とくべつ企画:むりやり○○ 2016年8月16日
 

都バス一日乗車券で東京23区すべてまわれるか?

23区回れるか?
23区回れるか?
東京都交通局の運行する都営バスにひたすら乗りつづけ、一日で東京23区全てをまわることができるだろうか?

むりやり都営バス乗り継ぎの旅をやってみた。

※この記事はとくべつ企画「むりやり○○」のうちの1本です。ライターがいろいろなことにむりやり挑戦します。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。

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目黒区以外を一日でまわれるのか?

いきなりでもうしわけないが、都バスで23区すべてはまわれないという事実をお伝えしなければいけない。

都バスというと、東京都をくまなく走っているようなイメージがあるが、23区でいえば、葛飾区、板橋区、練馬区、世田谷区などは数系統しか走っておらず、目黒区に至っては、都バスの路線はない。
バスは目黒駅まで来ているものの……
バスは目黒駅まで来ているものの……
都バス路線図の「みんくるガイド」をみてみると、いくつかの都バス路線は目黒駅まで来ている。しかし、みなさまご存知のとおり、目黒駅があるのは品川区であり、目黒区ではない。

というわけで、今回は目黒区を除く、東京都区部22区を、都バスですべてまわることができるかどうかをためすことになる。

タイトルで「23区」と謳ったのは、わかりやすさとインパクトを優先したためである。つまりハッタリであり、ありていにいうと、ウソだ。

ルールは以下のとおり

路線バスの旅は、ルールをきめなくてはならない。といっても、普通に都バスを乗り継ぐだけの話である。
1)乗ることができるのは都バスのみ。
2)バスに乗ってその区を通過すればOK。
3)のりかえは、近くの別の停留所に歩いて行くのもOK。
4)都バス一日乗車券を使う。
以上のルールにのっとって、朝10時から夜10時ごろまで12時間。ひたすらバスに乗りつづければ、なんとか22区ぐるっとまわることができるんじゃないかと思う。

まずはバス本数が少ない葛飾区からスタートすることに

そんなわけで、金町にやってきた。

今回のむりやり路線バスの旅に同行してくれるのは、日常ミュージカルでおなじみの宮城さんと、写真には映ってないけれど編集部の橋田さん。
雰囲気はまるで違うが、体型だけは似ている
雰囲気はまるで違うが、体型だけは似ている
宮城さんも、橋田さんも金町はほぼ、はじめてきたという。宮城さんは板橋出身、橋田さんは町田出身だが、用事がなければまったく来ることはないという。
『男はつらいよ』を見るたびに柴又や金町に来てしまう田舎者のぼくにとっては信じがたいが、そういうものなのだろう。

ルートはその場で適当にきめる

さて、なぜ金町スタートになったのか。

実は、葛飾区に乗り入れる都バス路線は2本しか無く、そのいずれもが行き止まりとなっている。
葛飾区に、いったん入ってひきかえすのも構わないけれど、面倒くさいので、なるべく一筆書きになるようなルートを考えると、金町スタートがちょうどいいのだ。

と、思っていたものの、この原稿を書いているいま、路線図を確認すると、新小岩周辺の葛飾区にも都バスが走っていることがわかったが、もう遅い。
草39、錦37の2路線だけじゃなかった
草39、錦37の2路線だけじゃなかった
このように、ルート決めは、ぼくの独断で行きあたりばったりのため、適当であることはお断りしておきたい。

ものすごい勢いで進めます

記念すべき最初の乗車都バスは、「草39」である。
方向幕がLEDなのできれいに撮れない
方向幕がLEDなのできれいに撮れない
都バスの路線は、たいてい地名一文字と番号がふってあり、区別できるようになっている。だから「草39」と聞けば「浅草あたりに向かうのかな?」ということは想像できる。
500円で一日都バスに乗り放題
500円で一日都バスに乗り放題
都バスの一日乗車券は、その日、いちばんさいしょにのるバスで、運転手に「500円の1日乗車券をください」と言えばもらえる。バスの運賃は現在、現金で210円なので、約3回乗れば元がとれる計算だ。
区境超えたぞー
区境超えたぞー
荒川をこえ、葛飾区から墨田区に入った。

