広告企画♪ 2016年9月26日
 

「おふくろの味」のバックアップをとる

あのカレーの作り方を教えて下さい!
あのカレーの作り方を教えて下さい!
子どもの頃に家で何気なく食べていたあの料理、いま思い出しながら作ってみたらどこか味が違う。そんな経験ないだろうか。

家々に伝わる料理はそこでしか食べられないとくべつなもの。今のうちにレシピを聞いておく、つまり作り方のバックアップをとっておく必要があるのではないか。

今回は実家のカレーをテーマに、バックアップをとってみました。


※この記事はおなじみ「バックアップのアクロニス」とのコラボ企画です(これまでの取り組み12)。
1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。
> 個人サイト むかない安藤 ツイッター

今、バックアップすべきは「おふくろの味」

この前友だちとカレーに入れる肉の話をしていた。

ビーフかポークか、はたまたチキンか、場所によってはヤギや羊なんてのもありうるだろう。僕はチキン派なのだけれど、考えてみるとそれって特に誰かに習ったわけではない。それではなぜチキンを入れるようになったのか。

考えてみたら実家のカレーがそうだったんじゃないかと思うのだ。
実家(この記事より)。
実家(この記事より)。
しかし僕の作るカレーはなんというか、記憶の中にある実家のカレーとはどこか違う気がするのだ。そんなに特別なことはしていないし、カレーなんて違いを出す部分は肉の種類くらいじゃないのか。ならば何が違うのか。

気になったので母に電話で聞いてみた。
母のカレー、バックアップ中。
母のカレー、バックアップ中。
−−もしもし

「あらあんた、珍しいわね。どうしたの」

−−あのさ、お母さんが作るカレーって肉なに?

「なんでよ、急に」

ここからレシピの話に移るまでに、母が単身島根から愛知に嫁いできた時の苦労話や台風で電車が止まって名古屋から歩いて帰ってきた話などが30分ほど続いた。正直ぜんぶ聞いたことのある話だったが、子どもの頃に聞いた時よりもリアリティが増している気がした。母が話慣れたのか、僕が彼女と同じく人の親になったからか。

そんな感慨を経てバックアップを取った「おふくろの味カレー」のレシピを以下に公開します。みなさんも真似して愛知にある安藤家のカレーを食べてみてください。

安藤家のカレー

■野菜を炒める

野菜はジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ。特に変わったものは入れないらしい。これらを「みんな一緒に油で炒めるがね」。
最初に玉ねぎを飴色にしたりとかしない。
最初に玉ねぎを飴色にしたりとかしない。
■カレーのルーは甘口限定

うちのカレーはとにかく甘かったのを覚えている。大人になって外で辛いカレーを食べて、カレーって本当に辛いんだな、と思ったものだ。
「とくにこだわりとかないけど、だいたいバーモントカレーよね」
「とくにこだわりとかないけど、だいたいバーモントカレーよね」
■シーチキン

ここで母がオリジナリティ出してきた。「野菜がだいたい炒まったらシーチキンいれるが」。
うちの実家の肉は、まさかのシーチキンでした。
うちの実家の肉は、まさかのシーチキンでした。
そう、うちのカレーに入っていたのはチキンはチキンでもシーチキンでした。シーチキンを一缶、油を切って入れるのだという。これを聞いた時に「なるほどそうか!」と思ったのでたぶん体が思い出したんだろう。

そして次も意外な一手が。

■砂糖

砂糖である。「カレーの量にもよるけどあんた、たいがい大さじ1とか2とか、適当に入れてたがね」。
まさかの砂糖投入。
まさかの砂糖投入。
甘口のルーに砂糖である、うちのカレーが甘い理由が完全にわかった。

しかしどうしてカレーに砂糖なんだと聞いたところ

「おばあちゃん(父方の祖母)から習った」と。

聞くと、母が嫁いできた愛知の家は当時まずしく(いまでもさほど楽ではないが)、砂糖は高級品のシンボルだったのだとか。

祖母は遠く島根からやってきた嫁(母)に高級な「甘いもの」を食べさせたかったのだろう。祖母はカレーにどばどば砂糖を入れて甘くしてやった。祖母的に甘ければ甘いほど高級、そして高級イコール最上のおもてなしだったのだ。
完成。これこれ、という味でした。
完成。これこれ、という味でした。
こうして祖母から受け継がれたシーチキン、砂糖入りカレーのレシピ。その通りに作ってみたところ、そうそうこれこれ、という実家のカレーが出来上がったのでした。おふくろの味カレー、バックアップ完了である。

これから僕がこのカレーを作るかどうかはわからないけれど、食べたくなったらすぐに引き出して作ることができるという安心感は、やはりバックアップをとったことの成果だと思う。

時代を超えて実家の味がよみがえる。これ、面白いからできる人は今のうちにやっておくべきですよ。

今回は他の家の味も知りたくて、何人かに「おふくろの味カレー」をバックアップしてもらったので紹介します。それぞれに個性があって面白いんだほんと。
!
「にんじんは下の部分はすりおろし、上の部分は乱切りにする」
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「肉はあらかじめ油(米油)を揉み込んでおく」
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「レモングラスは包丁の背で叩いてから炒める」


カレーもデータもバックアップが大切です。


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