特集 2016年12月15日

水曜どうでしょう藤村D VS デイリーポータルZ ~説教まみれの2時間半~

藤村忠寿ディレクターと、しょっぱな「華がないもんなー」と一蹴されたデイリー勢
藤村忠寿ディレクターと、しょっぱな「華がないもんなー」と一蹴されたデイリー勢
北海道のローカル局が生んだ超人気番組「水曜どうでしょう」。

2002年にレギュラー放送は終了しているのに、未だにその人気は衰えず、DVDは400万枚売り上げたという(1枚4000円だから160億円!)。

その番組の要である藤村Dが、なんとデイリーポータルを説教しにやってくるという。

笑い作りにうるさい藤村Dはいったい我々をどう評価するのだろうか。レポートしたい。
東京葛飾生まれ。江戸っ子ぽいとよく言われますが、新潟と茨城のハーフです。
好きなものは犬と酸っぱいもの全般。そこらへんの人にすぐに話しかけてしまう癖がある。上野・浅草が庭。(動画インタビュー)

前の記事:洋食しばりで学食ランチを食べ比べる in 神保町

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イベントのチケットは即日完売!

2016年12月7日、「水曜どうでしょう藤村DがデイリーポータルZに説教する会」と題されたイベントがおこなわれた。

場所は渋谷に移転したばかりの東京カルチャーカルチャー。収容数150名の会場だがチケットは即完だったそうだ。
奇しくもイベントがあったのは水曜日。舞台は渋谷駅から5分と好立地に引っ越したカルカルだ。
奇しくもイベントがあったのは水曜日。舞台は渋谷駅から5分と好立地に引っ越したカルカルだ。
超満員!
超満員!
見渡すと今までとは少し違った客層。水曜どうでしょうや藤村Dのファンがたくさん来ているのだ。

というか、実は私も大ファンである。嫌なことがあって落ち込んだときは水曜どうでしょうを見て癒されてきた一人だ。これまで彼の作りだした笑いに、何度救われたかわからない。
デイリーのWebマスター林さんと藤村Dが並ぶ姿を見てワナワナした。こんな日が来るなんて!
デイリーのWebマスター林さんと藤村Dが並ぶ姿を見てワナワナした。こんな日が来るなんて!
イベントが始まる30分ほど前に藤村Dは姿を現した。

楽屋にはライターたちがすでに入っていて、品なく盛られた大量の焼きそばをのん気につついている。君たちもっと緊張しなさいよと思ったが、藤村Dは構わず自分が買ってきたグラスにワインをそそぎ、飲み始めた。
私以外緊張している人はいないのか
私以外緊張している人はいないのか

楽屋ならではの裏情報をゲット

ちなみに今回はLINEライブの配信をはじめ、いくつかのメディアにイベントレポートが載ることになっている。

しかし今だけは独占タイムだ。他のメディアに載らない情報を得たい。と伝えたところ、藤村Dはあのよく通る太い声で「俺は銀座線でここにきた」と教えてくれた。

きっと他のメディアが楽屋にいても載らなかった情報だろうが、ありがたい。
ワインは東急の地下、グラスはビックカメラで購入。それと別の階にある映画館には何度か来ていて、フラガール見て号泣したことがある、という情報も得ました。
ワインは東急の地下、グラスはビックカメラで購入。それと別の階にある映画館には何度か来ていて、フラガール見て号泣したことがある、という情報も得ました。
食べ物をつまみながら、イベントの流れを確認する二人。

今回は、これまで書いた記事の中からライターたちが3本ずつ持ちよってきている。その記事タイトルから気になったものを藤村Dに選んでもらい、後ろに控えているライターに簡単なプレゼンをさせ説教する、というものだ。
林:デイリーは真面目なレポートものと、ものすごく意味のないものの2つありまして。

藤村D:(焼きそば頬張りながら)なるほどなるほど。

林:今回はみんな、藤村さんが喜びそうな意味のないものを選んできてます。「静電気VSタモリ」とか「鉄道路線ぽいレシピ」とか。
そんなにキツくしからないでくださいね。

