ライター体験インターン 2016年9月16日

新宿でキャリーケースがパンパンになるまでパンを買う

興奮している
興奮している
パンが大好きだ。パンは硬かったり柔らかかったり、甘かったりしょっぱかったりして同じ名前でも店ごとに味が異なる。そんなところが人間に似ているから好きだ。いつもは2つで我慢するが、インターンを口実に好きなだけ買ってきた。
1996年生まれ、板橋区育ち。ポジティブ過ぎて相手を傷つける優しいヤクザ。2016年、甲賀忍者検定に合格して忍者になった。



新宿を縦横無尽に歩きまわり、キャリーケースがパンパンになるまでパン屋を巡る。普段は新宿でパンを買わないのでどこに店があるかは分からない。そして沢山のパンを持って帰って家族がどんな反応をするかも気がかりだ。私はパン派だが家族の大半は米派。何か言われたら硬いパンで応じてみようと思う。

一番パンが入るのはキャリーケース

大量にパンを買うと決めてから、どんな入れ物にしようか迷った。
家にある一番大きい入れ物いったらキャリーケースだったが、果たして経費の問題上許されるのか、いろんな事を担当の米田さんに聞いてみたらひきつった顔をされた。けれども本気で止められなかったため、実際にキャリーケースで買い物に行った。
空っぽのキャリーケースを転がすのはワクワクした。
並んでみた
並んでみた
いいともが終わってから東口には活気がない。
いいともが終わってから東口には活気がない。
意識して見てみるとキャリーケースを持った人が沢山いる。観光客や出張のサラリーマンらしき人が多いので納得はいくが、すれ違うキャリーケースの中にもパンがみっちりと詰まっているのかもしれないと思うと泣けてきた。
是非お土産にはパンを
是非お土産にはパンを

でかいパンは高い

始めによく見るなんかオシャレで高そうな店に行ってみた
読めないけど見たことはある。
読めないけど見たことはある。
オシャレなお店なのにパンにはなぜかオレオが突き刺さっていた。つい最近国内生産が終了したためこのオレオは外国から来たオレオであるに違いないだろう。
DEAN&DELUCA クラッシュチョコレートマフィン 320円
DEAN&DELUCA クラッシュチョコレートマフィン 320円
まだまだ先は見えない
まだまだ先は見えない
このままでは終わりが見えないので少しずるい手を使ってみた。
パン・ド・ロデブと書いてあるものがトランクを埋めるのにちょうどよさそうだったので買ってみた。調べてみたところフランス生まれのパンらしい。十字に入った形がオシャレでフランス風を吹かしている。値段はなんと1440円もした。一つで叙々苑のビビンバ定食並みの値段である。なんという贅沢。なんというインターン。
SAWAMURA パン・ド・ロデブ 1440円
SAWAMURA パン・ド・ロデブ 1440円
お会計時に袋を断ると店員さんが大笑いしてくれた。そしてレジ打ちを間違えて、後ろで待っているお客さんをイライラさせていた。私も巨大なパンを買っている女にイライラしているお客さんが面白くて少し笑ってしまった。
その罰なのか、カメラで撮った画像の確認ができなくなった。壊れてしまった。これは隠岐の島から上京してきた友達から貸してもらったカメラだ。彼女の島での青春が沢山つまったカメラが開かない。人の不幸を笑った罰だとしたら少々重すぎやしないか。
動かない
動かない
このまま様子を見るため少しほおっておく。だがトランクは埋まってきた。
片面はパンパン
片面はパンパン
可愛いパンも買ってみた。子供向けのものだろう。それにしてもトトロのクオリティが低い。
統一性が無いキャラクターシリーズ 各120円
統一性が無いキャラクターシリーズ 各120円
パン屋を探しにうろうろしているとパンに似た猫を見つけた。
パンっぽい猫
パンっぽい猫
後ろ姿はもっとパン
後ろ姿はもっとパン

パン屋の店員さんは推しが強い

色々脱線しながら新宿を歩き回ること4時間半、やっとトランクをパンでパンパンにすることができた。途中で「トランクに入るだけパンを買いに行く」から、「トランクをパンでパンパンにする」という趣旨になってしまったが、大変満足である
パンパンだ
パンパンだ
4時間ほどかけて9つの店を回り大小20個のパンを手に入れた。
パン屋の店員さんはハイジの白パンのような女性たちが多かった。白くて柔らかそうだった。
しかし、袋はいらないと言っても一度は必ず食い下がってきた。意外と推しが強い。
頑張って戦ってみたが、5勝4敗とあまり良い成績は出せなかった。
よくよく考えてみるとキャリーケースしか持たない女が財布をむき出しで買い物に来たら不信に思うに違いない。袋を渡すのは当然の行動なのかもしれない。
カメラはまだ直らない。
どうしよう
どうしよう

下着泥棒の気持ちが分かった

このままトランクに詰めているだけだともったいない。広いところに並べて見たいと思ったが地面につけるのは衛生的に気になったのでブルーシートを敷いた上に並べた。
一気に押収品っぽくなった
一気に押収品っぽくなった
この様子をTVで見たことがある。下着泥棒が捕まったときに「犯人はこのように沢山の盗みを働いており~」等のアナウンスと共に流れてくる映像によく似ている。
あの時は何故こんなに多くの下着を集めるのだろうかと思っていたが、今やっと犯人の気持ちが分かった気がする。自分たちの好きなもの、パンと下着は多ければ多い方がいい。

今専攻している学問分野が法律なのでいつか判例として下着泥棒の事件を扱うことがあるだろう。その時にはまた泥棒側に気持ちを沿わせてみようと思う。下着泥棒の思考を理解した生徒の事を先生がどう思うかである。
離れて撮るとピクニックのようで愛らしい。
離れて撮るとピクニックのようで愛らしい。

パンは人を笑顔にさせる

一番食べたかった大きいパンを食べてみた。ほのかに酸っぱく、普通の食パンとは全く違う味だ。
これが1440円のパンの味なのか。高いパンとはこういうものなのか。
そして凄い粉が飛ぶ。息を吐くだけで目の前が真っ白になるぐらい粉がまぶしてある。シイタケのような見た目も相まってきのこが胞子を飛ばしているようだ。
他のインターン生が記事を書いている横でこっそり食べようかと思ったら、ばれてしまった。後ろに写っている3人とも笑顔である。
このパンを買った時も店員さんが笑っていたことを思い出した。
パンは人を笑顔にさせるのかもしれない。
パンは人を笑顔にさせるのかもしれない。
▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