フェティッシュの火曜日 2016年12月20日
 

種子島でのロケット打ち上げがシビれるぐらい最高だった

ロケット打ち上げを見に行こうよ超楽しいよ。最高だよ。すごいよ。バリバリバリだよ。
ロケット打ち上げを見に行こうよ超楽しいよ。最高だよ。すごいよ。バリバリバリだよ。
先日、ロケット打ち上げを見に行った。

まず、暗闇の中でメインエンジンが点火されると、いきなり「太陽か!」というほどカーッと明るくなる。
続けて、雷が鳴り続けているような爆音で全身がビリビリと揺らされる。
数秒後、塊みたいなモカッとした煙を地上に残し、炎を引きつつロケットがグググーッと天に昇っていっていく。1分ほど空をぽかーんと眺めている間に炎の線が光の点になって、消えて、終わり。
これたぶん、僕の今までの人生の中で最もカッコイイものを見た1分間だったと思う。
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。

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2016年12月8日午後、種子島(X-32時間)

12月8日。鹿児島フェリーターミナルから高速船に乗り込み、約一時間半の船旅を経て種子島・西之表フェリーターミナルに降り立った。

宇宙ステーション(ISS)に水や食料、バッテリーなどを運ぶ無人補給機『こうのとり』…その6号機を搭載したH-IIBロケットの打ち上げ(12月9日22時26分予定)に向けての前乗りである。
あまり揺れない高速船だったけど、正直ギリギリ。はきそう。
あまり揺れない高速船だったけど、正直ギリギリ。はきそう。
僕の表情が硬いのは、前日の晩からワクワクしすぎてほぼ寝られず、睡眠不足から船酔いのコンボを喰らっているから。

高速船を下りて5分ぐらいは、本当にこんな表情で自撮りをするのが精一杯だったのだ。
日本でここだけだろう。ロケットがお出迎えする島。
日本でここだけだろう。ロケットがお出迎えする島。
…が、ターミナルを出た瞬間に体力全回復した。
だってホラ、これだけスカッと晴れた青空の下に、H-IIAロケットが「おじゃり申せ 種子島」(種子島の方言で、いらっしゃいませの意味)とお出迎えしてくれたのだ。

上陸5分で、まだこの適当なロケット看板と空しか見てないのに「うわー、種子島最高!」と思ったぐらいだから、テンションもだいぶおかしな事になっていたと思う。
フェリーターミナルの屋根にもロケットが。種子島最高。
フェリーターミナルの屋根にもロケットが。種子島最高。
なんでこんなにテンションが上がっているのか。
ざっくり言うと、個人的にロケット打ち上げを見るのがずっと夢だったのだ。

僕ら世代は残念ながらアポロの月面着陸には間に合っていないが、その代わりに小学生の頃にスペースシャトルが飛んでいる。そのスペースシャトルブームに、ドはまりしたのがおそらく原点だと思う。
小学校の卒業文集では、「スペースシャトルの耐熱タイルが作りたいから」という理由で、将来の夢の欄にセラミックメーカーへの就職と書いたぐらいである。
今思えば、そんな地味な貢献で良かったのか。

種子島移動事情

種子島は南北にひょろっと伸びた意外とデカい島である。
いま僕が着いたのが、島北部の西之表市。中部が空港のある中種子(なかたね)町、そして宇宙センターやロケットの射場がある南の南種子(みなみたね)町と3つに分かれている。
サツマイモのような形の種子島。細長い。そして意外と広い。
サツマイモのような形の種子島。細長い。そして意外と広い。
今回は2ヶ月前に取材が決まった時点で宿を探しまくったのだが、宇宙センターのある南種子の宿は完全に埋まっていた。

