ちしきの金曜日 2017年1月6日
 

クリスマス「浮かれ電飾」は年越しする

「浮かれ電飾」の年越しが拡大する、という仮説について語っていきます。今年もよろしくお願いします。
「浮かれ電飾」の年越しが拡大する、という仮説について語っていきます。今年もよろしくお願いします。
「浮かれ電飾」の鑑賞家として、ある予想をしている。それは「年越し浮かれ電飾」の広まりである。

これは、ほんらいクリスマスのために行われるご家庭のイルミネーションが、そのままお正月仕様として年を越す現象のこと。

キラキラしていいのはトナカイやサンタをモチーフに25日の夜まで、とされていたのが、例えば「電飾門松」といったものの出現により、ニューイヤーも引き続き煌めいていこう、というキラキラの延長が行われ始めているのではないか。

2017年を迎えてほやほやのいま、確かめに行こう。
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。

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なるべく長く浮かれたい

「浮かれ電飾」とは、クリスマスシーズンになると一般家庭の自宅が派手に電飾される、あれだ。

これまで毎年年末になると浮かれ電飾を求めて各地をめぐってきた。
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年・リアルタイム更新
2011年(その1)
2011年(その2)
2012年
2013年(お宅訪問)
2015年
昨年は田園都市線沿線を見て回った。さすがだった。
昨年は田園都市線沿線を見て回った。さすがだった。
そんなぼくが「年越し浮かれ電飾」現象に気づいたのは、数年前。年を越しても春先になってもずっとキラキラしっぱなしの家が近所にあった。

ただし、確固たる浮かれ意志のもと越冬したというよりは、単に「やりっぱなし」の感じであった。でも夜になるとスイッチを入れているわけで「なるべく長く浮かれていたい」ということではあるのだろう。
結論から言うと、これが今回確認できた数少ない「年越し浮かれ電飾」の事例のひとつ。元旦の夜に撮影。
結論から言うと、これが今回確認できた数少ない「年越し浮かれ電飾」の事例のひとつ。元旦の夜に撮影。
その後あちこちの街でちらほら同じような電飾放置プレイのご家庭を見かけるようになった。みなさんの近所にもそういう事例があるのではないか。

上と下の写真はそんな中みつけた、狙い通りの「年越し浮かれ電飾」の事例。団地だ。聞けば住民の結束がかたいことで有名らしい。「634」の表示も誇らしげだ。スカイツリーができる前から名乗っているとのこと。
団地マニアとしてもうれしい、団地の浮かれ電飾。「634」はここの番地だそうだ。なるほど。いや、なるほど、じゃないか。
団地マニアとしてもうれしい、団地の浮かれ電飾。「634」はここの番地だそうだ。なるほど。いや、なるほど、じゃないか。
以前2007年に、浮かれ電飾を実践しておられる方にお話をうかがった際「25日の夜できっぱり終えるのが美学」との発言に感銘を受けたものだが、あれももう10年前の話。最近は年越しも美学の範囲内になってきている可能性がある。

ちなみに、この方からは「浮かれ電飾はパンドラの箱。いちどあけたらもうやめられない」など名言をたくさんいただいた。またお会いしたいものだ。
その2007年に案内してもらった埼玉の有名浮かれ物件。庭が開放されてた。すごかった。
その2007年に案内してもらった埼玉の有名浮かれ物件。庭が開放されてた。すごかった。
また、2013年にも近所から「あの光ってる家」と呼ばれているという、充実した浮かれを見せるお宅を訪問したことがある

そこでは 「『浮かれ電飾』っておっしゃってますけど、やるほうは浮かれてない」 「飾り付け作業だけで最低丸3日はかかる」 「3日のうち最初の1日は電球切れてないかどうかのチェックで終わる」 「これは綿密な計画と準備が必要な『業務』」 「11月になると『ああ、今年もやらなきゃ』と憂鬱になる」 など、浮かれ電飾がいかに浮かれていないたいへんな仕事であるかをうかがった。
2013年のお宅訪問の時の様子。左のお父様が作者。ちなみにお嬢さんが上記発言に対し「じゃあやらなきゃいいじゃん」という身も蓋もない返しをしたのを聞いて「その通りだよな」と思った。わざわざお招きいただきお話をうかがっている手前、ぼくからは言えなかったので助かった。
2013年のお宅訪問の時の様子。左のお父様が作者。ちなみにお嬢さんが上記発言に対し「じゃあやらなきゃいいじゃん」という身も蓋もない返しをしたのを聞いて「その通りだよな」と思った。わざわざお招きいただきお話をうかがっている手前、ぼくからは言えなかったので助かった。
ともあれなにが言いたいのかというと、浮かれ電飾はその名に反して(というかそう呼んでいるのはぼくだけですが)準備がすごくたいへんなので、セッティングしたからにはなるべく長く浮かれていたいものらしい、ということだ。

ただ、日本のお正月のデザインコンセプトが全体的に「和」なので、電飾とは相性が悪かった。多くの方が「映画『ホーム・アローン』に触発された」と言うように、浮かれ電飾のテイストは基本的にアメリカンなものだからだ。
こちらは2006年に沖縄で見た浮かれ電飾。どことなくアメリカンな住宅のデザインが、電飾とマッチしてごく小規模ながら味わい深い雰囲気となっている。
こちらは2006年に沖縄で見た浮かれ電飾。どことなくアメリカンな住宅のデザインが、電飾とマッチしてごく小規模ながら味わい深い雰囲気となっている。
なので「浮かれ滞空時間を延長したい」という彼らのこの思いは、ここ数年「前倒し」という形で現れてきている。ハロウィン浮かれ電飾だ。残念ながら昨年分は取材していないが、ちらほらカボチャが光っている家が見られる。今年はその様子をレポートしたい。

アメリカンなテイストであるハロウィンはクリスマスと相性の良い絶好の浮かれテーマであり、またこの飛び火は浮かれ延長という点で優れている。なんせ10月末だ。11月いっぱいと12月の初旬中旬もやんわりクリスマス仕様に向かってスタンバイ状態を保つことで、都合2ヶ月間は浮かれることができるようになったのだ。

電飾の元の平等現象

そしていよいよ、満を持して「後ろ方向への延長」が始まっているのではないか。

そもそも浮かれの本場アメリカでは Merry Christmas and Happy New Year. のスローガンのとおり、地続きで電飾がなされる。いわば日本では「和テイスト」が浮かれの防波堤になっていたわけだが、そろそろそれも乗り越えられるのではないかと思うわけだ。

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