みじかい記事 2017年4月10日
 

崎陽軒のシウマイ弁当の「筍煮」を再現してみた

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駅弁界のスター、崎陽軒の「シウマイ弁当」。
その完璧ともいえる布陣のおかずラインナップの中でも、縁の下の力持ち的な実力で高い人気を誇る「筍煮」。
「一度でいいから口いっぱいにほおばってみたい!」という夢を実現するため、自宅で再現してみました。
1978年東京生まれ。酒場ライター、他。酒カルチャー雑誌「酒場人」監修をはじめ、いろいろとやらせてもらってます。

全国に数多くある駅弁の中で、ベスト駅弁として崎陽軒の「シウマイ弁当」を挙げる方は多いですよね。
海鮮系や高級食材系のような派手さはないですが、手堅い実力とバランス感覚で、主食にも酒のつまみにもなる名駅弁です。
駅弁にしてはリーズナブルな、830円という値段も魅力
駅弁にしてはリーズナブルな、830円という値段も魅力
デパ地下で買って初めて家で食べてみたけど、やっぱりうまい
デパ地下で買って初めて家で食べてみたけど、やっぱりうまい
この、なんとも愛おしいシウマイ弁当の魅力を縁の下の力持ち的に支えているおかずといえば、お好きな方ならもうピンときているかもしれません。


そう、
「筍煮」!
「筍煮」!
コロコロと小さめにカットされ、甘辛く煮込まれたタケノコ。
これが地味ながら、抜群のアシスト力を発揮するんですよね!

僕は、醤油たっぷり、カラシをちょっと付けたシウマイを半分かじり、1ブロックの半分のもっちりご飯を口に入れ、そこにポイっと味の強い筍煮をひとつ放り込んでよ〜く噛み、それをつまみにビールを飲むのが大好き。
むしろ、新幹線の中でその幸福感を味わうために旅に出ているとさえいえます。

ここまで読んだ時点で、首をおかしくするほど「うんうんうん!」と同意してくださっている方も多いんじゃないでしょうか?

となれば、こう考えるのは必然ですよね。
「あの筍煮を思う存分食べてみたい!」

駅弁のおかずにしてはかなりたっぷり入っているとはいえ、やはりバランスを考えながら食べ進めないといけないことには変わりなく(それが駅弁の楽しみでもあるんですが)、一度でいいからあの筍煮をガッサーッとレンゲですくって、口いっぱいにほおばりたい!
子供じみた夢ですが、確かそういうのを実際にやっちゃっていいのがデイリーポータルZでしたよね?

というわけで、自宅での再現に挑戦してみましょう!

まずはあらためて筍煮と向き合う

弁当から取り出してみました
弁当から取り出してみました
なんのわだかまりもない状態で、筍煮と向き合うために。
意外に、黒い。
宝石のような深みと輝き
宝石のような深みと輝き
数えてみると、大小様々な筍片が、24個ありました。
いい数。

次に、おごそかに口へと運び、ゆっくりと味わってみます。

まず感じられたのは、春風のようなタケノコ独特の風味。
次に、醤油の塩気が軽めにやってきます。
驚くべきは、続いて口中に広がる、過剰ともいえる甘味!
「筍煮……お前そんなに!」っていう甘さで、そのレベルはもはやスイーツの域。
ダシっぽさのようなものはほとんど感じられず、最後にふわりと木の香りが鼻腔をくすぐり去っていきますが、これはお弁当の木製のふた由来のものだと思われ、自宅での再現は難しいかも。

