特集 2017年4月4日
 

高田馬場のラーメンの味玉を食べ比べてみた

お金で買える幸せとはすなわち、味玉なんだと思う
お金で買える幸せとはすなわち、味玉なんだと思う
味玉。味のついた、内側がすこし半熟気味なたまごの総称である。なんであんなに美味しいのだろうか。値段も1個100円前後だ。

とくに、ラーメンに乗っている味玉を好んで食べているが、驚くことには、ラーメン屋さんがつくった味玉は、どこで食べてもだいたい美味いのである。

でも、「どこで食べてもだいたい美味い」って、かなり雑なのではないだろうか。そろそろ、自分にとってのベスト味玉を見極めてみたい。
1981年群馬県生まれ。イラストレーター兼OL。犬カキでしか泳げないことと、世の中のヘルメットの大半が自分の頭をすっぽり覆い切ってくれないことに細々と悩んでいます。納豆は大粒であればあるほど良いとおもう派。
> 個人サイト たぶん日記

ラーメン激戦区で味玉くらべをする

「ラーメン激戦区」と言われている場所がいくつもあるように思う。
自宅の近所・高田馬場もそうだ。
歩いているだけで、相当数のラーメン屋に遭遇する
歩いているだけで、相当数のラーメン屋に遭遇する
だがそんな好立地に住んでいながら、ラーメン全般にいたってうとい人間がいる。わたしである。

激戦ラーメン=行列、という先入観があった。行列並びたくなさから、ラーメン文化に体当たりすることを極力避けてきてしまった。
好きなラーメンを聞かれたら「美味しいラーメン」という、ぼんやりした解答をしてしまいがちだ
好きなラーメンを聞かれたら「美味しいラーメン」という、ぼんやりした解答をしてしまいがちだ
せっかく近所なのだ。激戦地で味玉、食べ比べてみようじゃないか。

1店目「やったる」

「やったる」は、高田馬場駅から歩いて2分くらいのところにあった。お昼時だったので若干混んでいたが、到着してほどなく席に着けた。
威勢のよさそうな名前
威勢のよさそうな名前
メニュー写真の中の味玉が、すでに美味そうだ
メニュー写真の中の味玉が、すでに美味そうだ
100円ガチャで何かしらサービス券が出てくるしくみになっていた
100円ガチャで何かしらサービス券が出てくるしくみになっていた
味玉が4等。ガチャの値段を考えれば相応しいジャッジなのだが、味玉好きとしては複雑な心境である。
来た。2分割されている!
来た。2分割されている!
ちなみに1店目の訪問にうきうきして思わず、「油そば味付き玉子付き」に味玉をトッピングしている。W味玉だ。さらには、2分割されているから4つに見えるのだ。最高すぎてしまう。
見ているだけでうっとりする
見ているだけでうっとりする
カメラを寄せずにはいられない艶
カメラを寄せずにはいられない艶
うつくしい
うつくしい
ビジュアルからはこってり濃厚な印象をうけていたが、食べたら思いのほかさっぱりとしていた。見た目と中身に、大きなギャップを感じる。
「自分、サバサバしている」といいながら粘着質な人の逆バージョンっぽい
「自分、サバサバしている」といいながら粘着質な人の逆バージョンっぽい
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写真だと黄身がかなり液体っぽいが、実際はそこまでしたたっていく感じでもなかった
写真だと黄身がかなり液体っぽいが、実際はそこまでしたたっていく感じでもなかった

2店目「よし丸」

次は、看板のラーメンの器から豚の尾尻が生えているこのお店だ。
瞬時に、材料に豚を使っているのだと悟った
瞬時に、材料に豚を使っているのだと悟った
店頭のメニューがごりごりの味玉推しに見える
店頭のメニューがごりごりの味玉推しに見える
この艶を見せつけられたらもう、頼まずにいられようか
この艶を見せつけられたらもう、頼まずにいられようか
ああ、こっちも……
ああ、こっちも……
店頭に、こんなグラビア出しちゃっていいのだろうか
店頭に、こんなグラビア出しちゃっていいのだろうか
来た!たまごと汁の色が、反転しているようにも見える
来た!たまごと汁の色が、反転しているようにも見える
これ、発光していないか?
これ、発光していないか?
割り箸で割ったらひどい形になってしまったが、うるうるである
割り箸で割ったらひどい形になってしまったが、うるうるである
肉がほろほろ!
肉がほろほろ!
今回、味玉に焦点をあてるならば、肉はなんとなく食べる程度にとどめようと
思っていた。だが、この店のお肉たるや。口の中でじわっとほぐれていくさまがもう、チャーシューというよりもむしろ角煮である。
角煮がどどん、と乗っているかんじ
角煮がどどん、と乗っているかんじ
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3店目「末廣」

さらに続ける。
記憶の中のラーメン屋をなぞるような暖簾
記憶の中のラーメン屋をなぞるような暖簾
生玉子トッピングもある
生玉子トッピングもある
ネギが食べ放題だった。ラーメンどんぶりがネギで埋まっている姿って……壮観!
ネギが食べ放題だった。ラーメンどんぶりがネギで埋まっている姿って……壮観!
おおおお、黒い!
おおおお、黒い!
黒い汁の中に浮かぶ味玉は、白さとつるつる感がきわだって見える
黒い汁の中に浮かぶ味玉は、白さとつるつる感がきわだって見える
焼き飯が気になって頼んでみたところ、視界の中、茶色が占める割合が9割超えした
焼き飯が気になって頼んでみたところ、視界の中、茶色が占める割合が9割超えした
生玉子にも手を伸ばした
生玉子にも手を伸ばした
うっとり
うっとり
たまごをぶすっと刺して放つと、焼き飯とたまごの親和性の高さを感じた。と、そこで思ったのである。味玉も焼き飯の上で食べる方が、美味しいのではないかと。
のせてみた
のせてみた
でも、味玉は味玉だった。合うとか合わないじゃない。焼き飯とは独立して、存在しているというか……
でも、味玉は味玉だった。合うとか合わないじゃない。焼き飯とは独立して、存在しているというか……
しまった。ひとつ気がついてしまった。味玉って、そばにある炭水化物との親和性があってもなくても、あんまり関係ない気がする。ただそこに置いてあれば、絶対的な正義になってしまう。
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どうしよう。今、味玉をラーメンにのせて食べる意義を見失いかけてしまっている。

