フェティッシュの火曜日 2016年11月15日
 

都会の真ん中でスマートにきゅうりを食べたい

冬間際ですが、都会の真ん中・中央区でもひるまずに堂々ときゅうりを食べられる方法を見つけました!
冬間際ですが、都会の真ん中・中央区でもひるまずに堂々ときゅうりを食べられる方法を見つけました!
きゅうりが好きだ。「栄養がない野菜」と言われて久しいけど、そもそもあいつに栄養なんて求めちゃいけないと思う。噛んだ瞬間から体内に広がっていく瑞々しい水分、それこそがきゅうりの真骨頂なのだ。

もういっそ「野菜」カテゴリから脱退して、「水分」カテゴリに参入してしまえばいいとも思う。南アルプスの天然水、ポカリスエット、ミネラル麦茶やココナッツドリンクあたりと互角に張り合う姿勢こそが、本来の姿なんだと。

でもそんな思いは虚しく、今の東京できゅうりを水分と同じように扱うことはとても難しい。乗り越える方法はないものだろうか。
1981年群馬県生まれ。イラストレーター兼OL。犬カキでしか泳げないことと、世の中のヘルメットの大半が自分の頭をすっぽり覆い切ってくれないことに細々と悩んでいます。納豆は大粒であればあるほど良いとおもう派。
> 個人サイト たぶん日記

都会できゅうりをかじりたい

きゅうりを見ると、きっと100人中100人が野菜だと思うだろう。故にきゅうりは都会で食べ歩きをするのが厳しい。とても悲しい。
でも、この前中国に行った時に空港できゅうりかじっている家族を見かけた。圧倒されながらも羨ましいと思った
でも、この前中国に行った時に空港できゅうりかじっている家族を見かけた。圧倒されながらも羨ましいと思った
東京でも、どうにか外できゅうりをかじれる方法を見つけられないだろうか。

まずは玉砕を覚悟で挑戦してみる

まずダメだとは大いに想像がつくが、裸のきゅうりで挑戦してみるところからはじめてみたい。新しい方法をさぐるためには、現状の実地調査は大事なものだと思う。
試験場所は中央区銀座にした。ここで大丈夫なら、他でもきっと大丈夫だろう
試験場所は中央区銀座にした。ここで大丈夫なら、他でもきっと大丈夫だろう
銀座はわたしにとってはこわい街だ。せめて武装をしなければと、慣れないオフィスカジュアルに身をつつんだ。近所のサミットの上にある衣装品コーナーで買った格安品ではあるが、のら着よりは幾分ましなはずだ。
カバンを開封。そもそもきゅうりをビニールに包んできたことがなんだか恥ずかしい
カバンを開封。そもそもきゅうりをビニールに包んできたことがなんだか恥ずかしい
さあ、食べるぞ
さあ、食べるぞ
食べ始めてみて、わりとすぐに衝撃が走った。周囲の、わたしへの目線の白さが尋常じゃないのだ。食べ物を好きにむさぼっている人に対して、やはり都会は厳しい。

過去にも目線を飛ばされそうな撮影は経験しているけど、今までのそれとは規模とか種類がぜんぜん違う。
挑むような姿勢で食べつづけてみるけど
挑むような姿勢で食べつづけてみるけど
自分でやるって決めたことで、辛くなってて辛い
自分でやるって決めたことで、辛くなってて辛い
撮影をしてくれていた編集・橋田さんが「きゅうり、一気に食べるとお腹こわれないですか?大丈夫ですか?」とやさしく言ってくれた。大丈夫である、その点については。でも、でも。とにかく周囲の目線がこわくて仕方がなくなってる。
周囲の目線がこわすぎて、数十メートル先の本屋の看板を見つめるようにしていたが、意外と集中力のいる行為だった。何かの修行みたいだと思った
周囲の目線がこわすぎて、数十メートル先の本屋の看板を見つめるようにしていたが、意外と集中力のいる行為だった。何かの修行みたいだと思った
季節感がなかったことも災いしていたんだと思う。きゅうりは夏の野菜だ。違和感は、2つ以上同時にあるとなかなか立ち行かない気がする
季節感がなかったことも災いしていたんだと思う。きゅうりは夏の野菜だ。違和感は、2つ以上同時にあるとなかなか立ち行かない気がする

