特集 2017年3月21日

サウスバイサウスウエスト(SXSW)でデカ顔箱がうけた

うけたと自分で言ってしまうのはどうかと思うけどなにとぞご了承ください
うけたと自分で言ってしまうのはどうかと思うけどなにとぞご了承ください
テキサス州オースティンで開催されたサウス・バイ・サウスウエスト(以下、SXSW)に顔が大きくなる箱を持って参加してきた。
うけるんじゃないかなと思っていたが、予想以上にうけた。
会期の後半では箱を持って歩いているだけで「それやりたかったんだ」と言われるほどだった。

※ 顔が大きくなる箱ってなんだ?というかたはこちらからどうぞ
1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:なるとから「ぬ」を出す

> 個人サイト webやぎの目

まずは動画をご覧ください

CREATE会場編
ストリート編
ね、本当でしょ、ということが伝わったところで基本的なところからの説明である。SXSWとはなんなのか、だ。

SXSWとはなんだ

「音楽や映画、インタラクティブ作品を集めた大規模なイベント」と言われたりしている。
よくわからない。

申し込んだきっかけは去年の5月 サンフランシスコ近郊で開催されたメイカーフェアでエンジンのついた鳥という謎の作品を見たことである。それにSXSWのステッカーが貼ってあったのだ。
こういうのが集まるイベントなら混ざってみたい、と思って申し込んだ
こういうのが集まるイベントなら混ざってみたい、と思って申し込んだ
行ってみてわかったのは、街中のライブハウスやホールを使っての音楽フェスで、その前哨戦としてテクノロジーの会社がデモを展示したり、カンファレンスが開かれている、ということだった。サングラスをした鳥が集まるイベントではなかった。
メインストリートは歩行者天国になっていて、いろんな店からバンドの演奏が聞こえるなか、amazonやグーグルが店を出していた。
店と言っても元からあるレストランなどを期間中借り切って、そこで展示やカンファレンスをしている。
amazonの店を覗いてる人が多いと思ったら
amazonの店を覗いてる人が多いと思ったら
配達用のドローンがぶら下がっていた。こんな感じでみんなドヤ感ある展示をしている
配達用のドローンがぶら下がっていた。こんな感じでみんなドヤ感ある展示をしている
コンベンションセンターではトレードショー(見本市)というまとまったイベントもあり、そこではいわゆる展示会のように企業がブースを出して自社商品を展示している。
FacebookやNASAなどのそうそうたる会社(団体)のほか、日本からも富士通やリコーなどの大企業がたくさん参加していた。
NASAブースにあった顔ハメ?
NASAブースにあった顔ハメ?
デイリーポータルZはトレードショーではなくCREATEというイベントに参加することにした。メーカームーブメント的な作品や体験型作品を展示するイベントである。
SXSWはバッジ(チケットのこと、一番安くて825ドル)がないと入れないイベントが多いのだが、ここは誰でも入れるのだ。デカ顔は誰でも体験して欲しいのでここにした。

CREATEってなんだ?

日本からSXSWに参加・見学する人はたいていトレードショーがメインでその人達に聞いても「は、CREATE?」みたいな反応だった。

やっべー。土地勘がないから、東京に仕事があるのに横浜に宿とるみたいなことをしてしまったか。

しかもだ。今回の不安はきりがない。
・英語のサイトで申込んだけどちゃんと受理されているのか
・デイリーポータルZからべつやくさん、弊社から同僚2名を連れて行ってなにもなかったらどうしよう。逃げるか
・Airbnbの宿のホストとのやりとりが英語(これまでは日本語が話せるホストを探してた)
・デカ顔用のダンボールは地元で買えるのか
・UBERがオースティンにはないらしい。移動はどうする
・テキサスだから飲み屋でビール頼んでも「坊やはミルクでも飲んでな」と言われるのではないか
困る。僕は牛乳を飲むと腹をこわすのだ。(問題はそこか)

