特集 2017年3月2日

足がグルグルになって走ってみたい

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漫画やアニメでよく見る「足がぐるぐるになって走る」というものを、現実でやってみようと思った。

初めて工作系の記事を書こうと思ったら大変なことになった。まったく締め切り守れなかった。最終的に言いたいのはパソコン最高ということだ。
大学中退→ニート→ママチャリ日本一周→webプログラマという経歴で、趣味でブログをやっていたら「おもしろ記事大賞」で賞をいただき、デイリーポータルZで記事を書かせてもらえるようになりました。嫌いな食べ物はプラスチック。(動画インタビュー

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足がぐるぐるになりたい

漫画やアニメでよく見られる表現。
漫画やアニメでよく見られる表現。
漫画やアニメで速く走るのを表現するときに、足がぐるぐるになっているのを見たことがある人も多いと思う。ドラえもんなどではよく見られる表現だ。

この足がぐるぐるということを現実で出来たらおもしろいんじゃないかと思った。だって憧れるじゃないですか、足がぐるぐるですよ?小さい頃に見ていたあの漫画表現が現実で出来るなんて興奮するじゃないですか。
この発想を思いついたときは、自分が藤子不二雄の再来なんじゃないかと思った。

興奮も冷めやらぬうちに、すぐに足がぐるぐるになれるように工作してみることにした。何を言っているかわからないだろうけど、ついてきてほしい。
やりたかったこと
やりたかったこと
今回はダンボールや画用紙などでぐるぐる部分を作成し、それを扇風機の回転力によって、ぐるぐるを回転させようと思う。
材料などの準備は万端
材料などの準備は万端
工作の準備はバッチリだった。足をぐるぐるさせたいがために、材料だけで1万円くらいかかった。僕がどれだけ足をぐるぐるさせたいのか、気合の入り具合がわかると思う。
これだけ足をぐるぐるさせたいのも日本で僕だけだと思う。

ぐるぐるぐるぐる言い過ぎてゲシュタルト崩壊しそうになってくるが、気にせずいってみよう!

足がぐるぐる出来るように工作しよう!

回転させるように手持ちの扇風機を用意する。
回転させるように手持ちの扇風機を用意する。
ハネは不要なので取り除く
ハネは不要なので取り除く
足のぐるぐるを表現するために、扇風機を使用して実際に回転させる。なので、まずは扇風機のハネが不要なのでハサミで切ってしまう。
ためしにテストで回してみる
ためしにテストで回してみる
ためしに小さいぐるぐるをダンボールで作って扇風機に取り付けて見たら、それっぽくなった。あとはこのぐるぐるを大きくするだけで、できるはずだ。

工作記事初にして、いきなりテストで理想通りの結果がでた。デイリーポータルZのワクワクさんと言われる日も近いかもしれない。
今度は大きいものを用意。
今度は大きいものを用意。
かなり大きめの紙を使用して、足首から腰くらいまでの大きさのものを用意した。このぐるぐるにあとはダンボールなどを貼り付けて補強すれば完成。これが上手く回転すれば、足がぐるぐるしているように見えるはずだ。

ここで先ほどのテストが上手くいっていたので、僕は安心した。油断して、この記事は大丈夫だろうと作業を後回しにして、最近ハマっているでんぱ組.incの動画を見ることにした。
もうここまで来たらこっちのものだ。成功するに決まっている。休息も大切だ。
しかし上手くいかない。
しかし上手くいかない。
数日経って「でんぱ組.incの動画もかなり見たし、久しぶりに作業するか」と思って、作成したぐるぐると扇風機を合わせてみて試してみたら、予想外の事態が発生した。まったく回転しないのである。ウソだろ、なんで動かないんだ…!

原因は完全に扇風機のパワー不足だ。手持ちの小さい扇風機だったので、ダンボールで作ったぐるぐるの重さに絶えられず、回転しなかったのである。これは本当に計算外だった。

スラムダンクの赤城キャプテンが「これは全国大会なんだ!絶対に油断するな!いいか!一瞬たりとも油断するな!!」と言っていたのをなぜか思い出した。
その後もまったく上手くいかない。
その後もまったく上手くいかない。
その後もぐるぐる部分を何度も作成し、試行錯誤を繰り返すものの、ただただダンボールのゴミが増えていく一方だった。

