ロマンの木曜日 2017年1月26日
 

カバディがどんなスポーツか知りたかったので実際に体験してきた

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最近「灼熱カバディ」という漫画にハマっている。タイトルの通りカバディというスポーツを題材にした漫画なのだが、これがおもしろい。とにかく熱いのだ。
漫画を読んでいて、どうしてもカバディをやりたくなったので、実際にできる場所を探して参加してみることにした。
大学中退→ニート→ママチャリ日本一周→webプログラマという経歴で、趣味でブログをやっていたら「おもしろ記事大賞」で賞をいただき、デイリーポータルZで記事を書かせてもらえるようになりました。嫌いな食べ物はプラスチック。

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カバディの体験会に行ってみよう

カバディというスポーツをちゃんと知っている人は少ないと思う。知っていても「カバディ、カバディって叫ぶだけの変なスポーツでしょ?」くらいの知識しか持っていない人が多いと思う。
カバディのイメージ
カバディのイメージ
僕もカバディの知識はほとんどなく、漫画で読んだ知識しかない。あとネットで調べても、ルールを理解することができなかった。

ということで「どんなスポーツなのか」を知るには実際にやってみるのが一番早い。すぐにカバディの体験会を探して見つけたので、参加してみることにした。
カバディの体験会は日本カバディ協会が行っている。1年くらい前から定期的に体験会を行っているようだ。
体験者の他に、カバディの日本代表の選手や、部活動、経験者の方などが指導者として教えてくれる。
初心者の体験者は10名以上もいた。今日は少ない方らしい。
初心者の体験者は10名以上もいた。今日は少ない方らしい。
体験会の日は上中里駅にある、瀧野川女子学園高等学校中学の体育館に集合だった。
瀧野川女子学園には都内でも数少ないカバディ部があるらしく、練習会にはその学生達も参加しているらしい。
カバディ部なんてものが高校にあるのか…地元では見たことなかったな…
女子の参加者もけっこういて驚いた。
女子の参加者もけっこういて驚いた。
女性のカバディチームもいくつかあるようで体験会に来ていた。
女性のカバディチームもいくつかあるようで体験会に来ていた。
今日のカバディ体験会では以下のような流れで一日が進んでいく。全体を通して2時間くらいで、最終的には試合までやらせてくれるらしい。
カバディ元日本代表の渡辺さんが説明してくれた
カバディ元日本代表の渡辺さんが説明してくれた
【体験会の一日の流れ】
準備体操

カバディのルール説明

カバディの練習

体験者同士で試合
まずは軽いジョギングから。
まずは軽いジョギングから。
渡辺さんにもっとカバディの話を聞きたかったのだが、集合の声がかかった。準備体操をするようだ。
カバディがどういったスポーツなのかちゃんと理解していないまま始まってしまった…大丈夫だろうか。一人で来たから不安でしかたない。
身体が硬すぎて全然届かない。
身体が硬すぎて全然届かない。
ジョギングとストレッチだけで疲弊してきた。
ジョギングとストレッチだけで疲弊してきた。
僕はweb系のプログラマをやっていて、さらに家ではこういった記事を書いているので、ほぼ一日中イスに座っている。
運動する機会がほとんどない。だから準備体操だけで早くも疲れがではじめた。ちょっと帰りたくなってきた。 
小学校以来に手つなぎ鬼をやった。大人になってからやっても楽しい。
小学校以来に手つなぎ鬼をやった。大人になってからやっても楽しい。
準備運動の一環として、ストレッチのあとは手つなぎ鬼をやった。タッチされた人が鬼になって手をつなぎ、どんどん手をつないだ鬼が増えていく遊びだ。
久しぶりにやったけど楽しい。けどやっぱり疲れる。すでに体力の限界が見え始めた。
もうだいぶ体力の限界に近づいてきた。
もうだいぶ体力の限界に近づいてきた。

カバディってどんなスポーツ?