藤村D:それは気になる気になる。うん、まあ好きなようにプレゼンしていただいて。気になることあれば逐次オイ! と入れさせていただきますけどもね。
もしかしたら、もしかしたらだけどね、こいつ興味ねえな、というのもあるかもしれないね笑。
容赦なさそうな藤村Dと、「ライターを援護する」と言い切った林さん
容赦なさそうな藤村Dと、「ライターを援護する」と言い切った林さん
林:そういうイジり方もアリですね。後ろでシクシク泣くでしょうけど笑。
あと、今回藤村さんのファンが多いので、ほんとは水曜どうでしょうの話とか入れた方がみんな喜ぶかなと思うんですが…その期待を裏切ってしまうイベントになってます。

藤村D:あ、俺そういうの一切気にしないよ! 誰かのリクエストにこたえようというのはまったくない! 文句言うやつは前に出させて説教しようぜ。
さすが、お客さんまで説教しようとするのが藤村Dである。
横山店長による恒例のイベント前トークを見て「この店長、けっこうしゃべるね」と驚いていた。本来は裏方なのに水どうでめちゃくちゃ喋っている藤村D。似た者同士じゃないか?
横山店長による恒例のイベント前トークを見て「この店長、けっこうしゃべるね」と驚いていた。本来は裏方なのに水どうでめちゃくちゃ喋っている藤村D。似た者同士じゃないか?
水曜どうでしょうを見たことがある方なら想像がつくと思うが、このキュートな笑顔とは裏腹に藤村Dのツッコミは的確で鋭い。

大泉洋さんはそれにあらがい、「おいヒゲ! あんたは間違っているぞ」と応戦することで笑いがおこる。一方デイリーのライターは強いツッコミに慣れていない。2chやツイッターの反応を気にして心痛めるようなメンバーだ。果たして大丈夫だろうか。
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藤やーん! の歓声とともに入場

いよいよイベントが始まった。
待ちきれないお客さんたちが盛大な拍手でむかえる。
堂々たる登場。すごい歓声だ。
堂々たる登場。すごい歓声だ。
藤村D:どうですか、デイリーポータルよりうちのファンの方がかなり多いんじゃないの?

林:いやいやいや。でもね、デイリーポータルの読者に他に何が好きなのか聞くと水曜どうでしょうとラーメンズってみんな言うんですよ。

藤村D:交差してるんだよね、その3つがね。
最初くらいは穏やかに始まるかとおもいきや、さっそくチクリと刺してきた藤村D。そのあと店のシステムを指摘、「ここ絶対食い逃げできるぜ!」と早くも説教スタートだ。
ビールが欲しいというのでつぎにいったところ、こぼした上に「泡ばっかじゃん!」と叱られる古賀さん。ちょっとの失敗も許されんぞ
ビールが欲しいというのでつぎにいったところ、こぼした上に「泡ばっかじゃん!」と叱られる古賀さん。ちょっとの失敗も許されんぞ

土日まで更新するなよ、休めよ!

ここからはもう、ノンストップで説教の嵐だった。林さんが怒られる姿は新鮮で面白い。
藤村D:俺さ、前に林さんのFacebookフォローしたんだよ。でも毎日5~6本記事送ってくるんだよね。その時点でうっとうしいなと思ってフォローやめた。一日そんなに面白い事いらねえよ!

