フェティッシュの火曜日 2017年1月17日
 

犬が飼えないのでパネルで作る

散歩の様子です。
散歩の様子です。
パネルには、写真やポスターとは違う、独特の存在感があることに気がついた。

犬が欲しかったので犬のパネルを作ってみたら、かわいくてもうどうしようもなくなってしまったのだ。
1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。

前の記事:「「キャラ弁の端材弁」で、楽しい弁当ライフを(理論上は)」
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ハニトーのパネルに存在感があった

以前、『楽しい「パンかケーキか会議」』という記事を書いた。
菓子パンやカジュアルなケーキを集めて、「ケーキ度」、「パン度」を話し合うというものである。
このとき是非ラインナップに加えたかったのがカラオケチェーン パセラの名物スイーツ、ハニトーであった。
しかしハニトーにはアイスが乗っている。長時間常温で会議の場に置いておくのは難しいだろう。
そこでパネルだったのだ。
写真を撮って原寸大でプリントアウトして、パネルに貼った。
写真を撮って原寸大でプリントアウトして、パネルに貼った。
パネルにしたハニトーには妙な存在感があった。
平面に無理やり立体感を持たせたからだろうか。
2次元と3次元の間を意識の中で漂うハニトーは、少し本物のようなオーラを放っていた。
ハニトーをずっと見ていると、ハニトー以外もパネルに見える瞬間がある。
ハニトーをずっと見ていると、ハニトー以外もパネルに見える瞬間がある。
パネルのハニトー。
パネルのハニトー。
この間クジャクが放し飼いにされている動物園に行ったのだが、休憩所で食べこぼしをつつくハトの群れに混じって1羽だけクジャクが混じって一生懸命地面をつついていた。上の写真はその雰囲気に似ている。(分かりにくいものを分かりにくいもので例えてすみません。)

しかしこの、お呼びでないクジャクばりの存在感は何だったのか、ひょっとしたらパネルにするだけでかなり本物があるような気になれるのではないか。
実験してみることにした。
銀行にあるこういうパネルも、目が合った気がしてドキッとすることがありますよね。
銀行にあるこういうパネルも、目が合った気がしてドキッとすることがありますよね。

犬を飼いたい

そういえば、ずっと犬が飼いたかったのだ。
色々と余裕がないし、ホコリを吸うとくしゃみが止まらなくなる体質なのでしばらくは飼えそうにない。
本当に嫌になるくらいくしゃみが止まらなくなるのだ。
この冬も毛の長いセーターが欲しかったのだが、この体質のせいで諦めた。

パネルで犬を作ってみることにした。
ハニトーのパネルにハニトーの存在感があったのだ。
犬のパネルにも犬の存在感があるだろう。
犬の存在感がするものが家にいつもあったら、それは犬を飼っていることと同義である。
つまりこういうことだ。
つまりこういうことだ。
フリー素材を分割してプリントアウト。慎重につなげていく。
フリー素材を分割してプリントアウト。慎重につなげていく。
スチレンボードだが、東急ハンズの店員さんが持ち手のシールをボードの真ん中辺りにつけてくれた。こういう風に持つのだ。なるほど!
スチレンボードだが、東急ハンズの店員さんが持ち手のシールをボードの真ん中辺りにつけてくれた。こういう風に持つのだ。なるほど!
パネルに貼る。
パネルに貼る。
裏側に、立てかけるための出っ張りをつける。
裏側に、立てかけるための出っ張りをつける。
犬は、見つけた中で一番気に入った犬を選んだ。
健康で素直そうでとてもかわいい。

この犬、やはりパネルに貼るまでは、「犬の写真」なのだが、切り終わってパコッと余白から外していくと犬の存在感が出てくる。
そして立てるといよいよ犬である。
犬!いよいよ犬!
犬!いよいよ犬!
名前を付けなくてはなるまい。
色々考えたが、ひねらずに「太郎」とした。
見た感じ秋田犬で、「秋田」犬というぐらいなのだから日本の犬なのだろうと思ったからだ。(いぬいぬ言ってるくせに犬種に詳しくない)

太郎(パネル)にはやはり独特の存在感がある。
ちゃんと目が合うし、しゃべりかけるとそのことについて何か考えているような顔をするのだ。
のんびりした性格で、聞き上手な太郎。
のんびりした性格で、聞き上手な太郎。
偶然にも、かなりリアルな大きさにプリントアウトできたのがよかったのだと思う。
やはりパネルと言えば等身大なのだ。
本当にかわいい。

犬を飼っていると、ふとした時に犬が優しい顔で自分をじっと見つめていて、気持ちが和んだりするのだろうか。
するのだろう。筆者の想像する犬がいる家庭はそうだ。

何が言いたいのかというと、パネルの犬も食卓に向ければご飯の時なんかは絶えず自分を見ているので、つまり犬を飼っているとこうなのだろうという家庭が再現できたのだ。

…た、多頭飼いだ!!