そしてこのぐるぐるを回転させる工作を必死に毎日やったがまったく上手くいかず、気づけばこの記事の締切の前日まで来てしまった。
記事の締め切り深夜になっても一向にできない。
記事の締め切り深夜になっても一向にできない。
記事の公開日の深夜になっても、まったく完成する感じがしなかった。一体自分は何を作っているのだろうか、何をやっているのだろうかという気持ちが拭えない。
ゴミは増える一方だが、原稿は1mmも進んでない。ここ数日で作ったのは自分自身というゴミなんじゃないかと思い始めた。
ダンボールで作成したぐるぐるはまったく回転しなかったけど、扇風機の手で持つほうはすごい勢いで回転していた。
ダンボールで作成したぐるぐるはまったく回転しなかったけど、扇風機の手で持つほうはすごい勢いで回転していた。
もう笑うしかなかった。深夜のテンションだ。
もう笑うしかなかった。深夜のテンションだ。
扇風機の持つ部分が激しく回転しだしたときは、家で一人で爆笑した。「そっちが回るのかよ!!」とさま~ずの三村ばりのツッコミを大声で一人でいれたほどだ。
現在は3月2日の深夜の1時12分
現在は3月2日の深夜の1時12分
記事の公開日は3月2日。現在はすでに3月2日の深夜。絶望的だ。これはもう工作をやめて今から方向展開するしかない。ただ編集長である林さんに「足がぐるぐるする記事を書きます」と伝えてあるので、なんとかぐるぐるさせないといけない。

ただここでちょっと立ち止まって、少し考えてもみてほしい。
今や世の中はコンピュータの時代だ。そして仮想現実の時代、バーチャルリアリティが世の中を席巻している。
今さら足をぐるぐるにするために工作をする必要があるのだろうか?
年齢に関係なく誰もがパソコンを使う時代。まさに大コンピュータ時代といえる。
年齢に関係なく誰もがパソコンを使う時代。まさに大コンピュータ時代といえる。
仮想現実が発達したこの時代で、現実の僕が足をぐるぐるにする必要はない。僕はコンピュータの中の粒子であって、粒子は僕なのである。

つまりコンピュータの中にいる僕が足がぐるぐるなっていれば、現実の僕が足がぐるぐるなったと言えるのではないだろうか?すべては1であって、すべては0なのである。
!
これは一つの発見だ。いや工作をやり続けたことによってたどり着いた境地なのではないだろうか?
塵も積もれば山となるというように、ゴミのような工作を作り続けたことによって悟りを開いたのではないだろうか? I am 釈迦。

え? 何言っているかわからないって? 大丈夫。僕もわかっていない。
ようはここから工作は諦めて、photshopで足をぐるぐるさせるアニメーションgifを作るという話だ。今は深夜2時。明日は仕事。そりゃこんなテンションにもなるよ。

足をぐるぐるさせる

この画像を…
この画像を…
自分だけ切り抜いて、
自分だけ切り抜いて、
photoshopを使用して足をぐるぐるさせた。
photoshopを使用して足をぐるぐるさせた。
さらに効果をつけてアニメっぽくする。
さらに効果をつけてアニメっぽくする。
あれだけ工作に苦労してできなかったのに、パソコンでアニメーションgifを作成してしまえばわずか数十分だ。しかしこの発想にたどり着くには、工作に費やした数日がなければありえなかったことだ。小さい山に登らなければエベレストに登ることはできない。全てはムダではない。

材料費の1万円もなくなったわけではない。ここにたどり着くために自己投資だと思えば安いものだ。…強がりではないぞ。強がりではないぞ!!
やはり足がぐるぐると言ったら犬に追いかけられているシーンが定番だと思う。
やはり足がぐるぐると言ったら犬に追いかけられているシーンが定番だと思う。
それから怒られて逃げるパターンだ。
それから怒られて逃げるパターンだ。
やはり足がぐるぐるの基本は「何かから逃げる」ということだ。そのシーンが定番で思いつくと思う。

あとはトムとジェリーなどのアニメで見られる、海外などを走り回るシーンも作成した。現実で工作でやっていたら世界を駆け回るなんて出来なかった。アニメーションgifで作ってよかった!!! あー! 工作やめてよかった!!!!!
タイの市場でぐるぐる
タイの市場でぐるぐる
スコットランドのおしゃれな街並みでぐるぐる
スコットランドのおしゃれな街並みでぐるぐる
イースター島のモアイの前でぐるぐる
イースター島のモアイの前でぐるぐる
僕はコンピュータとなり、コンピュータは僕となり足がぐるぐるになることに成功した。

パソコンってなんて素晴らしいんだろうか。足がぐるぐるするなど現実世界では不可能なことが簡単に表現できる。これからはパソコンの時代だ!!
現実
現実

1万円を使ってわかったのはパソコンは最高だということだ。なんでもかんでもリアルにやる必要はない。パソコンが最高だ。パソコンは僕であって、僕はパソコンであって、パソコンこそ僕なのだ。つまりはパソコンのパソコンによるパソコンのための僕なのだ。

あと結局記事を書き終わったのは、この記事の公開日の朝6時30分だった。眠い。遅刻しないように、足をぐるぐるにするほどダッシュして会社行かなきゃ。
うわー!!!!
うわー!!!!
もう、工作系の記事はこりごりだよ~!!
もう、工作系の記事はこりごりだよ~!!
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