特集 2017年3月20日

今週は桜が咲くのに冬の寒さも~あと出し天気予報

桜の開花は間近。でも、今週は寒気がやってきて、気温を下げます。
桜の開花は間近。でも、今週は寒気がやってきて、気温を下げます。
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:まだ春は遠いです 水曜は関東で雪も? ~あと出し天気予報

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

1週間を振り返る(東京都心周辺)

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。

水曜の雪予報はまずまずでした

水曜(15日)は、予報どおり雨が降ったが、イメージしていたより、やや長く降ってしまったので△。

この日は、天気予報によっては、「平野部で積雪のおそれ」と、あたかも都心で積もる可能性があるようなフレーズを使っていたところもあった。

でも、上空の気温や降水の強さから見て、「そんなのありえん!」と憤慨しつつ一蹴。けっきょく、東京都心では、気温が下がらず、雨だけだった。

最近、なんでもかんでも雪寄りにする天気予報が目立つのがイヤだ! もっと、ちゃんと予報しないと!!

…さりげなく予報に「みぞれ」を盛り込んで、こっそり保険をかけておいたのは内緒です。内心はちょっとドキドキしてました。
自信があるような顔して、内心は違うということ、けっこうあります。
自信があるような顔して、内心は違うということ、けっこうあります。

そろそろ雪シーズンは終わりのはずです

その水曜(15日)は、関東ではほとんど雨だったが、一部、茨城や千葉でうっすら雪が積もったところもあった。

このさき3月中は、関東の平野部で雪か雨かという気圧配置はなさそうなので、そろそろ今季の雪シーズンも終わりっぽい。

「偶数年に大雪の法則」というのがある。ある、というより自分が勝手に名付けただけだが。

近年の東京都心は、西暦が偶数年に大雪になる年が目立っている。

奇数年の2017年は、けっきょく東京は大雪はナシ。11月に雪という奇襲をくらったが、その後はけっきょく雪らしい雪はなかった。

ただ、4月に降ったこともあるから油断はできない。東京のもっとも遅い雪の観測は4月17日。11月の奇襲にはじまり、4月の奇襲に終わるなんてことになりませんように。

【今週のみこみ】 3月終わりだけど寒い日がけっこうありそうです

3連休から暖かさがつづいていたが、春への道はいったんストップ。火曜(21日)に低気圧がきて、各地に冷たい雨を降らせる。

その後は、じわじわと寒気がやってきて、冬っぽい寒さに。金曜(24日)~土曜(25日)頃は、けっこう冷えるところも。
白が雪が積もっているエリア。まだまだ冬のシベリアから、日本に寒気がやってくる。
白が雪が積もっているエリア。まだまだ冬のシベリアから、日本に寒気がやってくる。
そんななか、桜のつぼみは、これまでの気温などをもとに少しずつ成長をつづけていて、東京など開花が早い地点は、開花間近まで来ている。

桜の成長は、ちょっとした寒さでは急に止まれない。今週、寒くなっても、開花の便りがとどくはず。

結果は来週!

寒さのなかでの桜開花って、試合に負けたのに、2位のチームも負けて優勝が決まるような、ちょっと盛り上がりに欠ける展開。

桜よ、少しでも気温が上がる日に咲くとか、うまく空気を読むんだぞ。
!
今週の格言
『近年の東京は偶数の年に大雪が目立つ。でも、奇数の年に降るかもしれないので気は抜けない。』

詰め天気

前回(3/6)の出題は、「この天気図の日に起こったことはどれでしょう?」でした。

選択肢はこの4つ。
1)北海道で気温35℃を観測した所があった
2)石川県で直径10cmの雹(ひょう)を観測
3)岐阜県で湿度0%を観測した所があった
4)高知県で10cmの雪を観測
2005年4月9日朝。
2005年4月9日朝。
正解は「3)岐阜県で湿度0%を観測した所があった」でした。

この日の日本列島は、移動性高気圧に覆われて、広く晴れました。

もともと乾いた空気を持つ高気圧で湿度が低かったのですが、さらに、北風が山を越えてフェーン現象が起こったため、岐阜県の高山市で湿度0%を記録しました。

もちろん、0%と言っても完全に0%になったわけではなく、正確には0.5%未満で、四捨五入で「0%」となっています。

高気圧のまわりは時計回りに風が吹くので、図のような感じで北風が吹いたわけですね。風向きが、気温と湿度を大きく左右します。

「フェーン現象で湿度が低く、また、大きくみれば、移動性高気圧に覆われているので、晴れる。

これにより湿度が低くなる要因が全て揃っているので最小湿度0%もあり得ると思いました。(KMR(14才の気象人)さん)」


おみごと!

「岐阜県に吹く風が日本アルプス越えでフェーン現象により、湿度が下がる可能性はあります。というわけで、3)でお願いします。(はいまっとさん)」

いいですねー!

「答え(3)。北の乾いた空気とフェーン現象の合わせ技かな?(シヤーラインさん)」

そのとおり!

「初めて回答させていただきます。(トムさん)」

ありがとうございます。答えの考え方がいい感じでしたよ! その調子で次もぜひ!

今週の定石はこちら。
今週の定石
『春の晴れる日に、風が山を越えてくる風向きになると、かなり乾燥する』
今回、正解した皆さんはこちら。

はいまっとさん、かずしげさん、タコ社長さん、かまきりさん、金星さん、Tomoさん、hatenaさん、ディグさん、ふなさん、シヤーラインさん、ねずっこさん、おさかなマイスターさん、ポールさん、ニノさま、KMR(14才の気象人)さん、雄大積雲さん、メロポンさん。

正解した皆さん、おめでとうございます!


今週の問題はこちら。

今週の問題

この天気図の日に起こったことはどれでしょう?
気象庁天気図。
気象庁天気図。

(ヒント)

・ノーヒントでいってみましょう!

<答えはこの4つのどれかです>

1)2月なのに東京で大雷雨
2)3月なのに山形で熱帯夜
3)4月なのに北海道で30℃超え
4)5月なのに愛知県で雪

解答はこちらから↓
理由などとともにお願いします。
正解は再来週(4/3)に!
編集部より:増田さんへの質問を募集しています。投稿はこちら。


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