読めば読むほど面白い「100円ショップシルク 天六店」の貼り紙。匂い立つ人間味と親切心が徐々にクセになってくる。後日、またお店を訪れると「味にうるさい親父」こと店長らしき人物が、今まさに新しいメッセージを紙に書きつけているところだった。今後もどんどん語りかけてくれそうだ。
勢いよく語りかけてくる貼り紙の数々
天神橋筋商店街は一丁目から七丁目まで続いているのだが、その六丁目エリアにある「100円ショップシルク 天六店」がその店だ。「シルク」と言えば大手チェーンである。店ごとの個性なんてあまりないはずなのだが……。
目を細めて見る分には何の変哲もない100円ショップだ。
でも、少し近づくとすぐ変。「パワフルやから このウェットティシューよく拭き取れるよー」。
「サクサクピッツァ」というお菓子の下には「今たべてみました めちゃうまい」と書いてある。
店のいたるところに店からのメッセージを記した紙が貼られまくっているのだ。「売れてます!」とか「美味しいです!」ぐらいの手書きポップなら見かけることもあるが、この店の貼り紙は情報量がすごい!
すぐには読めない情報量。「なに 節約したい わかりました 私がお手伝いしましょう!!」と、こっちは何も言ってないのに語りかけてくる。
「私が居るかぎりいつもおいしいお菓子が108円です。断言します」。堂々たる宣言!
猛烈な勢いでフローリングワイパーシート推し
貼り紙の熱気にただただ圧倒されるが、中でも「フローリングワイパーシート」の推しっぷりはすごい。
「シルク一番の売れすじ 買って得、使って得 なっとくや」。
「1か月で10,000個の数が売れます。いい商品に決まってる」、「天神橋に住んでる方はほとんどの方が使ってます」。
「これ以上売れるか!限界を超えた数 1か月で10,000個の数が出る」。
と、3面使っての大プッシュ。貼り紙を読んでいると、見知らぬ貼り紙の作者の声が耳に聞こえてくるような気がするから不思議だ。すでに術中にはまっているような……。ワイパーシート、ちょっと欲しくなってきたぞ。
お菓子に対する並々ならぬ熱意も感じる。
お菓子に対する並々ならぬ熱意も感じる。
「最高においしいロッテのトッポ」、「春だフランだシルクだよ~」。
「売り切れ御免!!入荷しましたよ~パイの実」。
「味にうるさい親父がえらんで選び抜いてます」。
どうやらメッセージを発しているのは「味にうるさい親父」らしい。お菓子にかける親父さんの情熱が伝わってくるではないか。
もちろん店内でも語りかけてくる!
店の外だけでもうお腹いっぱいな感じだが、意を決して店内に足を踏み入れると、さらなるメッセージが!
「この時期ほんまにいやですよね~ 花粉 今ですよ マスク」。
「おこう 気分はインドやね 香りはリラックス」。
「スポイド、ここです」。文具売り場にはピンポイントな親切貼り紙が。
「うす型の丸いタイプの電池は必ず番号を合わせて下さい。合いませんので」。
こうして見ていくと、ちょっとおせっかいなだけで悪い人じゃなさそうだ。
2階でも引き続き語りかけてくる!
このお店は2階にも商品が陳列されているので、階段を上る。もうへとへと。しかし、階段を上り切ったすぐ左手の壁には「2階でよく聞かれる商品」の一覧が!
「タワシ類」、「におい消し」、「つっぱり棒」などとあって後から貼り足した紙に「一つ書きわすれました」とあるのがキュート。
ちょうど店員さんがいたので、「この面白い貼り紙はどなたが!?」と聞いてみると「うちの店長がね……もうどんどん、どんどん書くんです。笑うでしょー!」と笑顔で答えてくれた。店長の愛されぶりが伝わってきた。
ふりかけが売られている一角では「今日はどれにしようー こんなけもあったら迷うわー やっぱり定番ののりたまにしようー」と語りかけてくる。「うん、そうだね!そうしようか!」とうなづきそうになる。
よく見ると店内にも「フローリングワイパーシート」のコーナーがあってそこでも「在庫がいくらあってもたらん」と激プッシュ。どれだけ売れてるんだ!