ロマンの木曜日 2016年11月24日
 

室外機が愛おしいのでフィギュア化してみた

オリジナルの室外機フィギュアができるまでの物語
オリジナルの室外機フィギュアができるまでの物語
室外機が好きだ。室外機は健気でかわいい。そんな室外機が愛おしいので、どうにかこうにか個人でフィギュアを作ってみた記録である。
1983年徳島県生まれ。大阪在住。エアコン配管観察家、特殊コレクタ。日常的すぎて誰も気にしないようなコトについて考えたり、誰も目を向けないようなモノを集めたりします。
> 個人サイト NEKOPLA Tumblr

室外機の健気さ

どうして室外機フィギュアを作ろうと思ったのか。それを分かってもらうためにも、まずは室外機の魅力について紹介させて欲しい。

ほとんどの人は、室外機に対して特別な感情なんて持ってないだろう。でもこれからは、だんだん室外機が好きになっていくはずだ。なぜなら室外機って、実はとても健気なのである。
屋外という過酷な環境に晒され続ける室外機。年季の入った室外機からは、フォトジェニックな雰囲気がただよう
屋外という過酷な環境に晒され続ける室外機。年季の入った室外機からは、フォトジェニックな雰囲気がただよう
そして、時には傷つき、
そして、時には傷つき、
時には汚され、
時には汚され、
夏の暑い日も、
夏の暑い日も、
冷たい雪の降る日にも、
冷たい雪の降る日にも、
仕事のパートナーとして、
仕事のパートナーとして、
また軒先を飾るシンボルとして、
また軒先を飾るシンボルとして、
もの言わずに、エアコンを動かしてくれている室外機たち……!
もの言わずに、エアコンを動かしてくれている室外機たち……!
部屋にいると、その姿を見ることはできない。ゆえに忘れてしまいがちなのだが、私たちがこうしてエアコンの恩恵にあずかれているのは、室外機が裏で仕事をしてくれているおかげなのだ。ありがとう室外機!

こんなにもがんばってくれてるんだから、もっとみんな室外機に目を向けてもいいのでは? と思うのである。見よう、室外機を。

室外機は形がかわいい

室外機はよく働いてくれる。しかし「質実剛健」ともまた違っている。どちらかと言うと、「かわいい」の方だと思う。
家庭用の室外機は、基本的にどのメーカーも似たような見た目になっている
家庭用の室外機は、基本的にどのメーカーも似たような見た目になっている
まず、ぐるんとした大きい目のようなファンがある。メーカーごとに、このグリル(ファンカバー)の形状が違っており、室外機の個性が最も出る箇所だ
まず、ぐるんとした大きい目のようなファンがある。メーカーごとに、このグリル(ファンカバー)の形状が違っており、室外機の個性が最も出る箇所だ
そして、足。実はものすごく短足なのである。かわいい
そして、足。実はものすごく短足なのである。かわいい
地面に置く際には、通常このような下駄を履かせてかさ上げされている。こうしてみると、ますます足に思えてくる
地面に置く際には、通常このような下駄を履かせてかさ上げされている。こうしてみると、ますます足に思えてくる
そして何といっても、このずんぐりとした胴体。角のやわらかい直方体であり、思わず抱きしめたくなる魅力がある
そして何といっても、このずんぐりとした胴体。角のやわらかい直方体であり、思わず抱きしめたくなる魅力がある
ほらだんだん、
ほらだんだん、
そのへんにいる室外機たちが
そのへんにいる室外機たちが
愛らしく見えてくる……
愛らしく見えてくる……
大きい目、短い足、ずんぐりした胴体。これだけ揃っていれば、どう考えてもかわいいだろう。天然のデフォルメキャラと言っても差し支えない。

フィギュアが作りたい

そんなかわいい室外機をいつでも見ていたい。でも室外機のグッズって、意外と世の中にはないのである(鉄道模型用が少しあるくらい)。

特に自分が欲しいのは「フィギュア」だったので、何とかして室外機フィギュアを作ってみようと、そんなことを思い立った。もちろん、今までフィギュアなんて作ったことはないので、完全に手探りである。
最初期のラフスケッチでは、エアコン配管も含めた情景モデルを目指していた。実はこれ、2014年に描いたもので、何を隠そう2年前からやっているのだ
最初期のラフスケッチでは、エアコン配管も含めた情景モデルを目指していた。実はこれ、2014年に描いたもので、何を隠そう2年前からやっているのだ
とはいえ、私自身は粘土で造形ができるわけでも、3Dモデルが作れるわけでもない。
制作は、私も参加しているグループ「TOKYO FLIP-FLOP」のメンバ協力のもとで行われた。まずは私がデザインを作って、それを元に3Dモデリングができるメンバに3D化してもらう。そのデータがあれば、あとは3Dプリンタで出力できるという算段だ。

