はっけんの水曜日 2016年11月23日
 

産業用ロボットのいじらしさかわいらしさに奮えた

かっこいい? いや、かわいいんです!
かっこいい? いや、かわいいんです!
ドラえもんがそのイメージを力強く牽引し、いまや現実にもASIMOがいてPepperがいてRobiがいる。

ロボットというものはいつもかわいい。

でもさ、実用されているロボットっつったらやっぱり産業用ロボットが大多数なわけでしょう、あの節で動く人間っぽくない方の機械機械したロボット。現実的にはロボットってああいうのばっかで、かわいらしいもんじゃないんだよ。

という向きもまたあるだろうと思う。わたしもそう思っていた。

目ざめよ!

その、産業用ボットこそ、かわいいのだ!
1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてニフティ株式会社へ入社。趣味はEDMと先物取引。
> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

安川電機のロボット村で目ざめた

というのも、北九州の安川電機本社に併設されている「ロボット村」でロボット工場と安川電機みらい館(以降「みらい館」)を見学したのだ。

安川電機といえば産業用ロボット界のトップランナーである。
ロボットの技術を分かりやすく紹介するみらい館
ロボットの技術を分かりやすく紹介するみらい館
ロボットがロボットを作る工場として有名なロボット工場
ロボットがロボットを作る工場として有名なロボット工場
お伺いしたのが雨降りの日だったため後日広報用の写真をお借りしたこともありいい写真となっております。

こちらのロボット村はみらい館やロボット工場とあわせ会社の歴史が展示されている安川電機歴史館も含む。見学は通常10名以上からの受け入れで要予約なのだが今回はとくべつに団体ではないものの受け入れていただくことができた。

まずはなにしろ「かっこいい」

産業用ロボットはかわいいのだ! とぶち上げてはみたが、なにしろロボットであるから前提としてそこに「かっこいい」があるのは忘れてはならないだろう。

すでに冒頭にも掲載した写真だがかっこよすぎるのでもう一度出す。なんていってもこれである。
ロボット工場の様子
ロボット工場の様子
節で構成された全体のメカメカしさ、無骨に光るボディ、カメラを向けたところで当然顔認証が起動しない無機感。そこには一切の感情がない。動であるが同時に静である。かっこいい。

みらい館でもたくさんのかっこいいロボットの様子にふれることができた。
「ロボティクス・サイネージ」は8台のサイネージを後ろからロボットがぐにゃぐちゃと操る
「ロボティクス・サイネージ」は8台のサイネージを後ろからロボットがぐにゃぐちゃと操る
こちらは日本サインデザイン大賞も受賞する新しいサイネージ。モニタを裏でロボットがなめらかに操る。椎名林檎の世界感のようなどこかグロテスクともいえる動きがかっこよすぎた。
動画でもどうぞ
業務の遂行をただ唯一の目的とし人に媚びることを一切織り込まず技術の粋を結集させ緻密に作りこまれた感情なきメカがここにある。
さいごにきちっと社名のPRを忘れない従順ぶりもいい。
さいごにきちっと社名のPRを忘れない従順ぶりもいい。
こちらは通常の産業用ロボットが6軸のところ7軸タイプ(7軸垂直多関節ロボット)。
そしてこちらは通常の産業用ロボットが6軸のところ7軸タイプ(7軸垂直多関節ロボット)。
ざっくりいうと無理な姿勢が取れるロボットである。見るとロボットとは思えない動きのやわらかさ、しなやかさがすごい。無機質ながら有機的な動きをするのがかっこいい。

では、なにが「かわいい」のか

胸のなかにおのおの「かっこいい」が高まったことだと思う。

なにがかわいいんだ、かっこいいばかりじゃないかといわれても仕方のないまじりっけなしのかっこよさだが、ではここで同じくみらい館からこちら、「高速・高精度・感動のものづくりを伝えるため」に設置したという産業用ロボットたちによるミニカー製作のブースをご覧いただこうじゃないか。
こちら! 何か楽しいことが起こる予感しかしない
こちら! 何か楽しいことが起こる予感しかしない
必要なミニカーの数をボタンで指示するとロボットたちが一気に組み上げてくれるロボットのパフォーマンスブースである。
必要なミニカーを注文すると…
必要なミニカーを注文すると…
おうい、ミニカー4台注文入ったでよ〜
おうい、ミニカー4台注文入ったでよ〜
おっしゃ〜
おっしゃ〜
わっせわっせ
わっせわっせ
高速・高精度・感動のわいら5人組みとけよみんな〜
高速・高精度・感動のわいら5人組みとけよみんな〜
できたよ〜!
できたよ〜!
小さなロボットくんたちが協力してミニカーをくみ上げるのである。なんなのかこの小さながんばり屋さんたちは。