準備運動が終わって身体も温まってきたところで、カバディのルール説明が始まった。
僕もカバディの漫画を読んでいるけど雰囲気で楽しんでいるだけなので、実は「カバディ、カバディ」って名前を連呼するくらいしかルール良くわかってない…
カバディ日本代表の選手がルールを1から教えてくれる。
カバディ日本代表の選手がルールを1から教えてくれる。
カバディのルールはものすごくシンプルで、一言でいうと「オフェンスは相手をタッチして逃げれば得点。ディフェンスは相手が逃げる前に止めると得点」ということになる。
範囲が決められている鬼ごっこのようなイメージだ。

※下記のルール説明は簡易版のものです。本来はもっと細かいルールがあります。
カバディは7対7で行う。真ん中のラインで陣地が分かれている。
カバディは7対7で行う。真ん中のラインで陣地が分かれている。
オフェンスは敵の陣地に一人で攻める。攻めているときは「カバディ、カバディ」と言い続けないといけない。(この「カバディ」と言い続ける行為をキャントという。)
オフェンスは敵の陣地に一人で攻める。攻めているときは「カバディ、カバディ」と言い続けないといけない。(この「カバディ」と言い続ける行為をキャントという。)
相手にタッチして自分の陣地に戻れば1点。触った人数分だけ点数になる。
相手にタッチして自分の陣地に戻れば1点。触った人数分だけ点数になる。
タッチされたディフェンスは一時的に退場しないといけない。
タッチされたディフェンスは一時的に退場しないといけない。
ディフェンス側は、オフェンスを自分のコートに戻らないようにする。オフェンスをコートに戻らさずに捕まえた場合はディフェンスしたチームに得点が入る。
ディフェンス側は、オフェンスを自分のコートに戻らないようにする。オフェンスをコートに戻らさずに捕まえた場合はディフェンスしたチームに得点が入る。
オフェンスは自分の陣地に戻れないと退場となる。
オフェンスは自分の陣地に戻れないと退場となる。
ディフェンス側は相手に触って逃げられると得点になってしまう上に、触った人は退場になってしまう。 なので「オフェンスを確実に止められる」とき以外は、ディフェンスは無理にやらない方が良い。
ディフェンス側は相手に触って逃げられると得点になってしまう上に、触った人は退場になってしまう。 なので「オフェンスを確実に止められる」とき以外は、ディフェンスは無理にやらない方が良い。

以上がカバディの簡単なルールの概要となる。他にも退場になった人の復活方法や、一番奥の線にオフェンスが踏み込むとボーナス得点が入るなどもあるが、詳しくは省略する。

もっと詳しく知りたい人は、公式ルールの動画があるのでそちらを見るとわかりやすい。
カバディ日本代表キャプテン
カバディ日本代表キャプテン
カバディ日本代表のキャプテンである下川正將(しもかわまさゆき)さんに、カバディの魅力を聞いてみた。

―― カバディに初めて出会ったのはいつ頃ですか?

下川さん
「大学に入ったときにカバディというものを初めて知りました。その大学で部活体験で試しにやってみたら、すごく楽しくてハマってしまい、今でも続けています」

―― カバディの魅力はなんですか?

下川さん
「オフェンスは相手をタッチして逃げる、ディフェンスは相手を捕まえる、とルールが単純で非常に覚えやすいので誰でも楽しめます。
それからオフェンスは一人で行い、ディフェンスはチーム全員で行うので、団体競技と個人競技の両方が楽しめる数少ないスポーツだと思います」
まったく関係ないけど、「イケメンだなー」って話ながらずっと思っていた。
まったく関係ないけど、「イケメンだなー」って話ながらずっと思っていた。
個人競技と団体競技の両方ができるスポーツって、たしかに思いつかないのでおもしろそうだと思った。
あと都内でも大学までいかないと、カバディ部自体が少ないらしい。なのでこういった体験会があることは非常に貴重だ。

話を聞いてカバディがだんだんとやりたくなってきた。早く練習始まってほしい。

カバディの練習をする

体験会では日本代表や経験者の方に直接教えてもらえる。
体験会では日本代表や経験者の方に直接教えてもらえる。
まずはディフェンスの練習からだ。ディフェンスでは一人が味方の手首を掴むようにするのが特徴的だ。
オフェンスに間を抜けられないように手を掴む。
オフェンスに間を抜けられないように手を掴む。
なぜ手首を掴んでディフェンスするのかというと、オフェンスは得点するために自分のコートに戻る必要があるので、戻り道を塞ぐために網のように囲って逃げられないようにするためである。 

人の手をつかむのが久しぶりなので、相手が男だけど不覚にもドキドキしてしまった。
オフェンスに触られないように、徐々に網のように囲っていく。
オフェンスに触られないように、徐々に網のように囲っていく。
オフェンスが囲んでいることを気づかれてしまうと、すぐに自分の陣地近くに戻られてしまう。
そうなると簡単に得点されてしまうので、ディフェンスはうかつには近づけなくなる。オフェンスとディフェンスの間ではジリジリとした心理戦が繰り広げられる。
ディフェンス側は「捕まえられる」と思ったら、とにかく相手を陣地に戻さないようにする。
ディフェンス側は「捕まえられる」と思ったら、とにかく相手を陣地に戻さないようにする。
アンクルキャッチの練習
アンクルキャッチの練習
カバディのディフェンスは基本的には何をしても良い(暴力などはもちろん禁止)。オフェンスにタックルして止めても良いし、掴んで止めても良い。

