とくべつ企画「できたて原稿大会」 2016年11月3日
 

コンビニおでんの容器は絶対に水筒になるはずだ

水筒になりました。
水筒になりました。
コンビニおでんの容器は、汁がもれないように、フタがすごくしっかり作られている。
これだけ水がもれないなら水筒になるはずだ。
壊れたりカラスが来たりしましたが、執念で水筒になりました。

※この記事はとくべつ企画「できたて原稿大会」の1本です。
1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。

コンビニおでんの容器に驚いた

この間、生まれてはじめてコンビニおでんというものを食べた。
おでんが嫌いとかコンビニおでんに思うところがある、というわけではないのだが、何となく今まで機会がなくて食わず嫌いのようになっていたのだ。
ふと買ってみたら、容器のフタの頼もしさに驚いてしまった。
ファミリーマートのおでん。
ファミリーマートのおでん。
この、フタの食い込み方が深くて、汁が全然こぼれないのだ。
この、フタの食い込み方が深くて、汁が全然こぼれないのだ。
開ける時はあまりにもしっかりしていたのでどぎまぎしてしまった。
斜めにしても全然こぼれない。
これだけ水分を入れておけるならもうあれだ、水筒と言って差し支えない。
全然こぼれない。ライターの佐々木さんも同意してくれた。
全然こぼれない。ライターの佐々木さんも同意してくれた。

絶対に水筒になるはずだ

コンビニおでんの容器は水筒になるはずだ
企画会議で話したらぼんやりした批判の空気があたりにたちこめた。
「そんなしっかりしてたっけ?」「汁がこぼれるイメージがあるけど・・」とのことだ。
いや、あんなにしっかりしている容器はない。
容器を水筒にしてピクニックをしようと、ピクニックっぽい服も着てきたし、レジャーシートも持ってきたのだ。
半ば強引に、コンビニおでんの容器を水筒にしてピクニックをさせてもらうことにした。
今思うと会議の意味が全然ない。次から気をつけよう。

ピクニックをしよう

買い出しをして、
買い出しをして、
公園に来た。
公園に来た。
休日の昼下がりの公園に来た。
老若男女が思い思いに楽しんでいる。
天気が良くて最高である。
早くあれに混ざりたい。
水筒を得るために、まずはおでんを食べる。容器の方が必要なのだ。
水筒を得るために、まずはおでんを食べる。容器の方が必要なのだ。
まずはファミリーマートで買ってきたおでんを食べる。
撮影は編集部の安藤さんにお願いしたのだが、やけに遠くから撮っていただいた。
そういう、ぽつんとした悲壮感が出ていたのかもしれない。
だが水筒が完成したらそうはいかない。
芝生を走り回ったり、フリスビーで楽しく遊んだりして、会議で難色示された皆さんを見返すのだ。
食べた。そしてこの容器は、コーラが入った水筒になる。
食べた。そしてこの容器は、コーラが入った水筒になる。

いよいよ、水筒を作る

まずは容器にコーラを入れる。コーラって、広い容器で見るとなんか怖い。真っ黒だしプクプク泡出てくるし。
まずは容器にコーラを入れる。コーラって、広い容器で見るとなんか怖い。真っ黒だしプクプク泡出てくるし。
首から提げるために紐で縛ってとっかかりをつくる。
首から提げるために紐で縛ってとっかかりをつくる。
ストローをさしたら完成である。
ストローをさしたら完成である。
できた。これがコンビニおでんの容器の第二の人生、水筒である。
おめでとう。
おめでとう。

走ったら壊れた

結論から言うと、走ったら壊れた。
走ったら壊れた。
走ったら壊れた。
水筒ができて嬉々としている僕に、編集部安藤さんが「動く様子を撮るので向こうから走ってきてください」
と言った。

指示された場所まで移動し、合図をもらって、2歩で壊れた。だから写真が遠い。
申し訳ありません。
申し訳ありません。
振り返ると、ピクニックのために買ってきたお惣菜のからあげを、カラスが狙っていた。
振り返ると、ピクニックのために買ってきたお惣菜のからあげを、カラスが狙っていた。
慌てて追い払う。逆光なのもあいまって夢の中みたいな写真になった。
慌てて追い払う。逆光なのもあいまって夢の中みたいな写真になった。

まだだ

水筒は壊れたしカラスには狙われる。
故事成語みたいな状況である。

原因は、容器を縛った紐が、容器の丸さによって動いてしまったことにあった。
全方位をまんべんなくカバーしていた紐が片寄ったことによって、容器の本体が真下に落ちていったのだ。
今回話題にしている、容器とフタのスキマは問題なかった。
コーラの重さと走った反動とで、容器自体がフタから外れて落ちたのだ。
容器とフタのスキマはしっかり閉まっていた。
問題はなかったのだ。

改良である

改良である。
要は、8方に放射状になった紐が、固定されていればいいのだ。
この紐が固定されればいいのだ。思いついたことがあるので、作業に入る。
この紐が固定されればいいのだ。思いついたことがあるので、作業に入る。
「これでもう1回こぼれたら面白いね」と安藤さんは言う。
期待されていないのだ。

おい、悔しくないのか。
悔しくないのかコンビニおでんの容器よ。お前は何のためにレジ横に詰まれていたのだ。
そのスペックがありながら、ただおでんを入れてのほほんと一生を終えるのか。
そんな暮らしで、一回でも歴史に名を刻めるようなことを成してきたのか。
やるなら今ではないのか。
コーラを入れて首から提げられるなら、今ではないのか。

できた

できた。
できた。
自分を棚に上げた都合のいい容器への激励のせいか、妙に荒々しいものができた。
放射状の紐が移動しないように、容器の周りに一周、ピンと張るように紐を通したのだ。
この紐は放射状の紐にそれぞれくくりつけてあるので、位置がずれることはない。
これだったのだ。これでコンビニおでんの容器は水筒になった。

走ろう

「じゃあ走ってみましょう」
安藤さんが言う。
怖い。
自信はあるが、自信だったらさっきもあったのだ。
これで壊れるなら仕方がない…!
容器に身をあずける気持ちで走り出した。
走れた!!
走れた!!
拡大してみると、容器が完全に縦になって体にぴったりついている。怖い。
拡大してみると、容器が完全に縦になって体にぴったりついている。怖い。

フリスビーもできる

もう怖いものはない。
コンビニおでんの容器は水筒だったのだ。
ピクニックらしく、佐々木さんとフリスビーを楽しんだ。
ピクニックらしく、佐々木さんとフリスビーを楽しんだ。
楽しい。楽しいのはいいが、何しろおでんの容器が縦だ。
楽しい。楽しいのはいいが、何しろおでんの容器が縦だ。
怖い。危ない。
怖い。危ない。

撮影後、会議室に戻って
「かんっぜんに水筒になりました!」
と報告すると、
「それだけ紐で縛ったら、まあ、うん…」
という反応だった。
そうかもしれない。でも容器とフタのスキマから全然こぼれないのはやっぱりすごいと思う。
もっとスマートに縛れば伝わるかもしれない。
でもこの無骨さも好きだ。
でもこの無骨さも好きだ。
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