ロマンの木曜日 2016年9月22日
 

これが山形の芋煮会だ!

山形の芋煮会、そして芋煮文化の一端を紹介します。
山形の芋煮会、そして芋煮文化の一端を紹介します。
私が学生時代を過ごした山形市では、秋になると「芋煮会」というイベントが盛んに行われていた。学校のゼミやサークル、バイト仲間、友人同士など、所属していた全団体がもれなく芋煮会をやるくらい盛んだった。

東北以外の人にとってはピンとこないであろう芋煮文化の根深さを、実際の芋煮会を通じて紹介したいと思う。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。
> 個人サイト 私的標本 標本製麺

今回の芋煮は牛肉入りの醤油味です

まず初めにいっておきたいのだが、芋煮文化は東北各地に根付いており、地方によって味付けや具材が大きく異なる。私が知っているのは山形県村山地方の山形市における芋煮ということで、牛肉とサトイモを醤油味で煮たものがスタンダード。

「醤油味なんて芋煮じゃない!」とか「牛肉よりも豚肉でしょう!」といった意見は、心の中に留めておいていただきたい。私も豚肉が入った味噌味の芋煮に対して「豚汁じゃん」とかいいませんから。

芋煮の味は好みの問題ではなく、出身地のアイデンティティそのもの。芋煮で揉めたら芋が泣くじゃないか。芋煮発祥の地とも言われている中山町なんて、肉じゃなくて魚のタラだ(こちら)。

山形市には日本一の芋煮鍋がある

さて山形市における芋煮会の紹介ということで、最初にやってきたのは「日本一の芋煮会フェスティバル」というイベントで使われる、直径6メートルの大鍋だ。
飾りじゃないのよ大鍋は、はっは〜。
飾りじゃないのよ大鍋は、はっは〜。
芋煮の聖地である馬見ヶ崎川沿いに設置された「鍋太郎」の雄姿たるや。大型重機を使って、3万食の芋煮を豪快に作る様子をニュースで見た方も多いだろう。

このおかげで山形の芋煮は有名になったけど、他地域の人に芋煮とはそういうものだと思われている節があるよね。
この鍋に名前があるのを初めて知ったぜ。
この鍋に名前があるのを初めて知ったぜ。
まあ考えたら当たり前なんだけど、これは芋煮フェス用の特別な芋煮鍋。これから紹介する芋煮会こそ、山形市民にとってのスタンダードなんですよ。

秋のスーパーは芋煮の材料で溢れている

芋煮シーズンである秋に山形市内のスーパーマーケットへといけば、どこの店も芋煮の食材や関連用品を猛プッシュしている。その品揃えに店のメンツを掛けているといってもいいだろう。

取材日は9月4日(まさかの真夏日)と芋煮会シーズンの開幕前というタイミングで、さすがにまだ早すぎたかなという不安もあったが、すでに芋煮の秋は訪れていた。
山形県在住の友人ヒデちゃんの案内で、鍋太郎の近くにあるスーパーへとやってきた。
山形県在住の友人ヒデちゃんの案内で、鍋太郎の近くにあるスーパーへとやってきた。
店を入ってすぐの場所にあるのは、薪や紙皿などの芋煮グッズ。キャンプ場の売店かという品揃え。これは山形だけの話ではなく、芋煮が盛んな地域ならどこでもそうだろう。

ちなみにハイシーズンになると、コンビニの店頭にも薪が山積みになっている。途中で薪が足りなくなるというのは芋煮会あるあるなので、そういう需要が結構あるのだ。
ちなみに薪は芋煮用、木炭はバーベーキュー用。
ちなみに薪は芋煮用、木炭はバーベーキュー用。
そして肉売り場を覗いてみれば、芋煮会用の肉がドーンである。

芋煮会における費用の中で、大きな割合を占めるのが牛肉であり、お得な外国産で予算を抑えるか、ちょっと頑張って国産牛にするか、張り切って山形牛にするかが悩みどころ。
芋煮は肉料理でもあるのだ!
芋煮は肉料理でもあるのだ!
山形市の芋煮は牛の切り落としがスタンダード。
山形市の芋煮は牛の切り落としがスタンダード。
もちろん野菜売り場だって芋煮会仕様。主役であるサトイモはもちろん、ネギやゴボウなど芋煮のレギュラーメンバーが幅を利かせている。
野外では皮をむかれた小振りのサトイモが使いやすい。
野外では皮をむかれた小振りのサトイモが使いやすい。
こだわり派なら土付きのサトイモを現地で剥いて使おう。
こだわり派なら土付きのサトイモを現地で剥いて使おう。
ネギやゴボウも山形の芋煮には欠かせない。
ネギやゴボウも山形の芋煮には欠かせない。
味付けは普通の濃口醤油を使う派閥と、味マルジュウという山形市民が大好きなダシ入り醤油を使う派閥に別れる。私の感覚的には後者が主流か。
山形市民の台所には、味マルジュウがかなりの割合で置かれています。
山形市民の台所には、味マルジュウがかなりの割合で置かれています。
最近は便利な芋煮専用のタレも売られているが、それを使ったら負けでしょうとライバル視する芋煮ファンも多い。たぶん。
最近は便利な芋煮専用のタレも売られているが、それを使ったら負けでしょうとライバル視する芋煮ファンも多い。たぶん。

鍋の付いた芋煮セットが便利です

このように用意された豊富な選択肢からベストなチョイスを考えるのも楽しいが、各スーパーが力を入れている芋煮セットを頼むことも多い。今回は我々も利用させていただいた。

このセットには必要な食材だけでなく、薪や着火剤などの必需品が入っており、さらには先着順で鍋やカマドの無料レンタルまで可能なのだ!
肉のグレードによってコースの変わる芋煮セット。5万円以上なら現地まで配達もしてくれるらしいぞ。そしてカレールーのプレゼントを覚えておいてほしい。
肉のグレードによってコースの変わる芋煮セット。5万円以上なら現地まで配達もしてくれるらしいぞ。そしてカレールーのプレゼントを覚えておいてほしい。
芋煮に豚肉を入れる地域出身の方々も配慮したチラシ。牛か豚かは値段の問題ではなく、食文化の違いなのだ。
芋煮に豚肉を入れる地域出身の方々も配慮したチラシ。牛か豚かは値段の問題ではなく、食文化の違いなのだ。
お話を伺った店長によると、多い日は20組以上の利用があるとか。カマドや鍋は数が限られるので、ご予約はお早めにとのことです。
お話を伺った店長によると、多い日は20組以上の利用があるとか。カマドや鍋は数が限られるので、ご予約はお早めにとのことです。
芋煮セットに飲み物や加えたい食材などをプラスして、割り勘すると千円から二千円といったところが芋煮会の相場。

メンバーに農業や畜産の関係者が混ざることで、食材を持ち寄ってくれることも多い。
こちらは別のスーパーのチラシ。締めセットを別料金にしていたり、店ごとの微妙な違いが幹事を悩ませる。
こちらは別のスーパーのチラシ。締めセットを別料金にしていたり、店ごとの微妙な違いが幹事を悩ませる。

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