その中で「アンクルキャッチ」という技がある。これは相手が足を一歩踏み出してきた瞬間に足首をつかんで、持ち上げて動けなくする高等テクニックだ。
相手も抵抗するのでかなりの力が必要。
相手も抵抗するのでかなりの力が必要。
アンクルキャッチ練習してみたけど、試合中は相手がすばやく動いているわけだし、抵抗するからかなり難しそうだ。
だけど、足首掴まれて持ち上げられたら簡単には動けないから、ディフェンスでこれが成功すれば強力そうだ。
最後はオフェンスとディフェンスに別れて、実際に動く相手をディフェンスしてみる。
最後はオフェンスとディフェンスに別れて、実際に動く相手をディフェンスしてみる。
最後に練習の総まとめとして、オフェンスとディフェンスに別れて対戦した。
対戦形式でやってみるとわかるのだけど、めちゃくちゃ激しい。防具のないアメフトをやっている感じだ。
ディフェンスもオフェンスもみんな必死にプレイする。
ディフェンスもオフェンスもみんな必死にプレイする。
久しぶりに全力で身体を動かして、人とぶつかり合うと「生きている」って感じがする。楽しい…!

試合開始!!

最後は体験者だけでチームにわかれて試合する。
最後は体験者だけでチームにわかれて試合する。
練習を一通りやったところで、いよいよ試合をする時間がきた。まだルール聞いて、簡単な練習しただけだから不安でしょうがない。本当に試合になるのか。
周りには見ている人たちもいて緊張感が高まる。
周りには見ている人たちもいて緊張感が高まる。
試合の前にルールのおさらいを頭の中で簡単にしておく。緊張して忘れそうになる。手汗がすごくなってきた。これディフェンスのときに手首つかむから、手汗ベタベタのやつが味方だったら嫌だろうな…
【基本ルールのおさらい】

・オフェンスは一人。ディフェンスに触って戻ってくれば得点。触った人分が得点になる。
・オフェンスは常に「カバディ」と声に出す。
・ディフェンスは全員参加。オフェンスをコートに帰さなければ得点。
本来的なルールであれば、ディフェンスがタッチされて得点された場合や、オフェンスが止められた場合に、その選手は退場となるが、今日は簡易的なルールなので退場のルールはなしになっている。
緊張の中、いよいよ試合が開始となった。まずはディフェンスからだ。
緊張の中、いよいよ試合が開始となった。まずはディフェンスからだ。
試合形式となると一気に会場の雰囲気が変わる。ギラギラした闘志が全員に見える。
試合をやってみると、相手が自由に動くので本当に難しい。
試合をやってみると、相手が自由に動くので本当に難しい。
試合形式となると当たり前だが相手は自由に動く。ディフェンスは相手の予測できない動きに合わせて、相手に触られないようにして動かなければいけないので、常に気を張る。精神的にも肉体的にも疲れる。
ディフェンス失敗。
ディフェンス失敗。
初めは相手にすぐに得点されてしまった。オフェンスは自分の陣地に指一本でも入れば良いので、倒しただけではだめなのだ。
カバディでは守ろうとして、無闇に掴みにいってしまうのは良くない。タックルしにいって相手を倒しても、ラインを越されてしまうと相手の得点になる。

ディフェンスが勝負にでるタイミングと、我慢して耐える場面を考えて動かないといけない。
今度はオフェンスに挑戦。
今度はオフェンスに挑戦。
いよいよ僕にオフェンスの順番が周ってきた。ギャラリーも多いし「絶対に活躍してやる」とかなり意気込んでいた。
オフェンスなので当然このとき「カバディ、カバディ」言っています。

一人で相手のコートに入るということは、全員の視線が僕に向くということだ。緊張感が最高に高まる。

よし、絶対に得点をとってやる!!
あ!
あ!
お!!!
お!!!
う!!!!!
う!!!!!
おふ…
おふ…
前傾姿勢になりすぎて、すぐに囲まれて速攻で倒されてしまった。恥ずかしい。

