特集 2016年8月20日

麺量1kgのラーメンをすり鉢で食べた

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「横浜市の六角橋にあった『豚星』という人気のラーメン屋の閉店後にできた、看板のないラーメン屋が気になる」という投稿が、ムーママさん・あめまさん・マスタングさんからはまれぽ.com編集部へとどいた。

「ファットン」という脂と麺をコンセプトにしたガッツリ系のラーメンが食べられるお店として営業していることがわかった。

はまれぽ.com 万田 ケサトシ
はまれぽ.comは横浜のキニナル情報が見つかるwebマガジンです。毎日更新の新着記事ではユーザーさんから投稿されたキニナル疑問を解決。はまれぽが体を張って徹底調査します。

前の記事:プロジェクションマッピングを使った案内板が駅のホームにあった


二郎インスパイア系ラーメン店「豚星。」。

閉店から元住吉へ移転後の様子ははまれぽの過去記事に掲載されているが、今回のキニナルは白楽の跡地で営業している新店舗について。
開店前はとても静か
開店前はとても静か
東急東横線・白楽駅から神奈川大学方面に向かって徒歩10分。新店舗も看板は無く、入口に書かれているのは店名の「ファットン」や営業時間、麺量、Twitterの情報のみ。

そこではまれぽ編集部・山岸と落ち合うや否や、それはそれは大きな器を渡されたのであった。
すり鉢ってラーメン用でしたっけ・・・
すり鉢ってラーメン用でしたっけ……
「万田さん、きょうは特別にこのすり鉢にピッタリな量のラーメンを作っていただけることになったので完食してくださいね」と山岸から挨拶変わりのヘビーなジャブをもらってしまったが、万田は朝からラーメンを食べられる高揚感の方が明らかに上回っていた。
この時点ではまだすり鉢の恐ろしさを知らず・・・
この時点ではまだすり鉢の恐ろしさを知らず……
厨房では毎日朝7時から仕込みが行われている
厨房では毎日朝7時から仕込みが行われている
午前8時30分、お店のオープン前に店長の折原亮(おりはら・りょう)さんが対応してくださった。

有名大学の大学院で法律を学んでいたという経歴をお持ちの31歳。まずは2015(平成27)年1月20日に「豚星。」が移転のため閉店した後について伺ってみると、その7日後の1月27日にガッツリ系ラーメンの「いがみそ」がオープン。
元々は豚星。の常連客で、アルバイトもしていた折原さん
元々は豚星。の常連客で、アルバイトもしていた折原さん
その後しばらくすると8月中旬に「いがみそ」が閉店。同じく白楽にある「くり山」の定休日限定で食べることができたラーメンを提供する「七連星」がオープン。

さらに同年12月に「七連星」から「ファットン」に生まれ変わり現在に至る。
「くり山」店主の栗山さん
「くり山」店主の栗山さん
ここでキニナルのが1年の間に3回もお店が変っているという点。

そこには同店舗のオーナーでもある栗山氏の「くり山で働いている人の修行の場を提供したい」という思いがあった。

それだけではなく「近くに大学があるのでもっとガッツリ系を出したい」「くり山で人気だった定休日限定メニューをもっとやってほしいという声があったのでこたえたい」などお客さんのニーズを考えた。

こうして2015(平成27)年12月15日、ファットンが誕生した。

ファットンではどんなラーメンが食べられるのか

メニューのネーミングも折原店長が担当
メニューのネーミングも折原店長が担当
それではこれよりファットンのラーメンのお話。

メニューはラーメンを中心に、辛めの赤麺やみそラーメン、からみそラーメン、つけ麺など。「◯◯そば」と表記されたメニューはいわゆるスープの無いラーメン。「汁無し」という表記だと二郎インスパイアになってしまうので、あえて使っていないそう。◯◯増しのコールもなし。ということはラーメンも二郎系ではないということ。では仕込みの様子を覗かせていただきましょう!
煮豚は豚の「うで肉」を使用。しょうゆとヒミツの配合で仕上げる
煮豚は豚の「うで肉」を使用。しょうゆとヒミツの配合で仕上げる
スープは画像の通りいろいろ入っています
スープは画像の通りいろいろ入っています
作ったら一旦冷却。お客さんに提供する直前に温める
作ったら一旦冷却。お客さんに提供する直前に温める
脂はスープからダイレクトではなく手間をかけ別途仕込み
脂はスープからダイレクトではなく手間をかけ別途仕込み
麺はもちろん自家製麺
麺はもちろん自家製麺
折原店長と麺打ち担当の方が「くり山」で打っているというこの麺にはかなりのこだわりがあるそう。

押して押してギュッとではなく、とにかく優しい打ち方にして麺の旨さを前面に出したいとのこと。ファットンのコンセプトは「脂と麺」ということでガッツリ系のラーメンながら決して二郎系ではないスタイルらしいのでますます期待度アップップ!
今年のラッキーカラーは赤らしい
今年のラッキーカラーは赤らしい
ここではまれぽ編集長・吉田が緊急参戦! なぜかというと山岸がすり鉢を持参しており、これにピッタリな量のラーメンを作ってくれるので、完食を目指して戦友になってくれるらしい。ちなみに麺の量はゆでる前で1kg。すり鉢だろうが植木鉢だろうが金魚鉢だろうが鉢の中の鉢、デテコイヤー。
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すり鉢に合わせた麺1kgラーメン

