ちしきの金曜日 2016年12月9日
 

農村のシンデレラ城、カントリーエレベーター

こういうやつ、記憶の片隅にないですか
こういうやつ、記憶の片隅にないですか
一面に広がる田んぼの中に、突如として現れる巨大建造物を見たことはないだろうか。三角屋根と円柱がドッキングしていて高い塔もあり、要素だけ見ればシンデレラ城と同じである。あれは何なのか。

調べたところ、カントリーエレベーターというらしい。気になったので、その道に詳しい方に話を聞き、さらに管理している方にお願いして、中がどうなっているのか見せてもらってきた。
1974年東京生まれ。最近、史上初と思う「ダムライター」を名乗りはじめましたが特になにも変化はありません。著書に写真集「ダム」「車両基地」など。 個人サイト:ダムサイト

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カントリーエレベーターにもマニアがいる

今回お話をうかがったのはダム好き仲間でもあり、日本でも指折りのカントリーエレベーターマニアでもある夜鷹さん。
駅でこんな出迎えをしてくれる人ほかに知らない
駅でこんな出迎えをしてくれる人ほかに知らない
夜鷹さんは新潟を拠点にカントリーエレベーターめぐりをしていて、おそらく日本で唯一の、カントリーエレベーター専門のホームページまで作成している(→こちら)。

まずは夜鷹さんに車でアテンドしてもらい、いくつかのカントリーエレベーターをめぐってみた。でもその前にまず根本的な質問、カントリーエレベーターって何なんだろう。

「収穫されて籾殻がついたままのお米を、乾燥させて貯蔵し、籾すりなど調製をして出荷するための施設です」

つまりお米の倉庫だ。しかもただ貯めるだけではなく、品質を保つためにお米自体の湿度や温度の調整もしているのだそうだ。日本では全国のお米の産地にあって、JAが運営している。正式名称は「大規模乾燥調製貯蔵施設」と言って、お米だけではなく麦を取り扱っているところもあるらしい。

ちなみに「日本では」と書いたけど、海外にももちろんあって、アメリカの大穀倉地帯にはカントリーエレベーターが立ち並ぶ「摩天楼」と呼ばれる場所もあるという。まだ日本のすらまともに見たことないけど、いつかアメリカに渡ることになるかも、という思いが頭をよぎる。
ほとんどの行程でこういう田んぼの中の道を進む
ほとんどの行程でこういう田んぼの中の道を進む
取材日は11月中旬で既に稲刈りは終わっていた
取材日は11月中旬で既に稲刈りは終わっていた
夜鷹さんにカントリーエレベーターにはまったキッカケを聞いたところ、

「新潟に来たばかりのころ、田んぼの中にでかい建物がある!何だろう、と興味が湧いて、人からカントリーエレベーターだ、と教えられたんです。でかいから出かけるたびに目につくんですが、よく見ると形や色が違うことに気づいて、中には明らかに異型のヤツがいるので、農業機械や農業施設の本を読んで調べました」

と、もう人がマニア道に落ちる王道を見事に歩んでいて感激した。それまで見えていなかったものがふと気になり、よく見たら少しずつ違うことに気づき、かなり違う形のものに出くわし、いてもたってもいられず調べはじめる、という王道はどのジャンルでも共通だと思うけど、カントリーエレベーターに続く道もあって、そこを歩んだ人がいるのだ。

カントリーエレベーターめぐり

車でしばらく走ると、遠くの水田の中に最初のカントリーエレベーターが見えてきた。まだかなり距離があるけど、やっぱり巨大な城のような威容である。
大昔の人なら信仰の対象にしたのではないか
大昔の人なら信仰の対象にしたのではないか
「JA北越後の加治カントリーエレベーターです」

うお、でかい!
かっこよくて思わずHDR合成をしてしまった
かっこよくて思わずHDR合成をしてしまった
個人的に、何と言ってもこの巨大な円柱が密集している姿に痺れる。あと三角屋根の部分の複雑な構造。何がどうなっているのか分からない、という未知の魅力にあふれている。
こんな構造物ほかに見たことない
こんな構造物ほかに見たことない
適切な形容詞がうまく見つからない
適切な形容詞がうまく見つからない
「ここは、背の高い鋼製サイロがあるのでA方式の連続送り式乾燥ですが、奥にある棟は丸ビンなのでB方式です。赤い屋根なのでおそらくヤンマー製、丸ビンの方はDAG(ダグ)システムが入っていますね」

ちょっと待って!いきなり情報量多すぎ!!

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