質必至の呪われし鈍器!
ニッパヤシの魔鉄球:2000G
ニッパヤシの魔鉄球:2000G
そして最後は…後ほど詳しく!
ロータスサイコ:???G
ロータスサイコ:???G
友人「価格の基準は何なんですか?」私「気分」
友人「価格の基準は何なんですか?」私「気分」
言われるまでもなく完成度はまちまちだが(サラックに関してはそのまんま)、値付けでお分かりの通り、「ドリアン・クロー」と「ニッパヤシの魔鉄球」がお気に入り。この見た目、きっと前世は恐竜だったに違いない。

装備風景はあとで書くとして、まずはこの日にたどり着くまでの苦労話をどうか聞いてほしい。このドリアンもニッパヤシも実は二代目なのだ。そんなことより武器を見せろ、という方は2ページ目へGO。

素材を収集するべく、南部フルーツフェスティバルへ。

武器の素材として以前からドリアンとニッパヤシに目を付けていた私は、「南部フルーツフェスティバル」へ向かった。これは毎年5,6月頃にベトナムで行われる、南部フルーツの物産展。なお、この会場となるスイティエン公園というテーマパーク自体も相当にオカシイ、詳しくは2004年に古賀さんが記事を書いているので読んでほしい。
スイティエン公園は「狂ったディズニーランド」とも呼ばれ、
スイティエン公園は「狂ったディズニーランド」とも呼ばれ、
オブジェの怪奇的なデザインと巨大さに圧倒される。
オブジェの怪奇的なデザインと巨大さに圧倒される。
ツッコミ好きの友人と行ってほしい、一人だと溜め込んでしまいます。
ツッコミ好きの友人と行ってほしい、一人だと溜め込んでしまいます。
が、こちらは今回の趣旨ではないので割愛して…。
果物エリアに到着。
果物エリアに到着。
武器に使えそうな果物を品定めします。
武器に使えそうな果物を品定めします。
ひと通りの果物を買ったあと、ドリアン売り場の裏手に回った。何を隠そう、目的はこれ。
ゴミ…もとい、皮!
ゴミ…もとい、皮!
果物を武器化すると言っても、ニッパヤシのように丸々使うものもある一方で、ドリアンはそのトゲトゲとした皮さえあればいい。都合よく、売られるものはくり抜かれた中身だけなので、ポイポイと捨てられるゴミの一部を収集した。

実は前回のフルーツフェスティバルでも同じ方法で皮を収集し、ドリアンの鎧をつくってベトナムの人々に披露したところ、Yahoo JAPANのトップに載るという異常な事態を見せたことがある。それからというもの、街でたまに「ドリアンの人だ!」と言われるので、「ありがとうございます!」と返す。事情が分からないままだと異様な光景だ。

一方のニッパヤシというと、こともあろうか頑なに販売を拒否されてしまったのだが、帰りにたまたま露店で見かけたので交渉したら150円ですんなり売ってくれた。スイティエン公園まで行くことなかったかなーと少し複雑な気持ちにはなったが、それ以上に「こんなに重いものがたった150円で!?」という変なところで感動を覚えてしまった。もしかしたら、石がお金だった時代の価値観が、わずかながらDNAに息づいているのかもしれない。
本当に重いんです、10kgはある。
本当に重いんです、10kgはある。
これで素材は収集完了…と思いきや、ここからが苦労話の本編なのだ。まだちょっと続くので、箸休め的に装備風景を置いておきます。
※果物です。
※果物です。

消えるドリアン、崩れるニッパヤシ。

ドリアンのトゲに気をつけながら、重すぎるニッパヤシを抱えながら、なんとか帰宅。自宅はアパートの7階にあるが階段なし、汗だくになりながらやっとひと仕事を終えた。
よく見ると分かる、若干の手ブレは疲労の証拠。
よく見ると分かる、若干の手ブレは疲労の証拠。
ドリアンは水洗いをするためにバスタブに置いた。
ドリアンは水洗いをするためにバスタブに置いた。
中身が無いとは言え、臭いものは臭い。個人的に嫌いな匂いではないが、ドリアンのおそろしいところは、その場から移動させても地縛霊のように匂いが留まりつづけることだ。少しの間も部屋には置いておけない。水でふやけた内皮をこそいだら、撮影の日が来るまでバスタブに放置しておくことにした。だが、それがいけなかった!翌日ー。
ドリアンが消えた。
ドリアンが消えた。
おいおいちょっと待てよ!チーズじゃないんだから。意志を持った?そんな訳はない。自宅のアパートでは部屋を掃除する家政婦さんを雇っており(ベトナムでは一般的なこと)、彼女がドリアンの皮をゴミと認識したらしい。いや、バスタブ!ここバスタブ!ゴミ箱じゃない!俺の苦労を!俺の苦労を君が!君が何を分かっているんだ!?今年一番の怒りに震えた。

しかし、事件はそれだけでは終わらない。数日後にはー。
ニッパヤシが崩れはじめた。
ニッパヤシが崩れはじめた。
どういうこと!?というよりどういう仕組み!?

ドリアンの怒りを引きずっていた私は、「あのババァまたやりやがった!」と真っ先に家政婦さんを疑ったが、よく観察するとニッパヤシの構造上そうなるものらしい。ごめんね、でもドリアンの件は許してない、と心の中でつぶやきつつ、慌ててニッパヤシのパーツを元に戻そうとする。しかし、100%天然由来のパズルと化していて、もうどうしようもこうしようもなかった。為す術もなく、翌日にはバラバラになって死んでいた。
小さな命を救えなかった感がある。
小さな命を救えなかった感がある。
スイティエン公園へ行ってまで手に入れたふたつの素材が、数日間で消滅。ヤバイでしょ、どうするの、と思うだろう。結局どうなったかというと、撮影日の直前にどちらも別のところでふつうに手に入った。そりゃ無いよりか断然良いのだけど、苦労したのになぁ…と、少し複雑な気分を抱えながら当日を迎えた。

お待たせ?しました、やっと武器をつくります。

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