とくべつ企画:「上京して驚いたこと」を確かめる 2016年7月21日
 

大分ではプールにかまぼこ板持って行くって本当か?

「プールでのかまぼこ板」経験があるのは14.7%

まずは、プールでかまぼこ板をつかったことがある人の数をまとめてみた。
使ったことある人は、2割もない
使ったことある人は、2割もない
ちなみに、ぼくの質問がわるかったのか、どうやら「つかったことがある」と答えたひとのなかには、完全にビート板と勘違いしている方が何人がいたのだが、そういう方は「つかったことがない」の方にふりわけさせていただいた。

おもに瀬戸内地域で使われている?

さて、きになる「プールの時にかまぼこ板」が使われている地域だが、きた回答をすべて地図にマッピングしてみた。
ざっと見た感じ、西日本、特に瀬戸内海に面した地域と九州という広い範囲で使われていることがわかる。

寄せられた回答を県別にまとめるとこうなる。
なぜか岡山がダントツに多い
なぜか岡山がダントツに多い
これはあくまで、たまたまアンケートを見て回答した人のデータだが、だいたいの分布はつかめるのではないかと思う。

岡山がやたら多いのだが、「つかったことない」というひともそこそこ存在しており、意見が割れる。

愛媛、大分はともに10前後のひとが「つかったことがある」と答えており、さらに「つかったことがない」のひとがいない。

これはつまり、愛媛、大分のひとたちは、意見が割れることなく、心がひとつであり「あるある度」が高いのだ。
プールにかまぼこ板を持参したことが「ある」ひとの数
プールにかまぼこ板を持参したことが「ある」ひとの数
プールにかまぼこ板を持参したことが「ない」ひとの数
プールにかまぼこ板を持参したことが「ない」ひとの数
以上のことから「プールのときに持参するかまぼこ板」のはなしは、愛媛や大分のひとにすると、確実に共感してくれる。ということがわかった。

いつ、つかったのか?

それでは、このかまぼこ板。いつ、つかったのか? 学校の授業のプールのとき、夏休みのプール開放のとき、その他という選択肢で答えてもらったところ、やはりプール開放のときにつかったという意見がひじょうにおおかった。
プール開放のときの必須アイテムだったようだ
プール開放のときの必須アイテムだったようだ
「ある」と答えた105件のうち、プールの授業のみでつかったというのはたった7件。
フ?ールの授業 素材「発泡スチロール?」
フ?ールの授業 素材「発泡スチロール?」
大阪府吹田市の回答は、素材が「発泡スチロール」で、名称が「かまぼこ」なので、もしかしたらビート板と勘違いしているひとかもしれない。ただ、確証がもてないので、「ない」の方にはふりわけていない。

いずれにせよ「プールのときに持参するかまぼこ板」は、授業のプールではあまり使われなかったようだ。

名称は「命札」が多い

さて、このかまぼこ板。それぞれの地域でなんとよんでいたのか?
命札が若干おおい
命札が若干おおい
「命札」がじゃっかん多い。

ただ、「命札」と「名札」を地図上に落とし込んでみると、「命札」は愛媛、広島、岡山といった中国・四国地方に多く、「名札」を使うのはほぼ九州に限られるということがわかる。
(黄色のマーカーが「命札」、緑色のマーカーが「名札」)
また、素材に関しては、圧倒的に「かまぼこ板」がおおかった。
22.4%のその他はなんなのか?
22.4%のその他はなんなのか?
かまぼこ板以外の素材はなんなのか?
プラスチックの札がおおい
プラスチックの札がおおい
病院とかでよく貰うあのプラスチックの小判型のやつが多い。
ただ、このプラスチックの札を使うのは、東北地方など、ちょっとめずらしい場所での使用がおおいようだ。

いつごろから使われているのか?

さて、この「命札、名札システム」いったいいつごろからつかわれはじめているのだろうか?

「ある」と答えた人を年代別に並び替えてみると、アンケートに答えてくれた最高齢の50?59歳の人が岡山県に集中している。
50代の回答者、4人中3人が岡山県民だ。

これだけで、命札が岡山発祥かどうかは断定できないものの、40年以上まえにはすでにこのシステムが導入されていたことはたしかだ。

ルーツはなんなのか?

そんなわけで、集まったデータをいろいろと眺めてわかったことを並べてみる。

・「名前などを書いてプールに持参するかまぼこ板」は、瀬戸内海に面する県と九州などでおおく行われる風習。特に多いのは岡山、広島、愛媛、大分、佐賀、熊本。
・プールの授業ではなく、夏休みのプール開放日に使う。
・呼び方は九州地方だと「名札」がおおく、中国・四国地方だと「命札」などと呼ばれる。
・少なくとも岡山では40年以上前から使われていた可能性がある。

ということがわかった。

命札、名札システムのおおい県と、かまぼこの消費量がおおい県に相関関係があるかと思い「全国かまぼこ連合会」の、県庁所在地別かまぼこ消費量ランキングを調べてみた。
それによると、平成18年〜20年平均で、1位が仙台、2位が長崎、3位富山、4位松江、5位松山、以下、山口、高知、福島、北九州と続く。
5位の松山がかろうじて関係ありそうかな? と思うものの、あまり関係はなさそうである。

また「海女の風習のなごりでは?」という意見もあったため、大分県立図書館で海女に関する書物をいろいろとひもといてみたものの、命札、名札のような道具は、つかっていないようであった。

なぜ、西日本だけで広がったのか

「命札、名札」のシステムは、大分だけの特殊な風習でないことはわかった。

ただ、なぜ瀬戸内海地域と九州地域だけでこのしくみがつかわれるようになったのかは、よくわからなかった。

誰がはじめて、何がきっかけで広がったのか? おそらく、地域の子供会のしくみとプールの設置率がカギかもしれない。

引き続き調査は続けたい。
ついでにきいた好きな魚肉練り製品。どれも実力伯仲で甲乙つけがたい
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