荒川をこえてさいしょのバス停、四ツ木橋南詰停留所で錦糸町行きの「錦37」に乗り換えることにする。

都バス一大ターミナルの錦糸町から、まずは江戸川区を攻めようという作戦だ。
なるべく西側の区をつぶしておきたい
なるべく西側の区をつぶしておきたい
さっそく乗り換え
さっそく乗り換え
バスの中でルートを決める
バスの中でルートを決める
錦糸町到着しました
錦糸町到着しました
都バスの大ターミナル、錦糸町。江東区、墨田区台東区周辺は都バスが網の目のように走っている。

ふだんあまり錦糸町にも来ないし、都バスにも乗らないという宮城さんが「都02」というバスを見つけて、興奮気味に「え、こんなところで大塚行きなんてバスをみるとは思わなかった!」と言い出した。
電車で行こうと思うと錦糸町と大塚がつながってる
電車で行こうと思うと錦糸町と大塚がつながってる
「都02」のバス路線は、路面電車で運行していた時代を含めると、昭和初期から続く由緒ある路線である。

たしかに、錦糸町と大塚がダイレクトにつながっているというのは、新大阪で鹿児島中央行き新幹線を見るような、飯能で元町・中華街行き電車を見るような、感慨のふかさがあるのはわかる。

錦糸町から一気に浅草まで

ここから先は、いっきに見ていきたい。
錦糸町で昼食後
錦糸町で昼食後
錦糸町で昼食の後、葛西駅に向かう「錦25」に乗車。
葛西駅までいくぞー
葛西駅までいくぞー
ポケモンGO、やりますよね
ポケモンGO、やりますよね
墨田区から江東区、小松川橋をこえて江戸川区に突入
墨田区から江東区、小松川橋をこえて江戸川区に突入
葛西駅前に到着
葛西駅前に到着
地下鉄博物館に寄り道
地下鉄博物館に寄り道
葛西からは、こんどは台東区、荒川区、足立区をめざして「秋26」に乗車。葛西駅から秋葉原までむかうけっこうながい系統だ。
秋葉原まで向かう秋26
秋葉原まで向かう秋26
しかし、これは終点までは乗車せず、途中で「業10」や「都08」に乗換えるなどして、浅草までやってきた。
臨海部からいっきに下町へ
臨海部からいっきに下町へ
ただの観光旅行記になってないか
ただの観光旅行記になってないか
どうも、ぼくと宮城さんの東京観光記録になってるようなきもするが、旅はきわめて順調である。この時点で、葛飾区、墨田区、江東区、江戸川区、台東区は攻略済だ。
東からじわじわ侵食していくスタイル
東からじわじわ侵食していくスタイル
ここから、どうすすむのかが実は悩みどころではある。しかし、台東区の方面から、中央区を経由して、港区、品川区方面へ抜けるバス路線はない。

昔は、上野から東京駅八重洲口を経由して品川駅まで向かうバス(旧501系統)もあったのだが、都営浅草線が開通してからは廃止されてしまった。

したがって、浅草あたりから大田区方面へバスで南下するのはちょっと難しい。
南下するのはあきらめよう
南下するのはあきらめよう
そこで、浅草から思い切って北上し、荒川区、足立区あたりまで攻め上りたい。浅草から「草43」にのりこみ、千住車庫を目指す。
なるべく外側を大きくまわって乗る
なるべく外側を大きくまわって乗る
千住車庫到着
千住車庫到着
ものすごい勢いで足立区まで到着しているが、この時点ですでに午後4時だ。10時から6時間経過している。

ところで、宮城さんが、バスのシートに描かれた、都バスのマスコットキャラクター「みんくる」をみているうちに、情が移ってきて、ぬいぐるみが欲しくなってきたといいだした。かわいい甥っ子にあげるぶんと自分のぶんがほしいという。
みんくる、これですね
みんくる、これですね
折よく、千住車庫では、都営バスグッズを売っているのだ。
みんくるを身請けする宮城さん
みんくるを身請けする宮城さん
どっちがぬいぐるみなのかわかんないな
どっちがぬいぐるみなのかわかんないな
そうこうするうちに、次のバスがやってきた。
王49で北区神谷町までむかう
王49で北区神谷町までむかう
「王49」に乗り、北区神谷町停留所に到着したときにはすでに17時。金町を10時にスタートしてからすでに7時間。

