特集 2017年2月6日

九州~関東で雪? 注目は木曜の低気圧~あと出し天気予報

9日(木)は低気圧がきて各地に雨や雪に。ただ、低気圧が弱ければ、たいして降らず…予報士泣かせのなやましさ。
9日(木)は低気圧がきて各地に雨や雪に。ただ、低気圧が弱ければ、たいして降らず…予報士泣かせのなやましさ。
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:今週は冬と春を行ったり来たりします ~あと出し天気予報

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

1週間を振り返る(東京都心周辺)

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。

2月に入っても予報が好調すぎです

1月は29日までで27勝1敗1分け。最後の2日間も当たりで、1月は29回も予報が当たったことに。好調すぎて怖い!

2月に入っても、勢いはかわらず。先週はすべて当たりで、パーフェクト達成。

ファインプレーは日曜(5日)。低気圧が近づいて、予報どおり午後から雨に。低気圧が弱々しく、雨雲がバラけて、しっかり降らない感じもイメージどおり。

最近、「増田さん、予報がハズれたときのほうが、おもしろいんですけど」と言われるが、そう言われましても…。おもしろい展開を期待しているかた、ごめんなさい!
年が明けてから、もう3回目のパーフェクト。2017年ぶんが、ぜんぶ前倒しで来てるんじゃないかと心配になるくらい当たりすぎ。
年が明けてから、もう3回目のパーフェクト。2017年ぶんが、ぜんぶ前倒しで来てるんじゃないかと心配になるくらい当たりすぎ。

東京はまともな雨が降ってないんです

日曜(5日)に雨が降った東京だが、観測された降水量は「0.0ミリ」。つまり、降ったことは降ったが、量をカウントできるほど、まともに降らなかったということになる。(カウントは、0.5ミリから)

1月中旬~下旬にも雨が降った日はあったが、ぜんぶ「0.0ミリ」。まともな雨となると、1月9日以降、ずっと降っていない。

ここ1か月、寒気がたびたび来て、太平洋側は晴れる日が多かったことと、あとは、低気圧が来ても弱々しいものばかりだったことで、雨が降っていない。

さすがに乾燥がひどくなってきているので、何とかしてほしい。

というのは、表向きの理由。だんだん天気予報でしゃべることがなくなってきているから、何とかしてほしい、というのがけっこう本音。

低気圧、ちょこちょこ来て!

【今週のみこみ】木曜は雪か?雨か?降らないか?

低気圧が来てほしいとは言ったが、予報のむずかしい低気圧が来てほしいとは言ってない。

今週は、木曜(9日)に低気圧がくる。ただ、優柔不断な低気圧で、強くなるのか、弱いまま通りすぎていくのか、まだハッキリ分からない。

もし弱いままなら、ちょこっと降るだけで、大きな影響はなし。強くなった場合は、しっかり雨が降って、しかも北から寒気をグイグイ引き込むくらい強ければ、九州~関東でも雪の可能性が出てくる。とくに、平野部が大きく、冷たい空気がたまりやすい関東は、雪になるパターンだ。
低気圧が弱ければ、雨雲がスカスカになって、ちょっとしか降らない。でも、ガッツリ降ると…。
低気圧が弱ければ、雨雲がスカスカになって、ちょっとしか降らない。でも、ガッツリ降ると…。
雪なのか? 雨なのか? 降らないのか? いつも以上に、読みづらい低気圧。

今のところ、どの可能性もあるが、結果は来週の記事で!
!
今週の格言
『空気が乾燥するほど、予報の適中率は高くなる。そして、キャスターのしゃべることは少なくなる。』

詰め天気

前回(1/23)の出題は、「この日の東京は、どんな天気・気温だったでしょうか?」でした。

ひさびさに選択問題じゃなく、苦戦したかたが多かったです。
2010年2月9日昼。気象庁天気図。
2010年2月9日昼。気象庁天気図。
正解は「晴れて、2月上旬なのに20℃超え。でも、夜は雨」でした。

2月の上旬なのに、20℃を超えたんですね。関東地方は、前線の南側の暖かい空気のエリアに入っていました。

停滞前線なので、動きはゆっくりで、この天気図の時間のあともしばらくは晴れて、気温が上がったんですね。前線の南側は、少し離れていると、晴れていることも多いんです。

前線が東京を通過したのは夜で、そのタイミングで一時的に雨に。気温が下がり始めたのは、そのあとでした。

けっこう深読みして、「雪」と答えてくださったかたも多かったですね。今回は、ほんとむずかしかった!

「太平洋側の高気圧から湿った空気が送り込まれるので、春一番とまでいかなくても暖かくなり、その後雨になったのではないでしょうか。(かまきりさん)」

そのとおり! 追加の解答まで送っていただいて、ありがとうございます!

「停滞前線の南側にある事から、太平洋上にある暖かい空気を持った高気圧の勢力下にあります。そのため天気は晴れて、気温もぐんぐん上がり、季節外れの暖かさになった。(メロポンさん)」

いい読みです!

「久し振りに投稿しまーす。今年もよろしくお願いいたします。(TARO☆さん)」

おひさしぶりも、大歓迎ですよー。


今週の定石はこちら。
今週の定石
『停滞前線が北にあるときは、冬でもグンと気温が上がる』
(どれだけ上がるかは、その時しだい)
今回、正解した皆さんはこちら。

かずまさん、かまきりさん、naraoさん、パンジーさん、メロポンさん、ゆりまりさん。

△(半分正解):TARO☆さん、雄大積雲さん、ニノさま。

正解率は、最近の問題のなかでは、かなり低かったです。
正解した皆さん、おめでとうございます!

今週の問題はこちら。

今週の問題

この日、大雪になった都市はどこでしょう?
気象庁天気図。明け方。
気象庁天気図。明け方。

(ヒント)

・西高東低の冬型気圧配置です。

<答えはこの4つのどれかです>

1)高松
2)高知
3)熊本
4)宮崎

解答はこちらから↓
理由などとともにお願いします。
正解は再来週(2/20)に!
編集部より:増田さんへの質問を募集しています。投稿はこちら。


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