ロケット打ち上げ関係者だけで数百人が島に来ており、彼らだけで南種子の宿泊施設は完全に溢れてしまうのだという。
宇宙センターがあるのが、竹崎というところ。標識にもロケット!
宇宙センターがあるのが、竹崎というところ。標識にもロケット!
結局のところ僕は西之表港近くの民宿に予約が取れたのだが、じゃあ宿から宇宙センターまでどれぐらいの距離があるのか。簡単に行けるのか。
宿の人に確認したら「うーん、車で1時間半ぐらいです」とのこと。
え、マジで?そんなに広いの種子島?
バスは1日3便とかそれぐらい。バス停のマークはもちろんロケットと町キャラの「宙太」くん。
バスは1日3便とかそれぐらい。バス停のマークはもちろんロケットと町キャラの「宙太」くん。
西之表から南種子まで、およそ50km。途中の市街地以外は、やたらと高低差がありつつくねくねと曲がる山道と、急に開けた海沿いの道路が交互に来る感じ。途中には街灯も信号も数えるぐらいしか無い。
取材用に下調べするまでは、なんとなくレンタルサイクルで一周できるぐらいの島をイメージしていたのだが、無理だ。レンタカー無しでは移動もなにも出来なさそうだ。
(打ち上げが見られる展望公園までの路線バスもあるが、便数は少ない)
道路脇すぐがこんな海水浴場になってたりする。海が青くてリゾート感すごい。
道路脇すぐがこんな海水浴場になってたりする。海が青くてリゾート感すごい。
ちなみに島内のレンタカーも宿と同様にわりと争奪戦になるようだが、鹿児島で借りてフェリーで車ごと乗り込むという手もある。
ともあれ移動手段はあらかじめきっちり確保しておくのが最大のポイントになりそう。

種子島、ロケットばっかり

ということで西之表港から予約しておいたレンタカーに乗り込み、島内をぐるぐる回ってみよう。
明日(ロケット打ち上げ当日)スムーズに移動できるように、土地カンを少しでも養っておかねば。
ゴミ集積場がロケット。
ゴミ集積場がロケット。
島内の印象としては、当たり前なんだけど、もうどこへ行ってもロケット。基本的にロケット。なにか飾り付ける必要があったらとにかくロケットを描いておけ、みたいな。

もうちょい正確に表現すると、島内にあるデザインはロケットロケットロケットロケット、鉄砲、ロケットロケット、鉄砲、ロケット、安納芋、ロケットロケット、ぐらいの感じ。
安納芋は西之表市安納で作られた芋。だからといってベンチにする必要はあるのか。
安納芋は西之表市安納で作られた芋。だからといってベンチにする必要はあるのか。
フェリーターミナル屋根の裏面は種子島銃。観光客を撃つ気満々か。
フェリーターミナル屋根の裏面は種子島銃。観光客を撃つ気満々か。
南種子の小学校は校門前からロケット。ロケット英才教育である。
単に「ロケット打ち上げバンザイ」でなく「スタッフの皆さんがんばってください」と関係者をねぎらっているあたり、やはりロケットの地元だな、という印象。
この小学校はちょっと古いH-IIロケット2台でお出迎え。
この小学校はちょっと古いH-IIロケット2台でお出迎え。
別の小学校は、タイル絵ロケット。ここはH-IIAだ。
別の小学校は、タイル絵ロケット。ここはH-IIAだ。
とはいえ、もう本当にロケットばかりで、正直、ロケットを見つけるたびに車を止めて写真を撮っていたらキリがないぐらいだ。
温泉センターと宇宙センターの方向を教えてくれるロケット。
温泉センターと宇宙センターの方向を教えてくれるロケット。
橋の欄干がロケット。
橋の欄干がロケット。
別の橋もロケット。後ろのおかざき商店は限定で「宇宙ラーメン」を出すお店。
別の橋もロケット。後ろのおかざき商店は限定で「宇宙ラーメン」を出すお店。
これは墓石。not ロケット。
これは墓石。not ロケット。
あまりにもロケットばかりで、最終的に「あー、またロケットか」と思ってシャッター切ったら普通の墓石屋さんだった、みたいなこともあるぐらいだ。
数時間前までフェリーターミナルでロケット看板に癒されていたとは思えないぐらいの、ロケット飽和状態である。
早く、ちゃんと宇宙に行くロケットが見たい。

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