しかも土日も更新するなよ、休めよ! お宅らはいいよ、毎日こんなバカなことやってるんだから。でもほとんどの人はサラリーマンなんだよ。毎日必死に働いてるの。あなた方が書いた渾身の記事かもしれないけど毎日何本も読む気力はないのよ。もう、読めないよ!
良かれと思って必死にオモシロを作り続けるデイリー。休めよ!とは目からウロコの説教だ。
「俺らは一週間たまった記事を土日に読みたいんだよ。その土日まで更新すんなよ!」
「俺らは一週間たまった記事を土日に読みたいんだよ。その土日まで更新すんなよ!」
林:でも最近ね、「Webエンターテインメント界の巨人」とか、周りから褒められっぱなしなんですよ。赤字続きなのに会社にもやめろと言われなくなったし。社長を人間大砲で飛ばしても怒られない。ちょっとこれはいい加減よくないな、ということで今日藤村さんに説教してもらおうとなったんです。
自分とこの社長を人間大砲で飛ばす林さん。最近天狗になってきていることを反省。
自分とこの社長を人間大砲で飛ばす林さん。最近天狗になってきていることを反省。
藤村D:おもしろいなと思うけど、社会で一番最初に抹殺されるのはデイリーポータルだよね。だって不必要だもん。もしノアの箱舟があるとしたら、この種類はパプワニューギニアにしか住んでないだろうという芋虫より後だね、乗せてもらえない。一緒になって新しい世界をつくろうぜと言ってるときに、邪魔になるもの。

林:後で余裕ができたら呼ぶからって言われて、呼ばれないタイプですね。

藤村D:でも自分たちでストローで筏つくってきそうだよね。正式なルートではない所からなんとなく来そう。
デイリーの無意味さと愛らしさをよく理解している藤村D。けなされてるのか褒められてるのか分からなくなる。
第1部のライターたちが登壇。「読者から見るとスターなんでしょうけど、俺から見るとダメなやつらにしか見えないよね」 とバッサリ
第1部のライターたちが登壇。「読者から見るとスターなんでしょうけど、俺から見るとダメなやつらにしか見えないよね」 とバッサリ
ここからは一人ずつ前に出させられて公開処刑である。

落として上げて、また落とす!

まず最初に処刑されたのは西村さん。途中まで手順が一緒の料理レシピを路線図で表してみた企画である。

「料理のレシピを鉄道路線図っぽく表現してみる」

まずタイトルがダメ! とTVマンらしい叱責をされるもページをめくるにつれて前のめりになり、「目のつけどころがいい!」と絶賛がはじまった。
藤村Dをうならせた西村さん。やったぜ!
藤村Dをうならせた西村さん。やったぜ!
藤村D:説教してやるつもりだったけど、、これはいいわ。

西村:ふふふ、一勝ですね。

藤村D:いや、勝ったっていうけどさ、社会や主婦たちにはなんの足しにもならないということは言っとくわ。
褒めと説教入り交じるツンデレトーク。西村さんが気持ちよさそうだった。

コテンパンにされ、泣く

お次は、ガチガチに髪を固めたタモリに扮し静電気と戦うという記事を披露したべつやくさん。

「静電気VSタモリ」

「タモリVS静電気」と「VS」がついたタイトルはTV的にもとても良い、と褒められるも「これ戦ってるって言わねえだろ! タモリやるならもっと似せろ!」とコテンパン。

林さんは援護を忘れ、隣で笑って涙を流していた。
怒涛のツッコミに「アハァァァァァ~~」と腑抜けるべつやくさん。その隣で泣く林さん。
怒涛のツッコミに「アハァァァァァ~~」と腑抜けるべつやくさん。その隣で泣く林さん。

味方がいないライター

次の地主さんは、自分の手を女性ぽくして彼女にあーんしてもらってる風の写真を撮った企画だ。

「一人で彼女にあーんしてもらっている写真を撮る方法」

林さんは最初彼を「うちのエースです」と紹介したものの、「常に世界平和を意識してる」、とか「これが現代アートだ」などとのたまうのを見て藤村Dの側にひるがえった。援護はどこいった。
最後は人妻の話になり、藤村Dに「このクズが!」と言われる地主さん。林さん「もっと言ってやって!」
最後は人妻の話になり、藤村Dに「このクズが!」と言われる地主さん。林さん「もっと言ってやって!」
写真については、「(周りの冷めた雰囲気との)比較対照が素晴らしい」と褒めつつも、最後はクズとこきおろす藤村D。

