とくべつ企画:寿司と乗り物 2017年1月4日
 

都バスの寿司『都バ寿司』

遠目に見ると都バスにみえるぞ
遠目に見ると都バスにみえるぞ
好きなものが合体するとうれしい。

ぼくの好きなものは都バスと寿司である。このふたつを合体させてみたい。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。
> 個人サイト 新ニホンケミカル TwitterID:tokyo26

押し寿司でバスを作ればいいのでは?

都バスも寿司も好きである。こんなに愛らしくて愛おしいものふたつが合体するなんてキリストとブッダが同棲するぐらいのありがたさがある。

かーっ、ありがてえありがてえ。そんなありがてえものを、自分で作るのだ。

押し寿司の長方形を、都バスの車体に見立てて、そとがわに都バスっぽいカラーリングを食材で施せば、簡単じゃないだろうか?
凛々しい姿の都バス
凛々しい姿の都バス
その名も「都バ寿司」。

かつて、7億人ぐらいが思いついていそうなダジャレだ。しかし、Googleで画像検索しても、誰ひとりとして、押し寿司で都バスを作っているものなどいない。

これは今すぐ作り、歴史に名を残すべきである。

そして、孤軍奮闘し、完成したものがこちら。
じゃ〜ん、都バ寿司です!
じゃ〜ん、都バ寿司です!
まってほしい。

ちょっとまってほしい。

言いたいことはわかる。

その前に、いったいどういうことなのかを説明させてほしい。

70点ぐらいでは?

まじまじと見つめると、「こんなものを作った自分」に対する怒りと悲しみから、自己嫌悪におちいりそうな造形であることは認める。

そう、まじまじと見つめるからだめなのだ。

一瞬、パッと一瞥だけすると「あ、都バス」となるのだ。試してみてほしい。

まずは、普通の都バスを10秒ぐらい見てから……。
これを10秒ぐらいながめてからの……
これを10秒ぐらいながめてからの……
いいですか、一瞬ですよ。はい。
はい、これ一瞬
はい、これ一瞬
どうだろう。どんなに感性が鈍いひとでも「あ、なるほどね」となるはずだ。

自己採点だが、100点満点中、70点といったところだろうか? 悪そうに見えるけど、まあ、合格点かな。という。

以上、みなさまにご納得いただいたという前提で、話をすすめたい。

「すしのこ」と「押し寿司の型」で作ります

押し寿司の型。というのはAmazonで検索すると、めちゃめちゃ売っている。
いちばん安いものを購入
いちばん安いものを購入
木でできたものと、プラスチック製のものがあったのだが、大きさが手頃で安価だったプラスチック製のものを購入。

そして、問題は寿司そのものである。都バ寿司を名乗るぐらいなので、ごはんは酢飯にしなければいけない。見た目には影響しないものの、その点は誠実にこだわりたい。
「すしのこ」を使いました
「すしのこ」を使いました
「スーパーでよく見かけるけれど、買ったことがない商品」トップスリーのうちのひとつの「すしのこ」である。(ちなみにほかふたつは「七味もやし」と「ゆであずきの缶詰」)

粉末を、ご飯にかけてまぜるだけでご飯が酢飯になるという魔法のような粉である。
ご飯にかけてまぜるだけ
ご飯にかけてまぜるだけ
型につめて
型につめて
バス車体完成
バス車体完成
車体までは順調に完成した。

しかし、外側のカラーリングをどうするかである。

「海苔」「大葉」「ハム」で作る

窓部分は、黒くみえるので、海苔をはりつければそれっぽくなるだろう。しかし、真ん中部分にあるオレンジ色のシュッとしたやつと、前と後ろの緑色である。
なにをイメージしたデザインなのか謎
なにをイメージしたデザインなのか謎
緑色の部分は大葉でなんとかするとして、オレンジのシュッとしたやつだ。

みかんの皮をはりつけるわけにはいかないので、ここは暖色系で色の近いピンクっぽい食材をさがす。
「若だんな」ってまた唐突なネーミングだな
「若だんな」ってまた唐突なネーミングだな
生姜。色はピンクだが、はりつけるさいに薄くスライスするのが面倒くさそう。食べたいから買うけど、これはない。
おぉ、シート状でピンクだ!
おぉ、シート状でピンクだ!
ロースハム。シート状でピンクだ。これは使える。寿司にはりついてても違和感ない。
緑の部分をはりつける
緑の部分をはりつける
こうか?
こうか?
こうですね
こうですね
上の完成写真は、長時間ながめると、目が潰れるのでさっさと読み進めてほしい。

