ちしきの金曜日 2016年7月15日
 

「嗅ぎ鉄」東京メトロ編

東京メトロの「嗅ぎ鉄」チャート(暫定版)
東京メトロの「嗅ぎ鉄」チャート(暫定版)
先日「嗅ぎ鉄」と題して、地下鉄の匂いを嗅いでまわった様子を書いた。

子どもの頃から「地下鉄って独特の匂いがするなー」と思っていたことを思いだし、それを大阪の地下鉄で確かめてみた次第だ。

今回はいよいよホームである東京の地下鉄が舞台だ。

嗅ぐぞー!
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。
> 個人サイト 住宅都市整理公団

匂いの「思い出喚起力」に翻弄される

実家の最寄り駅は西船橋駅なので、地下鉄東西線には馴染みがある。高架下(荒川から東は高架なのです。地下鉄なのに)の空き地でよく遊んだものだ。以前その高架について調べたこともある。 大人になってからは、通勤で使っていた。

日本を代表する驚異的な混雑率を誇る東西線。いい思い出ばかりではないが、深い愛着を抱いている。まずはその東西線の香りを味わおう。

まず大前提として「路線ごとに香りの個性があるはず」という、なんの根拠もない予断から始まっていることをお伝えしておきたい。「丸ノ内線って丸ノ内線独特の匂いがするよねー」というような思い込みだ。(今回確かに「丸の内線臭」があることを実感した。うれしかった。これに関してはのちほど)
当日嗅ぎ回りながら実況したまとめはこちら。
当日嗅ぎ回りながら実況したまとめはこちら
なので、どの駅で嗅ぐか、は重要だ。予断したものの、こういっちゃなんだが駅ごとに匂いが違うのはあきらかなので。ほんとうは全駅で嗅ぎ、集計をすべきだろう。

しかしそんなことはしない。だってたいへんじゃないですか。前回に引き続き言っておこう。デイリーポータルZ は論文ではないのである。

で、とりあえず東西線代表として門前仲町駅を選んだ。理由は特にない。なんとなく、だ。

この門前仲町からスタートし、茅場町→銀座→三越前→永田町→市ヶ谷→後楽園→御茶ノ水→新御茶ノ水→大手町、と移動し、計8つの路線を嗅ぐ。
こういう経路で嗅ぎ回りました。(@hashcc さんによる東京の鉄道路線図を元にしました。地下鉄以外を削除してしまったので元図のすばらしさを活かせていませんが)
こういう経路で嗅ぎ回りました。(@hashcc さんによる東京の鉄道路線図を元にしました。地下鉄以外を削除してしまったので元図のすばらしさを活かせていませんが)

ご覧の通り、都営地下鉄は今回は嗅いでいない。東京メトロだけ。といっても副都心線を嗅ぎ漏らしている。疲れちゃったのだ。だってたいへんじゃないですか。

で、まずは東西線。馴染みの好きな路線、あらためてじっくり嗅いでみよう。なんかどきどきする。良く知っているけど、あらたまって嗅ぐとなるとなんだかちょっと照れる。結婚生活3年を過ぎて、あらためて妻をくんくん嗅ぐみたいな感じ。
馴染みのあの子はどんな匂いだったっけなー。
馴染みのあの子はどんな匂いだったっけなー。
車両から駅に降りたとたん驚いたのは、襲ってきた生ぬるさ。車内がキンキンに冷えていたため、匂いより先に温度の落差に感覚が持って行かれたことに動揺した。立ち会いしょっぱな猫だましをくらったかっこうだ。

気持ちをたてなおし、大きく深呼吸。

確実に何かの匂い。懐かしい。これだ。東西線の香り。さまざまな思い出が脳裏をよぎる。

団地を撮影しに行ったあの日の高揚、上司に怒られての帰路……。いかん。大阪と違って、どうも勝手が違う。純粋に匂いだけを嗅ぐのが難しい。嗅覚の思い出喚起力ってすごい。
匂いによって喚起された思い出が去来する。
匂いによって喚起された思い出が去来する。

「東西線=海の香り」ってことで

集中しろ、と自分に言い聞かせ、通行人のいぶかしげな表情に臆することなく、目を瞑って深呼吸。やってきたのは、水の匂い。ほんの少しだけ塩っぽいかな。良い言い方をすれば、これは海の匂いだ。
東西線、それは千葉の海の香りか。
東西線、それは千葉の海の香りか。

しかし、電車が出て行く風に乗って、さらに別の匂いがやってきた。二種類の匂いが混ざらずに交互に鼻孔に入り込む。

むずかしいぞ。これは何の匂いだ。ちょっとだけ食べ物っぽいかな。おかずじゃなくて主食的なやつ。穀物っぽさがある。小麦粉?

海に小麦粉? 海の家的な?

などと思いながら薄目でホームを往き来していたら、冷風が頬をなでた。はっとして見ると、そこには空調が。そして空調の匂いがする。
しまった、空調の季節か! これもまた嗅ぎ鉄攪乱の要素だぞ!
しまった、空調の季節か! これもまた嗅ぎ鉄攪乱の要素だぞ!
脳みその匂いから空調臭を差し引くために(そんなことできるのかどうか別として)あえて冷房の風を嗅ぎに行ったが、それほど匂いはしなかった。きっと匂いのしないようにメーカー頑張ってるんだと思う。そういえば昔のクーラーって匂いしたよね。

さらに行くと、都営大江戸線乗り換えコンコースからすごく風が吹いてて、全然違う匂いがする。しかし今回は都営線は対象外だ。この匂いは無視しよう。そうしよう。
大江戸線への乗り換え階段から強風に乗って別の香りが。しかし今回はこれは加味しない。
大江戸線への乗り換え階段から強風に乗って別の香りが。しかし今回はこれは加味しない。
とりあえず東西線はここらへんにしておこう。現時点では「東西線は、海の香り」ってことで。

で、あっ、と思ったのは、これ路線のカラーである水色に知らず知らずに影響を受けてないか? 大阪でもその懸念があったが。

いや、今は考えるまい。前回大阪ではたいへんな「嗅ぎ疲れ」に襲われたので、ペース配分を考えないと。今後いくらでも嗅ぎ直しのチャンスはある。

出だし1路線目からかなり高度な嗅ぎプレイをせねばならなかった。次は日比谷線だ。茅場町駅へ。

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