ライターそれぞれの強みと弱みをしっかり拾ってくれる、痛快な説教がつづいた。
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すごいけど要らねえ

次は我らがWebマスター・林さんのプレゼン。

「空中浮遊写真を撮る方法」

体の前に黒く丸い布を置くだけで簡単に空中浮遊しているように見せられる、というものだ。
うわスゲー! これは素晴らしいよ、と興奮。
うわスゲー! これは素晴らしいよ、と興奮。
さすが、藤村Dのツボにうまくはまった林さん。改めてみても確かにスゲー、としか言えない写真である。
林:この黒い丸をPDFでオマケにつけたんだけど誰もダウンロードしませんでした。

藤村D:それは要らねえよ。

水曜どうでしょうを見てうまれた企画

次の三土さんの企画は、ありがちな算数の出題を体をはって確かめるというものだ。

「数学の文章題を体当たりで解く」

非常にとぼけた企画なのだが、三土さんの教育に対しての説教がはじまり、藤村Dは普通に感心していた。
数式を使わず実際にやって解いてみたら正解から7分もずれちゃった、という偏差値の低いお話
数式を使わず実際にやって解いてみたら正解から7分もずれちゃった、という偏差値の低いお話
「算数でよく兄は追いかけがちだし、食塩水に水を足しがちなんですよ!」と主張する三土さんに対し感心する藤村D。
「算数でよく兄は追いかけがちだし、食塩水に水を足しがちなんですよ!」と主張する三土さんに対し感心する藤村D。
藤村D:これもまた全く意味はないけれど、教育に対する暗部に切りこもうというお気持ちがあるんでしょうな。

三土:そうなんです! あとこれ、(水曜どうでしょうの中の人気企画)「試験に出るどうでしょう」で地理の答えを確かめに実地に行く、というのを見て思いついたんです。

藤村D:うむ、、合格!
ここでいきなり合格システムが導入された。説教はどうなった。

プリンと藤村Dを固めた馬場さん

お次は、話が長すぎてその間に蚊が死ぬと言われている馬場さん。心配していた通り一人で喋り倒し、今まで豪快に話に絡んでいた藤村Dをだまらせた!

「かたいプリンが大好きだ!」
鉄球を乗せた自作のプリン写真を見せ、なめらかなプリンは許せん、固いプリンが正義、という主張を一気にまくしたてる馬場さん。
鉄球を乗せた自作のプリン写真を見せ、なめらかなプリンは許せん、固いプリンが正義、という主張を一気にまくしたてる馬場さん。
馬場さんの勢いに「んあ?」と固まった藤村D。なかなか見られない貴重な瞬間である。しばし経ってから
藤村D:わかるわかる、俺もプリンがなめらかになりすぎるのは良くないと思うわけ。でも君のように鉄球乗せて耐えられるのが偉い、というのはどうだろう?

馬場:ブリネル試験法っていう固さを調べる方法があるんです。ダイヤモンドを押し付けて・・・

藤村D:おめえそれはプリンに使うもんじゃねえだろうよ!
馬場さんの話の展開が強引すぎて、今回ばかりは藤村Dを応援している自分がいた。

5年やってるが発見のない企画

藤村Dの説教の勢いが弱まってきたか? と感じてきたところに、ツッコミ甲斐のある男が登場した。
「むかない安藤」である。

「むかない安藤」
5年かけ、300近いものを皮を剥かずに食べ続けている安藤さん。発見は、まだ無い。
5年かけ、300近いものを皮を剥かずに食べ続けている安藤さん。発見は、まだ無い。
藤村D:ダメだってこれ!なんの役にも立ってないって! 君はね、ノアの箱船では芋虫よりもデイリーポータルよりもずっと後だね。

安藤:いやいや、むしろ先導じゃないですか?

