みじかい記事 2017年4月7日
 

東京駅八重洲地下街の麻婆豆腐カレーを食らう

幸せな混乱
幸せな混乱
松屋にむかし限定メニューで登場した「麻婆カレー」を食べて混乱した、という話を聞いた。どうやら味の解釈に悩むタイプの食べ物らしい。

なんだそれは。どんな味なんだそれは。わたしも、食べて混乱におちいってみたい。
1981年群馬県生まれ。イラストレーター兼OL。犬カキでしか泳げないことと、世の中のヘルメットの大半が自分の頭をすっぽり覆い切ってくれないことに細々と悩んでいます。納豆は大粒であればあるほど良いとおもう派。
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東京駅へ行こう

だが、残念ながら麻婆カレーはもう、松屋で販売していないとわかった。「他に置いているお店はないかな」とググってみたところ、ヒットしたのが、東京駅の八重洲地下街にある「アルプス」だった。
写真はかつカレー
写真はかつカレー
「麻婆カレー」ではなく、「麻婆豆腐カレー」がメニューにあるらしい。「豆腐」のことばまできっかり入れてきたあたりに、豆腐への気合いを感じる。

ちなみに「アルプス」は、カレー屋である。その中でも、がっつり勢いよくごはんとカレーが盛り込まれているタイプの、C&Cみたいな系統のお店だ。
ところで東京駅ではいつも迷子になる。今日も迷った
ところで東京駅ではいつも迷子になる。今日も迷った
迷うたびに誘惑が目の前に押し迫ってくる。歓楽街だ
迷うたびに誘惑が目の前に押し迫ってくる。歓楽街だ
わたしには心に決めた場所(アルプス)があるのに
わたしには心に決めた場所(アルプス)があるのに
視界に入ってくることを拒めないものばかりだ
視界に入ってくることを拒めないものばかりだ
どうにか辿り着いた!
どうにか辿り着いた!
券売機のボタンが大きい。勢いを感じる
券売機のボタンが大きい。勢いを感じる
「麻婆豆腐」の文字だけが妙に浮いている……ように見えるのは初心者だからなんだろうか
「麻婆豆腐」の文字だけが妙に浮いている……ように見えるのは初心者だからなんだろうか
食券を提示して、しばしのあいだ待つ。店員さんのカレーの盛り方にも、勢いを感じる
食券を提示して、しばしのあいだ待つ。店員さんのカレーの盛り方にも、勢いを感じる
丁寧に盛られた料理は丁寧に食べたくなるし、がっつりと盛られた料理は、がっつり食べたくなる。盛られている様子を見ていると、この後口いっぱいにこのカレーを食らっていく自分のすこやかな未来が見えてくる気がした。
やっと会えた!
やっと会えた!
この、フォークみたいなスプーンを選んだのは正解なんだろうか
この、フォークみたいなスプーンを選んだのは正解なんだろうか
店内は、ほぼサラリーマンに満ち満ちている。無心でただ食と向き合っていますと言わんばかりの背中ばかりだ。ますます「食べるぞ!」という気合いに、助走がかかる。
カレーと麻婆豆腐、まだ混ざっていないな
カレーと麻婆豆腐、まだ混ざっていないな
どこまでどう混ぜるのかは、自分に託されているのか
どこまでどう混ぜるのかは、自分に託されているのか
目になじむといえば目になじむ。さすが同系色だ。でも、おかしいといえば、おかしい。混ぜたらいったいここで何が起きてしまうんだろう。
カレーは海のようだ
カレーは海のようだ
容量的には本物の海にはまったくかなっていない。だが、ごはんという砂浜を十分に覆い尽くせるくらいのカレーがある状態は、海って思わず呼んでしまいたくなるのだ。そのくらいに、心が容量に満足している。
まずはカレーをたべてみる。わりと辛い
まずはカレーをたべてみる。わりと辛い
続いて、麻婆豆腐を。あれ、こちらは甘い!くだものの旨味が入っていそうな甘さだ(憶測)。四川風じゃない
続いて、麻婆豆腐を。あれ、こちらは甘い!くだものの旨味が入っていそうな甘さだ(憶測)。四川風じゃない
そして両方同時に食べてみる
そして両方同時に食べてみる
辛みと甘みの中和がおこった!
辛みと甘みの中和がおこった!
おいしいかまずいかと聞かれたら、迷わないで「おいしい」と答える味だ。

だけど、「おいしい」の幅は広い。どうおいしいのかについても、言及したい気持ちがある。なんだろうこれは。

わからない。何口食べても、「おいしい」以外にどう表したらいいのか、悩んでしまった。混乱って、こういうことなのだろうか。だとすればこれは、なんて楽しいだけの混乱なんだろう。
食べおわる数口前には、「おかわりしたい」という気持ちが芽生えていた
食べおわる数口前には、「おかわりしたい」という気持ちが芽生えていた
そして2皿目
そして2皿目
よそう時にはみ出したルーが、このお店のカレーの勢いを象徴している気がする
よそう時にはみ出したルーが、このお店のカレーの勢いを象徴している気がする
食べていると、首のうしろを汗がつたっていくのがわかった。辛みによる刺激だ。鼻周辺でも、なにかわき出している。汗的な意味で、自分がきらきらしているのを感じて、少し恥ずかしい。
でもうまいわ
でもうまいわ
そんなことを考えながら、2皿目も完食した。おなかがずしんと重くなっていたけど、後悔はない。

違和感はほぼなかった

美味かった。これ、今後も何度となく食べるんじゃないだろうか。いや、むしろなぜ今までここに寄り道をせずに生きてこられたのだろう。

「麻婆豆腐」と名前のついたどろっとした半液体が甘かったからこそ、うまく成り立っていた気もしている。花椒たっぷりの辛い麻婆豆腐と混ぜたらどうなるのかも、知りたいなと思う。
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