はっけんの水曜日 2016年10月19日
 

レーザーカッターで燻製を作る!「普通じゃないプログラム」発表会

このスモークチーズ、普通じゃない方法で出来ているのです…!
このスモークチーズ、普通じゃない方法で出来ているのです…!
明治大学で開催されたABPro 2016というプログラムに関する発表会へ行ってきた。

「ぼくらが目指すのは、人を驚かせ、笑わせ、幸せにするようなプログラムです」とサイトに書いてあるが、自作の「普通じゃないプログラム」作品を発表するという会である。

2年前に編集部石川さんがレポートした記事をご覧になった方もいるかもしれない。
(その時の記事はこちら→プログラムで笑わせろ!「普通じゃないプログラム」発表会

普通プログラムが関係するような発表会で話される内容といえば、どのくらい便利になったとか、処理能力が上がったとかについてだろう。

だがこの会で発表する人たちは違う。「自分が作ったプログラムでいかに笑わせるか」「誰も想像もしないようなガジェットの使い方をしていかに驚かせるか」ばかりを話すのだ。
プログラム界の上方漫才大賞、プログラム界の新春かくし芸大会のようなイベントなのである。

今年は僕がレポーターを仰せつかったので、この素敵なイベントをレポートしたい。
1987年兵庫生まれ。会社員のかたわら、むだなものを作る活動をしています。難しい名字のせいで、家族が偽名で飲食店の予約をするのが悩みです。
> 個人サイト むだな ものを つくる

回転する寿司が止まる!

普通じゃないプログラム作品ってどういうことなのか。まずはこの発表から紹介していきたい。
情報通信研究機構の湯村翼さんによる、年収800万円以下でも寿司が止まって見える装置の発表だ。
回転する寿司が止まっている(ように見える)!
高速回転する寿司が突然止まった。
回転する周期に合わせてストロボを炊くと、同じところに来たときにだけ寿司が明るく照らされるのでその場に止まったように見えるのだ。
ゾートロープ、ストロボスコープという昔のアニメに使われるような装置を寿司に適用した。

技術の無駄遣いというやつである。
研究背景。
研究背景。
回転寿司よりもカウンターで食べる寿司の方が高い。つまり静止した寿司の方が価値が高い。
回転する寿司を止めることで、価値の高い寿司を次々と食べることが出来るのではないか。そんな発想から生まれた装置だ。

ストロボを炊くタイミングは手で調整しないといけないので、場合によっては止まらずに寿司が瞬間移動したり融合したりという現象が観測された。
寿司の重ね合わせという現象。
寿司の重ね合わせという現象。
こんな感じの作品が次々と発表されていくのだ。最高である。
どんどんいきます。

レーザーカッターで燻製を作る

レーザーカッターという工作機械がある。その名の通りレーザーを使って木やアクリルを切ったり削ったりすることが出来る装置で、どのように加工するかをプログラムで決めることで自由自在に加工することが出来るのだ。

さて、そんなレーザーカッターでものを切ると、熱と煙が出る。
熱と煙…この組み合わせって燻製が作れるのでは!?ということに気が付いたのが、明治大学宮下研究室のfrog_aboonさんだ。天才的な発想である。
つまりわかりやすい図で表すとこういうことだ。
つまりわかりやすい図で表すとこういうことだ。
桜のチップを敷き詰め、レーザーカッターで熱していく。
中央には偶然にもチーズやベーコンが置いてあり、出てきた煙で燻されるという寸法だ。
レーザーカッターメーカーの人は見ない方がいいかもしれない。
レーザーカッターメーカーの人は見ない方がいいかもしれない。
食材にバットをかぶせて、煙を中に留めている。
食材にバットをかぶせて、煙を中に留めている。

そしてついに完成!
ちゃんと色がついてる!
ちゃんと色がついてる!
実際に食べさせてもらった。
ちゃんとスモークチーズの香りがしておいしかった。これがまさかレーザーカッターで作られたとは思うまい。
ちゃんとスモークチーズの香りがしておいしかった。これがまさかレーザーカッターで作られたとは思うまい。

普通に燻製機で作ればいいでしょ、と野暮なことを言ってはいけない。これは普通じゃない会なのだ。
レーザーカッターで燻製が作れる、という世界初の発見をした方が重要であり、賞賛されるべきことなのである。

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