藤村D:うーん確かに、火星とかに行ったら最初に「お前食ってみろ」、という役割に使えるかも。

安藤:こういう食べ方もあるんだぞ、と。みんなを勇気づけてるんですよ。むくかむかないか迷わないことで時間短縮にもなりますし。

藤村D:あー、こういう人生もあると提示してるんだね。・・・誰も思ってないよ、あんたの人生観、誰も受け止めてないよ。
5年続けても無駄なことってあるんだな、と身をもって気づかせてくれる安藤さん。もうやめろと言う藤村Dに「まだまだ皮はありますから!」と言って清々しい顔で席に戻っていった。説教が全く響かないタイプだ。

ほんとだ、セレブだ!

第1部のトリを務めたのは先ほどビールをこぼした古賀さん。小道具と撮影方法をちょっと工夫することでセレブっぽい写真が撮れるという技を披露した企画だ。

「セレブが来た!」
ツッコミにめげず、食って掛かる古賀さん。
ツッコミにめげず、食って掛かる古賀さん。
このドヤ顔。
このドヤ顔。
藤村D:言っとくけどさ、セレブってのはおめえみたいなのじゃねえぞ。

古賀:いや、セレブってどうもサングラスかけてスタバのカップとiPhone持ってるらしくて。それがあればなれるんじゃないかと。あと、写真がうまい人に望遠のカメラで遠くから撮ってもらったの。ボケボケに。あと、さりげない動作ね。

藤村D:あ、あ・・・!たしかに!セレブ感ってこうやって出るんだ!

(写真がセレブに変わり、会場もオオーっとなる)

古賀:ね!

藤村D:これはサラリーマンとかOLにとっては非常にいい。使えるな!っていうのが出たね。静止してる写真は年収すごい低そうだけど、これはセレブ感でたもの。
「みんなやったよー!」とガッツポーズ。
「みんなやったよー!」とガッツポーズ。
今回一番の絶賛を受け、1部終了。最初はコテンパンだったけど、これで一矢報いたぞ。

さて、休みを挟んでいよいよ後半戦。そして藤村Dの有難いまとめへ。
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勘違いすんなよ!

第2部の一番手、松本さんが登壇するとイエーイ! と女性の声援が起きた。それを聞いてすかさず「ファンがいるかしれないけど一部だからな! 勘違いすんなよ!」と先制攻撃する藤村D。

普段ふてぶてしい松本さんも「ごめんなさい、ごめんなさい」と平謝り。やはりスタートは藤村Dが強い。(記事に関係ないけど)

「銅像の目を光らせたら禍々しくなった」
目が赤く光り、何かに操られたような野口英世像。
目が赤く光り、何かに操られたような野口英世像。
レーザーポインターを2つ使えば簡単に禍々しくできます、という企画。「おまえ銅像作った人の考えをいっさい無視してるだろ」と説教。
レーザーポインターを2つ使えば簡単に禍々しくできます、という企画。「おまえ銅像作った人の考えをいっさい無視してるだろ」と説教。

誰だよこいつ! でもTVに使いたい

次の土屋さんは、写真映えする幼なじみ「伊藤ちゃん」が登場する3記事を紹介。

「路上ポールダンシングのススメ」
写真だけで引き込ませる伊藤ちゃん。逸材がいるなあ、と羨ましがる藤村D。
写真だけで引き込ませる伊藤ちゃん。逸材がいるなあ、と羨ましがる藤村D。
藤村D:面白いからって手軽に使うなよ、幼なじみをよ。絶対顔狙っちゃってんじゃん。本人気づいてないかもしれないけど。

土屋:いや、真剣なんですよ。

藤村D:本人はそうかもしれないけど、お前に悪意が見えるって言ってんだ。絶対悪意あるよ。でも、確かにいいよこの人。TVに使いたいわ。
実際、この記事をきっかけに伊藤ちゃんはフジテレビにも出たらしい。TVマンに評価が高い伊藤ちゃん、今後もデイリーの準レギュラーとして頑張ってほしい。

ヘボコンの本音を引き出した!