なるほどこういう味だったか。
というわけで、木の香り以外の、筍煮本体の味わいを極力再現していきたいと思います。

調理開始

まずは、タケノコを1.5cm角くらいに切ります。

旬のタケノコが手に入るならそれに越したことはないですが、もしパックの水煮などを使う場合は、保存のために酸味料などが使われていることがあるので、一度この状態で15分くらい茹で、さらにしばらく水にさらしておくと酸味が抜けるようです。
中型の鍋に敷き詰められるくらいの量を用意してみました
中型の鍋に敷き詰められるくらいの量を用意してみました
酒:50cc、醤油:50cc、みりん50cc、砂糖:50グラムを注いで煮詰めていきます
酒:50cc、醤油:50cc、みりん50cc、砂糖:50グラムを注いで煮詰めていきます
煮物としては少し甘めに、酒、醤油、みりん、砂糖を1:1:1:1というイメージですね。
もちろん傍らには常に本家の筍様を置き、イメージが離れていかないように
もちろん傍らには常に本家の筍様を置き、イメージが離れていかないように
グツグツグツグツ
グツグツグツグツ
このあたりでちょっと味見してみたところ、まだ甘味が足りないようだったので、さらにみりん50ccを追加。
甘いんだな〜、崎陽軒の筍煮!

現在の比率は、酒、醤油、みりん、砂糖を1:1:2:1
たまに混ぜながら
たまに混ぜながら
水気がなくなるまで
水気がなくなるまで
とりあえずこんなもんでいいんじゃないかな?

ここでもう一度味見をしてみると、方向性はかなり近いながらも、まだまだなじんでないというか、ちょっと若い味。
そこで一晩冷蔵庫で寝かしてみたところ……
ち、近いー!!!
ち、近いー!!!
これ、見た目かなりいいんじゃないでしょうか!?
知ってる人に見せたら「あ! あのタケノコ!」って言うこと間違いなしの仕上がり。
ほらほら!
ほらほら!
しかもこの、前代未聞の量!
一部の方はこの写真を見て異常に興奮しているに違いありません。
ほぅ〜らほら!
ほぅ〜らほら!
今すぐレンゲですくって、ポロポロポロポロと口の中に吸い込んでいきたい衝動にかられるでしょう!?

いざ実食

まずは2、3粒つまんで口の中に放り込んでみると、これがなかなかの再現度!
本物はさらに甘かったような気もするんですが、大量生産かつ日持ちを考えた製法と、家庭調理の違いということで納得できるレベルです。

せっかくたくさんあるので、ちょっとアレンジもしてみました。
こんなこと、24粒の本物では絶対できない!
「崎陽軒風筍煮の鰹節和え」
「崎陽軒風筍煮の鰹節和え」
一味を振って。
うまくないわけがないですね。
「崎陽軒風筍煮とメンマのラー油和え」
「崎陽軒風筍煮とメンマのラー油和え」
あ! これいい!
筍煮の味の方向性として手薄な「しょっぱ味」をメンマが補い、かつ2種類のタケノコの形の違いによる食感の多様性が生まれて、ご飯が2合食べられます。
おすすめ。

最後は思う存分筍煮を!

ではいよいよ暴挙に出てしまいましょう。
とりあえず今回シュウマイは主役ではないので、出来合いのものを買ってきて、ご飯と筍煮を器に盛りつければ……
「比率のおかしいシウマイ弁当風定食」
「比率のおかしいシウマイ弁当風定食」
完成〜!!!

どうでしょう?
今まで常に他のおかずの陰に隠れていた筍煮が、ご飯よりもたっぷりの量でその存在感を主張しています!
主役だから正面はこっち
主役だから正面はこっち
やった〜! ついに夢がかなったぞ?!

崎陽軒はやっぱりすごかった

最後に、「比率のおかしいシウマイ弁当風定食」を途中まで食べてみての僕の感想ですが、ずばり「崎陽軒のバランス感覚は完璧」でした。
何でも好きなだけ食べられれば幸せってもんではないですね。
が、この「崎陽軒風筍煮」は、家庭の常備菜としてもとっても良いものだと思いますので、気になった方はぜひ作ってみてください。
家で数日で消費する前提なら、ここまで甘くせず、酒、醤油、みりん、砂糖を1:1:1:1でもいいかも〜。
ま、お好みで!
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