ちなみに、完成写真を、当サイト編集の古賀さんに送ってみたところ「あっ…」のあと、長い沈黙があり、最終的に「正月だしこれで行きましょう」という謎のOKが出た。
絶句
絶句
正月だから
正月だから
正月でよかった。

子供の評価は1点

せっかく作った「都バ寿司」。外で本物のバスと一緒に記念写真を撮りたい。都バスがひっきりなしに行き交う渋谷に向かった。
渋谷の都バスターミナルにやってきた
渋谷の都バスターミナルにやってきた
ほら、そっくり
ほら、そっくり
別に、誰にも頼まれたわけでもなく、まったく個人的な意志でもって自由に作ったものだから、その出来の良し悪しで他人を傷つけるようなことにはならないとは思うが、最近のSNSでは、いったいなにが原因で吹き上がるのかよくわからないことがあるので、ねんのため、あらかじめ言っておきたい。申し訳ない、と。

ただ、自分としてはこれでもそこそこ上出来ではと思うのだが、どうだろうか?

なお、撮影についてきてくれた編集部の古賀さんのお子さん、こうちゃんに、都バ寿司は100点満点中、何点か聞いてみたところ。1点とのことだった。
1点!
1点!
0点じゃないところに、なんというか、子供なりの優しさがある。

しかし、考えても見て欲しい。突然、変なおじさんが自分で作ったという押し寿司をいきなりみせられて、何点だと思う? ってきかれること、普通の子供は絶対しない体験でもある。1点でもしかたない。

いやー、変なおじさんになるの、夢だったんだ。おれ。

遠目でみると、それっぽくみえるぞ!

しかし、奇跡は起こった。

バスターミナルの様子を一望するため、隣の高層ビルの見下ろせる場所に行ってみたところ、バスのサイズと都バ寿司のサイズがぴったり合ったのだ。

しかも、遠目にみると、けっこう都バスっぽく見えるというミラクルである。
ほらこれ、都バスだよ! 大成功!
ほらこれ、都バスだよ! 大成功!
撮影をしてくれた古賀さんが「ほら、西村さんこれ! 都バスに見えますって!」とはしゃぎはじめた。

おぉ……本当だ。スーラとかモネの絵は、近くでみると雑だけれど、離れてみるときれいな絵に見える……みたいな。いわゆる、押し寿司の印象派といっても過言ではない。都バ寿司は印象派なのだ。

大人が、興奮している横で、こうちゃんが、都バ寿司で「ブッブー」とやりはじめた。
遊んでもらったほうが、変なおじさんとしてはうれしいぞ
遊んでもらったほうが、変なおじさんとしてはうれしいぞ
古賀さんは母親として「食べ物で遊んだらだめ!」と注意するが、そもそも押し寿司で都バスを作ろうとしている変なおじさんがいるのであまり説得力がない。

味はそれなりに

せっかくなので、ひとつ味見してみることにした。
どれ、ひとつ食べてみるか
どれ、ひとつ食べてみるか
うーん
うーん
薄い。すしのこが足りなかったのだろうか? 酢飯の味がうすい。その上、味のあるものがそんなに無いので、ほんとに薄い。
まずくはないです
まずくはないです
古賀さんにも試食してもらったが、古賀さんは「確かに薄いけれど、まずくはないです。大葉の風味がいい」とのこと。

しかしながら、古賀さんは「寿司は酢飯を食べるための方便」と主張するほどの酢飯好きであるため、いくらかわりびいてその感想を考えると、プラスマイナスゼロぐらいだろうか?

味でプラスマイナスゼロってよくわからないけれど。

ちなみに、こうちゃんにも試食してもらった上で、もういちど点数をつけてもらったところ、9点にアップした。

味は二の次すぎたのを反省

見た目重視で(重視でこれかよというご批判は拝聴致します)作ったため、味は二の次になってしまった。

次に作る時は、中にしめ鯖を挟むなどの工夫をしたい。
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