反省点を確認する

自宅に帰ってから、何がいけないかったのかを分析してみた。主な敗因はこの2つだと思った。
!
恥ずかしいから一刻も早くきゅうりを体内にとりいれて見えなくしたいという気持ちが、別の恥ずかしさを産み出してた
恥ずかしいから一刻も早くきゅうりを体内にとりいれて見えなくしたいという気持ちが、別の恥ずかしさを産み出してた
!
だってこんなに花が似合う
だってこんなに花が似合う
これらの問題点を踏まえながら、打開策を練っていこうと思う。

身の回りの、都会的なものに頼る

ほんとうは1本まるまる持ち運んでかじりたいが、自分がゴリラになることを知ってしまった今、それはあきらめようと思う。

小分けにするのだ。身の回りの食べ物を参考にしながら、新形態をさぐる。
いろいろ集めた。GABA、しばらく見ないうちに「ストレス」っていう文字の扱いがまた変わった。なにかの事情を感じる
いろいろ集めた。GABA、しばらく見ないうちに「ストレス」っていう文字の扱いがまた変わった。なにかの事情を感じる
あとこれ。あのコーヒーショップのあのタンブラー
あとこれ。あのコーヒーショップのあのタンブラー
予想どおり、街の景観になんの違和感もなく馴染む!
予想どおり、街の景観になんの違和感もなく馴染む!
ちなみに今、冒頭と同じ格好をしているし場所も同じ銀座なのだけれど、別の日である。万全の体勢を整えてリベンジを果たしにきたのだ。
飲み口からきゅうりが出てくるしくみにしたいが、デフォルトだと狭すぎたので拡張してる
飲み口からきゅうりが出てくるしくみにしたいが、デフォルトだと狭すぎたので拡張してる
作業中には、「わたしは今、DIYをしているんだ」と思うように努めたけど、「破壊」の2文字が何度も脳裏によぎった
作業中には、「わたしは今、DIYをしているんだ」と思うように努めたけど、「破壊」の2文字が何度も脳裏によぎった
きゅうりは細く切った。おみくじみたいに、振ったら穴から出てきてほしい
きゅうりは細く切った。おみくじみたいに、振ったら穴から出てきてほしい
出てきてくれよな、きゅうり
出てきてくれよな、きゅうり
タンブラーの底を手でがんがん叩く。それを見た友人が「コーンスープのコーンを落とそうと必死になってる人みたい」と言った
タンブラーの底を手でがんがん叩く。それを見た友人が「コーンスープのコーンを落とそうと必死になってる人みたい」と言った
……出てこない!
……出てこない!
その後、やっと1本出てきたのだけど、出てきたらきたで今度はそこから何をどうはじめればいいのか迷った。雑念だらけだ。
スタバのタンブラー

景観との調合性(きゅうり摂取前)    ★★★★★
景観との調合性(きゅうり摂取中)    ★★☆☆☆
スマートさ               ★☆☆☆☆

浅田飴のプロダクトデザインすごい

次に、せき・のど・たんによく効く浅田飴のスタイルを模倣してみたい。
パッケージはやや無骨だけど、手にすっぽりと納まる!
パッケージはやや無骨だけど、手にすっぽりと納まる!
ちなみに中身とパッケージに整合性があったほうが良いと思い、元々のパッケージをきゅうり仕様に勝手に変更している。
この緑色の飴玉をぜんぶ取り出し、
この緑色の飴玉をぜんぶ取り出し、
緑色のきゅうりを、ごっそり入れてる
緑色のきゅうりを、ごっそり入れてる
当初、軽く叩けばすぐ出てくると思っていたが
当初、軽く叩けばすぐ出てくると思っていたが
出てこないぞ。浅田飴はあんなにするっと出てくるのに!
出てこないぞ。浅田飴はあんなにするっと出てくるのに!
これは、もういっそカバー外して直接手に取った方がいいんじゃ……(諦め)
これは、もういっそカバー外して直接手に取った方がいいんじゃ……(諦め)
そうすると緑色の束が鮮やかすぎて目立つな
そうすると緑色の束が鮮やかすぎて目立つな
つまり、これはどういうことかと言えば浅田飴の丸い形はかなり計算されているということ。一方、わたしの読みはいたって浅い。うっかりその落差が明るみになってしまった。
浅田飴の入れ物

手に持った時のフィット感        ★★★★★
きゅうりの出てこなさ          ★★★★★
スマートさ               ★☆☆☆☆

小腹が減った時系パッケージの健闘ぶりがすごい

どんどんいこう。次はこれだ。SOYJOYを真似る。本物は、お腹がすいている時に人からもらうと結構うれしい。
サイズ感を誤ってちょっとはみ出た
サイズ感を誤ってちょっとはみ出た
さあ、食べてみよう。………………????!?!?
さあ、食べてみよう。………………????!?!?
なんだこれは
なんだこれは
時に人はどうしていいかわからなくなると、吹き出してしまうものらしい。ちなみに、何がわからないのかと言えば「食べ方」である。