お次は、今や世界25か国で開催されている「ヘボコン」。技術力の無い人たちのへぼいロボット対決の紹介だ。すでに藤村Dはよく知っていて深い関心を見せた。

「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」
「このヘボコンはすごいですよ」と認めつつも、成熟してきたヘボコンの今後の展開を危惧する藤村D。
「このヘボコンはすごいですよ」と認めつつも、成熟してきたヘボコンの今後の展開を危惧する藤村D。
藤村D:俺さ、ヘボコンは最近技術に頼りすぎてきてるのわかるの。君らが本当にやりたいのは何もできないおっさんが作るのを見たいってだけでしょ? でも最近は動きを自分で計算してね、ヘボい方に技術を下げてるのが見えちゃう。もっと人選をさあ、「お前つくんの?!」って人にした方が良いよね。角界の重鎮の80くらいのジジイにつくらせるとかさ。

石川:本気の説教になってますね。 そうですね。ヘボコンは、ほんとはせっかく作ってきたのにうまくいかなくてガッカリする姿を見たいだけなんです。でも海外に行くと「ものづくりの世界に人をいざなう入り口だ」みたいに言われちゃって困惑してます。次から運営の参考にしたいと思います。
世界中の人々を笑顔にする良い企画なのに、ほんとはガッカリ姿を見たいだけだった、と衝撃の告白をする石川さん。藤村Dにかかれば全てお見通しなのである。

説教せずに発注の話へ

次の北村ヂンさんは、走れメロスや蜘蛛の糸といった話をナニワ金融道風に描いてみた企画。これはわかりやすい。

「『ナニワ金融道』風に描くと『走れメロス』も台無しに」
賄賂銀行とか絶対出てきそう! と喜ぶ藤村D。
賄賂銀行とか絶対出てきそう! と喜ぶ藤村D。
このあと、「サザエさん風のベッキー謝罪会見」や「モチモチの木風の綾波レイ」など北村さんの職人芸が披露された。
藤村D:これいいよ! 水曜どうでしょうのオープニングのアニメーション、次はエースをねらえをパクろうと思ってるんだけどさ。 サザエさんにしようかな。

北村:じゃあ次は僕に発注していただけるということで。

林:デイリー経由でお願いします。60パーくらいもらいます。

うるせえよ、帰れよ早く

お次は「クビになった会社の前で食べるのに向いているパン ベスト10」をマイペースで披露する藤原くん。

「クビになった会社の前で食べるのに向いているパン ベスト10」
藤村D「なぜそれをやりたいのか意図がわからない」。ごもっともです。
藤村D「なぜそれをやりたいのか意図がわからない」。ごもっともです。
藤原:いろいろ試した結果、一番よかったのは明太フランスでした。久々に行ったら喉が乾いてきちゃって。明太がしょっぱいしフランスパンはいっぱい噛まないといけないから唾液が出てくるんですよね。なので、向いています。

藤村D:自分を捨てた会社の前で、一番唾液が出るからってフランスパン…サラリーマンにとってなんの利益もない情報だ!

藤原:でもサラリーマンがクビになった時に役に立ちますよ。

藤村D:うるせえよ、帰れよはやく。
3ヶ月でクビにされたとは思えないほど堂々と発表していた藤原くん。しかし藤村Dの心に全く響くことなく帰らされていた。

偽スカウトマンには意味がある!

お次は少年野球チームの近くでスカウトマンを装い夢を与えたいという企画。

「スカウトだと思われたい」
スピードガンを持ったスカウトマン姿に爆笑する藤村D「こんなことしちゃダメだって!」。
スピードガンを持ったスカウトマン姿に爆笑する藤村D「こんなことしちゃダメだって!」。
大北:ほんとにザワっていう音がするんだな、と。カイジで見たザワってこれか、とびっくりしました。

藤村D:オレオレ詐欺より重罪だろうこれ!法の抜け目をかいくぐった犯罪だよ。だけどやっぱり、なんか変わるの?