そうと決まれば、まずはデザインである。

室外機フィギュアをデザインする

室外機のデザインで一番大事なのは、やはりグリルの形状である。いろんなメーカー、型式の室外機を観察し、造形しやすくて見た目にもキレイな形状を探った。
とはいえ、室外機のグリルは調べ出すとキリがない「沼」なのだ。軽く手元の写真を確認しただけでもこれだけあった。縦の列ごとに軽く分類してあるのが分かるだろうか。同じメーカーなら同じ形……というわけでもない
とはいえ、室外機のグリルは調べ出すとキリがない「沼」なのだ。軽く手元の写真を確認しただけでもこれだけあった。縦の列ごとに軽く分類してあるのが分かるだろうか。同じメーカーなら同じ形……というわけでもない
この中から、最終的には私のイメージする「室外機らしさ」と「造形しやすさ」を考慮して、三菱の形状をベースとして採用。シンボリックになるよう、多少大きめに配置することにする。
グリルの形状は三菱に決定。いかにも室外機然としていて、いいデザインだと思う
グリルの形状は三菱に決定。いかにも室外機然としていて、いいデザインだと思う
グリル以外の前面部分の装飾も、メーカーごとに異なる。こんな風に凹凸のあるデザインも多いが、フィギュアとしては必要ないディテールだと判断
グリル以外の前面部分の装飾も、メーカーごとに異なる。こんな風に凹凸のあるデザインも多いが、フィギュアとしては必要ないディテールだと判断
右上にメーカーロゴのあるパナソニックや東芝のバランスが好きなので、これをイメージした装飾を採用することに
右上にメーカーロゴのあるパナソニックや東芝のバランスが好きなので、これをイメージした装飾を採用することに
向かって左側面は、通気のために穴が空いており、右側面はエアコン配管との接続箇所になっている。ここはどのメーカーも似たような形状であるため、全体的な見た目のバランスが良くなるよう配置した
向かって左側面は、通気のために穴が空いており、右側面はエアコン配管との接続箇所になっている。ここはどのメーカーも似たような形状であるため、全体的な見た目のバランスが良くなるよう配置した
そして、できあがったデザインがこちら。「見てすぐに室外機だと分かる」のを大前提として、「かわいらしい」と思う形を模索し、デフォルメしてみた
そして、できあがったデザインがこちら。「見てすぐに室外機だと分かる」のを大前提として、「かわいらしい」と思う形を模索し、デフォルメしてみた
この頼りないラフ案を元に、3Dモデルを作ってもらったところ、
うおー! なんだこのかっこよさは!
うおー! なんだこのかっこよさは!
そこには紛れもない室外機があったのだ。これはいける! と確信した。何がいけるのかはよく分からない
そこには紛れもない室外機があったのだ。これはいける! と確信した。何がいけるのかはよく分からない

3Dプリンタで出力してみた

こうして出来た3Dデータを、DMMの3Dプリントサービスに出してみた。データを入稿すれば特に何もすることはなく、あとは到着を待つだけである。

そういえば、この頃(2014年春)の私は写真展の準備をやっており、家の中では実物大の室外機パネルを作ったりしていた。いま思えば、どれだけ室外機好きなんだよ、って感じだが。
フィギュアと同時期に作っていた、実物大の室外機パネル
フィギュアと同時期に作っていた、実物大の室外機パネル
このパネルはエアコン配管写真展の記念撮影スポットとして活躍してくれた
このパネルはエアコン配管写真展の記念撮影スポットとして活躍してくれた
さて、そんなことをしながら待つことしばし、ついに室外機フィギュアが到着したのである。
どーん
どーん
これは!
これは!
これは!!
これは!!
か、かわいい……(上に乗っているフィギュアは市販品です)
か、かわいい……(上に乗っているフィギュアは市販品です)
色は、ポップな雰囲気を出したくて緑色にしてみた。この愛らしさったらないではないか。

自画自賛になるが、ほどよく効いたパーツのデフォルメと、本物よりも丸みを帯びたデザインとの相乗効果により、室外機の持つかわいらしさが存分に引き出されている。

ただの室外機好きの妄言から始まったフィギュア化だが、こうしてちゃんと形になってしまうとは。モデリングしてくれた友人とDMMには感謝しかない。
カラー展開すればガチャガチャの景品にピッタリなんじゃないか等々、いろんな妄想は膨んでいく。ただ問題なのは、これを一個作るのに3000円以上の費用がかかるのだった……。

次ページでは、室外機フィギュアにさらなる新展開が。

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