渡航直前にはSXSWに参加する人はビザが要るという情報まで知ってしまい、YouTubeで30年前のCM動画ばかり見て意識を飛ばした。
(結局ビザはSXSW以外でも音楽の演奏をするパフォーマーは必要ということらしい。ただ状況や条件は変わるので該当する人は自力で調べてください)
でも行ってみたらUBER以外にもたくさんの類似サービスがあったので移動は問題なし。
でも行ってみたらUBER以外にもたくさんの類似サービスがあったので移動は問題なし。
引っ越し用品店のダンボールのバリエーションは日本以上だった(しかも安い)。
引っ越し用品店のダンボールのバリエーションは日本以上だった(しかも安い)。
デカ顔のレンズにぴったりの箱が買えたうえに、テキサスはじめてデス(英語)と言って店じゅうの人に「Welcome to Texas!」と言われて歓迎される。
デカ顔のレンズにぴったりの箱が買えたうえに、テキサスはじめてデス(英語)と言って店じゅうの人に「Welcome to Texas!」と言われて歓迎される。
Airbnbでとった宿は犬までついていた
Airbnbでとった宿は犬までついていた
この犬がなつっこくてかわいいのだが、写真に撮るとこういう顔にしかならかなった
この犬がなつっこくてかわいいのだが、写真に撮るとこういう顔にしかならかなった
アメリカの度を超えたホームセンターで
アメリカの度を超えたホームセンターで
デカ顔用の電池も購入(安い)。不安になってたくさん買うタイプである。
デカ顔用の電池も購入(安い)。不安になってたくさん買うタイプである。
ブースの設営も箱を組み立てるだけなのですぐ終わった(左から、べつやく、弊社河原、弊社瀬津)撮ってるのが林
ブースの設営も箱を組み立てるだけなのですぐ終わった(左から、べつやく、弊社河原、弊社瀬津)撮ってるのが林
メイカーフェアで見た巨大な鳥はいなかったが、CREATEには巨大ロボットがいた。

デカ顔のようす

顔が大きくなる箱は3日間CREATEで展示して、そのあとメインストリートに持ち出した。
そのようすは冒頭の動画のとおりである。

メインストリートはお祭り状態(夏の夜のドンキの駐車場か酉の市を想像してください)なので、ああいう箱を持っていっても歓迎される。怒られたりもしない。警備のために警官もいるがフレンドリーである。
警官もやってくれる
警官もやってくれる
これは昼で別の場所だけどATMを背負った男もいた
これは昼で別の場所だけどATMを背負った男もいた
体験した人がインスタグラムにbigfaceboxで投稿している写真もあるので顔が大きくなったアメリカ人の写真こちらをどうぞ。
Instagram #bigfacebox 検索結果(要インスタグラムログイン)

オーストリア(アルスエレクトロニカ)では寄り目をする人が多かったが、アメリカでは寄り目は多くなかった。

笑い上戸ぐあいで言うと、中国とアメリカは似ていた。どちらも年配の男性がよく笑うのだ。(若者はどこの国でもよく笑う)。
中国・深セン(2016.10)
中国・深セン(2016.10)
アメリカ・テキサス
アメリカ・テキサス
そうだ、ストリートで箱をかぶせていたら大笑いした人に3ドルもらった。アメリカではデイリーのマネタイズが可能かもしれない。

アメリカでのデカ顔リアクションあるある

動画の通り、アメリカ人はリアクションが派手である。
以前、野球を見に行ったらイニングのあいだのクイズ(球場モニターでだされるやつ)にみんな夢中になっていて、当たってガッツポーズしていた。日本だとふーんぐらいで見ている人が多いのだが。
そこに顔が大きくなる箱だ。鬼に金棒である。
そんなアメリカ人のリアクションで目立ったのがこの4つ。
笑いすぎて立てなくなくなる
笑いすぎて立てなくなくなる
「ちょっとこの顔みてよー(笑)」と写真を見せてくれる
「ちょっとこの顔みてよー(笑)」と写真を見せてくれる
踊る
踊る
親が子どもを笑わす
親が子どもを笑わす
展示会場をCREATEにしてよかったのは親子連れがたくさん来たことである。たいてい親が顔を大きくして子どもを笑わすのだ。これはアメリカだけではなく万国共通である。アメリカあるあると言っておきながらすまん。

親子という強い関係のなかに入り込んでいるので、内輪受けがブーストするのだ。これは得だ。きっとカラオケもそうだろう。
次もそういうものを作ろう。

顔が大きくなる箱は誰でも作れます

この箱の作りかた、使っている部品は公開しているので誰でも作ることができる。

顔が大きくなる箱の作りかた / How to make a Bigfacebox

アリババに安いレンズがあったのでそちらのリンクも追記しておいた。しかしアリババからものを買ったり、LEDテープへの半田づけが難しいので近日キットを発売予定である(弊社以外から!)

太陽を見ない、直射日光が当たるところに置かないという注意点を守って存分に顔を大きくしてください。
ストリートではほかの日本企業の説明スタッフやたまたまSXSWを見に来た日本人も手伝ってくれた。ありがとう!やりがい詐欺みたいだったけど!
ストリートではほかの日本企業の説明スタッフやたまたまSXSWを見に来た日本人も手伝ってくれた。ありがとう!やりがい詐欺みたいだったけど!
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