広告企画♪ 2016年8月29日
 

見積もりをもらいに三森峠に行ったら心霊スポットだった

君子ではないので、危うきに近づく

僕は山の中を走るトレイルランニングという競技にかぶれているので、山に入ること自体は正直さほど苦ではない。むしろうれしいくらいである。
ただしお化けは苦手なんだ。
ただしお化けは苦手なんだ。
ただ、お化けが本当に苦手なのだ。たまに家に一人になったときとか、冷蔵庫から出したペットボトルが温度差でベコッて鳴るだけで飛び上がる。

いつからこんなにお化けが怖くなったのかと考えてみたのだけれど、子どもの頃はそんなでもなかったような気がする。大人になってたくさんの人と会い、いろんな話を聞いて徐々に怖くなってきたのだ。

お化けの話をする人って怖がらせるように話を作りこんでくるだろう。あれいらないから結論だけ先に教えてほしいんだ。出たのか、出なかったのか。出なかったのならば安心して聞くし、出たんだったら席を外すから。

三森峠にもどる。
何かでかい動物の足跡。
何かでかい動物の足跡。
三森峠は入って50メートルほどでぐっと右にカーブして、その後道らしきものがなくなった。森の入り口現世の出口である。

頭上を見るとトンボとか蜂なんかがぶんぶん羽音を鳴らしながら「ここはおれたちの領域だぞ」と主張している。地面にはところどころに掘り返された跡が。これはきっとイノシシかなにかだろう。

あまり深掘りするとまずい(お化け的な部分も)と思ったので、曲がる手前、まだ後方に入口が見えることを確認しながら見積もりをもらうべくメルメクスに電話してみた。ここだって十分に三森峠だからいいじゃんか。
もしもし!森さん、もしもーし。
もしもし!森さん、もしもーし。
しかしここは山中、ほんらい人が来るような場所ではない。
したがって圏外。
したがって圏外。
すぐ下の県道沿いでは確かにつながっていた携帯が、三森峠の旧道に足を踏み入れた瞬間に圏外になった。そんなきっぱり切り分けなくてもいいのにと思う。霊の仕業じゃないことを祈る。

しかしここまで来てこれで終わるわけにもいかず、もう少し峠を進んでみることにした。すごい責任感の強い男である。
おそらく登山道を示す印。
おそらく登山道を示す印。
道はすでにないが、たまに木にリボンが結んであったりペンキで印がつけられていたりするので、それを見落とさないよう、慎重に山道を登る。
わりと本気で急こう配。
わりと本気で急こう配。
顔の周りで飛び回る蚊の羽音を振り切ってしまうと、周りは急に静寂で満たされる。足音と遠くの方に鳥の鳴き声しかしない。茂みをかき分ける音がどこかに反射して少し遅れて返ってくる。ザッザッザッザ。僕がとまると少し遅れて足音も止まる。
静かだ。
静かだ。
神様、話し相手をください。
神様、話し相手をください。
帰り道をぜったい見失わないよう、途中途中で写真を撮りながら歩いた。でもそんな心配も必要ないくらい、ピンクのリボンが道を示してくれた。
10メートル間隔くらいに結んであるので安心です。
10メートル間隔くらいに結んであるので安心です。
先を見ると、このくらいの感覚で目印がある。
先を見ると、このくらいの感覚で目印がある。

すべてのものが怖く見える

と、その時である。

取材班(ひとり)の目の前に大蛇が現れた!危ない!
と思ったら木。
と思ったら木。
これを見てもわかるように、お化けなんてしょせん人の想像力が作り出したものである。寝ぼけた人が見間違えたんである。
ここから先行くな、と言っている気がする倒木。
ここから先行くな、と言っている気がする倒木。
それを超えて峠を登る。
それを超えて峠を登る。

三森峠でみつもりをもらう

30分ほど登っただろうか。視界が開けることもなく、かといってこれ以上山が深くなるわけでもない。淡々と同じ景色が続く。GPSを見ると旧三森峠を外れつつ戻りつつ、なんとなく間違えずに進んでいることがわかる。

もうきっとずっとこんな感じなんだろう。ようするにここが三森峠なのだ。

こうなったらあとは見積もりを取るだけだ。終わったらラーメン食べて帰ろう。

メルメクスに電話した。
出てくれ、森さん、出てくれ!
出てくれ、森さん、出てくれ!
圏外。
圏外。
……。
……。
携帯は依然として圏外だった。お化けのいない涼しいオフィスにいる担当営業橋本から「生きてますか」というメッセージが届いていたが腹が立ったので無視した。

その時である
後ろからものすごい気配がするのだ。
後ろからものすごい気配がするのだ。
おそるおそる振り返ると
人がさかさまに埋まっていた。
人がさかさまに埋まっていた。
ぎゃー。
ぎゃー。


みつもりはもらえるのか。


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