4店目「表裏」

でも続けよう。次のお店だ。
花見帰りに、ふらっとやってきた
花見帰りに、ふらっとやってきた
おお。なんだか全体的に、ラーメンの標高が高い
おお。なんだか全体的に、ラーメンの標高が高い
味玉あった!
味玉あった!
さらに、半分サイズがあることも発見してしまった
さらに、半分サイズがあることも発見してしまった
標高の高いラーメンたち、花見直後のお腹に入るのか心配すぎたから無難な道をえらびます
標高の高いラーメンたち、花見直後のお腹に入るのか心配すぎたから無難な道をえらびます
きました。ハーフでもそれ相応のボリュームを感じる
きました。ハーフでもそれ相応のボリュームを感じる
トーンバランスが良いのだろうか。味玉は周囲にすっかり溶け込んでいるように見える
トーンバランスが良いのだろうか。味玉は周囲にすっかり溶け込んでいるように見える
味玉を割り箸できれいに分断出来る方法、あったら知りたい(きたなくてすみません)
味玉を割り箸できれいに分断出来る方法、あったら知りたい(きたなくてすみません)
で、肝心の味だ。2つ上の写真のキャプションで「周囲にすっかり溶け込んでいるように見える」と書いていたが、そうでもなかった。

味玉とスープの味はそれぞれ、独立した別の存在だった。味玉はだしの効いた味わい、一方のラーメンは辛さが主体だ。目指す方向が別にある。極端にいうと、理系と文系くらいちがうんじゃないだろうか。

でも、むしろ好きだ。ラーメンを味わう合間に、別のおかずを食べているような気持ちになれる。
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5店目「渡なべ」

まだまだいこう。
隠れ家居酒屋みたいなお店の入り口
隠れ家居酒屋みたいなお店の入り口
しっとりと大人びた雰囲気のやつ、きました
しっとりと大人びた雰囲気のやつ、きました
味玉は相変わらずつるつる
味玉は相変わらずつるつる
余談だがメンマが大きいことに衝撃が走った。ネギの下に隠れていたのは、サプライズなのだろうか
余談だがメンマが大きいことに衝撃が走った。ネギの下に隠れていたのは、サプライズなのだろうか
箸で割った途端、あふれてきた黄身の液体
箸で割った途端、あふれてきた黄身の液体
すごく、すごく柔らかかった。丁重にあつかわなくてはいけない味玉だと思った。

ここまで「味玉は、ラーメンとの親和性に関係なく美味い」と、言ってきていたけど、これに関してはラーメンとすごくよく合っている。味玉を食べたあと、ラーメンの汁を飲んでうっとりとしてしまった。
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6店目「ひまわり」

これでさいごです。
この灯り加減、夜遅く仕事終わったあとに見るとたまらない
この灯り加減、夜遅く仕事終わったあとに見るとたまらない
待っている途中、たまねぎがぽんと置かれていった
待っている途中、たまねぎがぽんと置かれていった
おお、きました
おお、きました
巣の中のたまごのよう
巣の中のたまごのよう
さいごまでとっといたところ、うつくしい景色ができあがっていた
さいごまでとっといたところ、うつくしい景色ができあがっていた
思わず接写
思わず接写
そして開封
そして開封
ああ、良い。時間を止めたい
ああ、良い。時間を止めたい
ぼうっとしていると黄身がどんどん垂れて行っちゃうんだが、呆然とながめていたい気持ちになる。ちなみに味だが、全体としては薄味でさっぱり、黄身はわりとこってりとしていた。
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気がついたことには

味玉はお店によって少しずつ異なる味ではあるものの、大きな変化はなかった。なんせ安定性がある。ありすぎていたのだ。

それに対して、ラーメンの振り幅は広い。広すぎていた。6店行ったが、この食べ物のすべてを「ラーメン」という名称1つでくくってしまっていいものなのか、不安になるくらいだ。1つ1つのラーメンが、まったく別の食べ物であった。
結論

味玉はやっぱりどのお店もだいたい美味しいので、どこが1番とかは全く決められなかった。だからむしろ、ラーメンの好みでお店を選ぶのがいいんじゃないだろうか?
「それ、もう知っていた!」という人が沢山いそうな結論に行き着いた気もする。でもこれって、それぞれのお店の気合いのたまものなんじゃないだろうか。

「味玉、どこで食べてもだいたい美味い」というざっくりとした感想を抱けてしまうのは、その気合いの恩恵ゆえなんだと実感として思った。

お金で買える幸せは、味玉だけじゃなかった

やっと。今になってやっとラーメンってこんなに美味かったのか!と開眼した。すべてのラーメンに対してお詫びしたい気持ちだ。

時間を外せば、並ばずに入れるというのも発見だった。お金で買える幸せは味玉だけじゃなかったのだ。小銭にものを言わせて、幸せを買い続けたい。
あとラーメンを食べている時に飲む水、ふだんの5割増ぐらいで美味しいきがするので飲みつづけたい
あとラーメンを食べている時に飲む水、ふだんの5割増ぐらいで美味しいきがするので飲みつづけたい
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