急激に産業用ロボットがかっこいいからかわいいに振れた気がしないかみんな。

せっせと働く様子がどこかコミカルでいじらしくて、かわいい。うっかりしたことで動画が押さえられなかったのだが、ちょっと良くわかんなかったなーという方はこのあたりの動画をどうか見てもらいたい(鏡面加工作業をなんとも丁寧に行っている…!)。 さすがにこれには自分のなかの眠れる大泉逸郎が目を覚まさざるを得ないだろう。圧倒的なる「なんでこんなに可愛いのかよ」なのだこれが。「孫」があるなら「ロボ」があってもいいはずだ。

今回の見学、恐縮にも館長の岡林さんにご案内いただいている。お伺いするとかなりのスピードのなかで作業するロボットたちはハイタッチなどしてきゃっきゃミニカーを組み立てているそうだ、早すぎて見えなかった!
左から編集部 石川、岡林さん、雨で髪の毛がぺったりしてしまいましたが古賀です
左から編集部 石川、岡林さん、雨で髪の毛がぺったりしてしまいましたが古賀です
ロボットのスピードについては「もっと速くもできます」とのこと。

個人的には人生最高レベルの「せっせせっせ」だったと思っていたのだが、なんとこれ以上速めることができるのか。

むきになるロボ、泣いちゃうロボ

このみらい館を含むロボット村は安川電機の100周年を記念しつくられた一面がある。岡林さんは「小中学生をぜひたくさん迎えたい」とおっしゃっていた。

そういう趣向なのでロボットがゲームで対決してくれるコーナーもある。で、これがまたかわいいんだ。
動体視力を競うゲーム。人間が負けるとロボットが「ブブーっ! おいらの勝ち〜」ってな具合できゃっきゃと喜ぶ…!
動体視力を競うゲーム。人間が負けるとロボットが「ブブーっ! おいらの勝ち〜」ってな具合できゃっきゃと喜ぶ…!
この子は私が勝つとえーん、と泣くそぶりをしていた。今日2度目の「なんでこんなに可愛いのかよ」である。
はりきるポーズもかわいい「よーし、いくよ〜!」
はりきるポーズもかわいい「よーし、いくよ〜!」
後ろ30度くらいしか写っていないにもかかわらず、私の顔がロボットのかわいさに骨抜きにされデレデレしてるのが分かる。

さらにこちらはもぐらたたきでロボットの速さと競争するコーナー。
ロボットの形自体はあまり「かわいい」という感じではないのだが…
ロボットの形自体はあまり「かわいい」という感じではないのだが…
むきになるとめちゃ早くなる。かわいい。石川がつい笑っている
ちなみにゲームでは基本的にはロボットは手加減してくれる(画面で設定できるのだ)。小さい子供を泣かす心配もない。親心が内臓されているといってもいい。かわいくていじらしいじゃないか。

子どもにも分かりやすくと作られた展示だ。おもしろく、楽しくという方向性が「かわいい」を生み出しているといってしまえばそうである。

だが、KAWAIIはこれで終わらなかったのだ。その真価が発揮されたのは続いて案内してもらったロボット工場だったのである。
みらい館ではそのほか壁面のキューブが背面のロボットによりぐりんぐりん動かされる「天空の城ラピュタ」っぽくなるメカトロニクス・ウォールがエモかったのでこちらも注目です
みらい館ではそのほか壁面のキューブが背面のロボットによりぐりんぐりん動かされる「天空の城ラピュタ」っぽくなる「メカトロニクス・ウォール」がエモかったのでこちらも注目です
すごいすごいと我々がついうるさい動画もこちらに
紹介ついでに豆知識だが、「メカトロニクス」という言葉は安川電機が1950年に使い始めた言葉だそうだ。当初商標として登録していたが、1972年に一般に広めようと登録を破棄したという。

辛子明太子だ。辛子明太子と同じスピリットである(辛子明太子は元祖の「ふくや」が商標登録も製造法特許も取得しなかったことで博多に広まったのが有名ですよね!ね!)。

辛子明太子は博多で安川電機は北九州とはいえさすが福岡県。

なぜか辛子明太子の話になってしまいましたが、工場見学である。
せっかくなのでここでこの日たべた明太子玉子焼きの写真をどうぞ
せっかくなのでここでこの日たべた明太子玉子焼きの写真をどうぞ

2ページ目に行く前にお知らせがあります

と、ここで大変に残念なお知らせがある。

当然といえば当然の話だが、こちらでは工場は見学のみを許可しており撮影はできないのだ。

産業用ロボットのかわいさを文章でどれだけ伝えられるか分からないが、もろもろと整理してみたのでなんとか伝われと願う。

もしかしてもしかすると余計意味わかんなくなっちゃうおそれもあるのだが、様子について同行した編集部の石川大樹がイラストを描いてくれた。

見学時も大変興奮した様子だった石川である。その興奮をなにかにぶつけたかったのだとおもう。ただし絵は下手なことを重ねてお詫びしたい。

では、見学の様子を対談で振り返っていこう。

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