オフェンス側はディフェンスに背後を取られてはいけない。囲まれてしまっては、自分の陣地に戻るのが困難になるからだ。
オフェンスは一人で戦うのだから、常に考えて動かないとだめなんだなー。カバディめちゃくちゃ頭使う競技だな…
自然とハイタッチしたりするシーンが増えてくる。
自然とハイタッチしたりするシーンが増えてくる。
試合をすすめていくごとに初対面だったチームは、自然と声をだして味方を応援したり、ハイタッチしたりするシーンが増えてきた。スポーツはやっぱりすぐに仲良くなれて良い。一人で参加したけどめちゃくちゃ楽しい。

攻めるときは味方に応援してもらえるし「相手を出し抜きたい」という闘争心がむき出しになる。ディフェンス側は全員で協力して相手を倒す爽快感がある。
時間が進むごとに熱くなってくる。
時間が進むごとに熱くなってくる。
熱いプレーの数々。
熱いプレーの数々。
カバディは思っていたスポーツとまったく違った。もっと地味なスポーツなのかと想像していたけど、コート上の熱量がすごかった。とにかく熱い。

ルールが単純なので、すぐに試合に馴染むことができたのもよかった。試合をしていると要領がつかめてきて「オフェンスは深追いしちゃだめなのか」「ディフェンスは味方との連携が大切だな」と色々と考えるようになってくる。

カバディというスポーツに僕は没頭していた。
最後はスポーツマンらしく握手をして終わった。
最後はスポーツマンらしく握手をして終わった。
気づけばあっという間に時間はすぎていた。2試合やってみて僕のチームは両方とも勝利した。
勝ちもうれしかったけど、それよりも本当に心から楽しかった。相手との駆け引きや、全力でのぶつかり合い、味方からの声援…などなど、久しぶりにスポーツに集中できた有意義な時間だった。

かなり疲れたし、久しぶりに運動したから思ったように動けなくて悔しかった。明日から運動しようかな、、、(絶対やらない)

カバディをやっている人に話を聞いてみる

最後にカバディの選手に改めて魅力を聞いてみることにした。
日本代表の河野貴光さん。
日本代表の河野貴光さん。
――カバディの魅力はなんですか?

河野さん
「オフェンスは個人でできるし、ディフェンスはチームでやるので、それぞれ違った楽しみが一度にできるのは魅力だと思います。

あとあまり外で遊ぶことがないお子さんにも体験してほしいです。そういった子供たちにもカバディをやってもらって、人とぶつかる限度を覚えたり、楽しさをしってもらえたりしたら良いなと思っています」
女性プレーヤーの金子祐美さん。女性のプレーヤーもたくさんいたので、話を聞いてみることにした。
女性プレーヤーの金子祐美さん。女性のプレーヤーもたくさんいたので、話を聞いてみることにした。
――カバディの良さはどこですか?

金子さん
「サッカーや野球は小さい頃からやっていないと参加が難しいスポーツだと思います。だけどカバディだとルールが覚えやすいですし、経験者も多くないのでスタートラインがみんな同じなので、すぐに参加できるのがすごく良いと思います」

――カバディの楽しさをどういった場面で感じますか?

金子さん
「ぶつかって接触したときの楽しさを知ることができると思います。ぶつかってみると思ったより痛くないですし、練習すればすぐに上手くなるので結果もでやすいのも楽しいです。
闘争心がすごく湧き出てくるので、ハマったら女の子でもすごく好きになると思います」
何人かに質問をして聞いてみたのだけれど、共通してあげていたのは「個人競技と団体競技が味わえる」ということ点だ。やってみてわかったけど、たしかに他にはない醍醐味だ。

気になったので、他の体験者の何人かに、
「なんでカバディに興味をもって今日来たのか?」
ということを聞いてみたら、僕と同じように漫画を読んできている人や、テレビでたまたま見てやりたくなった人など色んな理由があった。

多少の興味があるだけで、練習に簡単に参加できるものスポーツとして良いなと思った。

やってみるととにかくおもしろかった。ネットでネタスポーツとして扱われているのが不思議なくらい熱い競技だった。このスポーツもっと流行るべきだと思った。

駆け引きや、味方への声援、闘争心、連携プレー、激しい接触…など色んなスポーツの要素が詰め込まれていて、めちゃくちゃ熱かった。

唯一、不満点をあげるとすれば次の日は全身筋肉痛だし、首が痛過ぎて動かなかったことだけ。本当に辛かった。


マイナースポーツってまだまだ世の中にはたくさんあるし、「やってみたらおもしろい」ってものがものすごく多そうだから、これからも気になったものはやっていきたいと思った。
試合の序盤でハイタッチしようとして気づかれなかったときがあって、心が折れて泣きたくなった。
試合の序盤でハイタッチしようとして気づかれなかったときがあって、心が折れて泣きたくなった。
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