ロマンの木曜日 2017年2月9日
 

まさに絵に描いた餅、「デジタル弁当」

弁当箱と中身の画像があれば、弁当は表現できる
弁当箱と中身の画像があれば、弁当は表現できる
家電量販店に展示されている冷蔵庫を開けると、中には写真を印刷した「張りぼて」の食品が入っている。あの独特な雰囲気を、家庭でも気軽に再現できないだろうか。そんなことを考えていたら、いつの間にか絵に描いた餅のような弁当ができあがった。
1983年徳島県生まれ。大阪在住。エアコン配管観察家、特殊コレクタ。日常的すぎて誰も気にしないようなコトについて考えたり、誰も目を向けないようなモノを集めたりします。
> 個人サイト NEKOPLA Tumblr

家電量販店にひそむ虚無

量販店に展示されている冷蔵庫を開けると、中には食品……ではなくて、食品の「張りぼて」が陳列されている。あれを見ると、激しい虚無感におそわれる。
冷蔵庫の中を開けると現れる、食品を模した張りぼて(店内撮影可能なヨドバシにて)
冷蔵庫の中を開けると現れる、食品を模した張りぼて(店内撮影可能なヨドバシにて)
食品サンプルとは趣の違った、独自の世界がそこにある。これは本物の容器を使いつつ、中に写真を入れてリアル感を演出するパターン
食品サンプルとは趣の違った、独自の世界がそこにある。これは本物の容器を使いつつ、中に写真を入れてリアル感を演出するパターン
言ってみれば、ただ写真を印刷しただけの紙である。そんな紙(ここでは「疑似食品」と呼ぶ)を、私たちは食品の代わりとして認識している。脳がだまされている……いや、だまされてないだろう。ただの紙だと分かった上で、そういうものだと認識している。

気になった私は、店に展示されている全ての冷蔵庫のドアを開け、中の様子をかたっぱしから調べてみた。その結果、どのメーカーも等しく、ファミリー向け大型冷蔵庫の中に疑似食品をひそませていることが分かった。

ここで、私が特に惹かれた疑似食品ベスト3を紹介したい。
第三位! 冷凍庫を開けると、なかには大量の冷凍食品が。深さがあるように見えるけど、例によってこれもただの写真である。詰め方が几帳面
第三位! 冷凍庫を開けると、なかには大量の冷凍食品が。深さがあるように見えるけど、例によってこれもただの写真である。詰め方が几帳面
第二位! 写真を箱に印刷することで、商品のサイズ感を表現するパターン。なのだが、これは表面がヨーグルト、側面がデザートである。虚構にもほどがある
第二位! 写真を箱に印刷することで、商品のサイズ感を表現するパターン。なのだが、これは表面がヨーグルト、側面がデザートである。虚構にもほどがある
そして第一位! リアルな肉や魚が、まるで本当に存在しているかのよう。しかしこれも写真なのだ。透明なフィルムに印刷することで、このリアルさを出している
そして第一位! リアルな肉や魚が、まるで本当に存在しているかのよう。しかしこれも写真なのだ。透明なフィルムに印刷することで、このリアルさを出している
何食わぬ顔でその辺に潜んでいるこの疑似食品。しかし改めて見ると、なかなか面白い存在なのではないか。店で冷蔵庫のドアを開けたり閉めたりしながら、その可能性について考えていた。

疑似食品の持つ説得力

疑似食品を見てもあまり疑問に思わないのは、「本物の器」とセットになっているのが大きい気がする。
これは調理家電売り場で見つけたもの。本物のプレートに乗せることで、ただの肉と野菜が焼き肉に変わる。それにしても、紙を微妙に紙を折り曲げて、なんとか立体感を出そうとがんばっているところが泣ける
これは調理家電売り場で見つけたもの。本物のプレートに乗せることで、ただの肉と野菜が焼き肉に変わる。それにしても、紙を微妙に紙を折り曲げて、なんとか立体感を出そうとがんばっているところが泣ける
凝ったことをしなくても、平面の写真を器に乗せるだけで良いのである。そうすると、見ている方が勝手に想像力を働かせて、本物の代わりとして認識する。そう考えると、意外と面白い表現に思えてきた。

「デジタル弁当」という提案

それならば……こんな弁当はどうだろう。
疑似食品は、紙に印刷しなくてもモニタ上で表現できるのでは? そんな発想から生まれたのが「デジタル弁当」
疑似食品は、紙に印刷しなくてもモニタ上で表現できるのでは? そんな発想から生まれたのが「デジタル弁当」
スマホを内蔵することで、弁当箱の中身を気分に合わせて自在に変更することが可能。これはフリー素材の弁当写真を使ってみた
スマホを内蔵することで、弁当箱の中身を気分に合わせて自在に変更することが可能。これはフリー素材の弁当写真を使ってみた
思ったよりも、それらしく見えるので自分でも驚いた。これが何なのか説明するまでもなく、もう見たまんまである。
こちらは、デジタル弁当と一緒に持ち運べる「デジタルタンブラー」。電源ケーブルが出ているのを気にしてはいけない
こちらは、デジタル弁当と一緒に持ち運べる「デジタルタンブラー」。電源ケーブルが出ているのを気にしてはいけない
冷蔵庫の場合と同様に、やはり器の持つ説得力の大きさを感じる。だまし絵ならぬ、「だまし写真」みたいなものだろうか。

と、いきなり完成してしまったけど、これをそれっぽく見せるためにいろいろ試行錯誤してみたので、その辺をもう少し紹介したい。

 ▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