ここからさらに「王78」に乗り換え、環七をぐるっとまわり、高円寺まで向かう。
環七を走るから早いぞー
環七を走るから早いぞー
「王78」は新宿から、環七をぐるっとまわって王子まで行く長距離のバスだが、環七を走るのでけっこう早い。
そとはもう薄暗くなってきている
そとはもう薄暗くなってきている
もう、宮城さんもぼくも、無言である。金町を出たあたりでは、エアギターをタッキーにレクチャーしている話や、宮城さんの甥っ子の話なんかをしていたが、さすがに7時間も一緒にいると、話がなくなってくる。
バスには、小学生の集団と若いカップル。
若いカップルは、いまにもなんらかをはじめそうな雰囲気になっているのを、宮城さんとふたりで酢を飲んだような顔をして無言で眺める。
そして、バスは夕闇の環七を疾走する。

渋谷方面に行くため、高円寺陸橋の停留所で降りる。
乗換え、乗換えでいっきに区を増やす
乗換え、乗換えでいっきに区を増やす
世田谷区に行くためには「宿91」で代田橋でどうしても乗換えしなければいけない。代田橋の停留所は一部がかろうじて世田谷区に入っているため、ここで、世田谷区に入っておかないと、あとでまたくるのが面倒くさい。
停留所の一部がかろうじて世田谷区の代田橋
停留所の一部がかろうじて世田谷区の代田橋
さらに代田橋で乗換える「渋66」は、初台の東京オペラシティ前の交差点で、一瞬、新宿区を通過する。
通過すればまわったこととします
通過すればまわったこととします
ということは、ルールにしたがい、通過したので世田谷区、新宿区はクリアとさせていただきたい。
いつのまにこんなに制覇してた!
いつのまにこんなに制覇してた!
現在、まわった区は、葛飾区、墨田区、江東区、江戸川区、台東区、荒川区、足立区、北区、板橋区、練馬区、中野区、杉並区、世田谷区、渋谷区、新宿区の15区。
世田谷区と新宿区は、危ないところだったが、なんとかクリアできた。
残り、目黒区を除いて7区。
渋谷でさらに乗換え
渋谷でさらに乗換え
渋谷からは「田87」に乗り継ぎ、魚籃坂下で「品97」に乗換え。
魚籃坂下から品川をめざす
魚籃坂下から品川をめざす
品川まできたぞー
品川まできたぞー
品川駅まで到着したら、こんどは「品98甲」に乗り換えて、大田市場を目指す。
反対側の方に出ます
反対側の方に出ます
バス停名がどれもかっこいい「品98甲」
バス停名がどれもかっこいい「品98甲」
「品98甲」は、品川駅から、コンテナ埠頭を経由して大田市場までを結ぶ、都市のバックヤードを縫うようにはしる路線だ。

当然、乗客も、これから仕事といった、港湾業務の従事者や市場で働いているひとが多い。
ガントリークレーンが近い
ガントリークレーンが近い
「品98甲」から見える港の夜景はなかなかだ。ただ、動いてるバスからコンデジで夜景を撮るのは難しい。

バスは、やがてトラックだらけの倉庫街をぬけて、大田市場の中に突入し、終点の大田市場に到着した。
最南端に到着!(都バスのバス停の)
最南端に到着!(都バスのバス停の)
大田市場のバス停は、都バスのバス停の中で、もっとも南にあるバス停だ。ここで、時計を確認すると、20時52分……。これから北上しても、もう、時間がない。とりあえず、きょうまわることができた区をまとめると。
4つ残った!
4つ残った!
葛飾区、墨田区、江東区、江戸川区、台東区、荒川区、足立区、北区、板橋区、練馬区、中野区、杉並区、世田谷区、渋谷区、新宿区、港区、品川区、大田区。
22区中、18区。豊島区、文京区、千代田区、中央区が残ってしまった。

というわけで、東京22区は、バスで一日でまわることは……できなかった。
しかしながら、錯覚だとはおもうけれど、なにかをやりとげたような満足感はある。

もっと早くから動けば楽勝で回れそう

今回は、残念ながら残念な結果になってしまったが、もっと朝早くからゴリゴリ回ればたぶんイケルと思う。

バスでの移動中にやってた宮城さんのポケモンGOは、レベルが5ぐらい上がっていた。
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