パッケージがあるなら、できればそこに最後まできゅうりを隠しつづけていたい。でも、隠しっぱなしだとうまく食べられないのだ。新たな迷いが生じている。
SOYJOYの袋

袋の採寸が必要だった度         ★★★★★
どうしていいかわからなさ        ★★★★★
スマートさ               ★★☆☆☆
携帯フードの王様、グミのパッケージにもあやかりたい。
この袋、マチがついているからたくさんきゅうりが入る
この袋、マチがついているからたくさんきゅうりが入る
内部
内部
そっと口に入れる
そっと口に入れる
(ぽりぽり) お?
(ぽりぽり) お?
おお、すごく健やかな気持ちでぽりぽりできる!
おお、すごく健やかな気持ちでぽりぽりできる!
写真を見返したら、ガッツポーズ決めてた
写真を見返したら、ガッツポーズ決めてた
ちなみにぽりぽりと音を立ていても、ほぼ周辺の音にかき消されるのが都会の良いところだと思う。
コロロの袋

袋のマチの実用性            ★★★★★
ついガッツポーズしたくなる度      ★★★★★
スマートさ               ★★★★☆
さらにこちらも用意
さらにこちらも用意
GABA。かなり昔、上司へ無言で抵抗するために買ったものの机の上に置けなかった記憶がある。その後、良い上司に恵まれた折にもまた、「上司が悲しむかもしれない」と勝手に思って机の上に置けなかった記憶がある。
きゅうりは、さっきよりもさらに細かくした
きゅうりは、さっきよりもさらに細かくした
おお、めっちゃつまみやすいな
おお、めっちゃつまみやすいな
景観にもなじむ!
景観にもなじむ!
写真を見たら、またガッツポーズ決めてた。さっきより強い。自分がこんなにガッツポーズしがちって今日まで知らなかった
写真を見たら、またガッツポーズ決めてた。さっきより強い。自分がこんなにガッツポーズしがちって今日まで知らなかった
あと、終始めっちゃ笑顔だった。隠せないうれしさ!
あと、終始めっちゃ笑顔だった。隠せないうれしさ!
GABAの袋

ストレスと闘える具合          ★★★★★
ついガッツポーズしたくなる度      ★★★★★★
スマートさ               ★★★★★
つまり、この文化がすごいのだが
つまり、この文化がすごいのだが

いや、すごいのは小袋文化だけじゃないぞ

もはや小袋文化賞賛モードになりかけているが、まだ最後の砦もあるのでぜひ見てほしい。
デジタル化が進んだ昨今でも、できる人が持っていそうとつい思ってしまう系・ぶ厚い手帳風
デジタル化が進んだ昨今でも、できる人が持っていそうとつい思ってしまう系・ぶ厚い手帳風
全面的に100均力を頼ってつくった特製のきゅうりケースだ
全面的に100均力を頼ってつくった特製のきゅうりケースだ
ちゃんとフタもついてるのよ
ちゃんとフタもついてるのよ
手帳を見ているフリをしてきゅうりを食べる。それとなく食べる
手帳を見ているフリをしてきゅうりを食べる。それとなく食べる
デキる女の新しい姿かもしれない
デキる女の新しい姿かもしれない
ただ、ひとつ盲点があった。これ、後ろから見ると「びんぼっちゃまくん」みたいなのだ。今後使用時にはかならず、壁面に自分の背中をしっかり沿わせたい。
ぶ厚い手帳風

100均ってやっぱりすごいな       ★★★★★
スマートさ(前から見たとき)      ★★★★★
スマートさ(後ろから見たとき)     ☆☆☆☆☆

すごくいい

辛い局面からのリベンジだったせいなのだろうか。スマートにきゅうりを食べられた時のうれしさが、無意識にガッツポーズを決めるくらいにすさまじいものだったことに、わたし自身がまだ驚いたままだ。あまりの良さ!

あと、銀座でなにか実験するなら、平日は辛いぞ土日が良いぞ……!ということは熱く強くお伝えしたい。集まる人の持つ空気が、わかりやすく全然ちがった。
ライオンが防災していてかわいかった
ライオンが防災していてかわいかった
数日前、きゅうり食べさせてごめん
数日前、きゅうり食べさせてごめん
 ▽デイリーポータルZトップへ  

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