カウンターの奥で麺のスタンバイ
カウンターの奥で麺のスタンバイ
そうこうしているうちに、スタッフの小野塚さんがすり鉢用にラーメンを作り始めてくれました。まずは1kgの麺ゆでからスタート。
自家製麺がゆらいでおります
自家製麺がゆらいでおります
すり鉢に脂を投入
すり鉢に脂を投入
そこにスープがやってきた!
そこにスープがやってきた!
小野塚さんの腕力で麺をあげて
小野塚さんの腕力で麺をあげて
スープから麺があふれてるよね!?
スープから麺があふれてるよね!?
トッピングのキャベツと
トッピングのキャベツと
豚8枚が乗っかって完成しました
豚8枚が乗っかって完成しました
おっ・・・重い。重過ぎ
おっ……重い。重過ぎ
トッピングはモヤシではなく、キャベツ100%。これも折原店長が言っていた二郎系ではないポイント。

麺を覆う肉のボリュームに圧倒されてしまう。
ミニからすり鉢までどんぶり4連
ミニからすり鉢までどんぶり4連
この高低差は耳がキーンとなるレベルか!?
この高低差は耳がキーンとなるレベルか!?
はたまた横綱と新弟子か!?
はたまた横綱と新弟子か!?
とにかくいただきます!
とにかくいただきます!
キャベツと豚を分け入って麺に到達
キャベツと豚を分け入って麺に到達
ファットンの自家製麺。むっちりして暴れだすというよりも、マイルドで優しさ溢れる麺そのものを楽しめる仕上がり。
湯気と共に良い香りが鼻孔を刺激する
湯気と共に良い香りが鼻孔を刺激する
スープは投稿にあったように二郎系と家系の間のような味わいで、とてもまろやかな印象。鶏の香りを感じながら脂のパンチも楽しめる。
肉のかたまり
肉のかたまり
煮豚(同店のメニューでは肉という表記)はデフォルトで2枚……というより2「かたまり」と言った方が正しいだろう。肉券購入でどんどん肉増しも可能。29日(肉の日)はプラス1枚といううれしいサービスもある。

すり鉢に挑むはまれぽ3人衆

ヒートアップしてまいりました
ヒートアップしてまいりました
二郎系にも家系にも属さないファットンのラーメンを開店前から味わわせてもらうという贅沢な時間だったが、食べ始めてから9分を過ぎたところで先鋒の万田に早くも満腹感が襲ってきた。ここで中堅の吉田にバトンタッチ。
中堅の貫禄
中堅の貫禄
「美味しい! 美味しいよ!」と勢いよく食べ始めた吉田。通常のラーメンどんぶりに取り分けて食べているせいか余裕の表情である。これは大将の出番なくして完食できるのではと思っていたのだが……。
いつまでたってもこのボリューム感
いつまでたってもこのボリューム感
食べても食べても麺が減らない。これはある意味うらやましいことだが、今回も完食以外に道はないのでただひたすら食べるのみ。
しばし休息タイム
しばし休息タイム
再び万田が挑んでみたもののどんどんペースが落ちていく。おい! 万田! 店の前ですり鉢を胸にあてていたあのころを思い出すんだ! とはいえよく考えてみたら、麺はゆでる前が1kgなので完成したら軽くそれ以上。さらにスープを吸っているので想像以上。そろそろ大将を呼びます。
オンナの底力を見せてください
オンナの底力を見せてください
万田、すでに限界越えています
万田、すでに限界越えています
はまれぽジャンパーを着直して気合いを入れたが、全く箸が進まない万田とは対照的に、かなりの勢いで麺をすする大将・山岸。自らすり鉢を持参しただけあって肉のかたまりもペロリとたいらげてしまう破竹の勢いだ。
「三本の矢の教え」が身にしみる
「三本の矢の教え」が身にしみる
まだ口の中に豚が入っています
まだ口の中に豚が入っています
午前10時56分。お店のオープンが午前11時ということでラストスパートをかけ、開店前ギリギリのタイミングでついに完食。食べ始めてから1時間1分経過したところだった。達成感と満腹感でお腹も心も大満足! すり鉢でのラーメン提供は準備が整い次第スタートするそうですよ~。
みなさんの胃袋のキャパに合わせてどうぞ
みなさんの胃袋のキャパに合わせてどうぞ
今回は取材ということではまれぽ3人衆で挑んだ麺量1kgのラーメン。同店では増量するグラム数ごとに金額が設定されいるが「神大盛り」は600gで麺増しは何グラムでも無料という太っ腹なシステム。

これまで「神大盛りをMAXで」というオーダーにとりあえず1kgで提供したら余裕で完食した女性客もいたそう。胃袋に自信があってファットンこだわりの麺を思う存分堪能したい方はぜひチャレンジしてみてほしい。

ファットンの粋メニュー

最後に折原店長と小野塚さんの粋な計らいで、すり鉢のラーメンとは別に同店の人気メニューを試食させてくれたのでご紹介を。
スキヤキ(800円)
スキヤキ(800円)
現在大ブレイク中の限定メニュー。まさにすき焼きの味わいで麺が進む進む! 辛さ控えめで旨味の強い唐辛子がアクセント。生卵との相性も抜群です。
二種そば(850円)
二種そば(850円)
限定から裏メニューに昇格。まずは麺をそのまま楽しんでからつけだれにくぐらせ、シメはフライドオニオン、花かつお、コショウと一緒によく混ぜていただく。全く違った味を楽しめるので1度で3度美味しかった!
満腹すぎてお腹が四角くなった!?
満腹すぎてお腹が四角くなった!?

取材を終えて

ファットンには裏メニューがあるらしい。オーダー方法や限定メニュー情報、当日の営業時間などはファットンのTwitterをチェックしてほしい!

ファットン
住所/横浜市神奈川区六角橋2-10-1
電話番号/045-481-8100
営業時間/11:00~14:00 16:00~22:00(月曜日~金曜日) 11:00~18:00 (土曜日)
定休日/日曜日
Twitter/@fatton_hakuraku
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