犬を飼う人の夢と言えば多頭飼いなのだと聞いたことがある。
色々な犬種を一緒に飼ってそれぞれのかわいさを満喫するのだ。

狙い通り太郎に存在感があったので、次のステージにも進んでみることにした。
世間一般に「犬」とされている生き物を飼っていないのに、更にその上の世界を望んでいることになる。
予備校だったら「志望校のランクを下げろ」と怒られるやつである。時期も時期だし。

しかし太郎にも友達が欲しかろうと思い、夜な夜な写真の切り張りを繰り返した。
年末年始、
年末年始、
だんだん増えていく、
だんだん増えていく、
犬!
犬!
5頭飼うことにした。
名前は、毛の長い大きいのを「でかお」(大きいので)、ダルメシアンを「カルピス」(水玉模様だから)、パピヨンを「セレブ」(座り方が上品だから)、白い子犬を「とうふ」(白いから)とした。
名前をつけた。
名前をつけた。

いつもいる。

5頭は飽きもせずずっとこちらを見ている。
「大きな板があるな」とは思えず、「何かがこっちを見ているな」と思うだ。
パネルすごい。
どん兵衛に興味がある太郎。だが人間の食べ物は塩分が多すぎるのであげられない。
どん兵衛に興味がある太郎。だが人間の食べ物は塩分が多すぎるのであげられない。
5頭と戯れてみる。
5頭と戯れてみる。
そして、何と言ってもいつもいる。朝起きてもいるし、
そして、何と言ってもいつもいる。朝起きてもいるし、
夜、家に帰ってきてもいる。
夜、家に帰ってきてもいる。
出かけようとして戸締りを点検していると目が合う。こういう時は少し寂しそうだ。
出かけようとして戸締りを点検していると目が合う。こういう時は少し寂しそうだ。

散歩しよう

留守番ばかりではかわいそうなので一緒に散歩をすることにした。
5頭全員、東急ハンズの袋の中に入った。でかおが透けている。
5頭全員、東急ハンズの袋の中に入った。でかおが透けている。
公園に着いた。「ついたぞー」と東急ハンズの袋に話しかける筆者。
公園に着いた。「ついたぞー」と東急ハンズの袋に話しかける筆者。
太郎と。
太郎と。
一番早く我が家に来た太郎とまずは写真を撮った。
しっかりカメラの方を向いていて偉い。
外に出られて嬉しそうである。
僕も嬉しい。

犬がいる家庭って、しゃがんで犬の首回りを抑えてカメラの方を向けさせて、すごく顔が近い幸せそうな写真を撮るだろう。
ああいう雰囲気に近づけた気がする。(でも書きながら顔を近づけた写真を撮り忘れたことに激しく後悔している。)

太郎以外の皆も早く一緒に遊ぼうと、袋から出したその時である。
「でかおも!でかおもほら!」と筆者。
「でかおも!でかおもほら!」と筆者。
あ、
あ、

倒れた

「スチレンボードだ。」

夢から覚めたような気持ちがした。
あんなにかわいかった太郎が、あっという間に白い板になった。
でかおも倒れた。
でかおも倒れた。
もう聞き上手で大人しくて、どん兵衛の匂いが好きで留守番を寂しがる太郎ではない。
笑っちゃう速さで、新しくできたかわいい家族から、便利で白い板に変貌を遂げた。
パネルの犬を飼う時の注意点は何と言ってもここである。
風が吹いて倒れた時、現実との折り合いをつけることだ。
すごく静かに倒れるのだ。
すごく静かに倒れるのだ。
とても犬には見えない。
とても犬には見えない。

気を確かに持とう

いいだろう。
倒れたら板だ。
だが立っている間は犬である。
筆者と5頭の犬は、風がやんだ限られた時間を、全力で楽しんだ。
でかおから…
でかおから…
こっそり顔を出す、太郎と筆者。
こっそり顔を出す、太郎と筆者。
集合写真。
集合写真。
段を使って集合写真。
段を使って集合写真。
みんなで走り回る。
みんなで走り回る。
存分に遊んで、また東急ハンズの袋に入れて家に帰った。
梱包。
梱包。
帰って、しばらく袋に入れたまま部屋の隅に置いておいたのだが、何か違う気がして5頭を外に出して並べた。
やはりこの状態がいい。
やはりこの状態がいい。
折に触れて犬の方をちらっと見ては、日々の活力にしています。

5頭の犬は、今も部屋の隅でニコニコしている。
部屋の中は風が吹かないのでずっと犬である。
でも真横から見ると少し夢から覚める。
でも真横から見ると少し夢から覚める。
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