大北:かわります。玉質がかわります。キュッと変わる。

藤村D:スカウトマン的な見栄えってあるもんね。そういう感じのオヤジを少年野球につれてってピリっとさせるっていうのは商売になるかもしれない。少年たちも頑張ろうという気になるし、ちょっと意味は見いだせたかも。

10秒で終わらそうぜ

これまで見てきた通り「意味がある」、が藤村Dの中での説教の対象の分かれ目のようだ。その点、次に続いた私の記事はぜんぜん駄目だった。

「もう奥歯はセクシーな脚にしか見えない」
レントゲンで撮った自分の奥歯がセクシーだったので具現化した企画。ほかパンツ関連の記事2つを紹介。
レントゲンで撮った自分の奥歯がセクシーだったので具現化した企画。ほかパンツ関連の記事2つを紹介。
タイトルを見ただけで「3本全部10秒で終わらそう」と言った藤村D。しかし賄賂として舟和の芋ようかんを渡した(水どうの中でよく甘いものを食べてたから)お陰か、一通り見て説教してくれた上に、最後は「来年はこういうパンツを作れ!」とアドバイスまでいただくことができた。ありがたい。

想像力が追いつかないんだよ!

ラストを飾ったのは乙幡さん。自分が主役のパチンコ台を作ったら楽しかったという企画だ。

「パチンコ・CR乙幡啓子」
フーテンの寅さんのような口調が面白い乙幡さん。
フーテンの寅さんのような口調が面白い乙幡さん。
時間が無いのもあって駆け足に説明する乙幡さんに対し、「もう俺、想像力が追いつかないんだよ!」とついに弱音を吐いた。確かにこれだけ意味の無いものを連打されたらお腹いっぱいだろう。

と、こんな感じで、ライター達はめでたく全員説教を受けることができた。その切れ味の鋭さゆえに、みんな傷つくどころかみそぎが済んだ後のように清々しかった。
説教をうけてお肌ツヤツヤになったライターたち
説教をうけてお肌ツヤツヤになったライターたち
最後に、藤村Dのありがたいまとめで終わろう。

役に立たないけどデイリーがあるうちは平和!

藤村D:これだけさ、一日3本も記事作って、社会に何の役にも立ってなくて、全てが無駄な訳だけど。
年に一回くらいはよくやったなーと言ってあげる会があってもいいんじゃないかと思ったね。


林:じゃあ、ぜひ来年もまたやりましょう。ぼくらは全員麻痺してて、けっこう役に立ってると思ってるんですけどね。

藤村D:役には立ってない。けど、世界的にはこういう人類がいないとダメだと思う。あなたたちが死なない世界が一番いいんだろうなと。 渋谷の真ん中で、こんな体たらくなサラリーマンたちが集まって、わりかし笑ってる。まだ日本は平和だな、って思えるよね。
そんなわけで来年もあるかも?! 藤村D、ありがとうございました!
そんなわけで来年もあるかも?! 藤村D、ありがとうございました!
※頑張ってここまでまとめたけど、この時の様子は実はLINEライブのアーカイブで見られます。動画の方が何倍も面白いのでぜひ。こちら

サラリーマンの入浴剤でありたい

水曜どうでしょうの中で「僕はサラリーマンの入浴剤みたいな存在です」と大泉洋さんが言うシーンがある。水どうそのものにとてもシックリとくる言葉であり、私はデイリーポータルもそうでありたいなと思いながらいつも書いている。

役に立たないし、世界は1ミリも動かないかもしれないけど、少し息抜きできるような、そんな存在だ。また来年も藤村Dに説教されるようくだらない記事を書かねばと思った。
後で聞いたけど今は一切甘いもの食べないらしい。「情報が古いよ!」と最後の説教をうけた。ガーン
後で聞いたけど今は一切甘いもの食べないらしい。「情報が古いよ!」と最後の説教をうけた。ガーン
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