土曜ワイド工場 2017年2月11日
 

デンキウナギを捕まえて、感電して、蒲焼きにして食べた

感電してみた

いよいよ釣り上げたデンキウナギに触れて感電してみるわけだが、僕もさすがに死にたくはない。なるべく。

そこでデンキウナギに慣れた漁師たちに立ち会ってもらい、アドバイスを仰ぐことにした。彼らが言うには、「陸の上でなら触っても死にはしない」とのことであった。ただし、濡れた手はNGだという。水で電導率が高まることが問題らしい。
水中で「食らう」のがマズいんだそうな。
水中で「食らう」のがマズいんだそうな。
熱と乾燥に対してデリケートな魚の肌へダメージを与えぬよう、まず手を水に浸して冷やし、軽く水気を拭き取る。

まずは手始め。ドアをノックするように、トントンと手の甲を当てる。すると、皮膚に触れるたびに「ビリッ、ビリッ!」と手の甲から肘にかけて電流が走るのを確かに感じられる。経験がある人にしか伝わらないだろうが、濡れた手でコンセントの差込口に触ってしまった時のような刺激である。

あれ。意外とたいしたことないな…。これならもう少し思い切っても大丈夫か。右の掌を広げ、がっしと胴を掴む。
瞬間、鋭い痛みと鈍い衝撃が右半身を貫いた。
「アァーッ!痛ってえ!!」
「アァーッ!痛ってえ!!」
筋繊維の一本一本を、ミクロサイズの手で一斉に握り締められるような感覚だ。
筋肉が収縮して、意思と無関係に腕が手首がくりんと曲がる。
反射的に手を放し、思わず叫び声を上げてしまう。
触れたのは右掌のみだが、電流は右腕、右肩、右脇腹を駆け抜け、一瞬で右脚の先まで痺れ上がる。

これ、もうちょっと電流が強かったら手が勝手にデンキウナギを握りしめて、そのまま感電し続けるという恐ろしい事態になるのではないか。
そうなった場合を考慮して、実験時は同行者に「もし僕が感電して動けなくなったら、身体を蹴り飛ばしてデンキウナギから引き剥がしてくれ」と頼んでおいた。
なお、十分に放電させた直後ならば素手で掴んでも感電しない。逆に、本気で放電されると一般的なゴム手袋など何の役にも立たない。普通に電撃が貫通してきます。
なお、十分に放電させた直後ならば素手で掴んでも感電しない。逆に、本気で放電されると一般的なゴム手袋など何の役にも立たない。普通に電撃が貫通してきます。
陸上で、しかもある程度放電させた状態でもこの威力である。十分に休ませて「充電」させた上で、かつ水中で感電したらどうなのだろうか。危険を承知で挑戦してみることにした。
釣り糸で川の淀みにデンキウナギを繋ぎ、準備運動をしてザブザブと川へ入る。

デンキウナギに近寄ろうと釣り糸を手繰り寄せると、また右半身にあの電流が走った!まだ魚体には触れてもいないのに!しかも、陸上で直接触れた時よりもさらに強く感じる。
「水中だとこんなにも増幅されるのか…!」
そう慄くが早いか、間髪を入れずにまた電撃を浴びる。今度は左半身。より強さを増している。
電撃でショック死というより、水中で身体の自由を奪われて溺死するケースが現実的だという。デンキウナギは一箇所に集団でたむろしていることも多いらしく、一匹に感電すると連鎖的に複数の個体から長時間にわたって電撃を喰らい続けることもあるとか。…恐ろしすぎる。
電撃でショック死というより、水中で身体の自由を奪われて溺死するケースが現実的だという。デンキウナギは一箇所に集団でたむろしていることも多いらしく、一匹に感電すると連鎖的に複数の個体から長時間にわたって電撃を喰らい続けることもあるとか。…恐ろしすぎる。
まるで超強力な電気風呂だ。残念ながらあのビリビリきてイタ気持ちいい刺激ではなく、ズンッと響いてほのかに命の危機を覚えるような重い一撃だが。

でも…。たしかに恐ろしいのだが、楽しい。
感じているのが苦痛であるとはいえ、まさに今、幼少の頃からの夢が叶っているのを、全身の細胞が実感しているのだから。
だが、陸に立つ漁師が視界に入った途端に夢は醒めた。

こちらを真顔で見据えて、「やめろ!それ以上はやめろ!マジで危ない!」と言っている。
肩に裸の女のタトゥーを彫っちゃうような陽気な彼がである。あっ、コレ本当に死ぬやつだ。
デンキウナギの扱い方を指南してくれた漁師のウェマンさん。肩に落書きみたいな裸の女性と「生」という漢字のタトゥーが掘られている。本人は気に入っているようだ。
デンキウナギの扱い方を指南してくれた漁師のウェマンさん。肩に落書きみたいな裸の女性と「生」という漢字のタトゥーが掘られている。本人は気に入っているようだ。
僕はうなずき、いそいそと川から上がった。
※感電の一部始終は動画でどうぞ(絶対に真似しないでください)!

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